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第8章 蒼氷姫
2 守護天使
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ギルドの食堂で昼食を済ますと、アトロポスたちは正門脇の馬繋場でシリウスとエクリプスの手綱を受け取った。正門を抜けると、アトロポスは百メッツェほど先に荷馬車五台が停められているのを見つけた。
「あれじゃない?」
「そうみたいだな。行ってみよう」
アトロポスの言葉に頷くと、バッカスはエクリプスを曳きながら荷馬車の方へ歩いて行った。アトロポスもシリウスとともにその後に続いた。
「ダスガールまでの護衛依頼を受けた<闇姫>です。私はローズ、こちらはバッカスです」
「バッカスです。よろしくお願いします」
集まって話をしていた六人の商人の中で、最も身なりのよい男に向かってアトロポスとバッカスが挨拶をした。
身長百七十セグメッツェくらいの恰幅のいい男だった。下ぶくれをした丸顔で、小さめの黒瞳と大きい鷲鼻が印象的な男だ。見るからに高価そうな衣服の上に焦げ茶色をした毛皮の外套を着込んでいおり、両手には親指以外に様々な宝石が付いた指輪をしていた。
「私はダスガールの商人で、カールトンと申します。これらは私の部下たちです。おいおい紹介をいたします。パーティはお二人だけでしょうか?」
冒険者パーティは四人から六人くらいが多い。二人だけのパーティと言うことで、カールトンの顔に不満げな色が見えた。
「はい。二人とも剣士ですが、それなりに腕には自信がありますので、ご心配なく。もう一パーティが護衛につくと聞いていますが、すでに来ていますか?」
「いえ、まだのようです。剣士二人ですか……」
明らかにガッカリとした様子でカールトンが告げた。遠距離職も回復職もなく、盾士もいないパーティなどあり得ないという感じだった。
『二人とも剣士クラスSだと言えば、こいつの態度も変わるぞ』
カールトンの態度に不満を持ったバッカスが、意思伝達で伝えてきた。だが、アトロポスは悪戯そうに黒瞳を輝かせながら、バッカスに返事を伝えた。
『面白そうだから、内緒にしておきましょう』
『それもそうだな。任せるよ』
「遅くなりました。護衛依頼を受けた<守護天使>です。あたしはリーダーのイーディス。剣士クラスDです。よろしくお願いします」
「同じく<守護天使>のキャシーです。弓士クラスDです」
「術士クラスDのマーサです。よろしくお願いします」
美少女三人組といった感じで、<守護天使>が登場した。
イーディスは冷徹美人という言葉が似合いそうな美しい少女だった。年齢はアトロポスよりも若干上に見えた。襟元で短く切り揃えた銀髪と氷のように澄んだ瞳をしており、目鼻立ちもくっきりと通っていた。固く結んだ唇は、意志の強さを表しているようだった。
それと対照的にキャシーは、美人と言うよりも可愛い感じの少女だった。年齢はイーディスと同じく十八、九歳のようだった。ややぽっちゃり系で、ウエーブがかった長い栗色の髪と大きな茶色い瞳が彼女のチャームポイントだった。背はアトロポスと同じくらいなのに、胸は二回りも大きかった。バッカスの視線が彼女の胸に向いたとき、アトロポスはムッとした。
最後のマーサは、知的な美人といった印象だった。赤茶色の髪を肩まで伸ばし、茶色の瞳は思慮深さと落ち着きを映していた。年齢もイーディスやキャシーと変わらず、細身ですっきりとした肢体を濃紺色のローブで包んでいた。右腰に差した魔道杖は木製で、水色の宝玉も小さかった。
「私がこの商団の責任者で、カールトンです。こちらはクラスDの女性が三人のパーティですか。よろしくお願いします……」
二パーティ合わせて五人しかいない上、男性がバッカス唯一人という状況に、カールトンは小さなため息をついた。彼の眼にはバッカス以外は護衛の役に立ちそうもないと映ったに違いなかった。
『バッカス、頼りにされているみたいよ。がんばってね』
『まあ、このメンツじゃそう思われるのも仕方ねえな。まさか、アトロポスの実力が剣士クラスSS並みだなんて気づくはずもないしな』
笑いを含んだアトロポスの意思伝達に、バッカスは苦笑いを浮かべた。
「それでは、皆さんお揃いのようですので、今回の護衛依頼について簡単にご説明します。私たちはダスガールの貴金属商人です。首都レウルーラとこのザルーエクで仕入れをして、ダスガールに戻るところです。商品が貴金属のため、物は小さいですがそれなりに高価な物も多いと思ってください。皆さんにはダスガールまで、荷馬車の商品と我々の生命を護って頂きます」
カールトンの説明を、<守護天使>の三人は真面目な表情で聞いていた。こっそりと意思伝達をしているアトロポスたちとはやる気も心構えも違うようだった。
「食事は朝、昼、晩の三食を提供いたします。夜は先頭と最後尾の荷馬車をそれぞれのパーティに提供するので、そちらで休んでください。ただし、各パーティから一名は必ず見張りを出してください。ダスガールまでの旅程は十日の予定です。万一、盗賊団や魔獣の襲撃があった場合には、その撃退もよろしくお願いします」
カールトンの言葉に、<守護天使>の三人は真剣な表情で頷いていた。
「私とバッカスは馬で来ているので、先導しましょうか?」
商団が襲撃される確率は、見晴らしのよい街道では先頭が一番大きかった。アトロポスの提案は理に適ったものだった。
「そうですね。本当なら最低一人は各荷馬車に乗って頂きたかったのですが、この状況ではやむを得ません。お二人は騎馬で先導をお願いします。<守護天使>の三人は、三台目、四台目、最後尾の荷馬車に分かれて乗ってください」
カールトンが小さくため息をつきながら告げた。二パーティで依頼したのは、八人から十人くらいの冒険者に護衛してもらう予定だったのだ。それがまともに見えるのはバッカス一人で、あとは年端もいかない少女たちという状況に不安を抱えているようだった。
<守護天使>の三人が三台の荷馬車に分乗すると、一行は西ハザリア街道を進み始めた。しばらくこの街道を進んだ後、ユピテル街道を南下するのが西廻りルートであった。ユピテル皇国との国境までには中規模の街が三つあった。それらの名は、通過する順番にダスガール、セレンティア、ハイドロパークであった。
初日の旅程は何事もなく終わり、アトロポスとバッカスは<守護天使>三人と焚き火を囲んで夕食を食べていた。商団が提供してくれた食事はきちんと調理されたもので、調味料もふんだんに使われておりアトロポスの舌を満足させた。
「思ったよりまともな食事ね。携帯食が支給されるのかと思っていたわ」
「どうやら調理人がいるようだな。こんな待遇珍しいぞ」
いつの間に買い込んでいたのか、バッカスが次元鞄からエールを取り出して飲んでいた。アトロポスには暖かい鳳凰茶の入ったカップをバッカスが渡してくれた。
「ずいぶんと準備がいいのね。いつ買ったの?」
「ギルドの食堂でお前が席を外したときに、鳳凰茶の葉をあるだけ買い占めておいたんだ。あんたらも飲んでみろよ。美味いぞ」
そう告げると、バッカスは次元鞄からカップを三つ取り出すと、<守護天使>の三人にもお茶を入れて差し出した。
「ありがとうございます」
イーディスたちがお礼を言ってカップを受け取ると、中に入っている透明な蒼水色の液体に眉を顰めた。鳳凰茶を見たのは初めてだったのだ。恐る恐る口をつけると、イーディスは碧眼を大きく見開いて叫んだ。
「美味しい!」
「何これ? ポーションみたいに疲れが取れる!」
「それだけじゃないわ。魔力が回復している!」
驚きに顔を見合わせると、イーディスが食いつくようにバッカスに訊ねた。
「これ、どこで売っているんですか?」
「ザルーエクのギルドの食堂でメニューにあるぞ。アトロポスが無理矢理追加させたんだ」
笑いながらそう言うと、バッカスがアトロポスの顔を見つめた。
「もともと、『銀河の泉』っていう喫茶室で出していたお茶なんです。あんまり美味しかったので、無理を言ってギルドの食堂に卸してもらったんです」
アトロポスの説明に、イーディスたちが騒ぎ出した。
「こんなの置いていたなんて知らなかったわ! ギルドに戻ったら、絶対に注文する!」
「あたしもッ! もっと早く知っていれば……!」
「アトロポスさん、えらいッ! よく見つけてきてくれたわね!」
その様子は冒険者と言うよりも、単にはしゃいでいる若い女の子の姿に他ならなかった。
「ところで、あんたらは冒険者になって長いのか?」
キャンキャンと甲高い声で騒ぎ始めたイーディスたちに辟易して、バッカスが話題を変えた。
「二年ちょっとです。次に昇格試験があったら、みんなでクラスCに合格しようって言っているんです」
鳳凰茶のお替わりをもらいながら、イーディスが笑顔で告げた。笑うと冷徹美人の印象ががらりと変わり、年相応の女の子の素顔が出た。
「そうか。がんばれよ」
「バッカスさんのクラスは何ですか? 凄く強そうに見えるんですが……」
イーディスの質問に、バッカスはアトロポスの顔を見た。
『バラしちゃダメよ、バッカス』
『分かった。お前も案外と悪戯好きだな』
「剣士クラスだ。この歳になっても弱いから、クラスは聞かないでくれ」
「そうなんですか? 腕なんてあたしの倍以上も太いのに……。よかったら、剣を教えて上げますよ」
「ああ……。そのうちに頼むよ……」
苦笑いを浮かべたバッカスを、アトロポスは内心の笑いを噛み殺しながら見つめた。
「アトロポスさんも剣士なんですよね? 剣士二人だけのパーティって、初めて見ました」
キャシーが興味深そうに大きな茶色い瞳を輝かせながら、アトロポスを見つめてきた。
「そうですね。私たち、あんまり強くないから、組んでくれる人がなかなか見つからないんですよ」
『混沌龍を一人で倒す剣士が、あんまり強くないってか……?』
『いいじゃない? たまには話を合わせなさいよ』
同じ年頃の女の子と話すのは、異常発生の時に知り合った<紅神楽>のノーマ以来だった。アトロポスは楽しそうにバッカスに意思伝達で告げた。
「なら、アトロポスさんにも剣技を教えて上げます。こう見えても、クラスBくらいの腕前はありますから」
イーディスの言葉に、バッカスは危うく吹き出しそうになった。慌てて咳払いをして誤魔化すと、アトロポスに意識伝達を送った。
『たまには剣技を教わってみたらどうだ? クラスB並みの腕らしいぞ』
『面白そうね。そうしようかな?』
「今度、ぜひ教えてください。クラスBレベルの剣技って、楽しみです」
「任せておいて、明日の昼休みにでも教えて上げるわ」
笑顔で告げたイーディスの言葉を聞いたとき、アトロポスが不意に厳しい表情を浮かべた。
『バッカス、お客さんが来たわ。B級魔獣が三体よ』
護衛の間中ずっと索敵を行っていたアトロポスの脳裏に、三つの赤い点が浮かんだのだ。
『どっちの方向だ?』
『ちょうど、私たちの正面よ。彼女たちでは無理ね。頼んだわよ、バッカス』
『分かった』
意識伝達で打ち合わせを終えると、バッカスが席を立った。
「どうしたんです、バッカスさん? 急に立ち上がって?」
「魔獣が三体近づいている。お前たちはアトロポスから離れるな」
そう告げると、イーディスたちは逆に真剣な表情で立ち上がった。
「何言ってるんですかッ! あたしたちは護衛ですよ! 魔獣はどっちですッ!?」
『どうする? こいつらにやらせるか?』
『三体いるから、一体だけ任せてみる? 危なかったら、私が助けるわ。二体はバッカスがお願い……』
『分かった』
「分かった、こっちだ。一緒に来てくれ」
「はいッ!」
バッカスを先頭に、五人はアトロポスが告げた方向へと走り出した。
立ち止まったバッカスの後ろで、イーディスたちが驚愕のあまり瞳を大きく見開きながら叫んだ。
「ダーク・サーベントッ!?」
「何で、こんなところに……!?」
「さ、三体も……!」
全長二メッツェにも達する漆黒の大蠍が、巨大な鋏と尾をこちらに向けながら威嚇してきた。
B級魔獣であるダーク・サーベントは、巨大な黒蠍である。両手の鋏は岩をも両断し、長い尾の先には擦っただけでも人間を死に至らしめる猛毒があった。クラスDである<守護天使>にとっては、一匹でも荷が重すぎる相手であった。
「どうです? 勝てそうですか?」
アトロポスがイーディスに訊ねた。冒険者にとって、自分たちの実力と相手の能力を冷静に比較することは、生き残る上で何よりも大切なことであった。
「い、一体だけなら何とか……。でも、三体は無理……」
震える声で、イーディスが告げた。それに頷くと、アトロポスがバッカスに向かって言った。
「バッカス、予定通りにお願いね」
「分かった。お前らは真ん中の一体を頼む。左右の二体は、俺がやってやる」
平然と告げたバッカスの言葉に、イーディスが目を剥いた。
「何を言ってるのッ!? ダーク・サーベントは、B級魔獣なのよ? 剣に自信がないって言っていたあなたが敵う相手じゃないわッ!」
バッカスはイーディスの顔を見つめると、ニヤリと笑いながら告げた。
「俺は、アトロポスを相手にするほど自分の剣に自信がない。だが、ダーク・サーベントくらいなら問題ないさ」
次の瞬間、バッカスの体がブレて消えた。地面を大きく抉った跡を残すと、バッカスは火焔黒剣を抜いて右奥のダーク・サーベントの目の前に立っていた。
「ハァッ!」
短い気合いとともに右上から袈裟懸けを放つと、火焔黒剣から放たれた火焔の神刃がダーク・サーベントの体を左右に両断した。それに見向きもせずに、バッカスは左から右へと火焔黒剣を水平に薙いだ。
次の瞬間、左奥にいたダーク・サーベントが上下に両断された。
「な……な……何が……」
「す……凄い……」
「い、一瞬でダーク・サーベントが……」
呆然と立ち尽くす<守護天使>の三人に、アトロポスが告げた。
「一体だけ残しましたよ。イーディスさんたちがやります?」
「え……? あ……、いえ……」
ニッコリと笑顔で告げたアトロポスの言葉に、イーディスは自分が何を言っているのかさえも分からず呆然としていた。
「そうですか? それなら、あと一体も私たちがやりますね。バッカス、やっていいわよ!」
アトロポスの言葉に、バッカスが短く答えた。
「分かった!」
バッカスは無造作に、左下から右上へと火焔黒剣を逆袈裟に斬り上げた。漆黒の剣身から火焔の神刃が放たれ、最後のダーク・サーベントの体が左右に分かれてゆっくりと地面に倒れ込んだ。
その様子をイーディスたちは言葉を失って、愕然としながら見つめた。
「お疲れ様、バッカス」
アトロポスが戻ってきたバッカスにねぎらいの言葉を掛けた。
「ああ……。疲れるほど動いていないけどな……」
強面の顔に獰猛な笑みを浮かべながら、バッカスが告げた。そして、イーディスたちの方を振り向くと、ニヤリと笑いながら言った。
「悪いな、あんたらの仕事を取っちまって……」
「い、いえ……あの……バッカスさんって、いったい……?」
イーディスが呆然としながらバッカスの顔を見上げた。
「俺は、冒険者ランクSパーティ<闇姫>のバッカス。剣士クラスSだ。二つ名は『猛牛殺し』だ」
「け、剣士クラスS……!!」
予想もしなかったバッカスの言葉に、イーディスたちは驚愕の表情を浮かべた。
「そして、アトロポスは<闇姫>のリーダーで同じく剣士クラスSの『夜薔薇』だ」
「ナ、『夜薔薇』って、あの……」
「一人で混沌龍を倒してって言う……?」
「レウルーラ本部の冒険者たちを震え上がらせたあの『夜薔薇』……?」
<守護天使>の三人は、アトロポスの顔を見つめながら戦慄に顔を引き攣らせた。
「もう、バッカス! バラしちゃダメって言ったでしょ?」
「これから十日も一緒に旅するんだ。きちんと話をしておいた方がいいだろう?」
「まあ、そうだけど……」
文句を言うアトロポスに、バッカスは苦笑いを浮かべながら告げた。バッカスの意見の方が正論だったので、アトロポスもそれ以上は何も言えなかった。
「ところで、あんた、イーディスって言ったよな?」
「は、はい……」
突然名前を呼ばれて、イーディスは緊張しながら答えた。本来であれば、剣士クラスSの冒険者など、雲の上の存在なのだ。
「上級回復ポーションは何本くらい持っているんだ?」
「え……? 上級回復ポーション? そんなもの、持っていませんが……」
一本で白金貨三枚もする上級回復ポーションなど、剣士クラスDのイーディスが持っているはずなどなかった。
「そうか。明日、アトロポスと訓練をするって言っていたよな? こいつと訓練するなら、上級回復ポーションの五本や十本持っていないと、死ぬぞ……」
「え……?」
バッカスの言葉に、イーディスは驚きに碧眼を大きく見開いた。
「俺なんて、訓練の度に腕や脚を斬り落とされてるんだ。気をつけろよ」
「く、訓練で……腕や脚を、斬り落とすって……!?」
美しい顔を引き攣らせながら、イーディスがアトロポスを見つめた。
「ちょっと、バッカス! 余計なこと言わないでよね?」
「本当のことだろう? ちょうどいい機会だから、あの訓練方法は見直した方がいいぞ! 相手の手足を斬り落とすなんて、過激すぎる! あんたもそう思うよな、イーディス?」
突然話を振られて、イーディスは思わず頷いた。
「は、はい……」
「ほら、これが一般的な意見だぞ、アトロポス」
勝ち誇ったように告げるバッカスに、アトロポスはムウッと押し黙った。
「分かったわよ……。でも、最近はバッカスと模擬戦なんてしていないじゃない?」
「そりゃそうだ。俺が逃げ回っているからな」
バッカスは笑いながらそう告げると、イーディスの顔を見つめて言った。
「あんた、アトロポスに剣を教えてやるって言ったよな? 『夜薔薇』にそんなセリフが言えるなんて、尊敬するぜ」
「明日の昼が楽しみですね、イーディスさん。お手柔らかにお願いしますね」
「ひ、ひぃい……」
『猛牛殺し』と『夜薔薇』の二人の剣士クラスSからそう告げられ、イーディスは涙目になって顔を引き攣らせていた。
「あれじゃない?」
「そうみたいだな。行ってみよう」
アトロポスの言葉に頷くと、バッカスはエクリプスを曳きながら荷馬車の方へ歩いて行った。アトロポスもシリウスとともにその後に続いた。
「ダスガールまでの護衛依頼を受けた<闇姫>です。私はローズ、こちらはバッカスです」
「バッカスです。よろしくお願いします」
集まって話をしていた六人の商人の中で、最も身なりのよい男に向かってアトロポスとバッカスが挨拶をした。
身長百七十セグメッツェくらいの恰幅のいい男だった。下ぶくれをした丸顔で、小さめの黒瞳と大きい鷲鼻が印象的な男だ。見るからに高価そうな衣服の上に焦げ茶色をした毛皮の外套を着込んでいおり、両手には親指以外に様々な宝石が付いた指輪をしていた。
「私はダスガールの商人で、カールトンと申します。これらは私の部下たちです。おいおい紹介をいたします。パーティはお二人だけでしょうか?」
冒険者パーティは四人から六人くらいが多い。二人だけのパーティと言うことで、カールトンの顔に不満げな色が見えた。
「はい。二人とも剣士ですが、それなりに腕には自信がありますので、ご心配なく。もう一パーティが護衛につくと聞いていますが、すでに来ていますか?」
「いえ、まだのようです。剣士二人ですか……」
明らかにガッカリとした様子でカールトンが告げた。遠距離職も回復職もなく、盾士もいないパーティなどあり得ないという感じだった。
『二人とも剣士クラスSだと言えば、こいつの態度も変わるぞ』
カールトンの態度に不満を持ったバッカスが、意思伝達で伝えてきた。だが、アトロポスは悪戯そうに黒瞳を輝かせながら、バッカスに返事を伝えた。
『面白そうだから、内緒にしておきましょう』
『それもそうだな。任せるよ』
「遅くなりました。護衛依頼を受けた<守護天使>です。あたしはリーダーのイーディス。剣士クラスDです。よろしくお願いします」
「同じく<守護天使>のキャシーです。弓士クラスDです」
「術士クラスDのマーサです。よろしくお願いします」
美少女三人組といった感じで、<守護天使>が登場した。
イーディスは冷徹美人という言葉が似合いそうな美しい少女だった。年齢はアトロポスよりも若干上に見えた。襟元で短く切り揃えた銀髪と氷のように澄んだ瞳をしており、目鼻立ちもくっきりと通っていた。固く結んだ唇は、意志の強さを表しているようだった。
それと対照的にキャシーは、美人と言うよりも可愛い感じの少女だった。年齢はイーディスと同じく十八、九歳のようだった。ややぽっちゃり系で、ウエーブがかった長い栗色の髪と大きな茶色い瞳が彼女のチャームポイントだった。背はアトロポスと同じくらいなのに、胸は二回りも大きかった。バッカスの視線が彼女の胸に向いたとき、アトロポスはムッとした。
最後のマーサは、知的な美人といった印象だった。赤茶色の髪を肩まで伸ばし、茶色の瞳は思慮深さと落ち着きを映していた。年齢もイーディスやキャシーと変わらず、細身ですっきりとした肢体を濃紺色のローブで包んでいた。右腰に差した魔道杖は木製で、水色の宝玉も小さかった。
「私がこの商団の責任者で、カールトンです。こちらはクラスDの女性が三人のパーティですか。よろしくお願いします……」
二パーティ合わせて五人しかいない上、男性がバッカス唯一人という状況に、カールトンは小さなため息をついた。彼の眼にはバッカス以外は護衛の役に立ちそうもないと映ったに違いなかった。
『バッカス、頼りにされているみたいよ。がんばってね』
『まあ、このメンツじゃそう思われるのも仕方ねえな。まさか、アトロポスの実力が剣士クラスSS並みだなんて気づくはずもないしな』
笑いを含んだアトロポスの意思伝達に、バッカスは苦笑いを浮かべた。
「それでは、皆さんお揃いのようですので、今回の護衛依頼について簡単にご説明します。私たちはダスガールの貴金属商人です。首都レウルーラとこのザルーエクで仕入れをして、ダスガールに戻るところです。商品が貴金属のため、物は小さいですがそれなりに高価な物も多いと思ってください。皆さんにはダスガールまで、荷馬車の商品と我々の生命を護って頂きます」
カールトンの説明を、<守護天使>の三人は真面目な表情で聞いていた。こっそりと意思伝達をしているアトロポスたちとはやる気も心構えも違うようだった。
「食事は朝、昼、晩の三食を提供いたします。夜は先頭と最後尾の荷馬車をそれぞれのパーティに提供するので、そちらで休んでください。ただし、各パーティから一名は必ず見張りを出してください。ダスガールまでの旅程は十日の予定です。万一、盗賊団や魔獣の襲撃があった場合には、その撃退もよろしくお願いします」
カールトンの言葉に、<守護天使>の三人は真剣な表情で頷いていた。
「私とバッカスは馬で来ているので、先導しましょうか?」
商団が襲撃される確率は、見晴らしのよい街道では先頭が一番大きかった。アトロポスの提案は理に適ったものだった。
「そうですね。本当なら最低一人は各荷馬車に乗って頂きたかったのですが、この状況ではやむを得ません。お二人は騎馬で先導をお願いします。<守護天使>の三人は、三台目、四台目、最後尾の荷馬車に分かれて乗ってください」
カールトンが小さくため息をつきながら告げた。二パーティで依頼したのは、八人から十人くらいの冒険者に護衛してもらう予定だったのだ。それがまともに見えるのはバッカス一人で、あとは年端もいかない少女たちという状況に不安を抱えているようだった。
<守護天使>の三人が三台の荷馬車に分乗すると、一行は西ハザリア街道を進み始めた。しばらくこの街道を進んだ後、ユピテル街道を南下するのが西廻りルートであった。ユピテル皇国との国境までには中規模の街が三つあった。それらの名は、通過する順番にダスガール、セレンティア、ハイドロパークであった。
初日の旅程は何事もなく終わり、アトロポスとバッカスは<守護天使>三人と焚き火を囲んで夕食を食べていた。商団が提供してくれた食事はきちんと調理されたもので、調味料もふんだんに使われておりアトロポスの舌を満足させた。
「思ったよりまともな食事ね。携帯食が支給されるのかと思っていたわ」
「どうやら調理人がいるようだな。こんな待遇珍しいぞ」
いつの間に買い込んでいたのか、バッカスが次元鞄からエールを取り出して飲んでいた。アトロポスには暖かい鳳凰茶の入ったカップをバッカスが渡してくれた。
「ずいぶんと準備がいいのね。いつ買ったの?」
「ギルドの食堂でお前が席を外したときに、鳳凰茶の葉をあるだけ買い占めておいたんだ。あんたらも飲んでみろよ。美味いぞ」
そう告げると、バッカスは次元鞄からカップを三つ取り出すと、<守護天使>の三人にもお茶を入れて差し出した。
「ありがとうございます」
イーディスたちがお礼を言ってカップを受け取ると、中に入っている透明な蒼水色の液体に眉を顰めた。鳳凰茶を見たのは初めてだったのだ。恐る恐る口をつけると、イーディスは碧眼を大きく見開いて叫んだ。
「美味しい!」
「何これ? ポーションみたいに疲れが取れる!」
「それだけじゃないわ。魔力が回復している!」
驚きに顔を見合わせると、イーディスが食いつくようにバッカスに訊ねた。
「これ、どこで売っているんですか?」
「ザルーエクのギルドの食堂でメニューにあるぞ。アトロポスが無理矢理追加させたんだ」
笑いながらそう言うと、バッカスがアトロポスの顔を見つめた。
「もともと、『銀河の泉』っていう喫茶室で出していたお茶なんです。あんまり美味しかったので、無理を言ってギルドの食堂に卸してもらったんです」
アトロポスの説明に、イーディスたちが騒ぎ出した。
「こんなの置いていたなんて知らなかったわ! ギルドに戻ったら、絶対に注文する!」
「あたしもッ! もっと早く知っていれば……!」
「アトロポスさん、えらいッ! よく見つけてきてくれたわね!」
その様子は冒険者と言うよりも、単にはしゃいでいる若い女の子の姿に他ならなかった。
「ところで、あんたらは冒険者になって長いのか?」
キャンキャンと甲高い声で騒ぎ始めたイーディスたちに辟易して、バッカスが話題を変えた。
「二年ちょっとです。次に昇格試験があったら、みんなでクラスCに合格しようって言っているんです」
鳳凰茶のお替わりをもらいながら、イーディスが笑顔で告げた。笑うと冷徹美人の印象ががらりと変わり、年相応の女の子の素顔が出た。
「そうか。がんばれよ」
「バッカスさんのクラスは何ですか? 凄く強そうに見えるんですが……」
イーディスの質問に、バッカスはアトロポスの顔を見た。
『バラしちゃダメよ、バッカス』
『分かった。お前も案外と悪戯好きだな』
「剣士クラスだ。この歳になっても弱いから、クラスは聞かないでくれ」
「そうなんですか? 腕なんてあたしの倍以上も太いのに……。よかったら、剣を教えて上げますよ」
「ああ……。そのうちに頼むよ……」
苦笑いを浮かべたバッカスを、アトロポスは内心の笑いを噛み殺しながら見つめた。
「アトロポスさんも剣士なんですよね? 剣士二人だけのパーティって、初めて見ました」
キャシーが興味深そうに大きな茶色い瞳を輝かせながら、アトロポスを見つめてきた。
「そうですね。私たち、あんまり強くないから、組んでくれる人がなかなか見つからないんですよ」
『混沌龍を一人で倒す剣士が、あんまり強くないってか……?』
『いいじゃない? たまには話を合わせなさいよ』
同じ年頃の女の子と話すのは、異常発生の時に知り合った<紅神楽>のノーマ以来だった。アトロポスは楽しそうにバッカスに意思伝達で告げた。
「なら、アトロポスさんにも剣技を教えて上げます。こう見えても、クラスBくらいの腕前はありますから」
イーディスの言葉に、バッカスは危うく吹き出しそうになった。慌てて咳払いをして誤魔化すと、アトロポスに意識伝達を送った。
『たまには剣技を教わってみたらどうだ? クラスB並みの腕らしいぞ』
『面白そうね。そうしようかな?』
「今度、ぜひ教えてください。クラスBレベルの剣技って、楽しみです」
「任せておいて、明日の昼休みにでも教えて上げるわ」
笑顔で告げたイーディスの言葉を聞いたとき、アトロポスが不意に厳しい表情を浮かべた。
『バッカス、お客さんが来たわ。B級魔獣が三体よ』
護衛の間中ずっと索敵を行っていたアトロポスの脳裏に、三つの赤い点が浮かんだのだ。
『どっちの方向だ?』
『ちょうど、私たちの正面よ。彼女たちでは無理ね。頼んだわよ、バッカス』
『分かった』
意識伝達で打ち合わせを終えると、バッカスが席を立った。
「どうしたんです、バッカスさん? 急に立ち上がって?」
「魔獣が三体近づいている。お前たちはアトロポスから離れるな」
そう告げると、イーディスたちは逆に真剣な表情で立ち上がった。
「何言ってるんですかッ! あたしたちは護衛ですよ! 魔獣はどっちですッ!?」
『どうする? こいつらにやらせるか?』
『三体いるから、一体だけ任せてみる? 危なかったら、私が助けるわ。二体はバッカスがお願い……』
『分かった』
「分かった、こっちだ。一緒に来てくれ」
「はいッ!」
バッカスを先頭に、五人はアトロポスが告げた方向へと走り出した。
立ち止まったバッカスの後ろで、イーディスたちが驚愕のあまり瞳を大きく見開きながら叫んだ。
「ダーク・サーベントッ!?」
「何で、こんなところに……!?」
「さ、三体も……!」
全長二メッツェにも達する漆黒の大蠍が、巨大な鋏と尾をこちらに向けながら威嚇してきた。
B級魔獣であるダーク・サーベントは、巨大な黒蠍である。両手の鋏は岩をも両断し、長い尾の先には擦っただけでも人間を死に至らしめる猛毒があった。クラスDである<守護天使>にとっては、一匹でも荷が重すぎる相手であった。
「どうです? 勝てそうですか?」
アトロポスがイーディスに訊ねた。冒険者にとって、自分たちの実力と相手の能力を冷静に比較することは、生き残る上で何よりも大切なことであった。
「い、一体だけなら何とか……。でも、三体は無理……」
震える声で、イーディスが告げた。それに頷くと、アトロポスがバッカスに向かって言った。
「バッカス、予定通りにお願いね」
「分かった。お前らは真ん中の一体を頼む。左右の二体は、俺がやってやる」
平然と告げたバッカスの言葉に、イーディスが目を剥いた。
「何を言ってるのッ!? ダーク・サーベントは、B級魔獣なのよ? 剣に自信がないって言っていたあなたが敵う相手じゃないわッ!」
バッカスはイーディスの顔を見つめると、ニヤリと笑いながら告げた。
「俺は、アトロポスを相手にするほど自分の剣に自信がない。だが、ダーク・サーベントくらいなら問題ないさ」
次の瞬間、バッカスの体がブレて消えた。地面を大きく抉った跡を残すと、バッカスは火焔黒剣を抜いて右奥のダーク・サーベントの目の前に立っていた。
「ハァッ!」
短い気合いとともに右上から袈裟懸けを放つと、火焔黒剣から放たれた火焔の神刃がダーク・サーベントの体を左右に両断した。それに見向きもせずに、バッカスは左から右へと火焔黒剣を水平に薙いだ。
次の瞬間、左奥にいたダーク・サーベントが上下に両断された。
「な……な……何が……」
「す……凄い……」
「い、一瞬でダーク・サーベントが……」
呆然と立ち尽くす<守護天使>の三人に、アトロポスが告げた。
「一体だけ残しましたよ。イーディスさんたちがやります?」
「え……? あ……、いえ……」
ニッコリと笑顔で告げたアトロポスの言葉に、イーディスは自分が何を言っているのかさえも分からず呆然としていた。
「そうですか? それなら、あと一体も私たちがやりますね。バッカス、やっていいわよ!」
アトロポスの言葉に、バッカスが短く答えた。
「分かった!」
バッカスは無造作に、左下から右上へと火焔黒剣を逆袈裟に斬り上げた。漆黒の剣身から火焔の神刃が放たれ、最後のダーク・サーベントの体が左右に分かれてゆっくりと地面に倒れ込んだ。
その様子をイーディスたちは言葉を失って、愕然としながら見つめた。
「お疲れ様、バッカス」
アトロポスが戻ってきたバッカスにねぎらいの言葉を掛けた。
「ああ……。疲れるほど動いていないけどな……」
強面の顔に獰猛な笑みを浮かべながら、バッカスが告げた。そして、イーディスたちの方を振り向くと、ニヤリと笑いながら言った。
「悪いな、あんたらの仕事を取っちまって……」
「い、いえ……あの……バッカスさんって、いったい……?」
イーディスが呆然としながらバッカスの顔を見上げた。
「俺は、冒険者ランクSパーティ<闇姫>のバッカス。剣士クラスSだ。二つ名は『猛牛殺し』だ」
「け、剣士クラスS……!!」
予想もしなかったバッカスの言葉に、イーディスたちは驚愕の表情を浮かべた。
「そして、アトロポスは<闇姫>のリーダーで同じく剣士クラスSの『夜薔薇』だ」
「ナ、『夜薔薇』って、あの……」
「一人で混沌龍を倒してって言う……?」
「レウルーラ本部の冒険者たちを震え上がらせたあの『夜薔薇』……?」
<守護天使>の三人は、アトロポスの顔を見つめながら戦慄に顔を引き攣らせた。
「もう、バッカス! バラしちゃダメって言ったでしょ?」
「これから十日も一緒に旅するんだ。きちんと話をしておいた方がいいだろう?」
「まあ、そうだけど……」
文句を言うアトロポスに、バッカスは苦笑いを浮かべながら告げた。バッカスの意見の方が正論だったので、アトロポスもそれ以上は何も言えなかった。
「ところで、あんた、イーディスって言ったよな?」
「は、はい……」
突然名前を呼ばれて、イーディスは緊張しながら答えた。本来であれば、剣士クラスSの冒険者など、雲の上の存在なのだ。
「上級回復ポーションは何本くらい持っているんだ?」
「え……? 上級回復ポーション? そんなもの、持っていませんが……」
一本で白金貨三枚もする上級回復ポーションなど、剣士クラスDのイーディスが持っているはずなどなかった。
「そうか。明日、アトロポスと訓練をするって言っていたよな? こいつと訓練するなら、上級回復ポーションの五本や十本持っていないと、死ぬぞ……」
「え……?」
バッカスの言葉に、イーディスは驚きに碧眼を大きく見開いた。
「俺なんて、訓練の度に腕や脚を斬り落とされてるんだ。気をつけろよ」
「く、訓練で……腕や脚を、斬り落とすって……!?」
美しい顔を引き攣らせながら、イーディスがアトロポスを見つめた。
「ちょっと、バッカス! 余計なこと言わないでよね?」
「本当のことだろう? ちょうどいい機会だから、あの訓練方法は見直した方がいいぞ! 相手の手足を斬り落とすなんて、過激すぎる! あんたもそう思うよな、イーディス?」
突然話を振られて、イーディスは思わず頷いた。
「は、はい……」
「ほら、これが一般的な意見だぞ、アトロポス」
勝ち誇ったように告げるバッカスに、アトロポスはムウッと押し黙った。
「分かったわよ……。でも、最近はバッカスと模擬戦なんてしていないじゃない?」
「そりゃそうだ。俺が逃げ回っているからな」
バッカスは笑いながらそう告げると、イーディスの顔を見つめて言った。
「あんた、アトロポスに剣を教えてやるって言ったよな? 『夜薔薇』にそんなセリフが言えるなんて、尊敬するぜ」
「明日の昼が楽しみですね、イーディスさん。お手柔らかにお願いしますね」
「ひ、ひぃい……」
『猛牛殺し』と『夜薔薇』の二人の剣士クラスSからそう告げられ、イーディスは涙目になって顔を引き攣らせていた。
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