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魔王の娘の幼馴染み
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「では勇者様、名残惜しいのですが今日はこの辺で失礼いたします。またお会いできる日を楽しみにしていますね」
微笑んで優雅にお辞儀。魔王の娘は今日も六歳とは信じがたい大人びた雰囲気を帯びていた。それを見つめて勇者は思う。
(あれは……。うん、今の俺でも負けるわ)
当たり前だろうというドヤ顔の魔王の姿が浮かんだ。
魔王の娘、マーナが勇者に会いに行くときはいつも魔物が引く馬車を使う。別にマーナももう六歳自分で勇者の所までなら飛んで行けるが王の娘としてそれでは威厳がない。後人間である勇者にあんまり魔物であると意識されたくないので大人しく魔物の馬車に乗って勇者の所まで行く。帰りも大人しく魔物の馬車に揺られて帰る。
その胸の中には今日会った勇者の姿や、勇者の話声が一杯に詰まり、また会える日を楽しみにしていた、と言いたいがそうとはいかぬ何とも複雑な事情があったりもする。
魔王城に降り立つ馬車。
戸が開いた瞬間マーナは走り出す。優雅なんて言葉はその辺に捨てていく。従者はその後を追わない。
魔王の城の中庭、何やらおどろおどろしい植物が生い茂るそこの巨大迷路を走り抜け、子供が通れるだけの僅かな隙間を通り辿り着いたのは、植物によって半球体状に覆いつくされた緑の部屋。
花が咲き誇りおもちゃが転がるその場所に一人の男の子の姿。角が生え尻尾が生えたその男の子にマーナは飛びつく。
「スイレイ! 待っていてくれたのね。良かった!!」
「う、うん。マーナちゃんとの約束だからね……」
「でも私遅くなっちゃったでしょう。勇者様とのお別れが寂しくてつい……長居しちゃったの、ごめんね」
「ぼ、僕は気にしないよ。マーナちゃんが楽しんでこれたならそれが一番だよ」
「本当。よかった。ありがとうスイレイ」
その笑顔と仕草を見たら勇者は驚くだろう。そこにいたのは大人びた子供ではない。同年代と楽しく遊ぶ六歳の子供そのままである
「さあ、スイレイ!! まずはお菓子を食べましょう。うーーーーーんと甘い奴」
「お菓子? お茶をしてきたんでしょう? お茶菓子食べたんじゃないの」
「馬鹿。甘い奴って言ったじゃない。勇者様とのお茶会で出るのは基本甘さが控えめなのよ」
「そうなの」
「そうよ。だって考えてみて。勇者様はあれでも立派な大人の人なの。私みたいな子供は恋愛対象から離れているわ。だから好きになってもらうため大人の女性にならなくてはならないの。
甘すぎるお菓子を食べるだなんて絶対ダメ。そんなの大人じゃないもの」
「じゃあ、遊んだりもしないの? ままごとマーナちゃん一番好きなのに」
「当然よ。勇者様とおままごととか……してみたいけれど、そんなの子供がすることだもの。我慢しなきゃ。かけっ子とかもしてみたいんだけどね。でも私は勇者様に女性として好きになってもらいたいの。我慢しなきゃ」
「ふーーん??」
決意を込めた目。ぎゅっと握りしめた両手の拳。燃えるマーナを見ても男の子スイレイは首を傾げる。
「でもマーナちゃんはそのままの姿の方がずっと可愛いと思うのに」
小さく呟いた言葉はマーナには届かない。
さーてと笑った彼女はキラキラとした笑みを浮かべる。
「甘いものをたーーくさん食べましょう。コーヒーなんて飲んだから口の中が苦いの! 食べ終わったらたくさん遊ぼう。大人しくしてたから疲れちゃった。
勇者様は好きだけど大人ぶるのは疲れちゃうから困るわ。それでも会いたいんですけどね」
微笑んで優雅にお辞儀。魔王の娘は今日も六歳とは信じがたい大人びた雰囲気を帯びていた。それを見つめて勇者は思う。
(あれは……。うん、今の俺でも負けるわ)
当たり前だろうというドヤ顔の魔王の姿が浮かんだ。
魔王の娘、マーナが勇者に会いに行くときはいつも魔物が引く馬車を使う。別にマーナももう六歳自分で勇者の所までなら飛んで行けるが王の娘としてそれでは威厳がない。後人間である勇者にあんまり魔物であると意識されたくないので大人しく魔物の馬車に乗って勇者の所まで行く。帰りも大人しく魔物の馬車に揺られて帰る。
その胸の中には今日会った勇者の姿や、勇者の話声が一杯に詰まり、また会える日を楽しみにしていた、と言いたいがそうとはいかぬ何とも複雑な事情があったりもする。
魔王城に降り立つ馬車。
戸が開いた瞬間マーナは走り出す。優雅なんて言葉はその辺に捨てていく。従者はその後を追わない。
魔王の城の中庭、何やらおどろおどろしい植物が生い茂るそこの巨大迷路を走り抜け、子供が通れるだけの僅かな隙間を通り辿り着いたのは、植物によって半球体状に覆いつくされた緑の部屋。
花が咲き誇りおもちゃが転がるその場所に一人の男の子の姿。角が生え尻尾が生えたその男の子にマーナは飛びつく。
「スイレイ! 待っていてくれたのね。良かった!!」
「う、うん。マーナちゃんとの約束だからね……」
「でも私遅くなっちゃったでしょう。勇者様とのお別れが寂しくてつい……長居しちゃったの、ごめんね」
「ぼ、僕は気にしないよ。マーナちゃんが楽しんでこれたならそれが一番だよ」
「本当。よかった。ありがとうスイレイ」
その笑顔と仕草を見たら勇者は驚くだろう。そこにいたのは大人びた子供ではない。同年代と楽しく遊ぶ六歳の子供そのままである
「さあ、スイレイ!! まずはお菓子を食べましょう。うーーーーーんと甘い奴」
「お菓子? お茶をしてきたんでしょう? お茶菓子食べたんじゃないの」
「馬鹿。甘い奴って言ったじゃない。勇者様とのお茶会で出るのは基本甘さが控えめなのよ」
「そうなの」
「そうよ。だって考えてみて。勇者様はあれでも立派な大人の人なの。私みたいな子供は恋愛対象から離れているわ。だから好きになってもらうため大人の女性にならなくてはならないの。
甘すぎるお菓子を食べるだなんて絶対ダメ。そんなの大人じゃないもの」
「じゃあ、遊んだりもしないの? ままごとマーナちゃん一番好きなのに」
「当然よ。勇者様とおままごととか……してみたいけれど、そんなの子供がすることだもの。我慢しなきゃ。かけっ子とかもしてみたいんだけどね。でも私は勇者様に女性として好きになってもらいたいの。我慢しなきゃ」
「ふーーん??」
決意を込めた目。ぎゅっと握りしめた両手の拳。燃えるマーナを見ても男の子スイレイは首を傾げる。
「でもマーナちゃんはそのままの姿の方がずっと可愛いと思うのに」
小さく呟いた言葉はマーナには届かない。
さーてと笑った彼女はキラキラとした笑みを浮かべる。
「甘いものをたーーくさん食べましょう。コーヒーなんて飲んだから口の中が苦いの! 食べ終わったらたくさん遊ぼう。大人しくしてたから疲れちゃった。
勇者様は好きだけど大人ぶるのは疲れちゃうから困るわ。それでも会いたいんですけどね」
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