強く握って、離さないで 〜この愛はいけないと分かっていても、俺はあなたに出会えてよかった〜 

沈丁花

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「んっ…ぅぐっ… 」

「痛くない?大丈夫?」

問いかけに対し、俺はうなずいく。

充分に解されたそこは、ゆっくりと侵入してくる由良さんの熱を、それほどの痛みはなく受け入れた。

由良さんの端正な顔をしかめさせるのが快楽なのか、痛みなのか、それ以外なのか、心配になって覗き込むと、気持ちいいよとキャラメルみたいな甘い声で告げられた。その言葉に安心する。

指を曲げられた時のような快楽はないけれど、由良さんと1つになっているというその事実にひどく満たされて、思わず頬が緩む。

「動くよ。」

くぐもった由良さんの声と共に、ゆっくりと奥を揺さぶられる。

「ぁっ、うぅっ… 」

ずんずんと中をかき回すような刺激は由良さんがそこを満たしていることを感じさせてくれる。そして何度も繰り返されるうちに、次第に快感へと変わっていった。

「うぅっ…、あぁっ、ぁっ…んっ、んんーーっ…!!…ぁっ、はぁっ…んっ… 」

身の内に留めておくことのできない熱を逃がそうと、必死に声を漏らすけれど、それでも熱の湧く速度の方がずっと大きくて間に合わない。

「気持ちいい?痛くない?」

由良さんの声を耳が拾っても、快楽に蹂躙された脳は言葉を理解する能力すら失っていて、ただ首を縦に振ることくらいしか俺はできなくて。

でも、…ああ、幸せだ。

思えば、由良さんと会うまでは満たされないSub性の暴走に怯えながら望まないプレイをする日々の連続で、特に学校や家庭環境ではほとんど悩まされることはなかったけれど、俺の人生は空っぽだったのかもしれない。

それがこんなに満たされているなんて。

幸せで、でもこの幸せを失うのはすごく怖い。

今死んでしまえたらいいだなんて、そんな恋愛漫画の主人公みたいな台詞にも、今なら納得できるどころか、むしろ共感してしまう。

「…!?幹斗君?痛いっ!?」

焦ったような由良さんの声がして、自分の頬から涙が溢れていたことに気がついた。

「…幸せで、嬉しくて。」

心配かけないようにそう紡ぐと、由良さんは、たまらなく愛おしい、とでも言っているような表情をして、深く深く、息もできないほどに深く、俺の口の中を支配した。

そのままうなじに手を添えられ、繋がったまま身体を起こされ、向かい合った状態でぎゅっと抱きしめられる。

そして、

「幹斗君、大好き。愛してる。」

マシュマロみたいに柔らかく言われた。

由良さんの身体は程よく筋肉がついて逞しくて、その中にいると安心して、安心しているのに心臓が煩くて落ち着かない。

ふと、由良さんがヘッドボードの方へと手を伸ばす。

ゴムが破けでもしたのだろうかと不思議に思っていると、自分でも気づかないうちに由良さんの肩に回していた腕を、そっと解かれた。

片方の手に、ひんやりと冷たい、ツルツルとして柔らかい何かが握らされる。

その正体に気付いて、俺は驚きに目を見開いた。
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