41 / 57
ep39
しおりを挟む
「じゃ、ばーいばい。」
蘭が目配せしたと同時に、桃香を抑えていた男たちがこの雨の中、傘も渡さずに桃香を外へ放り出す。
そのぞんざいな扱いを怒ると同時に、約束通り彼女が解放されたことに安心した自分がいた。
…それもつかの間。
ばたん、鈍い音がした。
目をやると、目の前の紅司が床に崩れ落ちていた。
「ねえ、すごいでしょ?速攻で手足の力が抜けるの!
まあ、3日くらい、ほとんど自分の思うように手足を動かすのはできないかな。ほら、何してんの?はやくそこの椅子にくくりつけて。」
蘭の指示で、紅司の周りに黒いスーツの男たちが群がり、重たげな椅子に手足を括り付けた。
もちろん、目隠しはしたままで。
こいつは何を考えているのか、本当にわからない。この様子を楽しそうに笑って見ているところからして、やはり彼はどこか狂っている。
「あのね、僕はあんまりそういうの興味ないんだけど、僕の雇い主ね、愛染家に融資を断られたから怒っちゃったんだって。
だから、跡取りを人質に取ろうって思ったの。紅司は、お金の契約が済んだら、返してあげる。
でね、一葉さん。」
…そういうことか。
させない、と思いたいが、今の自分に何ができるのだろう。
まず紅司への対策として、何人かはノーマルが混じっているはずだ。
一葉が拘束されないことを考えると周りは一葉のことをSubだと断定している可能性が高い。
しかし一葉がDomに切り替えてglareを放ったとして、ノーマルの動きは止められない。だとすると紅司に危険が及ぶ可能性がある。
それに、一葉より強いDomがいたら?それこそ取り返しがつかない事態だ。
考えていると、脳に響くほどの衝撃が背中に走った。
「一葉さん、聞いてる?
一葉さんは、僕のものになるんだよ!
なんか癖になっちゃってさ、あの、全然屈服しない感じとか!だから、紅司じゃなくて僕のパートナーになってね!」
…まて、この人今なんて言った?かずはさんは、ぼくのパートナーに…?
意味がわからない。嫌なことにもほどがある。性器にナイフを突きつけるような奴とパートナーシップが築けるわけがない。
「ねえ、そんな嫌そうな顔しないでよ、虐めたくなる。」
「いだっ!!」
相変わらずニコニコと笑みを浮かべたまま、一葉の背中の、先程殴られた部分を蘭が一気に踏みつける。
「んー、これ以上抵抗されると楽しくて殺しちゃいそう。
…ねえ、Dom性の人、手、挙げて?」
蘭の呼びかけで、場にいた3分の2ほどが手を挙げる。
「この状態で主人の前で輪姦されたらどうなるかな?ねえ、dropするかな!?」
蘭は楽しくてたまらない、というようにキラキラした目で手を挙げた男のうちの1人に問いかけた。
まるで宝石を前にした女性のようだ。胸元の前で指先を合わせ爛々としている。
「…そうですね、蘭様。恐らくはそうなるでしょう。」
その言葉を聞いて、余計に彼の機嫌はよくなって。
「そっかー!心が壊れた一葉さんもいいなー見てみたい!ねえ、僕ちょっとやることあるから、Dom性の人、残ってそこのSubやっちゃって!
…あっ!あと、ムービー撮っておいてね!後で一緒に見るから!!」
「…かしこまりました。」
たたたっと駆け出して蘭は向こうの部屋へと消えていった。消える前に一度一葉を振り返り、
「君の主人、動けないけど喋れるし、意識ははっきりしてるから。見せられないのは残念だけど、せいぜいイイ声で鳴いてあげてね。」
と言い残して。
蘭が目配せしたと同時に、桃香を抑えていた男たちがこの雨の中、傘も渡さずに桃香を外へ放り出す。
そのぞんざいな扱いを怒ると同時に、約束通り彼女が解放されたことに安心した自分がいた。
…それもつかの間。
ばたん、鈍い音がした。
目をやると、目の前の紅司が床に崩れ落ちていた。
「ねえ、すごいでしょ?速攻で手足の力が抜けるの!
まあ、3日くらい、ほとんど自分の思うように手足を動かすのはできないかな。ほら、何してんの?はやくそこの椅子にくくりつけて。」
蘭の指示で、紅司の周りに黒いスーツの男たちが群がり、重たげな椅子に手足を括り付けた。
もちろん、目隠しはしたままで。
こいつは何を考えているのか、本当にわからない。この様子を楽しそうに笑って見ているところからして、やはり彼はどこか狂っている。
「あのね、僕はあんまりそういうの興味ないんだけど、僕の雇い主ね、愛染家に融資を断られたから怒っちゃったんだって。
だから、跡取りを人質に取ろうって思ったの。紅司は、お金の契約が済んだら、返してあげる。
でね、一葉さん。」
…そういうことか。
させない、と思いたいが、今の自分に何ができるのだろう。
まず紅司への対策として、何人かはノーマルが混じっているはずだ。
一葉が拘束されないことを考えると周りは一葉のことをSubだと断定している可能性が高い。
しかし一葉がDomに切り替えてglareを放ったとして、ノーマルの動きは止められない。だとすると紅司に危険が及ぶ可能性がある。
それに、一葉より強いDomがいたら?それこそ取り返しがつかない事態だ。
考えていると、脳に響くほどの衝撃が背中に走った。
「一葉さん、聞いてる?
一葉さんは、僕のものになるんだよ!
なんか癖になっちゃってさ、あの、全然屈服しない感じとか!だから、紅司じゃなくて僕のパートナーになってね!」
…まて、この人今なんて言った?かずはさんは、ぼくのパートナーに…?
意味がわからない。嫌なことにもほどがある。性器にナイフを突きつけるような奴とパートナーシップが築けるわけがない。
「ねえ、そんな嫌そうな顔しないでよ、虐めたくなる。」
「いだっ!!」
相変わらずニコニコと笑みを浮かべたまま、一葉の背中の、先程殴られた部分を蘭が一気に踏みつける。
「んー、これ以上抵抗されると楽しくて殺しちゃいそう。
…ねえ、Dom性の人、手、挙げて?」
蘭の呼びかけで、場にいた3分の2ほどが手を挙げる。
「この状態で主人の前で輪姦されたらどうなるかな?ねえ、dropするかな!?」
蘭は楽しくてたまらない、というようにキラキラした目で手を挙げた男のうちの1人に問いかけた。
まるで宝石を前にした女性のようだ。胸元の前で指先を合わせ爛々としている。
「…そうですね、蘭様。恐らくはそうなるでしょう。」
その言葉を聞いて、余計に彼の機嫌はよくなって。
「そっかー!心が壊れた一葉さんもいいなー見てみたい!ねえ、僕ちょっとやることあるから、Dom性の人、残ってそこのSubやっちゃって!
…あっ!あと、ムービー撮っておいてね!後で一緒に見るから!!」
「…かしこまりました。」
たたたっと駆け出して蘭は向こうの部屋へと消えていった。消える前に一度一葉を振り返り、
「君の主人、動けないけど喋れるし、意識ははっきりしてるから。見せられないのは残念だけど、せいぜいイイ声で鳴いてあげてね。」
と言い残して。
10
あなたにおすすめの小説
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
世界で一番優しいKNEELをあなたに
珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。
Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。
抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。
しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。
※Dom/Subユニバース独自設定有り
※やんわりモブレ有り
※Usual✕Sub
※ダイナミクスの変異あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる