夜薔薇《ナイト・ローズ》~闇夜に咲く薔薇のように

椎名 将也

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第9章 獅子王と氷姫

1 移籍の条件

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「まさか、いきなり剣士クラスSに昇格するなんて、思ってもいなかったわ」
「本当ね。おめでとう、イーディス」
「ありがとう……」
 カチンと綺麗な音色を響かせながら、<守護天使ガルディエーヌ>は久しぶりに三人だけで夜の食卓を囲んだ。バッカスが気を利かせて、キャシーとマーサに昇格を祝ってもらえとイーディスを送り出してくれたのだった。

「『蒼氷姫アイス・ドール』って二つ名、バッカスさんにつけてもらったんだって?」
「うん……」
 昼間、バッカスに美人だと言われたことを思い出し、イーディスは赤くなりながら頷いた。
「これて、まだ脈があるんじゃない? 好きじゃない娘の二つ名に、姫なんてつけないでしょ?」
「そうよね。もう一度がんばってみたら?」
 キャシーとマーサの言葉に、イーディスは慌てて首を振った。

「そんなんじゃないわよ。それに、アトロポスを裏切るようなマネはしたくないわ」
 キャシーとマーサはお互いに顔を見つめ合いながら、小さくため息をついた。
「そうかぁ……。行けると思うんだけどな?」
「うん。あたしもそう思う……」
 二人の言葉に苦笑いを浮かべると、イーディスが話題を変えた。

「ところで、<守護天使ガルディエーヌ>もランクSパーティになるのよね? 依頼の受注制限もなくなったし、これからは好きな依頼を受けられるわね」
 冒険者ギルドでは、自分のクラスか所属するパーティのランクより一つ上の依頼しか受けられないルールがあった。よって、ランクSパーティとなった<守護天使ガルディエーヌ>は、F級からSS級までのすべての依頼を選べるようになったのだ。

「でも、イーディスは<守護天使ガルディエーヌ>を抜けて、<闇姫ノクス・コンチュア>に移籍するんじゃないの?」
「え……? しないわよ、移籍なんて……」
 キャシーの言葉に、イーディスが驚いて言った。イーディス自身はアトロポスたちに移籍の話を断っていたので、キャシーが何でそんなことを言い出したのか分からなかった。

「そうなの? でも、イーディスが剣士クラスSになったから、<守護天使ガルディエーヌ>はもう続けられないでしょ?」
 イーディスの意外そうな反応に、逆にマーサが驚きながら訊ねた。
「何で? 今まで通り三人で続ければいいじゃない?」
「何でって……。固定パーティには年に一度、ランクに応じた依頼を達成する義務があることを忘れたの? ランクSパーティなら、年に一回はS級依頼をこなさないとならないのよ。それが出来ない場合は、報酬の三倍の違約金を納めなければならないって知らないの?」
 マーサの言葉に、イーディスが驚愕の表情を浮かべた。

「S級依頼の報酬って、いくらくらいが相場なの?」
「A級依頼で白金貨百枚くらいだから、S級依頼だと三百枚以上じゃない? その三倍って言ったら、違約金は白金貨千枚前後になるわよ。そんな大金、毎年払えるはずないでしょ?」
 恐る恐る訊ねたイーディスの質問に、マーサは淡々と答えた。今回のザルーエクからダスガールまでの護衛依頼の報酬は、白金貨四枚だった。今まで通り、D級依頼しか受けないとすれば、一年間で白金貨五十枚も入ればいい方だ。そこから宿泊費や食費、ポーション代、馬代などを差し引くと、手元に残るのはその半分くらいだった。とてもではないが、一年で白金貨千枚も貯められるはずはなかった。

「どうしよう……。どうしたらいいの?」
 予想もしていなかった問題を目の前に突きつけられて、イーディスは蒼白になりながらキャシーたちの顔を見つめた。
「あたしたちがあんたみたいにクラスAやSになれたら解決するんだけど、そんなことは不可能だしね。そうなると、残りの選択肢は二つだけよ」
「二つ……?」
 マーサが告げた言葉にすがり付くように、イーディスが訊ねた。

「<守護天使ガルディエーヌ>を解散するか、あんたが脱退するかよ」
「そんな……?」
 思いも寄らないマーサの選択に、アトロポスは言葉を失った。どちらの選択肢も、イーディスには選べないものだった。
「まあ、解散かな? 術士と弓士の二人だけじゃ、ダンジョンにも入れないしね。あたしたちは二人揃って入れてくれるパーティを探すから、心配しないで」
 明るく笑いながら告げたキャシーの言葉に、イーディスは衝撃を受けた。

「今まで三人でやって来たじゃない? そんな簡単に解散だなんて言わないでよ!」
「でも、現実的な選択肢は、それしかないわよ。マーサと二人でメンバーを募集したって、いつどんな人が入ってくるかも分からないし……。<守護天使うち>に蓄えがないことは、あんたも良く知ってるでしょ? 一ヶ月も稼げなかったら、解散どころか餓死するわよ」
 キャシーの言うことが正論であることは、イーディスにもよく分かった。だが、感情が追いつかなかった。

「あたし、ギルマスに言って昇格を取り消してもらうわ!」
 慌てて席を立とうとしたイーディスの左腕を掴むと、マーサが呆れたように告げた。
「そんなこと、ギルマスが承知するはずないでしょ? 冷静になりなさい、イーディス」
「でも……」
 動揺するイーディスを諭すように、キャシーが告げた。
「あたしたちだって、解散が嬉しいわけじゃないわ。でも、これはマーサと二人でよく話し合った結果なの。昇格したあんたに一番の贈り物は、笑顔であんたを送り出すことだってね。だから、あんたは<闇姫ノクス・コンチュア>に入れてもらいなさい。あたしたちはあたしたちで次のパーティを探すから……」

「そんな……」
 イーディスの碧眼から涙が溢れて頬を伝った。まさか、自分の昇格が<守護天使ガルディエーヌ>の解散に繋がっていたなど、イーディスは考えもしていなかった。だが、キャシーとマーサは現実をしっかりと見つめ、その対策までも考えていたのだ。イーディスは自分の浅はかさを呪いたい気持ちだった。

(アトロポスはこのことを知っていたんだわ。だから、あたしが移籍を断った時に悲しそうな表情を浮かべたんだ。移籍を断ると、<守護天使ガルディエーヌ>が解散するしかないって知ってたんだ! 何が、キャシーとマーサを見捨てるような人には剣を贈らないよ!? 最初からこうなることが分かってたんじゃない!)
 イーディスはアトロポスの考えを誤解した。自分を昇格させて<闇姫ノクス・コンチュア>に引き抜き、キャシーとマーサを見捨てざるを得なくすることが目的だったのだと曲解した。

「あたし、アトロポスと話してくるわ!」
 美しい碧眼に怒りを浮かべながら、イーディスが席を立った。その時、後ろからアトロポスの声が聞こえてきた。
「ここにいたのね。何軒か近くのお店を探したわ」
 バッカスの横で笑顔を浮かべながら告げたアトロポスを、イーディスは激しい怒りを込めた瞳で見つめた。

「アトロポスッ! あなた、こうなるって知ってたのねッ!」
「え……? <守護天使ガルディエーヌ>を解散すること? この間、キャシーさんから相談されたわ」
 アトロポスがキャシーに視線を移しながら答えた。
「相談? どういうことなの、キャシー?」
「あんたを<闇姫ノクス・コンチュア>に入れるつもりかどうかを、アトロポスさんに聞きに行ったのよ。その時に、あんたが移籍したら<守護天使ガルディエーヌ>を解散しなくてはならないことを相談したの」
 自分一人が蚊帳の外であることを知って、イーディスは呆然と立ち尽くした。

「少し説明が必要みたいね。座ってもいいですか?」
「どうぞ……」
 キャシーが頷くのを確認すると、アトロポスとバッカスがキャシーの横に並んで座った。
「あんたも座りなさい、イーディス」
 イーディスの左腕を掴むと、マーサが彼女を無理矢理席に着かせた。

「私はイーディスが剣士クラスAに昇格するものだと思っていたわ。だから、キャシーさんから相談を受けたとき、イーディスが移籍を断ったことを伝えたの。イーディスが今まで通り残ると、<守護天使ガルディエーヌ>はランクAパーティになるわ。しかし、今の<守護天使ガルディエーヌ>にA級依頼を達成する力はない。だから、私はキャシーさんに白金貨千枚を貸す約束をしたのよ」
「白金貨千枚……?」
 話が見えずに、イーディスは正面に座るアトロポスの顔を見つめた。

「本当は白金貨千枚を贈ると言ったのだけど、キャシーさんは何年経っても必ず返すから貸して欲しいって言ったわ。A級依頼の違約金は白金貨三百枚程度よ。千枚あれば、三年は違約金を払い続けられる。それだけの期間があれば、キャシーさんたちもA級依頼を受けるだけの力をつけられるかも知れない。そのための白金貨千枚よ」
「アトロポス……」
 初めて耳にしたアトロポスの考えに、イーディスは驚きを隠せなかった。自分よりも年下の彼女が、そこまで考えてくれていたことに衝撃を受けた。

「でも、あなたは剣士クラスSに昇格したわ。さすがに、キャシーさんたちがたった三年でS級依頼を受けられるようになれるかどうかは分からない。だから、私は別の提案を持って、キャシーさんたちを捜していたの」
「別の提案……?」
 その話は、キャシーたちも初耳だったようだ。イーディスと同じように、首を傾げながらアトロポスの顔を見つめていた。

「イーディス、あなたには<闇姫ノクス・コンチュア>に移籍してもらうわ。いくら考えても、他の選択肢は見つからなかった。その代わり、私はキャシーさんとマーサさんに二つの物を渡そうと思う……」
 アトロポスは一度言葉を切ると、イーディス、キャシー、マーサの順で顔を見つめた。
「まず一つは、<守護天使ガルディエーヌ>にイーディスの移籍料として白金貨三千枚を渡すわ」
「さ、三千……!」
 キャシーとマーサが言葉を失った。それだけの金額を提示されたのは、二人とも初めてだった。

「そして、もう一つは私が書いた紹介状を預ける。これは、<紅神楽>という冒険者ランクDパーティのリーダー、ギルバートさんに宛てた紹介状よ。キャシーさんとマーサさんがどこかのパーティに加入することを考えているのなら、ザルーエクにいる<紅神楽>を訪ねてみて。男性三人、女性一人のパーティで、全員がクラスDよ。剣士、盾士、術士、弓士のパーティだから少し職が被るけど、みんな信頼できるいい人たちよ」
 アトロポスの説明を聞くとイーディスは、キャシーとマーサの顔を見つめた。二人とも驚きと感謝の入り混じった表情を浮かべていた。

「アトロポスの提案を少し補足するなら、キャシーたちには二つの選択肢があるということだ。イーディスが移籍して二人になっても<守護天使ガルディエーヌ>を続けたいのであれば、じっくりとメンバーを選べるということだ。その間は無理に依頼を受けなくても白金貨三千枚あれば生活には困らない。そして、もう一つは今アトロポスが言ったとおりだ。<紅神楽>を訪ねれば、すぐにでも冒険者として活躍できる」
 実はもう一つ選択肢があることを知っていたが、バッカスは敢えて言わなかった。それは、冒険者を引退して普通の人として生活することだった。一人白金貨千五百枚もあれば、普通に生活する分には一生暮らしていけるのだ。

「実は、イーディスの移籍料として支払う白金貨三千枚のうち、半分はバッカスが出すのよ。私がすべて払うと言ったんだけど、イーディスに<闇姫ノクス・コンチュア>に来てもらうためのお金だから自分も払うって聞かないのよ。よっぽどイーディスに来てもらいたいみたいね」
 アトロポスが少し嫉妬しながら、イーディスを見つめた。

「バッカスさん……」
 イーディスが顔を赤く染めながらバッカスを見つめた。バッカスは照れたように横を向くと、キャシーたちに向かって告げた。
「キャシー、マーサ。これがアトロポスと俺からの提案だ。この条件で、イーディスの移籍を認めて欲しい」
 バッカスの言葉に、キャシーとマーサは顔を見合わせた。どう考えても、これ以上の条件はないように思えた。

「もしイーディスの移籍を断ったら、当然この話はなしですよね? イーディス、あたしたちのためにも、さっさと<闇姫ノクス・コンチュア>に移りなさい」
「そうよ。あんたなんていなくても、あたしたちはちゃんとやっていけるんだからね」
「ちょっと、その言い方は……」
 文句を言おうとしたイーディスは、キャシーたちの眼に涙が浮かんでいることに気づいて、言葉を止めた。イーディスが移籍を断らないようにするため、悪役を引き受けているようだった。

(キャシー、マーサ……)
「分かったわよ。あたしだって、あんたたちと一緒にいるのは飽き飽きしていたんだからね!」
 そう言うと、イーディスは席を立ってキャシーとの横に移った。そして、キャシーに抱きつくと、彼女の肩を涙で濡らした。しばらく抱き合うと、イーディスはマーサの前に来た。

「いつまでもお嬢さんじゃないんだから、料理くらい覚えなさいよね。男は胃袋を掴んじゃえば逃げないわよ」
「心配しなくてもいいわ。マーサより先にいい男を掴まえるから……」
 涙を流しながら笑いを浮かべると、イーディスはマーサに抱きついた。マーサはイーディスの体を抱きしめると、彼女の銀色の髪を優しく撫ぜた。

「どうやら決まったようね。今晩は三人でゆっくりと飲んでいていいわよ。イーディス、明日の朝の六つ鐘にギルドの食堂で待ち合わせましょう」
 もらい泣きをしたアトロポスが、赤くなった眼を擦りながら告げた。
「あんまり飲み過ぎるなよ。じゃあ、また明日な、イーディス」
 アトロポスに続いて席を立つと、バッカスが右手を上げてイーディスに挨拶した。
「ありがとう、アトロポス、バッカスさん」
「ありがとうございました」
「どうもありがとう」
 涙で頬を濡らしている<守護天使ガルディエーヌ>の三人に見送られながら、アトロポスとバッカスは店を出て行った。

 こうして、『蒼氷姫アイス・ドール』イーディス=ヴァルキリアは、<闇姫ノクス・コンチュア>へ移籍することが決定した。
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