強く握って、離さないで 〜この愛はいけないと分かっていても、俺はあなたに出会えてよかった〜 

沈丁花

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「…で、結局またつきあうことにしたんだ?」

相変わらず興味なさそうなそっけない口調で東弥が聞いてくる。

「うん。東弥のおかげ。ありがとう。」

「よかったねー幹斗!!夜はきっと大盛り上がっ…もごもご。」

なんとなくこれからなにを言われるのか予想がついたので谷津の口を掌で塞ぐと、彼はむすっとしながらも口を閉じた。

一昨日由良さんとまた付き合えることになったものの、完全に浮かれてはいられない。

あと2週間でどっと専門科目の期末試験が押し寄せるのだ。

というわけで、今日は東弥と谷津と俺の家で勉強会をしている。

少しずつ試験勉強は進めていたが、やはり2週間前ともなると油断してはいられない。

「…ねえ、球面座標のラプラシアンって本当に求められなきゃダメ…?」

ルーズリーフにシャーペンを走らせながら、谷津が悲鳴を上げている。

「ほかで点数取る自信があるならいいと思うけど…毎年大体出てるから求められた方がいいよ。ただの計算だし。」

東弥はさらっと言ってのけたが、この計算が面倒くさいという考えは彼の中にはないらしい。

「ぅー…幹斗、助けて…出ない… 」

「えっと…、あ、ここ違う。あとここも。でも、ガチで計算しなくても答え覚えておいてその答えが出なかったらもう一回計算しなおせばいいでしょう…。」

「確かに!!天才…?」

「少なくとも天才ではないかな…。」

物理や数学系の試験はほぼ条件に合わせて適切な公式を使い計算する、というものだが、大抵まず試験は計算がえぐい。

ちなみに化学についても、エンタルピーだのエントロピーだの初めましてのパラメーターが大量に出てきて、それを計算させられたりするからちょっと偉人が憎くなったりする。

…もちろん基礎は大切なわけで、一生懸命覚えるのだけれども。

まあ、1人で全てを網羅するのは不可能である。

とりあえずはそれぞれ別の教科書の問題を解いて、後で解き方を共有することにした。
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