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第1章過去と前世と贖罪と

45・伯爵夫人と謁見

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その日、私は憂鬱でならなかった。

「はぁぁぁぁ…」

ため息が出るのも仕方がない。
何故なら、伯爵夫人と今日会うからだ。
すっかり忘れていたのだが、
当日に馬車が宿の前にやってきて思い出した。
同行者は自由とのことだったので、
エドナとガイと一緒に屋敷に向かうことにした。

「こんな格好で大丈夫でしょうか…」

ガタゴトと揺れる馬車の中、私はそう呟いた。
今の私はローブにズボンといういつもの格好だ。

「大丈夫よ。向こうも私達が冒険者だということは知っているんだし、
礼儀とか、作法とか、そんなものは最初から期待していないと思うわ」
「そうだぜ。自然体で行こうぜ」
「そうは言われても…」

ただでさえ魔族騒動のせいで領主には迷惑をかけている。
きっと今頃領主は忙しくしているだろう。
だからそのうち会うことが取りやめにならないかと期待したが、
そんな事はなかった。

「一体どういう人なんでしょうか、伯爵夫人って…」

この町の領主。
オリヴァー・フィールディングは王都でも名が知られている有名人だ。
前の領主はとても有能とはいなかったが、
今の領主の代になって、様々な事を実践し、確変していった。
例えば孤児院を設立したり、病院を設立したり、
この地方が国内では比較的涼しい場所であるということを知ると、
避暑地として、観光アピールをして、
そこでやってきた観光客がこの町にお金を落とすようになった。
それまで大して有名でも、
何でもなかったただの町を地方都市にしたのも、現在の領主だ。
そのやり手ぶりに、何度も王都で働かないかと、
偉い人に誘われたこともあるそうだ。
だがその度に断って、現在までこの町を治めている。

そんな凄い人の奥さんなんだから、たぶんただ者じゃない。
マティルダ・フィールディング…一体何者なんだろう。

やがて馬車の外の景色が変わった。
貴族が所有する家が並ぶ富裕層のエリアに入ったのだ。
豪華な屋敷に広々とした庭があった。
そんな建物を通り過ぎて、馬車は領主の屋敷へと向かう。

「この屋敷って、確か別荘なんですよね」

雨期が過ぎると、この国はめちゃくちゃ暑くなるので、
その期間だけこの町に移住する貴族は多い。

「なんか別荘にしては、大きすぎません…?」

どの別荘も、日本人の私からしたら大きすぎる程大きい。

「まぁ金持ちの考える事はわからないわ。
貴族って、金銭感覚が崩壊している人間も多いから」

元貴族とは言え、エドナはあまり貴族というものをよく思っていない。
何でも、女性で美人、しかも歴史ある武道会で準優勝ということもあって、
大したこともない用事を貴族に頼まれることも多く。
酷い場合には愛人にならないかと誘われたこともあるそうだ。
しかも丁重にお断りしたら、暗殺者を差し向けられて、
しばらく身を隠した時期もあったそうだ。

「まぁ貴族の女なんて、自由意志は無いだろうし、
従順で、自分の意見なんて持ってないと思うわ。
だいたいこんな状況なのに、
人を呼び出すなんて、多分頭が空っぽなのよ」
「確かにそれはそうですよね…」

私達は魔族は現れないということは知っているが、
他の人はそうじゃない。
町の人はいつ魔族が現れるのかびくびくしている。
それなのにただ空間術が見たいからって理由で、
私を呼び出すなんてどうかしてる。
実際貴族の女性は蝶よ花よと愛されて、甘やかされて育つ場合が多い。
だからとてもわがままで、高飛車な人が多いのだという。

「実際、貴族なんて本当にろくなもんじゃないからね。
領主はともかく、その奥方はどういう人なのかも掴めないし…。
とりあえずわがままに振り回される覚悟はしておいた方がいいわ」

実を言うと伯爵夫人について調べてみたが、ほとんどわからなかった。
領主とは違って、あまり人前に出てくることもないからだ。
まぁ貴族の集まりには出席することもあるみたいだが、
それ以外の場には姿を見せない。
人に聞いてみても、珍しいものが好きで、
色々集めているということ以外、ほとんど分からなかった。

いったいどんな人なのやら、そう思っていると馬車が止まった。

「ほぇー…」

馬車を降りると、私はその建物の大きさにぽかんと口を開けた。

「でけーな…」

ガイも少し唖然とした様にそう言った。
目の前にあるのは青い屋根に白い壁の屋敷で、恐ろしく大きい。
大きさは体育館ぐらいかな。いやもっと大きいかもしれない。
もう見るからに金持ちの家って感じ…。

「ここって…別に学校とかじゃなくて、
ただ領主が住んでいるだけの家ですよね…」
「そうだと思うけど」

領主と伯爵夫人の間には子供が1人いるそうだから、
それに住み込みの使用人を入れても、この建物はでかすぎる。
こんな大きさ必要ないでしょ。掃除に何年かかるんだよ…。

そう思っていると、屋敷の裏門から1人の男性が現れた。
燕尾服に身を包んだその男性は私達に気がつくと、頭を下げた。

「裏門から失礼します。執事のセバスチャンです」

ここって裏門だったんかーい!
じゃあ表門はどれだけ立派なんだよ…。
だいたい執事のセバスチャンって…。なんてありがちな名前。

「何故、一介の冒険者に過ぎない私達に頭を下げるのですか?」

エドナは少し驚いた風にそう言った。

「あなた方は奥様のお客人。
くれぐれも粗相のないよう仰せつかっています」

普通、貴族からしたら冒険者は乱暴者って、
イメージらしいけど、伯爵夫人は違うのかな。
だがエドナは腑に落ちない表情をしていた。

「では案内いたします」

そう言うと、セバスチャンは私達を屋敷の中に案内した。

ほぇー。なにこの美術品…。
廊下には数々の絵画や芸術品などが飾られていた。
しかも床には絨毯が引かれているし、
この絨毯も相当高いものである事は予想はついた。

「おい見ろよ。あいつ裸だぜ」

ガイが絵画に描かれている全裸の金髪男の姿を見てそう言う。
うわぁ…何この絵、大事なとこ隠せよ。
いや芸術だからやらしくないんだけどさぁ…。
こういうの好きなの? 伯爵夫人って…。

「なるべく奥様と出会った事は他の人間には言わないでください」

その時、執事のセバスチャンがそう言った。

「あ、はい」

「今は魔族騒動で町の者がピリピリしていますから、
余計な刺激を与えたくないのです」

あー、こんな時期に物珍しさから冒険者と出会ったなんて、
確かに心証を悪くしそうだよな。

「それを理解しているなら、どうして伯爵夫人は私に会いたいんですか?」
「それは奥様が会った時に説明してくれます。
実を言うと私めも、何故あなたを呼び出したのか理由は知らないのです。
ですが奥様は聡明なお方。何か考えがあってのことでしょう」

聡明…? それならなんで空間術が見たいからって、私を呼び出すんだ。
うーん、会ってから考えるか…。

そう思っていると、やがて1つの立派なドアの前でセバスチャンは立ち止まった。

「奥様、例の冒険者をお連れしました」
「入れ」

予想以上に低い声だな…領主も一緒に居るのか…。
そう思っているとセバスチャンが扉を開き、私達は中に入る。
部屋は書斎なのか、
たくさんの本棚が並べられており、家具は全部シックな色で統一されてある。
客人が座るための机とソファーが並べられており、
その窓際の方に机があった。
その机はただの机じゃなくて、社長とかが仕事で使いそうな作業用机みたいだった。
椅子も社長が座りそうな大きな椅子だった。
その椅子に1人の女性が腰掛けていた。

漆黒のように黒い髪に、海のように深い色をした青の瞳。
髪は後ろで結わえられている。
年齢は37歳と聞いていたが、20代後半にも見える程、若い。
伯爵夫人って聞いたから、でっぷり太った人をイメージしていたが、
実際の伯爵夫人は細く、美しく、若々しかった。

「来たか。すまないが今、片付けないといけない仕事で山積みでな。
執務をしながらになるが許してほしい」

そう言うと伯爵夫人は紙に羽ペンで何かを書いていく、
机には書き終わった書類と、これから書くらしい書類で山積みになっていた。
執務という事は、これは多分領主の仕事を手伝っているのかな…。
奥さんにまで手伝ってもらわないとダメって…領主はどんだけ忙しいんだよ。
自分がそうさせてしまったと思うと、胸が痛くなった。

「立っているのもしんどいだろう。適当な場所に腰掛けてくれ」

伯爵夫人にそう言われたので、私達はソファーに腰掛けた。
するとあらかじめ用意していたのか、
執事が紅茶とお茶菓子を持ってきてくれた。

「どうぞ、お食べください」
「あ、ありがとうございます」

私は早速、ティーカップの紅茶を飲む。
まあ庶民なので味はわかんないけど、
多分高級な物を使っているんだろうなと思った。

「すまないが、セバスチャン。
彼女らと二人っきりにしてくれないか、
どうしても聞かないといけないことがある」

そう言いながらも伯爵夫人は書類に何やら書いていく。
セバスチャンはぺこりとお辞儀をすると、部屋を出ていった。

「自己紹介が遅れたな。私の名前はマティルダ・フィールディング。
この地方都市アアルの領主、
オリヴァー・フィールディングの妻であり、伯爵夫人だ」
「あ、私はセツナ・カイドウです。よろしくお願いします」
「私はエドナです。同行者が自由との事でしたので、一緒に来ました」
「なるほど、聞いていたとおり、可愛らしい御仁だな」

伯爵夫人は一瞬チラッと私の方を見るとそう言った。
可愛らしいって…女性に褒められたよ。

「そう緊張しなくてもいい。
家に居る時のようにゆっくりしてくれたら良い」

そう言っている間にも、伯爵夫人は羽ペンを動かしていく。
というか部屋に入った時から、ずっと羽ペンを動かしている。
書類の山を見る限り、たぶんずっと仕事をしていたんだろう。
そういえば伯爵夫人の目元にうっすらとクマができている。
ということは魔族騒動であんまり寝られてないんだろうか。
うぅ…ごめんなさい…。

「今回呼び出した理由を聞いているか?」
「あ、あの空間術が見たいとのことでしたけど…」
「ああ、それはどうでもいい。私が興味あるのは君だけだ」

え? 興味がある? それってまさかそっち系の…。
だがそれはとんでもない誤解だったらしく、
伯爵夫人は羽ペンを置くと、まっすぐに私を見た。
その目は鋭く、今にも射殺されそうだった。

「実は何週間か前に、
馬車の御者をしている男から興味深い報告があってな。
聖眼持ちの人間を乗せたと言ってきた」
「え…?」

それってまさか、
最初に馬車に乗せてもらったおじさんが報告したのか…。
確かにあの人には金色の瞳は見られている…。
あの人が伯爵夫人に報告したのか…。

「しかもその少女は何をやったのか知らないが、
馬車に降りる時には、金色だった瞳が、黒い瞳になっていたらしい。
少女は魔法で瞳の色を変えたと言ったらしい。
外見的特徴は、君に似ているがこれは偶然だろうか?」

その時…私は顔が真っ青になっていたに違いない。

「ぐ、偶然ですよ…」
「偶然と言えば、その馬車の主人はケルトの森付近で、
君を拾ったと言った。
ケルトの森といえば、
魔族の関与が疑われている事件が起こった場所でもある。
調査員が調査した日付によると、
ちょうど馬車の主人が君と出会った日付と一致するのだが、
これも偶然だろうか」

…ヤバイ、伯爵夫人は私のことを疑っている…。
魔族の仕業だったことを私がやったことがバレれば死罪になる。
それだけでなく、領主の私有地の1部を焼き払っただけでも、重罪になる。
困って、どうしようか考えていると、見かねたのかエドナが口を開いた。

「状況証拠だけでは、セツナがそれをやったということを証明できません」
「確かに証拠は不十分だ。
だが…一連の魔族騒動はセツナ・カイドウがこの町に来てから始まった」

そう言うと伯爵夫人はため息をはいた。

「…ギルドで君のことを調べたら、
君から聖月草をもらったと言う男が居た。
聖月草といえばここらでは自生しているのはアリアドネの森しかない。
そして君はそこに聖月草をアリアドネの森に取りに行くと、
その冒険者に言ったそうだな。
そしてその夜、アリアドネの森に光の柱が目撃され、
その次の日に男の元に聖月草が届いた。これも偶然だろうか」

ハンクー!! 何でそんな事を人に言っちゃったんだよ!
ヤバイ、これはヤバイ、もうヤバイ…。
どうやって誤魔化したらいいんだ。

「セツナにそんなことができるとお思いですか?
アリアドネの森は国内でも有数の危険地帯。
Fランク冒険者が行って帰れるような場所ではありません」
「…だがセツナ・カイドウは、
空が飛べるほどの膨大な魔力を持つのだろう。
実際に君はギルドに登録した時に討伐試験を受けただろうか?」
「討伐試験?」
「本人の能力を確かめるためにギルドが行っている入試試験だ。
指定された魔物を倒し、その魔石を職員に提出しなければならないのだ。
だが君はこれを受けていない。
当日のうちに登録を済ませることができた。
これがどうしてかわかるか?」
「わ、わかりません」
「君は町で絡まれた冒険者を倒したそうだな。
それもCランク冒険者を、
Cランクといえば、それなりの実力者しかなれない。
君はそれを倒したから、討伐試験は必要なしと判断された。
こんなことは滅多にない…君はただのFランク冒険者ではないと、
私は思うのだが違うのか?」

言葉が、出てこない。緊張のせいでだらだらと冷や汗が出た。

「ですが、それだけで決めつけるのは――」

エドナがそう言った時、伯爵夫人は静かな目でエドナを見た。

「君の名前はエドナと言ったな。
君が不埒者に拉致され、暴行を受けた時、
この町に黒い雲が覆い、弱い地震が襲った。
そしてギルドでも不思議なことが起こったそうだ。
ギルドマスターが部屋で1人仕事をしていたら、急に羽ペンが浮き、
君が誘拐され、
セツナ・カイドウに危機が迫っていると、羽ペンが紙に書いた。
そして指定された場所に人を連れて行こうとした時、急に地震が起こった。
これは偶然だろうか」
「あ、ごめん。それ俺がやったことだ」

ガイが申し訳なさそうにそう言った。
ああ、そうか私のピンチをどうやって知らせたかと思ったら、
紙に書いたのか。
私とエドナ以外の人にはガイの姿は見えないから、
羽ペンが勝手に浮いているように見えたと…心霊現象じゃねーか!

「まぁもっともギルドマスターは、この大変な時期だから、
このことは他の人間には言っていない。だが私には教えてくれた。
セツナ・カイドウ。…君は自分でも聞いていておかしいと思わないか。
魔族の関与が疑われている場所や、
事柄に、君が関わっている。あるいは近くにいる。
これを偶然だと済ませることが君にはできるだろうか」

淡々とした口調で伯爵夫人はそう言った。

「わ、ワカンナイデス…」

ようやく言葉を出すことができたが、なぜかカタコトになっていた。
もうダメだ。これはごまかせない。
私がそう言うと、伯爵夫人は椅子から立ち上がった。

「では質問を変えよう。君は何者だ」

そう言うと伯爵夫人は私の方に向かって歩いてきた。

「な、何者って…」
「勝手ながら君のことを調べさせてもらった。
確か君の出身地はヒョウム国だったな。
だが港の税関に問い合わせてみたが、
セツナ・カイドウなる人物を通した記録は無かった。
それ以前に君がこの町に来るまでの足跡を辿ることはできなかった」

そう言うと伯爵夫人は腕を組んだ。

「そもそも君はヒョウム国が今どうなっているのか知っているのか?」
「皇帝が国を治めているんですよね…」
「あそこには今、国は無い。
100年ほど前に、魔族によって滅ぼされ、
人が住めない土地になってしまった。
いやそれどころか、
そこに行って帰ってきた人間もいない呪われた土地となってしまった」
「それはまさか……禁足地ですか?」

図書館に行った時に北の方にそんな場所があった。
まさかそこがかつてのヒョウム国だったなんて――。

「そうだ。そっちの名前の方が一般的には有名かもしれんな。
だからヒョウム国なる国はもうこの世界には存在していない」
「で、でも私はヒョウム国で…」
「だからヒョウム国は滅んだと言っただろう。
それも明らかに君が生まれるより前にな。
君は本当にヒョウム国から来たのか?」

でも私はヒョウム国の皇帝からカルマを移された。
でもヒョウム国はもう存在していない。
どういうことだ。わけがわからない…。

「…分かりません」
「では質問を変えよう。
君は空間術の魔道具を持っているそうだが、それはどんなものなんだ?」
「え、えっと、ブローチです」
「セツナッ!」

適当にそう言うと、エドナが咎めるような声を出した。

「なるほどブローチ。
だがそれはありえない。
空間術の力が込められた魔道具は国内にもいくつかあるが、
その全てが手で持って運べるようなサイズでは無い。
そもそも空間術の力を込められた魔道具は、
それを作り出すのにはそれ相応の容量の魔石が必要になる。
その容量の魔石は最低でも、これぐらいの大きさが必要だ」

伯爵夫人は手でそのサイズを示した。
多分大きさはバスケットボールぐらいだろうか。
そんなに大きいものだったなんて知らなかった…。

「100歩譲って君がその魔道具を持っているとしよう。
だが空間術の魔道具の容量には限りがある。
そうだな。さっき示したサイズだと、
この机1つ入れるのが精一杯だろうか。
だが君は村に食料を配達したそうだな。
それも馬車1台分ぐらいの。
それぐらいのサイズになると私の身長ぐらいの大きさになるだろうな…。
だが君は今そんなものは持っていない。
これはどういうことだろうか?」

もう言葉は出てこなかった。
今更ながらこの人はただ者じゃないということに気づかされた。
私がなんと言い訳しても、退路を塞ぎ、逆に墓穴へと追いやってしまう。
背中に冷や汗が伝う。

「これはひょっとして君の能力なんじゃないのか。
聖眼持ちとしての。
それに…これはあまり知られていないことだが、
聖眼持ちにも能力の格差があってな。
魔物に襲われない程度の能力しか持っていない人間も居れば、
賢者に匹敵する程の膨大な魔力を持つ人間もいる…。
君は後者なんじゃないのか?」
「そう…だったらどうするんですか…」

保護と言う名目で、軟禁するんだろうか。
あるいはその能力を国のために使わされるのだろうか…。

「別に何もしない。私は君の事を上に報告したりはしない。
だが、どうしても確認しておきたい事はある」

そう言うと伯爵夫人は腕組みをして、私の目を覗き込んだ。

「この町には魔族は来るのか、来ないのか?
――どちらだ?」

男だったら、天下を取れていた。
ギルドマスターがそう言っていた理由がよくわかった気がした。
この鋭い洞察力、そして状況分析能力。
頭が空っぽなんかじゃない。むしろ逆だ。
この人はただ者じゃない…。

その事実に今更気がつき、私は途方にくれた。
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