強く握って、離さないで 〜この愛はいけないと分かっていても、俺はあなたに出会えてよかった〜 

沈丁花

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第2部

休日デート③

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一緒に朝食を作って食べて、家事を手伝おうとしたら止められて午後のデートで行きたいところを決めておいてと言われた。

やっぱり甘やかされすぎだと思いながら、デートスポットを検索する。

…どこに行こうかな。

なんだかんだで由良さんとのデートは久しぶりだし、実は近くにも行っていない場所がたくさんある。

由良さんも俺もそんなに活動的なタイプではないから、できれば落ち着いた場所がいい。

あと、せっかくだから2つくらい…


「ここのブックカフェと、あとこのプラネタリウムに行ってみたいです。」

「いいね。どちらも楽しそうだ。プラネタリウムに行ったあと、カフェで夕食にする?」

「はい。」

そんなこんなで、予定を決めて着替えて外に出る。

外はちょうどいい曇り空。

「やっぱりそれ、幹斗君に似合ってる。」

俺の上着を見て、由良さんが微笑む。シャツだけでは少し肌寒くて、誕生日に由良さんがくれたシャツチェスターを羽織ってきたのだ。

「由良さんのセンスがいいだけです。」

「じゃあ具体的な根拠を述べようか?」

「だっ、大丈夫ですっ…!!」

悪戯っぽく笑う彼に、やっぱり勝てないなと思う。

褒められても素直に喜べずに論理的根拠を述べて否定し続けていたら、今度は由良さんが客観的評価を並べ連ねて褒めてくるようになった。

このままこの会話を続けていると多分とても心臓に悪い。

「幹斗君はもっと自分の魅力に気がついてもいいと思うけどな。」

「そっくりそのままお返しします。」

「ありがとう。そんなふうに言ってもらえて嬉しいな。…あ、そっちじゃなくてこっちだよ。」

由良さんはしっかりと俺の手を握っていて、俺が道を間違えそうになるとやんわりと正しい方に誘導してくれる。

学校では実験の都合上革紐にかけてネックレスにしている指輪も、今日は休日だから指につけていて、自分のそれと由良さんのそれをお揃いだと確認するたびにくすぐったい気持ちになった。

側から見たら飛んだバカップルに違いない。

中学の頃読んだ少女漫画で自分はこんな風にならないと確信していたのに、まあ見事にそうなっている気がする。

「そういえば大学はどう?」

ビルに入ってからプラネタリウムに行くまでの間に、由良さんがふと聞いてきた。

そういえば、普段はあんまりこういう話をしない。

「…後輩とはちょっとうまく行ってなくて。でも、研究は楽しいし、授業も頑張って受けてます。由良さんは、お仕事どうですか?」

「仕事は普通かな。日常はすごく楽しいよ。」

由良さんの言葉に、“どうして?”、と聞き返すことはしなかった。

聞き返したら多分、“幹斗君がいるから”、と返ってくる。由良さんはそういう人だ。

あと、東弥といるときもそうだが、由良さんといるときも普段より多くの視線を感じる。

…よく考えると俺の周りの顔面偏差値、高すぎるな…。

そう思ったら、久しぶりに谷津が恋しくなった(←失礼)。
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