【宝の鍵~金の王子と銀の王子~】本編 元平凡女性のイケメン王子は執着心強めな兄に溺愛される

月城はな

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第七章 黄昏往く国

6-1* 蔵書室での密事

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 サンジェイラの蔵書室を訪れたその日から、リュセルは、来る日も来る日も、読書漬け、読書三昧な日々を送っていた。

 朝から晩まで、読書。

 兄弟二人、薄暗い部屋の中、テーブルで向き合って、ひたすら読書。

 夜に、ローウェンが報告を兼ねた同衾の為、部屋を訪れるので聞いてみたが、あちらもこれといった収穫はないようだった。

 ただ、ローウェンの会話の中に、アルティスに関する文句が増えたような気がする。

「アルティスの奴のせいで」

「アルティスってば、ひどいんだよ!」

「本当むかつく、あいつ」

 こんな言葉ばかりだったが、文句とはいえ、半身の事を口にするようになっただけ、進歩といえば進歩か。今度、どんな様子なのか、後をつけて様子を見守りたいものだ。

 そんな風に、年下の同胞の事を考えていたリュセルは、本の頁(ページ)をめくりながら、ふと、向かいにいる兄の姿を伺い見た。

 白く長い指で、優雅に本の頁をめくっているが、そのペースは恐ろしく速い。

 パラパラパラパラ

(本当に読んでいるのか?)

 高速で頁をめくるレオンハルトに疑いをかけるが、本人に聞いた所、きちんと頭に入っているようだ。この数日、部屋の約三分の一の本を読む事に制覇したが、そのほとんどをチェックしたのは、他でもないレオンハルトだった。

「どうした?」

 視線に気づいたレオンハルトが、集中のとぎれている弟にそう尋ねる。

「いや、別に」

「……少し休憩にしようか」

 疲れたのだろうと、勝手に推測したレオンハルトは、そう言うと読んでいた本を閉じた。

「ああ」

 リュセルもほっとしたように頷く。

 薄暗い部屋で読書ばかりしていると、なんだか人生を無駄にしているような気がしないでもない。そう思いつつ、リュセルは、椅子の背もたれにもたれかかった。

 そして、そんな風に気が緩んだ空気の中、眉間の皺をもんでいたレオンハルトは、不意に顔を上げた。見知った気配が、この部屋に侵入してきたようだ。

「レオン?」

 不思議そうなリュセルの声に、「いや」と首を振り、何でもないと返事を返すが、意識はその気配を警戒したままであった。誰かにここに自分達がいると聞いてやってきたんだろうが、まったく、周りをウロチョロされて、かなり目障りである。

(いっそ、本当に殺してやろうか)

 それとも、死んだ方がましという目に遭わせてやろうか。

(いくらでもそんな方法ならある)

 頭の中で、そんな恐ろしい事を向かいの兄が考えているなど思いもしないリュセルは、なんだか眠くなってきている状態だった。

 ちょうどいい暗さでもある事だし。

(昼寝したい)

 しかし、年下の玉主と玉鍵が頑張っているのに眠る訳にもいかない。

(眠いのか)

 そんな、異様にまばたきの回数の増えた弟を見つめ、レオンハルトはすぐ察しがついた。

(そういえば、仕置きがまだだったな)

 数日前、人をその気にさせるだけさせて、あっさりと眠ってしまった弟の事を思い出す。

 カタン

 わずかな音を立てて立ち上がったレオンハルトがテーブルを回り、自分の元に来るのを見つめ、リュセルは眠そうな目を瞬かせた。

「何だ?」

 不思議そうに尋ねたリュセルの顎に手をかけ、レオンハルトは何の前触れもなくそれを仰向かせる。

「レオン?」

 嫌な予感がしてリュセルは眉をひそめた。

 現在、座っている為、レオンハルトは椅子の背もたれに右手を添えて、仰向かせたリュセルの顔を覗き込んでいるような状態だ。

「眠気を覚まさせてやろう」

「け、けけ、結構です!」

 即、拒否した弟を眺め、面白そうにレオンハルトは答える。

「遠慮するな」

 そんな言葉と共に、ゆっくりと顔を寄せてきたレオンハルトに、リュセルはあきらめたように力を抜いた。

「ん……っ」

 最初は優しく触れるだけだった唇は、力を増し、明確な意思を持って弟の口を大きく開かせた。

 そのまま奥まで奪われたリュセルは、ゆっくりと兄の背に両手を回した。たくましい背を流れる、柔らかい髪の慣れた感触が両手に絡む。そんな風に絡みつく舌の熱に夢中になっていた為、リュセルが次に気づいた時、背には固い感触があった。

 テーブルの上に押し倒された状態になったリュセルは、口づけが解かれた瞬間を狙ってわずかに身を起こした。

「やめないか? こんな所で」

 弟の戸惑うような台詞を、顔ばかりは麗しい、美貌のお兄様はあっさりと無視した。むしろ、嫌がれば嫌がる程、ある意味鬼畜な性格をしているこの兄は、楽しそうだった。

「ここは……、ここは、こんな事していい場所じゃないんだぞ!」

 その通りである。

「人が来ないのだから、ちょうどいいだろう?」

 そう低音でささやき、往生際悪くもがき続ける弟を大人しくさせる為、レオンハルトは穿いていた宮廷服の上から彼自身を愛撫した。

「あッ」

 瞬間、ビクリと身をすくめたリュセルは、兄の手管に甘い喘ぎ声を上げながら、徐々に自ら脚を開いていく。

 くやしいが、結局いいようにされてしまうしかないのである。



「はぁ……っ」

 下衣を脱がせられる頃には、リュセルは耐え切れずに、腰をレオンハルトの太腿へと摺り寄せていた。

 次の瞬間、熱い吐息ごと奪われて、思考回路が酩酊していくのを感じる。柔らかな兄の舌が密着し、艶めかしく蠢く。舌の輪郭を辿られ、舐めまわされる、その卑猥な感覚。

 無意識の内に、気づけば、リュセルは小刻みに喉を鳴らし、それに答えるようにレオンハルトが甘く喉を鳴らした。

 喜悦に目を細めるレオンハルトの顔は、壮絶な程に扇情的だ。

 その顔を見た瞬間に背筋を走ったゾクリッとした快感は、あまりにも背徳的に心地よく、ダイレクトに下肢に伝わる。

 こんな場所でしたくないのに、正直過ぎる体が、それを裏切るのだ。

「あ、あ、あ、ぁんっ……ぁあああッ」

 自身を直に触れられると、握られ、扱かれ、先端を指で刺激される。下肢からするいやらしい水音が絶えず耳に届き、リュセルはひどく興奮した。

「ん、ん、……ぁあんっ」

 ポタポタと自身から零れる先走りの蜜が下腹部を汚しているのが分かった。このまま達したら、背にした机をも汚すかもしれない。

「嫌……っだ……も、イク……か、ら、離し……お願、止めてっ」

 泣きながら訴えると、レオンハルトは頷く

「いいよ、お達き」

「駄目、ぁ、あ、汚れる……、達きたくな……っ」

 既にぐしゃぐしゃに濡れている下肢を晒して何を言っているんだ?とレオンハルトは首を傾げ、弟が気にしているのが下にある机と周りの本類である事をようやく悟る。

 本は、確かに自分達の周囲に積んでいる為、もしかすると汚れるかもしれないし、机に至っては確実に汚れるだろう。

 レオンハルトの愛撫により忘我の域に達しながらも、なけなしの理性を働かせるリュセルのそんな言葉など、無視する事も出来るが……。

「では、口の中にお出し。全部飲んでやろう」

 その言葉と共に更に大きく脚を開かせて、挟間に顔を落としたレオンハルトは、熱く濡れて滾った弟自身を口内に招き入れ、舌を絡めて吸い上げた。

「あっ……、っぁぁぁああああっ!」

 既に限界を迎えていたリュセルは、いきなりの刺激に泣きながら達する。

「……あ、あ……、ぁあうッ」

 レオンハルトが予告通り喉を鳴らして、自身が漏らしたすべてを飲み込んでいるのが分かった。

 そして、そのまま

「うぁっ……」

 後腔にレオンハルトの柔らかな舌先が侵入する。

「ぁ、あ、あ、あ……っ、レオン……」

 唾液と先程リュセル自身が放った蜜液を絡めて後腔を解す舌の動きに耐えきれず、リュセルはビクビクと体を震わせた。

 長いような短いような時間をかけて、後腔が熟れるのを知ると、レオンハルトは、目の前の赤く染まった耳元にささやく。

「いい子だ」

 従順な弟に優しくささやき、自身をそこに宛がった。

「ぁ……」

 途端に弟の顔が恍惚となり、瞳が愉悦に蕩けるのを知り、レオンハルトは口元に浮かべた笑みを更に深くする。リュセルの体は、確実に自分好みの体に仕上がってきていた。素直で淫乱な体は、実に仕込みがいがある。

 そう考えながら、レオンハルトは、熟れきった目の前の若い体を思う存分に味わう為に一気に貫いた。
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