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ユリエの憂鬱
9-1 庭園へ……
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それは夢のような時間でもあった。
自分達に注目する人々の視線すら気にならぬ程、ユリエもカイルーズも互いの存在にのみ意識を向けていた。
(細い)
触れた腰、自分の体に絡む腕、予想通りのユリエの体の細さに、カイルーズは目を細める。
一方、それとは逆に、意外なカイルーズの手の大きさ、たくましさにユリエは驚いていた。その見た目からは想像できないような力強さに、ユリエはわずかに頬を赤らめる。
このまま時が止まればいいのにと、互いに同じ事を考えている、そんな二人を王座に座りながら見守っていたジェイドは、既視感を覚えた。
(ルリカ……)
息子であるカイルーズが若い頃の自分によく似ている事もあり、ジェイドは今は亡き妻、ルリカとの事を思い出していた。
今、まさに広間の中央で踊っている二人のように、まだ王子だった時分、自分達もあんな風に幸せに満たされながら踊っていたものだ。
「…………」
ジェイドは我知らず、その顔に昔を懐かしむような暖かい微笑みを浮かべていたのだった。
一曲、二曲と連続して踊りながら思う。いつまでもこのままでいたい。……と。切ない位にそう思っていたユリエの、おぼろげな視界に青いドレスが映り込んだ。
その瞬間。
(ツバキ!)
この青年は、妹の婚約者なのである。ユリエはそれを思い出すと同時に、夢の世界から一気に現実に自分の意識を引き戻した。
ドンッ
(!?)
曲が終わっていないのにいきなり立ち止まり、自分を突き飛ばしたユリエに、カイルーズは眉をしかめる。
「ごめんなさい」
そう言って身を翻したユリエは、カイルーズの腕から逃れて、広間から一刻も早く立ち去ろうとした。
「待っ」
カイルーズが慌てて腕を掴もうとしたが、その前に……。
グギッ
嫌な音がした。
(いっ痛いいいいいいいいいっ!)
吐き慣れないヒールの高い靴など履いた為に、ユリエは思い切り足をくじいて倒れかけた。
「……何やってるんだよ」
横に倒れかけたユリエの肩に右手を回してその体を支えたカイルーズは、呆れたような声でそう言うと、痛みのあまり涙目になっているユリエの体を唐突に横抱きに抱き上げる。あまりにも軽々と抱き上げられてユリエは一瞬呆気にとられるが、次の瞬間、羞恥心に襲われた。
「ちょ、ちょっと、降ろして!」
遅まきながらジタバタと暴れて抵抗するユリエを見下ろし、カイルーズは答えた。
「嫌だね、放したら逃げるつもりだろう?」
「当たり前じゃない!」
そう叫んだユリエにカイルーズは軽く顔を引きつらせた。
「君ね、そういう時は、嘘でも”そんな事ないわ。”とか言うものだろうが、まったく」
「ソンナコトナイワ」
「……棒読みだぞ」
そう返しながらも、カイルーズはスタスタと歩き始める。
「ちょっと、どこ行く気よ!」
広間に集まった人々に注目されながらも(幸か不幸か、周りがよく見えていないユリエは気づいていない)、悠々と広間を横切るカイルーズは、あっさりとした口調で答えた。
「人目のない所」
「嫌よ、私は! 嫌! 降ろしてっ」
「はいはい、ちょっと大人しくしていようね」
暴れるユリエを苦にもせず、そのまま広間を出て行くカイルーズを見送った人々は、しばらく唖然としたまま、微妙な沈黙に包まれたのだった。
「あ~あ、派出に退場したよな~」
他の人達と同じように唖然としている様子の妹にそう話しかけたレインは、婚約者になるはずだった王子に振られた形になる妹のフォローをどうすればいいのかと内心悩んでいた。
しかし、悩む必要などなかった……。
「…………カイルーズ様は、ずっとお姉様の事を考えていらしたのね? 謎が解けましたわ、お兄様!」
得心が行ったとでもいうように、ポンっと右手こぶしで左手の平を軽く叩いたツバキに、レインは軽くコケる。
「そんな反応でいいのかよ!」
「だって、カイルーズ様は、わたくしといる時もずっと別の方の事を考えているようでしたから。一体その方はどなたなんだろうと興味津々だったの」
「お前……、カイルーズ王子は、一応お前の婚約者候補だったんだぞ。それが別の女性を抱きかかえて出て行ったのを見て、なんとも思わないのか?」
ついつい、レインはそうつっこんでしまう。
しかし、ツバキはそれにもきょとんとして答えたのだった。
「どうして?」
「どうしてって、おいおいおい」
「わたくし、なんだかほっとしているのよ、お兄様。カイルーズ様がお姉様を選んでくれて」
そうして俯いたツバキは、本当に安心したような表情を浮かべていた。
「アシェイラに滞在している間にわかったの。わたくしは、こんな大きな国の王妃になんてなれないわ。そんな度胸も器量もない事、よくわかっているもの……。体だって、あまり丈夫じゃないし」
「ツバキ」
かける言葉を失っているレインに、ツバキはにっこりと笑いかけた。
「それに、お姉様が幸せになってくれるなら、それが一番わたくしは嬉しいの」
「…………」
えへへっと笑う妹の結いあげられた頭を、レインは優しい兄の顔で撫でたのだった。
一方、ユリエを抱えてカイルーズがやってきた場所は、数日前に気まずい別れ方をした庭園の、例のテーブルのある休憩場所だった。椅子の上にユリエを降ろすと、カイルーズは身をかがめ、おもむろに彼女のドレスを捲り上げる。
「きゃああああああ、ななな、何するのよ、痴漢! 変態っ」
「ちょっと~、また僕を痴漢呼ばわり!? くじいた足を診てやろうとしてるんじゃないか」
ぶつぶつ言いながら、カイルーズはくじいたユリエの右足に目を向ける。
「あ~、腫れてるねぇ。痛くない?」
「少し……」
ユリエの返事にカイルーズは目を細めると、腫れている足首を力を入れて掴んだ。
(いッ)
あまりの痛みに、声も上げられずに固まって涙目になるユリエを見たカイルーズは、呆れたように言った。
「やせ我慢も大概にしなよ」
「だからって、何も掴む事ないじゃない。痛いわよ」
「だって、痛くしたんだから当然でしょ?」
こいつ……。
ユリエの目が殺気立つのを面白そうに見下ろしながら、カイルーズはキョロキョロと周りを見回した。
「さっきティルに頼んでおいたから、そろそろ来るはずなんだけどな」
「ティルって、広間を出た時に会った小姓の子の事?」
「うん、リュセル専用の救急箱を要請したんだ。誰にも邪魔されたくなかったからね」
「?」
カイルーズの意味不明な言葉にユリエは首を傾げる。そして、その言葉の意味は、程なくして知れた。
ヨタヨタヨタ……
「ん? 来たね」
ヨタヨタヨタヨタ
城の方から一匹のテディベアが、危なっかしい足どりで一生懸命に駆け寄って来るのがカイルーズの目に映った。
「何? 何が来たの!?」
ユリエも、カイルーズが見ていると思われる方角を目を細めて見ようとするが、視界がぼやけていてよくわからない。
「うん? 言ったでしょう? 救急箱だよ」
「は?」
救急箱が歩いて来る訳ない。侍女か小姓が持ってきてくれたのかと、ユリエは勘違いをした。
「腫れ止めの薬を出してよ」
かなりの時間をかけて、ようやく二人の元に辿り着いた、救急箱ことクマ吉は、カイルーズの言葉を受け、コクンと頷いて、ひとりでに収納モードに切り替わった。クマ吉の口から薬と包帯が出てくると、カイルーズはそれを受け取ってユリエの前に跪く。
「ちょっと冷たいかもね」
ユリエの裸足の右足を自分の膝に乗せ、カイルーズはそう言ってケースに入っていた塗り薬を指ですくうと、腫れた足首にそれを塗り出した。
丁寧に腫れた足首に薬を塗られ、湿布をあてがわれた後、包帯を手際よく巻くカイルーズの顔を見下ろしながら、ユリエはなんだか、いたたまれない気持ちになった。
「はい、終わり」
手当の終わりを告げた青年に、ユリエは小さな声でお礼を言った。
「ありがとう」
そして、そそくさと、さらされていた象牙色の足首をドレスで隠す。
それを少し残念そうな目で見ていたカイルーズだったが、ふと自分の隣りで手当の手伝いをしていてくれていたクマ吉の方に目を向けた。
二人きりになりたいが為、目線でここから去るように促すカイルーズに、クマ吉はコクンと頷いて、再び収納モードになり、薬や包帯類を口から飲みこみ、またヨタヨタとした足取りでその場を去ろうとする。
しかし……。
「あら?」
自分達に注目する人々の視線すら気にならぬ程、ユリエもカイルーズも互いの存在にのみ意識を向けていた。
(細い)
触れた腰、自分の体に絡む腕、予想通りのユリエの体の細さに、カイルーズは目を細める。
一方、それとは逆に、意外なカイルーズの手の大きさ、たくましさにユリエは驚いていた。その見た目からは想像できないような力強さに、ユリエはわずかに頬を赤らめる。
このまま時が止まればいいのにと、互いに同じ事を考えている、そんな二人を王座に座りながら見守っていたジェイドは、既視感を覚えた。
(ルリカ……)
息子であるカイルーズが若い頃の自分によく似ている事もあり、ジェイドは今は亡き妻、ルリカとの事を思い出していた。
今、まさに広間の中央で踊っている二人のように、まだ王子だった時分、自分達もあんな風に幸せに満たされながら踊っていたものだ。
「…………」
ジェイドは我知らず、その顔に昔を懐かしむような暖かい微笑みを浮かべていたのだった。
一曲、二曲と連続して踊りながら思う。いつまでもこのままでいたい。……と。切ない位にそう思っていたユリエの、おぼろげな視界に青いドレスが映り込んだ。
その瞬間。
(ツバキ!)
この青年は、妹の婚約者なのである。ユリエはそれを思い出すと同時に、夢の世界から一気に現実に自分の意識を引き戻した。
ドンッ
(!?)
曲が終わっていないのにいきなり立ち止まり、自分を突き飛ばしたユリエに、カイルーズは眉をしかめる。
「ごめんなさい」
そう言って身を翻したユリエは、カイルーズの腕から逃れて、広間から一刻も早く立ち去ろうとした。
「待っ」
カイルーズが慌てて腕を掴もうとしたが、その前に……。
グギッ
嫌な音がした。
(いっ痛いいいいいいいいいっ!)
吐き慣れないヒールの高い靴など履いた為に、ユリエは思い切り足をくじいて倒れかけた。
「……何やってるんだよ」
横に倒れかけたユリエの肩に右手を回してその体を支えたカイルーズは、呆れたような声でそう言うと、痛みのあまり涙目になっているユリエの体を唐突に横抱きに抱き上げる。あまりにも軽々と抱き上げられてユリエは一瞬呆気にとられるが、次の瞬間、羞恥心に襲われた。
「ちょ、ちょっと、降ろして!」
遅まきながらジタバタと暴れて抵抗するユリエを見下ろし、カイルーズは答えた。
「嫌だね、放したら逃げるつもりだろう?」
「当たり前じゃない!」
そう叫んだユリエにカイルーズは軽く顔を引きつらせた。
「君ね、そういう時は、嘘でも”そんな事ないわ。”とか言うものだろうが、まったく」
「ソンナコトナイワ」
「……棒読みだぞ」
そう返しながらも、カイルーズはスタスタと歩き始める。
「ちょっと、どこ行く気よ!」
広間に集まった人々に注目されながらも(幸か不幸か、周りがよく見えていないユリエは気づいていない)、悠々と広間を横切るカイルーズは、あっさりとした口調で答えた。
「人目のない所」
「嫌よ、私は! 嫌! 降ろしてっ」
「はいはい、ちょっと大人しくしていようね」
暴れるユリエを苦にもせず、そのまま広間を出て行くカイルーズを見送った人々は、しばらく唖然としたまま、微妙な沈黙に包まれたのだった。
「あ~あ、派出に退場したよな~」
他の人達と同じように唖然としている様子の妹にそう話しかけたレインは、婚約者になるはずだった王子に振られた形になる妹のフォローをどうすればいいのかと内心悩んでいた。
しかし、悩む必要などなかった……。
「…………カイルーズ様は、ずっとお姉様の事を考えていらしたのね? 謎が解けましたわ、お兄様!」
得心が行ったとでもいうように、ポンっと右手こぶしで左手の平を軽く叩いたツバキに、レインは軽くコケる。
「そんな反応でいいのかよ!」
「だって、カイルーズ様は、わたくしといる時もずっと別の方の事を考えているようでしたから。一体その方はどなたなんだろうと興味津々だったの」
「お前……、カイルーズ王子は、一応お前の婚約者候補だったんだぞ。それが別の女性を抱きかかえて出て行ったのを見て、なんとも思わないのか?」
ついつい、レインはそうつっこんでしまう。
しかし、ツバキはそれにもきょとんとして答えたのだった。
「どうして?」
「どうしてって、おいおいおい」
「わたくし、なんだかほっとしているのよ、お兄様。カイルーズ様がお姉様を選んでくれて」
そうして俯いたツバキは、本当に安心したような表情を浮かべていた。
「アシェイラに滞在している間にわかったの。わたくしは、こんな大きな国の王妃になんてなれないわ。そんな度胸も器量もない事、よくわかっているもの……。体だって、あまり丈夫じゃないし」
「ツバキ」
かける言葉を失っているレインに、ツバキはにっこりと笑いかけた。
「それに、お姉様が幸せになってくれるなら、それが一番わたくしは嬉しいの」
「…………」
えへへっと笑う妹の結いあげられた頭を、レインは優しい兄の顔で撫でたのだった。
一方、ユリエを抱えてカイルーズがやってきた場所は、数日前に気まずい別れ方をした庭園の、例のテーブルのある休憩場所だった。椅子の上にユリエを降ろすと、カイルーズは身をかがめ、おもむろに彼女のドレスを捲り上げる。
「きゃああああああ、ななな、何するのよ、痴漢! 変態っ」
「ちょっと~、また僕を痴漢呼ばわり!? くじいた足を診てやろうとしてるんじゃないか」
ぶつぶつ言いながら、カイルーズはくじいたユリエの右足に目を向ける。
「あ~、腫れてるねぇ。痛くない?」
「少し……」
ユリエの返事にカイルーズは目を細めると、腫れている足首を力を入れて掴んだ。
(いッ)
あまりの痛みに、声も上げられずに固まって涙目になるユリエを見たカイルーズは、呆れたように言った。
「やせ我慢も大概にしなよ」
「だからって、何も掴む事ないじゃない。痛いわよ」
「だって、痛くしたんだから当然でしょ?」
こいつ……。
ユリエの目が殺気立つのを面白そうに見下ろしながら、カイルーズはキョロキョロと周りを見回した。
「さっきティルに頼んでおいたから、そろそろ来るはずなんだけどな」
「ティルって、広間を出た時に会った小姓の子の事?」
「うん、リュセル専用の救急箱を要請したんだ。誰にも邪魔されたくなかったからね」
「?」
カイルーズの意味不明な言葉にユリエは首を傾げる。そして、その言葉の意味は、程なくして知れた。
ヨタヨタヨタ……
「ん? 来たね」
ヨタヨタヨタヨタ
城の方から一匹のテディベアが、危なっかしい足どりで一生懸命に駆け寄って来るのがカイルーズの目に映った。
「何? 何が来たの!?」
ユリエも、カイルーズが見ていると思われる方角を目を細めて見ようとするが、視界がぼやけていてよくわからない。
「うん? 言ったでしょう? 救急箱だよ」
「は?」
救急箱が歩いて来る訳ない。侍女か小姓が持ってきてくれたのかと、ユリエは勘違いをした。
「腫れ止めの薬を出してよ」
かなりの時間をかけて、ようやく二人の元に辿り着いた、救急箱ことクマ吉は、カイルーズの言葉を受け、コクンと頷いて、ひとりでに収納モードに切り替わった。クマ吉の口から薬と包帯が出てくると、カイルーズはそれを受け取ってユリエの前に跪く。
「ちょっと冷たいかもね」
ユリエの裸足の右足を自分の膝に乗せ、カイルーズはそう言ってケースに入っていた塗り薬を指ですくうと、腫れた足首にそれを塗り出した。
丁寧に腫れた足首に薬を塗られ、湿布をあてがわれた後、包帯を手際よく巻くカイルーズの顔を見下ろしながら、ユリエはなんだか、いたたまれない気持ちになった。
「はい、終わり」
手当の終わりを告げた青年に、ユリエは小さな声でお礼を言った。
「ありがとう」
そして、そそくさと、さらされていた象牙色の足首をドレスで隠す。
それを少し残念そうな目で見ていたカイルーズだったが、ふと自分の隣りで手当の手伝いをしていてくれていたクマ吉の方に目を向けた。
二人きりになりたいが為、目線でここから去るように促すカイルーズに、クマ吉はコクンと頷いて、再び収納モードになり、薬や包帯類を口から飲みこみ、またヨタヨタとした足取りでその場を去ろうとする。
しかし……。
「あら?」
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