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1章 王都ルーデリー 出会い編
1‐23 大群
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街の外に出られない間、みっちりと刀の使い方の基礎を教わる。
スキル「剣術」が「剣術(刀)」になっていた。
スキルはより適正に合わせて進化する性質が有り、過去のスキルの効果がなくなるわけではないという。
「経験値での獲得ではなく、自力で身に着けたスキルの場合は名称が変わっても、本質的には劣化しません。
例外としてレベルアップ等で得たスキルで、使いこなせていないものはスキルの進化・変化によって効果が変わるものはありますが。」
ーーーーーーーーーー
まだ三日ほどしか経っていないが、無収入の間すっかりナツキのヒモに戻ってしまった。
他の冒険者も収入を得るため、危険を承知で街の外へと出始めていた。
そして事件が起きる。
ーーーーーーーーーー
カンカンカンカン
敵襲を知らせる鐘の音、魔物の群れがこちらへ向かっているようだ。
三人で集まった俺たちはギルドの出動要請に応じることにする。
「あんなに大群、一体どこに隠れていたんだよ!」
「騎士団はどうしたんだ!!」
いざ目の前にするとすごい数だ、街の入り口からはゆっくりとこちらへ向かってくる魔物の群れが見える。
あんな生き物は始めてみた。
二足歩行や四足歩行、果ては八足歩行で歩くものもいるみたいだが、共通しているのは上半身をタコのような何かが覆っているように見え、複数の触手がうねうねと動いていた。
「騎士団は、奴らの親玉の足止めをしていると伝達が有った。
数は多いが、一体一体は強くないと報告があった。
しっかりと連携を取れば犠牲者を出さずに退けられるはずだ。」
初めて見るがギルドの偉い人のようだ、眼鏡をクイッと上げながら説明をしている。
皆が彼のいう事を黙って聞いている。
「自信の無いものは街で待機、万が一街に入り込んできたら市民を守ってくれ。」
ーーーーーーーーーーー
「ぐぎゃっっ!」
俺とミーシャは二人で一体ずつ確実に仕留めながら、ナツキは援護徹する。
確かに強くはない、しかし数が多すぎて一向に終わる気配がない。
「交代だ!
下がれ!」
現場の指揮を執るのは先ほどの眼鏡の男。
戦闘員の時間配分、救護班への指示を的確にこなし、犠牲者は一人も出ていない。
「すごい人だね。」
休憩しながらそんなことを漏らす。
「リルドさんは元上級冒険者なんだけど、騎士団の外部顧問をしながらギルドの幹部でもあるの。」
ミーシャはまだまだ余裕が有りそうだが、さすがに他の冒険者にも疲れの色が出始めている。
ーーーーーーーーーー
あれだけの大群が、今はすっかり死体の山。
魔物が流す紫色の血には若干毒がある為、食べられる類ではなさそうだし、何より臭い。
戦闘の中盤に解析班からの報告で、どうやら寄生虫のような魔物が本体で、人や魔物に寄生していたらしい。
その報告を聞いたときは鳥肌が止まらなかった。
「ここはもう大丈夫ですが、騎士団はこの群れの「主」に未だ手間取っているようです。」
話を聞いてきたナツキそう報告してくれる。
「この後どうしたらいいかな?」
「まだ何が有るか分かりません。
上級冒険者が応援に行くようなので、有事に備えて今は休みましょう。」
その直後、ナツキにだけ声がかかる。
ーーーーーーーーーー
「すみません、私も応援の方へ行ってきます。」
どうやらナツキも「上級冒険者」の頭数に入っていたらしく、討伐へ向かうようだ。
心配がないわけではないが、ナツキなら大丈夫だと信頼している。
「あんまり無茶はしないでね。」
そういってナツキの手を握る。
「はい!
行ってきます。」
一緒に行けないのはまだまだ弱いから…
ナツキの隣を歩けるように強くならなきゃな。
スキル「剣術」が「剣術(刀)」になっていた。
スキルはより適正に合わせて進化する性質が有り、過去のスキルの効果がなくなるわけではないという。
「経験値での獲得ではなく、自力で身に着けたスキルの場合は名称が変わっても、本質的には劣化しません。
例外としてレベルアップ等で得たスキルで、使いこなせていないものはスキルの進化・変化によって効果が変わるものはありますが。」
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まだ三日ほどしか経っていないが、無収入の間すっかりナツキのヒモに戻ってしまった。
他の冒険者も収入を得るため、危険を承知で街の外へと出始めていた。
そして事件が起きる。
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カンカンカンカン
敵襲を知らせる鐘の音、魔物の群れがこちらへ向かっているようだ。
三人で集まった俺たちはギルドの出動要請に応じることにする。
「あんなに大群、一体どこに隠れていたんだよ!」
「騎士団はどうしたんだ!!」
いざ目の前にするとすごい数だ、街の入り口からはゆっくりとこちらへ向かってくる魔物の群れが見える。
あんな生き物は始めてみた。
二足歩行や四足歩行、果ては八足歩行で歩くものもいるみたいだが、共通しているのは上半身をタコのような何かが覆っているように見え、複数の触手がうねうねと動いていた。
「騎士団は、奴らの親玉の足止めをしていると伝達が有った。
数は多いが、一体一体は強くないと報告があった。
しっかりと連携を取れば犠牲者を出さずに退けられるはずだ。」
初めて見るがギルドの偉い人のようだ、眼鏡をクイッと上げながら説明をしている。
皆が彼のいう事を黙って聞いている。
「自信の無いものは街で待機、万が一街に入り込んできたら市民を守ってくれ。」
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「ぐぎゃっっ!」
俺とミーシャは二人で一体ずつ確実に仕留めながら、ナツキは援護徹する。
確かに強くはない、しかし数が多すぎて一向に終わる気配がない。
「交代だ!
下がれ!」
現場の指揮を執るのは先ほどの眼鏡の男。
戦闘員の時間配分、救護班への指示を的確にこなし、犠牲者は一人も出ていない。
「すごい人だね。」
休憩しながらそんなことを漏らす。
「リルドさんは元上級冒険者なんだけど、騎士団の外部顧問をしながらギルドの幹部でもあるの。」
ミーシャはまだまだ余裕が有りそうだが、さすがに他の冒険者にも疲れの色が出始めている。
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あれだけの大群が、今はすっかり死体の山。
魔物が流す紫色の血には若干毒がある為、食べられる類ではなさそうだし、何より臭い。
戦闘の中盤に解析班からの報告で、どうやら寄生虫のような魔物が本体で、人や魔物に寄生していたらしい。
その報告を聞いたときは鳥肌が止まらなかった。
「ここはもう大丈夫ですが、騎士団はこの群れの「主」に未だ手間取っているようです。」
話を聞いてきたナツキそう報告してくれる。
「この後どうしたらいいかな?」
「まだ何が有るか分かりません。
上級冒険者が応援に行くようなので、有事に備えて今は休みましょう。」
その直後、ナツキにだけ声がかかる。
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「すみません、私も応援の方へ行ってきます。」
どうやらナツキも「上級冒険者」の頭数に入っていたらしく、討伐へ向かうようだ。
心配がないわけではないが、ナツキなら大丈夫だと信頼している。
「あんまり無茶はしないでね。」
そういってナツキの手を握る。
「はい!
行ってきます。」
一緒に行けないのはまだまだ弱いから…
ナツキの隣を歩けるように強くならなきゃな。
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