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ユリエの憂鬱
6-2 恋煩い
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カイエの言い分は置いとくとして、当のカイルーズはどうかというと……。
最近、彼は変だった。
執務室で仕事をしながらも、気がつくと、その小さな姿を目で追ってしまっていたのである。あんなに最悪な出会い方をしたというのに、何故かはわからない。まあ、一緒にいると楽しいし、面白いのは事実だが。
でも、小さな手が書類をめくる仕草から
その、めまぐるしく表情の変わる小さな顔から
その、背中で揺れる柔らかそうな黒髪から
目が逸らせない。
平凡な容姿であるはずなのに、一つ一つのパーツが可愛らしいく思えてならない。うっとりと、その姿に魅入ってしまっているカイルーズの姿は一目瞭然だった。
彼は……、カイルーズは、恋をしていた。
カイエに見抜かれる程、それはあからさまなものだったのだ。
「じゃあ、私はもう行くわね。原稿を仕上げないといけないから」
様子のおかしいカイエを心配しながらも、引き継ぎを終えたユリエは、執務室を出て行った。そんなユリエを見送ったカイルーズが再び執務椅子に腰かけるのを見ながら、カイエは勢い良く言った。
「殿下!」
「うわっ、びっくりした!? な、何?」
急に大声を上げて自分に詰め寄り、どアップになったカイエに対し、カイルーズは驚く。
「単刀直入に聞きます」
「うん?」
「ユリエに惚れましたね?」
本当に単刀直入に聞いてきたカイエの顔を見つめたまま、カイルーズは次の瞬間、きっぱりと頷いた。
「うん」
その、相変わらずな軽い答えを聞き、カイエは軽くこける。
「うん。……って殿下、あなたの婚約者は、彼女の妹姫でしょうが!」
「だって、しょうがないじゃん。好きになっちゃったもんはさ~」
それはその通りなのだが、カイエはあまりの事に頭痛がしてきた。風邪がぶり返しそうだ。
「ねぇ、どうしたらいいのかなあ?」
まるで人事のようにのんびりとした口調で呟く主に、カイエは言った。
「何をのん気な……って、殿下?」
のん気なカイルーズを叱責しようとしたカイエは、彼の表情を見て、その言葉を呑み込んだ。
「僕はツバキ姫を王妃としなくてはいけないのだから、この想いは隠し通さなきゃだよねぇ」
この青年は、いつの間にこんな瞳をするようになったのか。
「殿下」
一介の臣下に過ぎないカイエには、それ以上何も言う事は出来なかった。
一方のユリエは、自分に用意された部屋に引っ込むと同時に、備え付けの机に向かい、大きく伸びをしていた。
「あー、これでようやく、原稿の方に意識を向けられるわ」
黒猫ノンちゃんシリーズの画集のイラストの仕事を依頼されていたのだが、まったく手つかずの状態だったのだ。まさか、他国にきてまで側近の仕事をするとは思っていなかった。予想外の時間の浪費だったような気がする。しかし、ある意味では無駄ではなかったといえよう。
カイルーズ・アシェイラ。
彼の人となりと能力を、間近で見る事が出来た。
初対面が最悪だった為、最初はなんて奴だと、こんなのが、妹の夫となり、自分からすれば義弟になるのかと思うと、寒気がする程だったが、側近代行として傍にいた数日間で感じた。
(あの人は、きっといい王様になるわ)
カイルーズ本人の能力としては、非常に高いものがある。
高い知識、仕事をこなすスピード、咄嗟の判断力、人員をまとめる統率力。すべてにおいて大変優秀だ。しかも、その能力はおそらく、産まれ持ったものではない。自分なりに学んで得た形跡のようなものが見受けられるのだ。なんでも完璧にこなす天才肌のレオンハルトと違い、彼は秀才型であるのだろう。その高い能力は、努力という対価を支払ってようやく得たもののはず。
ユリエはそこに、好感を感じずにはいられなかった。
「後は、ツバキと良い関係を築いてくれれば、言う事ないわ」
肩の荷が一つ降りたような気がして、机の上に広げた真白なイラスト用紙に、ユリエは下絵を入れ始めた。
そして、その後、数刻程で一気に数枚のイラストを仕上げると、ユリエは不意に立ち上がる。
「う~ん。ここの背景は、どうしても咲き乱れる花々にしたいわねぇ」
確か、この城には有名な花園があったはずだ。
(行くしかない!)
ユリエは携帯用の画材道具をまとめると、いそいそと部屋を出て、今は亡き王妃、ルリカ妃も愛したという庭園に散歩がてら向かう事にした。
「すごい……」
城の敷地内にある広大な面積の中庭は、色とりどりの様々な花々が咲き乱れるそれは美しい庭園だった。
こんな見事な花園、サンジェイラには存在しない。余程腕のいい庭師を雇っているのだろう、手入れも完璧に行われていた。
創作意欲に火がついたユリエは早速この花々をイラストにしようと、画材道具を広げられる場所を探した。
その時……。
「いや~ん、もう、レイン様ったら!」
「ふふふ、今夜、君の可愛らしい体の奥にある秘密の扉を開きたいよ」
なんだ、そのこっぱずかしい台詞は!?
声のする方に近づくと、繁みの奥で一人の青年が、侍女らしい衣服を着た(半分脱げていたが)少女と逢瀬を楽しんでいた所だった。
「…………レイン」
ユリエは予測通りの人物との久しぶりの遭遇に、頭を抱えた。
(この阿呆は、こんなに日が高い内から何やってるのよ)
そこで気づく。そこにいたのは、愚弟と相手の侍女だけではなかったのだ。
体格が良く、無骨な印象を受ける壮年の騎士。彼は無表情のまま、レイン達から少し離れた場所で、直立不動の姿勢のまま待機していた。
「誰?」
その騎士は、ユリエの存在に気づくと、軽く会釈をしてきた。
「あ、どうも」
とりあえず、ユリエもそれに返したのだった。
「こんの、大馬鹿ああああああ!」
ユリエの庭園中に響き渡るような怒声に、今まで城勤めの侍女といちゃついていたレインは、両耳を咄嗟に押さえ込んだ。
ちなみに、件の侍女は、ユリエの一睨みで逃げるように立ち去った後だ。
「あんまりでかい声だすなよ~。俺は繊細なんだぞ」
「何が繊細よ、この馬鹿、愚弟!」
弟であるアルティスとローウェンには愚兄と、姉であるユリエには愚弟と呼ばれるレインは、聞き慣れたその言葉にも平然とした顔でいた。
「傷心の俺になんて事言うんだよ、姉上」
「傷心?」
一旦喉元まで出かかった説教を呑み込むと、ユリエは眉をしかめた。
「麗しくも美しいあの二人の兄弟が、まさか王都を離れているなんて、誰が予測し得ただろう」
ふっと、黄昏ながらそう呟く弟をうつろな目で見つめ、ユリエは言った。
「あなた、一体何しにこの国にきた訳?」
「もちろん、姉上とツバキの護衛さ。でも、あの二人に会えると期待していなかったといえば……嘘になる」
そう言いながら、アンニュイなため息をレインはつく。
「へ~」
なんか、ユリエはもう、どうでもよくなってきていた。
「そしてあわよくば、美しいであろう、あの体の隅々まで拝見し、堪能出来ればと」
「ふ~ん」
適当に相槌を打つ姉に気づかないまま、レインは更に言う。
「なのに、いざ来てみたら、俺の傍についてるのは、むさ苦しいおっさん騎士一人って、どういう事よ」
「おっさん騎士って……、何て事言うの、馬鹿! アントニオさんに失礼でしょう!?」
「…………いえ、事実ですから」
今まで空気のような存在の薄さで姉弟の言い合いを聞いていた、レオンハルトの直属の騎士の一人、アントニオは、静かにそう言った。
「ごめんなさいね。この子、口が悪くて。折角、問題の多いレインの見張り役として、ついていてくれているのに」
「主命ですので」
言葉はそっけないが、声に暖かな響きのある巨漢の壮年の騎士に、ユリエは好感を持った。
「でも、レオンハルト王子もよくわかってるじゃない。あなたに見張り役をつけるなんて。いい選択だわ」
背の高いアントニオを首が痛くなる程のけぞって見上げながら、ユリエは感心したように呟いた
「どうせならもっと、見た目に綺麗な女騎士とか、男でも、こう優男系の……、あ、いえ、なんでもありません」
段々と眦が再び上がってきたユリエに気づくと、レインは言葉を切った。
「まったく、あなたって子は。わかっているの? 今回のアシェイラ国王都訪問の目的は、ツバキの婚約の話を取り決める事なのよ」
「それだけどさ~、姉上も、俺の事ばかり責められないんじゃないか?」
仁王立ちする姉を芝生の上に座ったまま見上げたレインは、意地の悪い笑みを浮かべた。
「最近、ツバキよりも姉上の方がカイルーズ王子と親しいそうじゃないか」
最近、彼は変だった。
執務室で仕事をしながらも、気がつくと、その小さな姿を目で追ってしまっていたのである。あんなに最悪な出会い方をしたというのに、何故かはわからない。まあ、一緒にいると楽しいし、面白いのは事実だが。
でも、小さな手が書類をめくる仕草から
その、めまぐるしく表情の変わる小さな顔から
その、背中で揺れる柔らかそうな黒髪から
目が逸らせない。
平凡な容姿であるはずなのに、一つ一つのパーツが可愛らしいく思えてならない。うっとりと、その姿に魅入ってしまっているカイルーズの姿は一目瞭然だった。
彼は……、カイルーズは、恋をしていた。
カイエに見抜かれる程、それはあからさまなものだったのだ。
「じゃあ、私はもう行くわね。原稿を仕上げないといけないから」
様子のおかしいカイエを心配しながらも、引き継ぎを終えたユリエは、執務室を出て行った。そんなユリエを見送ったカイルーズが再び執務椅子に腰かけるのを見ながら、カイエは勢い良く言った。
「殿下!」
「うわっ、びっくりした!? な、何?」
急に大声を上げて自分に詰め寄り、どアップになったカイエに対し、カイルーズは驚く。
「単刀直入に聞きます」
「うん?」
「ユリエに惚れましたね?」
本当に単刀直入に聞いてきたカイエの顔を見つめたまま、カイルーズは次の瞬間、きっぱりと頷いた。
「うん」
その、相変わらずな軽い答えを聞き、カイエは軽くこける。
「うん。……って殿下、あなたの婚約者は、彼女の妹姫でしょうが!」
「だって、しょうがないじゃん。好きになっちゃったもんはさ~」
それはその通りなのだが、カイエはあまりの事に頭痛がしてきた。風邪がぶり返しそうだ。
「ねぇ、どうしたらいいのかなあ?」
まるで人事のようにのんびりとした口調で呟く主に、カイエは言った。
「何をのん気な……って、殿下?」
のん気なカイルーズを叱責しようとしたカイエは、彼の表情を見て、その言葉を呑み込んだ。
「僕はツバキ姫を王妃としなくてはいけないのだから、この想いは隠し通さなきゃだよねぇ」
この青年は、いつの間にこんな瞳をするようになったのか。
「殿下」
一介の臣下に過ぎないカイエには、それ以上何も言う事は出来なかった。
一方のユリエは、自分に用意された部屋に引っ込むと同時に、備え付けの机に向かい、大きく伸びをしていた。
「あー、これでようやく、原稿の方に意識を向けられるわ」
黒猫ノンちゃんシリーズの画集のイラストの仕事を依頼されていたのだが、まったく手つかずの状態だったのだ。まさか、他国にきてまで側近の仕事をするとは思っていなかった。予想外の時間の浪費だったような気がする。しかし、ある意味では無駄ではなかったといえよう。
カイルーズ・アシェイラ。
彼の人となりと能力を、間近で見る事が出来た。
初対面が最悪だった為、最初はなんて奴だと、こんなのが、妹の夫となり、自分からすれば義弟になるのかと思うと、寒気がする程だったが、側近代行として傍にいた数日間で感じた。
(あの人は、きっといい王様になるわ)
カイルーズ本人の能力としては、非常に高いものがある。
高い知識、仕事をこなすスピード、咄嗟の判断力、人員をまとめる統率力。すべてにおいて大変優秀だ。しかも、その能力はおそらく、産まれ持ったものではない。自分なりに学んで得た形跡のようなものが見受けられるのだ。なんでも完璧にこなす天才肌のレオンハルトと違い、彼は秀才型であるのだろう。その高い能力は、努力という対価を支払ってようやく得たもののはず。
ユリエはそこに、好感を感じずにはいられなかった。
「後は、ツバキと良い関係を築いてくれれば、言う事ないわ」
肩の荷が一つ降りたような気がして、机の上に広げた真白なイラスト用紙に、ユリエは下絵を入れ始めた。
そして、その後、数刻程で一気に数枚のイラストを仕上げると、ユリエは不意に立ち上がる。
「う~ん。ここの背景は、どうしても咲き乱れる花々にしたいわねぇ」
確か、この城には有名な花園があったはずだ。
(行くしかない!)
ユリエは携帯用の画材道具をまとめると、いそいそと部屋を出て、今は亡き王妃、ルリカ妃も愛したという庭園に散歩がてら向かう事にした。
「すごい……」
城の敷地内にある広大な面積の中庭は、色とりどりの様々な花々が咲き乱れるそれは美しい庭園だった。
こんな見事な花園、サンジェイラには存在しない。余程腕のいい庭師を雇っているのだろう、手入れも完璧に行われていた。
創作意欲に火がついたユリエは早速この花々をイラストにしようと、画材道具を広げられる場所を探した。
その時……。
「いや~ん、もう、レイン様ったら!」
「ふふふ、今夜、君の可愛らしい体の奥にある秘密の扉を開きたいよ」
なんだ、そのこっぱずかしい台詞は!?
声のする方に近づくと、繁みの奥で一人の青年が、侍女らしい衣服を着た(半分脱げていたが)少女と逢瀬を楽しんでいた所だった。
「…………レイン」
ユリエは予測通りの人物との久しぶりの遭遇に、頭を抱えた。
(この阿呆は、こんなに日が高い内から何やってるのよ)
そこで気づく。そこにいたのは、愚弟と相手の侍女だけではなかったのだ。
体格が良く、無骨な印象を受ける壮年の騎士。彼は無表情のまま、レイン達から少し離れた場所で、直立不動の姿勢のまま待機していた。
「誰?」
その騎士は、ユリエの存在に気づくと、軽く会釈をしてきた。
「あ、どうも」
とりあえず、ユリエもそれに返したのだった。
「こんの、大馬鹿ああああああ!」
ユリエの庭園中に響き渡るような怒声に、今まで城勤めの侍女といちゃついていたレインは、両耳を咄嗟に押さえ込んだ。
ちなみに、件の侍女は、ユリエの一睨みで逃げるように立ち去った後だ。
「あんまりでかい声だすなよ~。俺は繊細なんだぞ」
「何が繊細よ、この馬鹿、愚弟!」
弟であるアルティスとローウェンには愚兄と、姉であるユリエには愚弟と呼ばれるレインは、聞き慣れたその言葉にも平然とした顔でいた。
「傷心の俺になんて事言うんだよ、姉上」
「傷心?」
一旦喉元まで出かかった説教を呑み込むと、ユリエは眉をしかめた。
「麗しくも美しいあの二人の兄弟が、まさか王都を離れているなんて、誰が予測し得ただろう」
ふっと、黄昏ながらそう呟く弟をうつろな目で見つめ、ユリエは言った。
「あなた、一体何しにこの国にきた訳?」
「もちろん、姉上とツバキの護衛さ。でも、あの二人に会えると期待していなかったといえば……嘘になる」
そう言いながら、アンニュイなため息をレインはつく。
「へ~」
なんか、ユリエはもう、どうでもよくなってきていた。
「そしてあわよくば、美しいであろう、あの体の隅々まで拝見し、堪能出来ればと」
「ふ~ん」
適当に相槌を打つ姉に気づかないまま、レインは更に言う。
「なのに、いざ来てみたら、俺の傍についてるのは、むさ苦しいおっさん騎士一人って、どういう事よ」
「おっさん騎士って……、何て事言うの、馬鹿! アントニオさんに失礼でしょう!?」
「…………いえ、事実ですから」
今まで空気のような存在の薄さで姉弟の言い合いを聞いていた、レオンハルトの直属の騎士の一人、アントニオは、静かにそう言った。
「ごめんなさいね。この子、口が悪くて。折角、問題の多いレインの見張り役として、ついていてくれているのに」
「主命ですので」
言葉はそっけないが、声に暖かな響きのある巨漢の壮年の騎士に、ユリエは好感を持った。
「でも、レオンハルト王子もよくわかってるじゃない。あなたに見張り役をつけるなんて。いい選択だわ」
背の高いアントニオを首が痛くなる程のけぞって見上げながら、ユリエは感心したように呟いた
「どうせならもっと、見た目に綺麗な女騎士とか、男でも、こう優男系の……、あ、いえ、なんでもありません」
段々と眦が再び上がってきたユリエに気づくと、レインは言葉を切った。
「まったく、あなたって子は。わかっているの? 今回のアシェイラ国王都訪問の目的は、ツバキの婚約の話を取り決める事なのよ」
「それだけどさ~、姉上も、俺の事ばかり責められないんじゃないか?」
仁王立ちする姉を芝生の上に座ったまま見上げたレインは、意地の悪い笑みを浮かべた。
「最近、ツバキよりも姉上の方がカイルーズ王子と親しいそうじゃないか」
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