金碧の女豹~ディアナの憂鬱 【外伝2 女王の騎士】

椎名 将也

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第十章 爛熟の帳

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「あっ、あぁあ! だめっ! あ、あぁああ! いいっ! 気持ちいいっ! あっ、だめっ! それ、だめぇえ! あっ、あっ、いっちゃうっ! またいくっ! いくっ!」
 大きく仰け反りながらビックンッビックンッと総身を激しく震わせると、アンナは何度目かも分からない絶頂の極みに駆け上った。プシャッ、プシャアッと二度に分けて愛液を迸らせると、アンナはガチガチと歯を鳴らして官能の愉悦を噛みしめた。硬直した裸身をグッタリと弛緩させると、アンナは寝台に沈み込んで熱い吐息をせわしなく切らせた。

「はっ、はぁあ……はぁ、はぁあ……もう、ゆるしてぇ……おかしくなっちゃう……」
 一ザン以上も続けて絶頂を極めさせられ、アンナは痙攣が止まらなくなった躰をビクッビクッと震わせながら涙で潤んだ瞳でジュリアスを見上げた。乳首はこれ以上ないほどガチガチに硬くなり、大きく広げた両足の間は失禁したかのようにビッショリと寝台を濡らしていた。

「アンナの『可愛い声』もたくさん聞かせてもらったし、これで最後にしてやるよ」
 そう告げると、ジュリアスはアンナの裸身を持ち上げて自分の腰に座らせた。そして、天を向いてそそり勃った逸物を濡れた秘唇に充てがうと、下から一気に突き上げ始めた。
「ひぃいいい! 深いッ! あっ、あぁああ! だめぇえ!」
 自分の体重とジュリアスの突き上げとで子宮口まで貫かれたアンナは、顎を反らして大きく仰け反りながら壮絶なよがり声を上げた。腰骨を灼き溶かしそうなほどの凄絶な愉悦が全身を駆け巡り、大粒の涙と涎を垂れ流してアンナは悶え啼いた。

「あぁああ! 凄いぃい! いいっ! あっ、あぁあ! 気持ちいいっ! あぁああ!」
 狂ったように腰を振りたくり、プシャップシャッと秘唇から熱い飛沫を噴きながらアンナは絶頂への階段を駆け上った。
「いっちゃうっ! 狂っちゃうぅ! だめぇえ! いくっ!」
 ビックンッビックンッと総身を激しく痙攣させると、プシャアァッと大量の愛液を迸りながらアンナは大悦の頂点を極めた。同時に、濡れ塗れた膣壁が凄まじい勢いでジュリアスの逸物を締め上げた。

「くっ! 出るッ!」
 腰ごと持って行かれそうなほどの壮絶な愉悦に耐えきれず、ジュリアスが呻きとともに大量の欲望を放った。アンナの膣奥を灼き尽くすように、熱い迸りが何度も子宮口を叩きつけた。
「ひぃいいい! 凄いぃいっ! ゆるしてぇえ! いくうぅうっ!」

 待ち望んでいた激発の嵐を受けて、アンナの子宮は凄まじい愉悦の奔流を全身に駆け巡らせた。激烈な歓喜が腰骨を灼き溶かし、凄絶な悦楽が背筋を舐め上げて脳天を虹色の落雷が襲った。四肢の先端まで暴虐とも言える喜悦で痺れ、全身にびっしりと鳥肌が湧き上がった。かつてないほどの激越な快絶に、アンナは赤茶色の瞳を大きく見開くとガチガチと歯を鳴らしながら硬直した。そして、全身からすべての力を抜き去るとグッタリとジュリアスの胸に倒れ込んで意識を失った。

 逸物が抜かれた秘唇からは大量の愛液とともに、ジュリアスが放った白濁がドロリと垂れ落ちていた。真っ赤に染まった総身はビクンッビクンッと痙攣を続け、閉じた目尻から大粒の涙を流し、濡れた紅唇からはネットリとした涎の糸を引いていた。濃艶な色香に塗れたその様は、限界を遥かに超える壮絶な愉悦に翻弄されつくされた女体の末路そのものであった。


 口の中に流し込まれた液体を呑み込むと、アンナは意識を取り戻した。赤茶色の瞳を開くと、目の前にジュリアスの精悍な顔があった。
「大丈夫か、アンナ? 今、中級回復ポーションを飲ませた」
 右手で愛おしそうにアンナの紅髪を撫ぜながら、ジュリアスが優しく訊ねてきた。彼の顔を見た途端、アンナは昨夜の激しい行為を思い出して羞恥のあまり真っ赤に染まった顔をジュリアスの胸に押しつけた。

「大丈夫なわけ、ないでしょ……。あんなに凄いの、初めてよ」
 そう告げるとアンナは豊かな乳房を押しつけながら、顔を上げてジュリアスを見上げた。
「俺もあんなに可愛いアンナを見たのは、初めてだ」
「ジュリアス……んっ……んぁ……」
 アンナの言葉を遮るように、ジュリアスが唇を塞いできた。紅唇を割って入ってきた舌が、ネットリとアンナの舌を絡め取った。

「ジュリアス……好き……」
 細い唾液の糸を引きながら唇を離すと、トロンと蕩けた赤茶色の瞳でジュリアスを見つめながらアンナが告げた。そして、ジュリアスの逞しい裸体の上に裸身を乗せると、愛おしそうに右手で彼の頬を包みながらアンナが口づけをした。濃厚に舌を絡め合ってから唇を離すと、再び唾液の糸が二人を繋げた。

「あたし、ジュリアスの物になったと思っていいの?」
 昨夜、数え切れないほど体を交えたが、アンナはそれが一度きりのものなのかどうか分からなかった。赤茶色の瞳に不安そうな色を浮かべながら、アンナがジュリアスに訊ねた。
「違うな、勘違いするな……」
 ニヤリと笑みを浮かべると、ジュリアスが言った。その答えに愕然とし、アンナはジュリアスから裸身を離すと怒りの籠もった眼で彼を見つめた。

「そう……。あんたは一晩だけ身近にいる女を抱いただけなのね。分かったわ。お互いに大人なんだし、そういうことにしましょう。その代わり、二度とあたしを抱かないで!」
 そう告げると、アンナは起き上がって寝台から下りようとした。その手をジュリアスが掴んで、呆れたように告げた。

「ばか、早とちりなところは治せよ。アンナが俺の物になったんじゃない。俺がアンナの物になったんだ」
「え……?」
「今、その証拠を見せてやる。待っていろ」
 何を言われたのかすぐに理解できなかったアンナは、呆然としてジュリアスを見上げた。彼は寝台から下りると衣服を身につけ始めた。そして、入口の武器置場から剣を持ってくると、寝台に座るアンナの目の前で片膝を突いて剣を抜き放った。そして、剣先を自分の心臓に向け、柄をアンナに差し出した。

「ジュリアス……?」
「アストレア様が俺の『剣の誓い』を断られたとき、『ジュリアスさんの剣は、ジュリアスさんが唯一人本当に愛する女性に捧げてください』とおっしゃった。アストレア様はきっと、こうなることを予想されていたんだ」
 ジュリアスは濃茶色の瞳に真剣な光を映すと、真っ直ぐにアンナを見つめて言った。

「私、ジュリアス=アスタリアスは、アンナ=ミネルヴァにこの命、この愛、私のすべてを捧げます。この命ある限り、アンナを全身全霊で愛し、アンナを護る剣となります。もしお疑いあれば、この剣で我が命をお奪いください」
 ジュリアスの全身から白炎が立ち上った。それは紛れもなく剣士クラスSが放つ覇気の奔流であった。
「ジュリアス……」
 驚愕のあまり赤茶色の瞳を大きく見開きながら、アンナはジュリアスが差し出した剣を見つめた。

「アンナ、俺の剣を受け取ってもらえるのであれば、この剣を手に取って刀身に口づけをしてくれ。また、もし俺の『剣の誓い』を拒むのであれば、このまま剣を押して俺の心臓を貫いてくれ」
 ジュリアスの言葉に大きく頷くと、アンナは全裸のまま寝台から立ち上がった。そして、両手でジュリアスの剣を受け取ると白銀に輝く刀身に紅唇で口づけをした。

「ジュリアス、ありがとう。あたしも<紅月>の名に誓うわ。アンナ=ミネルヴァはこの命ある限り、全身全霊でジュリアス=アスタリアスを愛します。これからの私の人生は、あなたとともに歩んでいきます」
 感動のあまり赤茶色の瞳から涙が溢れ、頬を伝って流れ落ちた。アンナは潤んだ瞳でジュリアスを見つめると、剣の向きを逆にして彼に返した。

「アンナ……」
 ジュリアスは受け取った剣を鞘に戻すと、床に置いて立ち上がった。そしてアンナの背中に両手を廻して、その美しい裸身を優しく抱きしめた。
「ジュリアス……愛してる」
「アンナ、俺もお前を愛している」

 二人の唇がお互いを求め合うように重なった。
 出逢ってから四年の年月ときを経て、ジュリアスとアンナは身も心も一つになった。
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