42 / 79
風雲は急を告げている2
しおりを挟む
(もう、持たんか・・・。)
結界はすべてを護ってきた。魔王軍から、魔物から、自然の驚異から・・・妖精の村、グランハイランド開闢の時代から10000年以上もこの地を護ってきた。人類が一度滅びの時を迎え、言い伝えではこの村や他の妖精族や精霊族の村は元々一つの国を形成し、人類が栄えるまで守護したとのこだ。本当かどうかは定かではない。だが、現在でも王族や皇族は必ず彼らのもとに訪れ、族長に跪く・・・まあ、そのあとは家族の様に全員酒浸りになるのだが・・・。
(だが、この村が滅んだとて勇者はわしの時代にたくさん生まれた。それにシルフ様の力を受け継いでいるシルフィーは逃がした。きっと我らの意をくんで、立派にやってくれるだろう。)
族長である老人、イフェーリカは妻であるノーメルンにそう話す。ノーメルンは何も言わず、炎をただじっと見続けている。聞いていないわけではない。ただ、妖精族はここで滅びようとも随分と長くあったなとそう思っている。斜陽の時が急に訪れて感慨にふけっているイフェーリアを見て、やはり老人だなと、まあいつもそう言っているしなとそう思っていた。
(族長、老人が気張らなくていいんですか?何人か死んだみたいですが・・・。)
(ノーメルン、お主はいつも美しい。そして、冷静じゃな。)
(あなたの適当さには普段から悩ませられていますから。前妻様がお亡くなりになり、1000年ほどですか。あなた様の妻になってからはいろいろとありましたが、まあ退屈はしなかったと思います。)
(ふ、あの時のわしのプロポーズはかっこよかったじゃろ!)
(はいはい。カッコーヨカッタデスネ。)
彼女は適当にあしらうと心の声が漏れ出てしまう。今回はだめかもしれない。何十人もの戦士が死んだ。それにデカい魔力の塊を感じる。あれは勇者にしか倒せないものだ。ただ、ノーメルンやイフェーリカは5000年は余裕で生きている。いまさら死んだところで老害が死ぬだけだと心の奥底から思っているだけなのだ。ただ、心配することは世界が魔王にとられること。それだけだった。
(それに、来たようじゃしの。心配ないだろうて。)
(イッタイゼンタイナンデナンデそんな適当なことを連呼できるかを聞きたいです。)
(は!ノーメルンはたかが6000年じゃ。対して儂は9000年。儂はこの地に生を受け、3000年前から族長やってる妖精じゃ。そしたらわかるようになるんじゃよ。)
(何がでしょうか?)
(聖剣と言うのは他の神聖装備とは全く違う。それを授ける女神も他の女神とは違う。聖剣は魔の王を唯一倒せる武器なんじゃよ。)
(・・・だから何です?まさか聖剣の勇者が来ましたか?)
(いや、その器がここに来た。)
イフェーリカが立ち上がるとノーメルンは思った。
(あ、ロクでもない顔してる。)
(あ、わかる。わかっちゃうのか~。)
にやにやした顔を浮かべながら老人は笑った。久しぶりのおもちゃを手にしかのたような高揚感。
(しかし、私は何も感じませんね。高速で近づいてくる隕石のような感じですか。)
(それがいいんじゃよ。久方ぶりの面白い光景が見れるのじゃからな。ああー興奮してきた!儂!行ってくる!ノーメルン火の管理よろしく!)
わーいわーいと言って走って出て行ってしまった。
(っち!あの爺とまだ一緒ですか。いっそ死んでください。)
ノーメルンは火に向かって悪態をついた。炎に薪をくべると時間が来れば燃え尽きる。すべてはそういうことなのだった。
結界はすべてを護ってきた。魔王軍から、魔物から、自然の驚異から・・・妖精の村、グランハイランド開闢の時代から10000年以上もこの地を護ってきた。人類が一度滅びの時を迎え、言い伝えではこの村や他の妖精族や精霊族の村は元々一つの国を形成し、人類が栄えるまで守護したとのこだ。本当かどうかは定かではない。だが、現在でも王族や皇族は必ず彼らのもとに訪れ、族長に跪く・・・まあ、そのあとは家族の様に全員酒浸りになるのだが・・・。
(だが、この村が滅んだとて勇者はわしの時代にたくさん生まれた。それにシルフ様の力を受け継いでいるシルフィーは逃がした。きっと我らの意をくんで、立派にやってくれるだろう。)
族長である老人、イフェーリカは妻であるノーメルンにそう話す。ノーメルンは何も言わず、炎をただじっと見続けている。聞いていないわけではない。ただ、妖精族はここで滅びようとも随分と長くあったなとそう思っている。斜陽の時が急に訪れて感慨にふけっているイフェーリアを見て、やはり老人だなと、まあいつもそう言っているしなとそう思っていた。
(族長、老人が気張らなくていいんですか?何人か死んだみたいですが・・・。)
(ノーメルン、お主はいつも美しい。そして、冷静じゃな。)
(あなたの適当さには普段から悩ませられていますから。前妻様がお亡くなりになり、1000年ほどですか。あなた様の妻になってからはいろいろとありましたが、まあ退屈はしなかったと思います。)
(ふ、あの時のわしのプロポーズはかっこよかったじゃろ!)
(はいはい。カッコーヨカッタデスネ。)
彼女は適当にあしらうと心の声が漏れ出てしまう。今回はだめかもしれない。何十人もの戦士が死んだ。それにデカい魔力の塊を感じる。あれは勇者にしか倒せないものだ。ただ、ノーメルンやイフェーリカは5000年は余裕で生きている。いまさら死んだところで老害が死ぬだけだと心の奥底から思っているだけなのだ。ただ、心配することは世界が魔王にとられること。それだけだった。
(それに、来たようじゃしの。心配ないだろうて。)
(イッタイゼンタイナンデナンデそんな適当なことを連呼できるかを聞きたいです。)
(は!ノーメルンはたかが6000年じゃ。対して儂は9000年。儂はこの地に生を受け、3000年前から族長やってる妖精じゃ。そしたらわかるようになるんじゃよ。)
(何がでしょうか?)
(聖剣と言うのは他の神聖装備とは全く違う。それを授ける女神も他の女神とは違う。聖剣は魔の王を唯一倒せる武器なんじゃよ。)
(・・・だから何です?まさか聖剣の勇者が来ましたか?)
(いや、その器がここに来た。)
イフェーリカが立ち上がるとノーメルンは思った。
(あ、ロクでもない顔してる。)
(あ、わかる。わかっちゃうのか~。)
にやにやした顔を浮かべながら老人は笑った。久しぶりのおもちゃを手にしかのたような高揚感。
(しかし、私は何も感じませんね。高速で近づいてくる隕石のような感じですか。)
(それがいいんじゃよ。久方ぶりの面白い光景が見れるのじゃからな。ああー興奮してきた!儂!行ってくる!ノーメルン火の管理よろしく!)
わーいわーいと言って走って出て行ってしまった。
(っち!あの爺とまだ一緒ですか。いっそ死んでください。)
ノーメルンは火に向かって悪態をついた。炎に薪をくべると時間が来れば燃え尽きる。すべてはそういうことなのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる