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2章
2‐2 「村」
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この島について聞きたいことは他にもいくつかある。
「ちなみに他の冒険者は何処で寝泊まりしているんですか?」
船を降りてから、ここへ来るまでテントと木でできた小屋がいくつかあったが、それらしき姿を見ていない。
「基本的にこちらが指示することはありません。
ギルド本部が認めた人しか入島できないので、調査に協力いただければ他は基本的に口出しはしません。
もちろん、だからといって好き勝手していいというわけではありません、具体的な期日は決めないものの定期的な報告は行ってもらいます。
まぁ、拘束しすぎてへそ曲げられると困るって言うのが本音ですけどね。」
「領主代行」として冒険者へ余計な干渉はしないというわけだ。
「上級冒険者は実力は一流だけど、変わり者が多いからね!」
ミーシャから見ても変わり者が多いとは、いったいどんな人達だろうか。
ーーーーーーーーー
話終えると、「村」を紹介してもらう。
周囲には木でできた柵があり、櫓(やぐら)も作ってある。
村の中には池のような貯水槽もある。
「この島は定期的に雨が降ってくれるので、水を確保するために人口の池を作りました。
浄化装置を通すと飲み水としても使用できます。
冒険者含め、一日に使用できる量を決めて分配しますので、勝手に使う事は出来ません。」
貯水量は70%程だろうか、よく見るとセメントのような物で固められている。
同じ大きさの貯水槽が3つ、水を海まで放流する為の水路も掘ってある。
「これを建築してくれたのはカルドラの職人です、駐留をお願いしたのですが断られてしまいました。」
冒険者はともかく、職人にとって居心地のいい島ではないようだ。
アンナならどうだろう。
「私?
私には無理だよ、恐らく穴の掘り方も固め方も魔法を使ってる。
私は魔法を使えないし、知識もない。」
魔法さえ使えればいいってものでもないのか…
ーーーーーーーーー
「村」は広さはそれほど大きくないが、人口密度が低いため窮屈さはない。
「もう少し広げて生活空間を確保したら兵の家族や、職人にも住んでもらいたいと考えているのですが、なかなか思い通りには進みません。」
「村」というには、一般市民が一人もいない状況だ。
島を開拓する為には人手が必要だし、生活を安定させる必要はあるだろう。
「ちなみに、村の中だとどの辺に家を作ればいいですか?」
「池の周辺と、作戦本部の周辺以外であればどこでも構いません。
「村」周辺は比較的安全なので、外でキャンプをする冒険者もいます。
その場合は完全に自己責任でお願いします。」
そう言ってテントを3つ支給してくれる。
「こちらから過度に干渉することはありません、困った事や相談があれば私に直接言ってもらっても構いません。」
そして最後に木造でそこそこの広さの建物に連れてくる。
「ここが私の執務室兼ギルド支部になります。
未確認の魔物なんかは、こちらで鑑定して全員で共有するので、一度は持ってきてください。」
そういって現在確認されている魔物のリストを貰う。
「アンナさん、開拓の件よろしくお願いします。」
「任せてくれ!」
この島に来て強くなることが「目的」だった、具体的な事は何も考えていなかった。
道中の開拓という新しい「目的」は助かる。
「じゃあ俺たちのパーティーの最初の仕事はアンナの手伝いに決定!」
一応リーダーとして決定する。
リーズは早くダンジョンに潜りたそうだが、急がば回れだ。
拠点を整えてからダンジョン攻略だ。
「ちなみに他の冒険者は何処で寝泊まりしているんですか?」
船を降りてから、ここへ来るまでテントと木でできた小屋がいくつかあったが、それらしき姿を見ていない。
「基本的にこちらが指示することはありません。
ギルド本部が認めた人しか入島できないので、調査に協力いただければ他は基本的に口出しはしません。
もちろん、だからといって好き勝手していいというわけではありません、具体的な期日は決めないものの定期的な報告は行ってもらいます。
まぁ、拘束しすぎてへそ曲げられると困るって言うのが本音ですけどね。」
「領主代行」として冒険者へ余計な干渉はしないというわけだ。
「上級冒険者は実力は一流だけど、変わり者が多いからね!」
ミーシャから見ても変わり者が多いとは、いったいどんな人達だろうか。
ーーーーーーーーー
話終えると、「村」を紹介してもらう。
周囲には木でできた柵があり、櫓(やぐら)も作ってある。
村の中には池のような貯水槽もある。
「この島は定期的に雨が降ってくれるので、水を確保するために人口の池を作りました。
浄化装置を通すと飲み水としても使用できます。
冒険者含め、一日に使用できる量を決めて分配しますので、勝手に使う事は出来ません。」
貯水量は70%程だろうか、よく見るとセメントのような物で固められている。
同じ大きさの貯水槽が3つ、水を海まで放流する為の水路も掘ってある。
「これを建築してくれたのはカルドラの職人です、駐留をお願いしたのですが断られてしまいました。」
冒険者はともかく、職人にとって居心地のいい島ではないようだ。
アンナならどうだろう。
「私?
私には無理だよ、恐らく穴の掘り方も固め方も魔法を使ってる。
私は魔法を使えないし、知識もない。」
魔法さえ使えればいいってものでもないのか…
ーーーーーーーーー
「村」は広さはそれほど大きくないが、人口密度が低いため窮屈さはない。
「もう少し広げて生活空間を確保したら兵の家族や、職人にも住んでもらいたいと考えているのですが、なかなか思い通りには進みません。」
「村」というには、一般市民が一人もいない状況だ。
島を開拓する為には人手が必要だし、生活を安定させる必要はあるだろう。
「ちなみに、村の中だとどの辺に家を作ればいいですか?」
「池の周辺と、作戦本部の周辺以外であればどこでも構いません。
「村」周辺は比較的安全なので、外でキャンプをする冒険者もいます。
その場合は完全に自己責任でお願いします。」
そう言ってテントを3つ支給してくれる。
「こちらから過度に干渉することはありません、困った事や相談があれば私に直接言ってもらっても構いません。」
そして最後に木造でそこそこの広さの建物に連れてくる。
「ここが私の執務室兼ギルド支部になります。
未確認の魔物なんかは、こちらで鑑定して全員で共有するので、一度は持ってきてください。」
そういって現在確認されている魔物のリストを貰う。
「アンナさん、開拓の件よろしくお願いします。」
「任せてくれ!」
この島に来て強くなることが「目的」だった、具体的な事は何も考えていなかった。
道中の開拓という新しい「目的」は助かる。
「じゃあ俺たちのパーティーの最初の仕事はアンナの手伝いに決定!」
一応リーダーとして決定する。
リーズは早くダンジョンに潜りたそうだが、急がば回れだ。
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