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明日の君が笑顔なら 16
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そこからは驚きの連続だった。
まず、これからの行為とそれに使う器官について限りなく丁寧に説明された。
そのあとで、身体が硬直してしまうのを柔らかな声に何度も宥められながら、これから使うその器官に慎重に指を入れられた。
はじめは異物感に襲われて泣きそうになった。
でも、しばらくそうされているとだんだん指で中を広げられる感覚が快感になってきて、今度は擦られるたびに嬌声をあげてしまうのが恥ずかしくて泣きそうになった。
どれだけそうされていただろう。
はじめは1本だった中の指が3本に増えて、何とか中を滑ることができるようになったとき、“あや”、と、真剣な表情をした北瀬にじっと見つめられた。
「あや、そろそろあやの中、入ってもいい?」
綺麗な白い額に汗を浮かべながら、ひどく艶を帯びた低い声で囁かれる。
「んっ…ぅ… 」
すでに中で暴れ回っている熱を彼の声でさらに加速させられて、小さく声が漏れた。
その傍らで、考える。
北瀬とその部分で繋がるなんて、本当にできるのだろうかと少し怖い。
礼人だって男だから、屹立した性器の大きさは知っている。あれが、本当にこんな小さな場所に入るのだろうか、と甚だ疑問だ。
でも、考えた末に行き着いたのは北瀬となら大丈夫だという根拠のない自信で。
それに、北瀬が礼人を傷つけるわけがない、とも思った。きっと、上手くいく。
不安げなシトリンの瞳を覗きながら、こくりと頷いた。
瞬間、その瞳が泣きそうに優しく細められて、同時にあまい口づけを落とされて。
長い指が中から抜かれ、下をくつろげた北瀬がそっと覆い被さってきた。
彼との距離の近さに、どうしようもなく身体を熱くさせられる。
「あや、綺麗。」
いよいよかと思って目を閉じ身構えたら、唐突に綿菓子のように柔らかな声と共に頭を撫でられた。
「そんな、こと… 」
戸惑いながら、必死に言葉を返す。これ以上大切そうにしないでほしい、と思った。ときめきと愛おしさで心臓が壊れて、再起不能になってしまうから。
「本当に、綺麗だよ。本当にずっと前から、こうしたかった。…って言ったら、引かれちゃうかな。」
礼人の心のうちなど知らない北瀬が照れ臭そうに笑って、その様子にもまた胸が切なくぎゅっと締め付けられる。
本当に、どうしようもない。どうしようもなく、彼が好きだ。
「…りとさん、もう、したい…。」
たまらず紡げば、余裕のなさげに眉を顰めた北瀬が、礼人の開かれた足の間にそっと熱欲の先端を押し付けた。
まず、これからの行為とそれに使う器官について限りなく丁寧に説明された。
そのあとで、身体が硬直してしまうのを柔らかな声に何度も宥められながら、これから使うその器官に慎重に指を入れられた。
はじめは異物感に襲われて泣きそうになった。
でも、しばらくそうされているとだんだん指で中を広げられる感覚が快感になってきて、今度は擦られるたびに嬌声をあげてしまうのが恥ずかしくて泣きそうになった。
どれだけそうされていただろう。
はじめは1本だった中の指が3本に増えて、何とか中を滑ることができるようになったとき、“あや”、と、真剣な表情をした北瀬にじっと見つめられた。
「あや、そろそろあやの中、入ってもいい?」
綺麗な白い額に汗を浮かべながら、ひどく艶を帯びた低い声で囁かれる。
「んっ…ぅ… 」
すでに中で暴れ回っている熱を彼の声でさらに加速させられて、小さく声が漏れた。
その傍らで、考える。
北瀬とその部分で繋がるなんて、本当にできるのだろうかと少し怖い。
礼人だって男だから、屹立した性器の大きさは知っている。あれが、本当にこんな小さな場所に入るのだろうか、と甚だ疑問だ。
でも、考えた末に行き着いたのは北瀬となら大丈夫だという根拠のない自信で。
それに、北瀬が礼人を傷つけるわけがない、とも思った。きっと、上手くいく。
不安げなシトリンの瞳を覗きながら、こくりと頷いた。
瞬間、その瞳が泣きそうに優しく細められて、同時にあまい口づけを落とされて。
長い指が中から抜かれ、下をくつろげた北瀬がそっと覆い被さってきた。
彼との距離の近さに、どうしようもなく身体を熱くさせられる。
「あや、綺麗。」
いよいよかと思って目を閉じ身構えたら、唐突に綿菓子のように柔らかな声と共に頭を撫でられた。
「そんな、こと… 」
戸惑いながら、必死に言葉を返す。これ以上大切そうにしないでほしい、と思った。ときめきと愛おしさで心臓が壊れて、再起不能になってしまうから。
「本当に、綺麗だよ。本当にずっと前から、こうしたかった。…って言ったら、引かれちゃうかな。」
礼人の心のうちなど知らない北瀬が照れ臭そうに笑って、その様子にもまた胸が切なくぎゅっと締め付けられる。
本当に、どうしようもない。どうしようもなく、彼が好きだ。
「…りとさん、もう、したい…。」
たまらず紡げば、余裕のなさげに眉を顰めた北瀬が、礼人の開かれた足の間にそっと熱欲の先端を押し付けた。
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