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第1章過去と前世と贖罪と

外伝・三世目の正直①

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◆今回の話はパラレルワールドの話です。
もしもエドナを見捨てる選択肢をしていたらというルートになるので、
本編とは繋がりは一切ありません◆



「私は――――エドナを生き返らせません」

断腸の思いでセツナはそう呟いた。
今までお世話になった彼女、そして自分を助けようとしてくれた彼、
そしてセツナはまた失うのだ。いや失うことを選択するのだ――。

「本当にそれで良いんだね?」

地獄神アビスは確認するようにそう言った。

「はい…」

エドナが生き返っても、自分を恨むのでは意味がない。
それに自分のわがままで死んだ彼女を、
この世に繋ぎ止めることが正しいこととはセツナには思えなかった。

「そうか……君ならばもしやと思ったけど、やっぱりそれを選ぶんだね」

アビスは少し憂いを含んだ顔でセツナを見た。

「だってっ……仕方がない…じゃ、ないですか…」

ぽろぽろとセツナの瞳から涙がこぼれる。

そう仕方がないのだ。仕方がないのだ。人が死んでしまうのは――。

「…一応言っておくけど、エドナ・オーウェンは生まれ変わる。
長い年月はかかると思うけど、必ず君の前にまた現れる」

そんな言葉はセツナにとって何の慰めにもなりそうになかった。
エドナが生まれ変わったとしても、それは別人である。
エドナがアーウィンと別人であるように、
エドナの生まれ変わりもまたエドナとは別人。
つまりセツナの知るエドナとはもう二度と――。

そして――気がつけばセツナは地上に戻ってきた。
そしてその眼前にあるのは――エドナの死。

「エドナさ……ん」

呼んでも返事は無い。
あの優しかった彼女が返答してくれることをもう二度と無いのだ。

「エドナさん……ッ」

セツナの瞳から涙がこぼれる。
自分で決めたことなのに、これが正しいはずなのに、
どうしてこんなに苦しいんだろうか。
腕の中の彼女は徐々に冷たくなっていった。
そして浅くしていた呼吸が止まり、血の流れも止まった。

「エドナさん……?」

呼んでも返答がない。当然だ。彼女は死んでしまったのだから――。

「あ、うぐぁ……」

セツナの瞳からとめどもなく涙が溢れる。
どうしてこうも上手くいかないんだろう。
どうしてアーウィンもエドナも、自分を置いて旅立ってしまうんだろう。

「こーんなところに隠れてたなんてねぇ?」

その時、神殿の屋根を壊して魔族が現れる。
その姿を見た時、セツナの中で猛烈な怒りが沸き上がった。

「よくもエドナを殺したな――!!」

セツナの周りに濃厚な魔力が集まる。
それは身体を駆け巡る魔力の流れが、視覚化して見える程だった。

「あぁぁぁぁ!!!」

セツナは絶叫して、魔族であるレイラに飛びかかった。
普通の人間より動体視力が優れているレイラですら、
その動きは見えなかった。
そして魔力を込めた蹴りにより、
レイラの体は近くの建物を突き破り、倒れ込む。

「ぐ、がはぁ……」

本来であれば魔族は痛みを感じない。
負の感情で作り出した擬似的な肉体であるため、
痛みなどの痛覚も操作できるのだ。
だが、体が激しい損傷を受けた場合は別だ。
痛みと言うより、肉体の構成が難しくなり、意識がよどむ。

「よくも殺したな。自分の弟を……そして私の大切な人を!!」

そんなレイラの首筋をセツナが掴む。
セツナは身体全体に、黒いオーラをまとっていた。
端から見ればどちらが魔族なのか分からなかったに違いない。

「お前はレイラじゃない…! レイラはそんなことを絶対にしなかった!!
だから殺す。絶対に殺してやる!!」
「離せ!!」

レイラは吹雪を使い、セツナの拘束から脱出する。
だがセツナはそれぐらいでは怯まない。さらなる追撃をするために魔力を練る。

「絶対にお前を許さないっ!!」

そして現れたのは――巨大な剣だった。長さは1メートルはあるだろうか。
刀身は黒く、まるでセツナ自身の怒りを反映したように赤い光を放っていた。

「あああ!!」

そして獣のように雄叫びを上げて、セツナはレイラへと向かっていった。

それからはよく覚えていない。

だが気がつけばセツナはレイラの胸に深々と剣を突き刺していた。

「はぁはぁ、やった…は、はははは…」

復讐を達成したという達成感で、セツナは乾いた笑い声を上げる。

「やった、やった!!
倒した、魔族を倒した! あはははは…!!」

ざまぁみろと思った。
最早セツナの中でレイラに対する同情の念は消え失せていた。
あれは最早レイラではなく、ただの魔族だ。
だからこそ殺すことに躊躇など無かった。

「あははははは…!!
あは……は」

だがその達成感も虚しさへと変わる。

「エドナさん!!」

衝動的にセツナは飛翔魔法を使い、エドナの居た神殿へと向かう。
崩れた天井から、中に入りエドナの元に向かう。

「エドナさん…私やりました。敵を討ったんです……」

そしてエドナの手を触れて、その冷たさに愕然とした。

「エドナさ……」

もう二度とエドナの笑顔見ることも無い。その声を聞くこともない。
彼女は完全に死んでしまっていた。

「あ」

(私、バカだ――)

どうして諦めてしまったのだろう。
どうして信じきれなかったんだろう。

嫌われても、恨まれても、
エドナが存在してくれるなら、
ただ側にいてくれるなら――それだけで幸せだったのに。

彼女が死んだという現実より、
そちらの方がはるかに幸せだったはずなのに――。

どうして見捨てたんだろう。

どうして私は――。

「嫌だ…嫌だ…嫌だ嫌だッ!」

衝動的に頭を掻きむしる。
掻きむしりすぎて、血が出たがその痛みすら感じなかった。

「お願い……生き返って……ッ」

その願いは叶うことは絶対に無い。
無いと分かっていても瞳からとめどもなく涙がこぼれる。
こんなものを流す資格など自分には無いと言うのに――。
自分は見殺しにしたのだ。エドナをそしてアーウィンを。
それなのにどうして未練がましく後悔してしまうのだろうか。

「ごめんなさいッ…ごめんなさいッ!!」

必死に謝るが、エドナからの返答はなかった。

当たり前だ。彼女はもう――死んでいるのだから。

「あああああッーーー!!」

神殿にセツナの絶叫が響き渡った。



その日、商業都市アアルを襲撃した魔族は、
その日のうちに1人のFランク冒険者の手によって討伐された。
犠牲者は驚くほど少なく、負傷者は皆軽症ばかりで、怪我人も少なかった。
ただし魔族によって2名の尊きに命が奪われた。
1人は青竜騎士団の騎士の男と、
もう1人はBランク冒険者であるエドナ・オーウェン。

特にエドナ・オーウェンの死は各地の冒険者や貴族に大きな衝撃を与えた。
Bランク冒険者でありながら、
数々の猛者が集う大会に単身で出場、準優勝を勝ち取った。
そしてそれ以外にも数々の功績を残し、
ギルド内でも彼女をAランク冒険者に昇格させないかという話も出ていた。
しかしその矢先、魔物討伐の際に右腕と背中を負傷。
そして怪我が治ると、
所属していたチームから離脱し、そのまま行方をくらましてしまう。

それから数年が経ち、
地方都市アアルに滞在していた時に、
魔族と戦闘になり、命を落としてしまう。
そんな彼女の死に多くの人が悲しみ、その死を悼んだ。
それはエドナ自身も予想していなかったかもしれない。
仕事と思って、数多くの魔物を退治してきたが、
彼女が思っていた以上に多くの人間から慕われていたのだ。
葬儀には遠方にも関わらず、多くの人間が出席し、
その墓には花が絶えることはなかったと言う。

誰もが彼女の死を悼み、その死を悲しんでいた。
だが時間の流れによって、その悲しみは癒えていった。

ただ1人の人間を除いて―――。

そしてそれから―――長い年月が経つ。



「起きろー!」
「ぐはっ」

突然背中から衝撃を感じて、1人の少年の意識は覚醒する。
彼の名前はロデリック。今年で12歳になる少年だった。
人は皆…といっても家族ぐらいなものだが、
ロディという愛称で呼ぶ。

「何するんだよ!!」

ロディが後ろを振り返ると、そこに1人の少女が立っていた。
ピンク髪をツインテールにしており、
服はオレンジのワンピースを着ている。
今年で10歳になるその少女の名前はポーラ。ロディの妹だ。

「もう、お兄ちゃん。また書庫で居眠りをしていたの?」

そう言われてロディはため息を吐く。

「僕がどこに居ようと勝手だろ」
「こんな埃っぽい場所のどこがいいんだか」

確かにこの場所は埃っぽい場所ではある。
至る所に本棚が埋め尽くされて、
窓すらも塞がれているのだから――。
だがロディはここが落ち着くのだ。
この埃っぽい空間が1番癒される。
そんな物好きな兄を見て、ポーラはため息をついた。

「あ、そんなことよりも、
今日この町に大賢者様が来るのに寝てたらダメじゃない」

妹に諭され、ロディはふぅんと興味無さそうに言葉を出す。

「興味がないから、僕は遠慮しておく」

そう言って、書庫の本を読み始めた兄をポーラは引っ張る。

「だから何でそんな本にしか興味がないの!?
このチャンス逃したら、一生会えない人なんだよ!!」

確かに――大賢者モニカの存在を知らぬ者などこの世界には存在しないだろう。
優れた魔力を持ち、それこそ賢者の中でも最上級と噂される魔法使いでもあり、
伝説の魔法使いタロウ=ヤマダの再来とも言われる魔法使いだ。
そして神に愛された者の証明である聖眼持ちだ。
さらに世界で唯一のSSSランク冒険者でもあり、
今までに幾多の魔族を葬り去ってきた魔族殺し(デーモンスレイヤー)でもある。
そしてその実力を買われて、宮廷魔法使いの役職についている。
それだけでも凄いのだが、大賢者モニカの更に凄いところは他にもある。

優れた技術保持者でもあり、世界中で様々な産業革命を起こしたのだ。
それによりこの世界の技術は30年は進んだと言われている。
さらに国の制度に戸籍制度、医療保険、義務教育などを導入し、
それまで貴族優先だった社会は徐々に民意優先のものになっている。
そしてそれまで蔑ろにされていた女性の権利、人権問題などに果敢に挑み、
そのおかげかあってか、
その前までははびこっていた男尊女卑も今は男女平等にシフトしつつある。

ポーラが大騒ぎするのも無理は無い。
大賢者モニカはこのバーン王国においても、絶大的な権力を持っているのだ。
普通ならば一生会うこともできない程、雲の上にいる存在だ。
それがこんな辺境にある田舎町に突然来ると言うのだから驚きだ。

「興味ない。お前だけで行けよ」
「お兄ちゃんって本当にわからず屋…。
こういう時は後から後悔しても遅いのよ」

ロディの言葉にポーラはため息をついた。
わりとミーハーで流行に敏感な妹とは対照的に、
兄であるロディは割と偏屈なのだ。
外で遊ぶよりも書庫にこもって本を読んでいる方が好きなのだ。
放っておけばそれこそ1日中でも本を読んでいる。
学校に行っても同世代の友達もほとんど作らず、
授業中でもそっちのけで本を読んでいるぐらいだ。
あまりの偏屈ぶりに、
教師もどう教育したらいいのか分からないと愚痴をこぼしている。

「だって冒険者って嫌いだし、あんな野蛮な連中、僕は好きじゃない」
「何言ってんのよ。大賢者モニカは確かに冒険者だけど、
すごい人格者じゃない」

確かにそれはそうだと思った。
ただでさえ最強の魔法使いなのに、
大賢者モニカは優れた人格者であると知られていた。
魔物退治や、魔族を倒しても決して報酬は受け取らず、
人々のために働くことを生きがいにしている女性だ。

「だけど冒険者は信用できない。僕は好きになれない」
「おいおいそんなことを言ったら母さんが悲しむぞ」

その時ドアを開いて1人の男性が入ってきた。

「父さん」

柔らかな笑みを浮かべたその男性はロディのよく知っている父親だった。

「あんまりそんなことを言うもんじゃない。
母さんが悲しむぞ」
「でも母さんずっと帰ってこないじゃないか、
僕のことなんて忘れてるんだよ」

ロディは少しふてくされたようにそう言った。
ロディとポーラの母親は冒険者だ。
それも優れた冒険者でほとんどの時間を旅をして過ごしている。
そのため滅多なことで帰って来ず、
ここ5年程は全くと言っていい程、音信不通だ。
普通なら死を疑うところだが、ギルドから死亡通知は来ていない。
だからどこかで生きているのだろうが…一体どこで何をやっていることやら。

「母さんがお前を忘れるはずがないじゃないか。
きっと人助けや魔物退治で忙しいんだよ」
「どうだか…」

穏やかな父親とは対照的にロディはつっけんどんにそう言い返す。
そんな息子を見て、父親はやれやれと肩をすくめた。

「そんなことより大賢者様がもう町の入り口まで来ているみたいなんだが」
「えっ、本当にっ!?」

父親の言葉にポーラは驚いた表情をする。

「今すぐ行こう! 早く行きましょう!!」
「お、おい…」

しぶってた兄の手を掴み、ポーラは強引に兄を外に連れ出す。

「あとでどんな人だったか伝えてくれよー」

そんな仲の良い兄妹を見て、父親はそんな声をかけた。



「ちょっと人多すぎない?」

この町は元々は炭鉱のために作られた町だった。
といってもまだ大陸中で戦争をしていた時に造られた町なので、
軍隊に占領されないように、町全体の通路は非常に狭い構造になっている。
そもそも町の入り口自体、1カ所しかなく、そこは細い通路となっている。
そんな町の入り口は今人でごった返していた。
兄妹は大賢者モニカの人気を甘く見ていた。
一目でも大賢者の姿を見ておこうと思った人々が集まっていたのだ。
そして我先にと、集まるせいで非常に密度の高い人込みとなっていた。

「よし帰ろう」
「待たんかーい!」

さすがにこんな人だかりの中を進んで行く勇気は無い。
ロディがさっさと諦め、踵を返そうとした時、ポーラがその腕を掴む。

「ここまで来て諦めるの!?
こういう時はただ突き進むのみよ!」
「やっぱりこうなるのか…」

妹の強引さに辟易しながらロディはため息をついた。

それから人だかりの中を進んでいく、ロディとポーラだったが、
その中はもはや混沌としていた。
誰もが一目でも良いから大賢者の姿を見ようと、先に行こうとしているのだ。
例えるならば、1つの部屋に人間をぎゅうぎゅう詰めにして、
その全員が出口に向かっているようなものだと思えばいい。
ただでさえ狭い町の通路。
子供の2人では大の大人も居るそのおしくらまんじゅうの中を進めそうになかった。

「ポーラ?」

そしてロディは気がつけばポーラとはぐれてしまっていた。
そして引き返そうにも、
この先へ先へと進むおしくらまんじゅうの流れに逆らえそうになかった。
しょうがない1度前に出て、そこから脱出するか。
ロディがそう思っていた時だった。いきなり後ろから突き飛ばされた。

「うわっ」

おそらく先に行こうとして思わず突き飛ばしてしまったのだろうが
ロディにとってはいい迷惑だった。

「うぐっ」

ロディは顔面ごと地面にぶつかり、倒れてしまう。
その手を気がついていないのか、誰かが踏んでしまう。

「痛っ!! ちょっと止めろ!!」

自分がいるのに踏むのはやめてほしい。
そう思っていると、背中の上を誰かが踏んでしまう。

「おい、誰か!!」

そう叫んでも、この人だかりの中で自分の存在に気が付くものは誰も居ない。

さすがにこれはまずい――そう思った時だった。

突然急激に人の波が去っていった。そしてロディは誰かに助け起こされた。

「大丈夫ですか?」

その柔らかな腕に抱かれ、ロディはすぐには目を開けることができなかった。
その膝の感触があまりに心地よかったからだ。

「痛かったでしょう。でももう大丈夫ですよ」

穏やかな声、この声はおそらく女性だろうか。
この女性が人ごみの中から自分を助け出してくれたのだろうか。
細い手がロディの頭に触れる。その感触が酷く心地が良い。

「母さん…」

柔らかな手の感触につい母親を思い出してしまう。

「大賢者様」

そのとき不意に別の声が聞こえてきた。

「このようなことになって誠に申し訳なく…」
「いいえ、突然来ることになった私が悪いんです。
せめて日程をもう少し早くに知らせていれば…」
「いえいえ、大賢者様のせいでは…」

大賢者様?!
まさか自分が今膝の上にいる女性はあの大賢者モニカなのか!?
そう自覚した瞬間、ロディは反射的に起き上がっていた。

「痛っ」

その時、頭に何かがぶつかる感触がした。
見れば1人の女性が顔を押さえて、うつむいていた。

これが大賢者モニカ――。

こんな状況だというのに思わず見入ってしまう程にその女性は美しかった。
腰まである長い黒髪に、鮮やかな金色の瞳。
大賢者と聞いていたので、てっきりお婆さんかと思っていたが、
想像していた以上に若々しく、
そして美しい――いや美しいというより可愛らしいと言った方がいいか。
大人の女性であるにも関わらず、
どこかあどけなさが残るその顔はどこか守ってあげたくなるような、
庇護欲をかき立てられる顔をしている。
それと対照的に女性らしい豊満な体型をしている。

そして容姿以上に目を引くのが頭にかぶってある紫色のとんがり帽子だ。
それもサイズがかなり大きい。
着ているローブも紫を基調としたものだった。
そのデザインもファッションも洗練されていてどこか品があった。
そういえば大賢者は商売にも手を広げていると話には聞いている。
なのでこういう衣服なども取り扱っているのだろうか。
そんなことをぼーっと考えていると、
すぐに自分がトンデモないことをしてしまったということに気がつく。

「あの、ごめんなさい」

すぐにロディは頭を下げて謝った。

「いいですよ。気にしなくて。頭を上げて下さい」

そう言われて顔を上げると、大賢者と初めて目が合った。

「「あ」」

その時の衝撃は言葉にできないかもしれない。
その金色の瞳から目が離せない。
それは彼女も同じなのか。呆然とロディを見ていた。

「あなたは……」

その金色の瞳は限界までに見開かれていた。
そして唐突に、あまりにも唐突にその金色の瞳から涙がこぼれる。

「……ナさん、やっと見つけた……」

だが等のロディはどうして大賢者が泣いているのか理解ができない。
そしてどうして彼女に謎のシンパシーを感じてしまったのかも。
だがその疑問を聞くよりも先に大賢者モニカに抱きしめられた。

「ちょっ」

逃れようにも、外見に反して彼女の力は強く、逃げられない。

「う、うぅ、うぇぇぇん!!」

そしてロディにとって困ったことに、
突然大賢者モニカが彼を抱きしめたまま号泣したのだ。

「あのちょっと…」

周囲の大人に助けを求めようにも、周りはみんな困惑している様子だった。
そのまま彼女が落ち着くまで、ロディは抱きしめられているしかなかった。
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