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2章
2‐25 グリーグ島 ダンジョン① ゴーレム
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地図で確認した第5層の手前でついにゴーレムと遭遇する。
数は一体、大きさは3mはあるだろう聞いていたモノより大型だ。
「ミーシャ、頼んだ。」
合図を出すとミーシャはゴーレムまで走り出す。
確認できている情報だと、この階層のゴーレムは自己修復以外で魔法を使用しないらしい。
十分に気を付けながらも、まずはミーシャに速さでゴーレムの気を引いてもらう。
サポートはシルフィが行う。
シルフィの魔法練度はかなり高く、威力はそれほどでもないが細かい位置まで狙って攻撃できる。
俺はゴーレムの感知に引っかからないように慎重に近づき、触れる距離まで来ると『把握』を使用する。
〇ゴーレム Lv35
スキル 魔法(地)
コアの位置 右肩
「右肩だ!」
コアの位置は一体一体違うそうだが、『把握』出来るのではという考えは正解だった。
俺の呼びかけを聞いてアンナは大きく後ろへと回り込み始める。
ゴーレム攻撃は大振りではあるが思った以上に速く、ミーシャのスピードで何とかわせていると言ったところだ。
シルフィがゴーレム気を散らすように魔法を使用していなければ今頃当たっていたかもしれない。
もちろん俺とアンナではとてもよけきれないだろう。
完全に裏に回り込んだアンナの一撃でゴーレムの足を砕く。
「ミーシャ!」
態勢を崩したゴーレムが前に倒れるが、直ぐに再生が始まる。
俺の合図でミーシャは「獣人化」を行い、上空へと跳び上がる。
そこへアンナが斧を投げ、ミーシャは上空で受け取ると斧を持って上空からゴーレム目掛けて落下する。
ゴーレムの足が完全に再生する直前に右肩のコアへと斧を叩き込む。
キイィン
金属音と衝撃音が鳴り響き、ゴーレムの再生が止まる。
直後、ぱらぱらと土にかえるゴーレム。
その中に、砕けた魔石。
綱渡りだったが、どうやらうまくいったようだ。
「やったね!
作戦通りで勝てたよ!」
ミーシャはハイテンションだ。
「でも、今日の所はいったん引き上げたほうがよさそうだ。」
そう言ってミーシャの持つ斧を指さす。
衝撃で柄の部分の木にヒビが入り、刃も少しこぼれている。
ゴーレムの固さとミーシャの攻撃の両方を受けたのだ、冷静に考えれば木が折れなかったほうが不思議なくらいだ。
作戦を考えた時にはそこまで考えてもいなかった。
「スキルも関係あるよ。」
リーズは教えてくれる。
スキルの「剣術(刀)」や「斧術」というのは、単純な扱い方だけでなく、武器の強度も上げてくれるそうだ。
己の無知を恥じる。
作戦を考えるときは、様々な状況を考えなければならないというのに…
「仕方ないですよ。
冒険者にとっては初歩でも、カズ殿はこちらの世界の住人ではないのです。
知らないことは、知るまでは知らないのですから。」
ナツキが慰めてくれる。
「アンナ、ごめんな…」
「気にしてないよ、修繕スキルも試せるしね。」
前向きなアンナにも感謝しないとな…
数は一体、大きさは3mはあるだろう聞いていたモノより大型だ。
「ミーシャ、頼んだ。」
合図を出すとミーシャはゴーレムまで走り出す。
確認できている情報だと、この階層のゴーレムは自己修復以外で魔法を使用しないらしい。
十分に気を付けながらも、まずはミーシャに速さでゴーレムの気を引いてもらう。
サポートはシルフィが行う。
シルフィの魔法練度はかなり高く、威力はそれほどでもないが細かい位置まで狙って攻撃できる。
俺はゴーレムの感知に引っかからないように慎重に近づき、触れる距離まで来ると『把握』を使用する。
〇ゴーレム Lv35
スキル 魔法(地)
コアの位置 右肩
「右肩だ!」
コアの位置は一体一体違うそうだが、『把握』出来るのではという考えは正解だった。
俺の呼びかけを聞いてアンナは大きく後ろへと回り込み始める。
ゴーレム攻撃は大振りではあるが思った以上に速く、ミーシャのスピードで何とかわせていると言ったところだ。
シルフィがゴーレム気を散らすように魔法を使用していなければ今頃当たっていたかもしれない。
もちろん俺とアンナではとてもよけきれないだろう。
完全に裏に回り込んだアンナの一撃でゴーレムの足を砕く。
「ミーシャ!」
態勢を崩したゴーレムが前に倒れるが、直ぐに再生が始まる。
俺の合図でミーシャは「獣人化」を行い、上空へと跳び上がる。
そこへアンナが斧を投げ、ミーシャは上空で受け取ると斧を持って上空からゴーレム目掛けて落下する。
ゴーレムの足が完全に再生する直前に右肩のコアへと斧を叩き込む。
キイィン
金属音と衝撃音が鳴り響き、ゴーレムの再生が止まる。
直後、ぱらぱらと土にかえるゴーレム。
その中に、砕けた魔石。
綱渡りだったが、どうやらうまくいったようだ。
「やったね!
作戦通りで勝てたよ!」
ミーシャはハイテンションだ。
「でも、今日の所はいったん引き上げたほうがよさそうだ。」
そう言ってミーシャの持つ斧を指さす。
衝撃で柄の部分の木にヒビが入り、刃も少しこぼれている。
ゴーレムの固さとミーシャの攻撃の両方を受けたのだ、冷静に考えれば木が折れなかったほうが不思議なくらいだ。
作戦を考えた時にはそこまで考えてもいなかった。
「スキルも関係あるよ。」
リーズは教えてくれる。
スキルの「剣術(刀)」や「斧術」というのは、単純な扱い方だけでなく、武器の強度も上げてくれるそうだ。
己の無知を恥じる。
作戦を考えるときは、様々な状況を考えなければならないというのに…
「仕方ないですよ。
冒険者にとっては初歩でも、カズ殿はこちらの世界の住人ではないのです。
知らないことは、知るまでは知らないのですから。」
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