66 / 97
2章
2‐14 スキルの効果?
しおりを挟む
俺とアンナが戦っている狼の方は前足二つに大きなダメージを負っている。
「ミーシャ!
先にこっちを!」
そう言ってミーシャが戦っていた方の狼へ向かう。
意図を理解してくれたミーシャは俺たちがさっきまで戦っていた狼の方へ。
「前足のダメージで素早く動けないあいつをミーシャがかく乱するから、隙をついて全力を叩きこんでくれ。」
いくら動きを封じても、無作為に動く鋭い爪の付いた前足は厄介だ。
ミーシャのスピードでかく乱して、アンナに一撃を決めてもらう。
もう一匹の方は俺が時間を稼ぐ。
「さぁ、お前の相手は俺だ。」
ミーシャに翻弄されていた狼は、スピードの遅い俺に対していい獲物だとでもいうように喉を鳴らす。
一気にスピードを上げてこちらへと走ってくる狼。
だが、不思議とその動きはよく見える。
俺の動きが早くなった訳ではない。
一瞬なのか、まるでスローモーションのように次の動作へと移るのが見え、どうすればよけられるのかがわかる。
この位置に移動して、ここで攻撃を凌ぐ、次はかがむ。
とても不思議な感覚だ…
だがそれは長く続かなかった。
次第に狼の速度が増していき、動きは読めなくなる。
「鉄壁」のおかげだろう、多少の傷は致命傷に至らない。
しかし徐々傷は増えていく。
「おまたせ!!」
ミーシャはそう言ってこちらに合流する。
もう一匹の魔物は地に伏してぴくぴくしていた。
「助かる。」
アンナとミーシャも合流して、反撃開始だ。
ーーーーーーーーーー
あちこち傷だらけだが三人で戦うと、あっさりと勝つことが出来た。
俺たち三人で2匹倒すのやっとなのに、アンナとリーズは2人で18匹近くを倒している。
「カズ殿たちが最後に倒した一体が恐らく一番強い個体です。」
やはりそうか、でも戦闘中のあの感覚は何だったんだろう。
「以前取得したスキルでは?」
ナツキに言われて気付く。
以前取った「強化感覚」、前はいまいち理解できてなかったがその可能性はある。
スキルを確認してみると、レベルは3に上がっていた。
長らく確認してなかったからいつ上がったのかは分からなかったが、動きが見える感覚は初めてだった。
「カズ殿自身の戦闘経験によって、スキルが呼応したのかもしれません。
何事もそうですが、見る聞くと、やるでは大違いですから。」
なるほど、実践の中でしか確認できないことも有るか…
「話の最中にごめん、新しいのをこの子にくれない?」
グリフォンを見ていたリーズは俺の近くへ寄ってくると、聖水の催促をしてきた。
「ミーシャ!
先にこっちを!」
そう言ってミーシャが戦っていた方の狼へ向かう。
意図を理解してくれたミーシャは俺たちがさっきまで戦っていた狼の方へ。
「前足のダメージで素早く動けないあいつをミーシャがかく乱するから、隙をついて全力を叩きこんでくれ。」
いくら動きを封じても、無作為に動く鋭い爪の付いた前足は厄介だ。
ミーシャのスピードでかく乱して、アンナに一撃を決めてもらう。
もう一匹の方は俺が時間を稼ぐ。
「さぁ、お前の相手は俺だ。」
ミーシャに翻弄されていた狼は、スピードの遅い俺に対していい獲物だとでもいうように喉を鳴らす。
一気にスピードを上げてこちらへと走ってくる狼。
だが、不思議とその動きはよく見える。
俺の動きが早くなった訳ではない。
一瞬なのか、まるでスローモーションのように次の動作へと移るのが見え、どうすればよけられるのかがわかる。
この位置に移動して、ここで攻撃を凌ぐ、次はかがむ。
とても不思議な感覚だ…
だがそれは長く続かなかった。
次第に狼の速度が増していき、動きは読めなくなる。
「鉄壁」のおかげだろう、多少の傷は致命傷に至らない。
しかし徐々傷は増えていく。
「おまたせ!!」
ミーシャはそう言ってこちらに合流する。
もう一匹の魔物は地に伏してぴくぴくしていた。
「助かる。」
アンナとミーシャも合流して、反撃開始だ。
ーーーーーーーーーー
あちこち傷だらけだが三人で戦うと、あっさりと勝つことが出来た。
俺たち三人で2匹倒すのやっとなのに、アンナとリーズは2人で18匹近くを倒している。
「カズ殿たちが最後に倒した一体が恐らく一番強い個体です。」
やはりそうか、でも戦闘中のあの感覚は何だったんだろう。
「以前取得したスキルでは?」
ナツキに言われて気付く。
以前取った「強化感覚」、前はいまいち理解できてなかったがその可能性はある。
スキルを確認してみると、レベルは3に上がっていた。
長らく確認してなかったからいつ上がったのかは分からなかったが、動きが見える感覚は初めてだった。
「カズ殿自身の戦闘経験によって、スキルが呼応したのかもしれません。
何事もそうですが、見る聞くと、やるでは大違いですから。」
なるほど、実践の中でしか確認できないことも有るか…
「話の最中にごめん、新しいのをこの子にくれない?」
グリフォンを見ていたリーズは俺の近くへ寄ってくると、聖水の催促をしてきた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる