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九歳
主人公との遭遇
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その後、日が傾くまでお茶会は続いた。
アリアは今日の感触を胸に、自分の進む道をもう一度見つめなおした。
「アリア」
夕食前、食堂の窓から外を眺めていると、背後から母親に声をかけられた。
「何でしょう、お母様」
母親にいきなり声をかけられたので、驚くと同時に少しだけ何を言われるのか、自業自得とはいえども警戒してしまった。
だが、予想に反して、彼女は笑顔でアリアを抱きしめた。
「今日のお茶の入れ方素晴らしかったわ。
彼女は見た目通り、あまり褒めないのよ。
今まではあなたたちは我がまま過ぎて手が付けられなかったし、マグナムはあの通り使い物にならないから、大変だったわ。この家を出て行ってしまいたくなるくらいには、ね。
でも、今まで私に隠れてアリアが作法を一人で学んでいたことが嬉しかったわ」
母親はアリアを抱きしめて言った。
途中から少し涙声になっているのは、あまりの苦労を思い出したからだろう。
そんな彼女を見て、作法を知っていたのは前世の記憶があるからです、とは言えなかったが、
「ずっと私たちのことを考えてくださってありがとうございます。
そして、お二人の先生にも出会わせてくださってありがとうございます。
もちろん今までのことは忘れてはいません。
ですが、いずれ公爵家の娘として、遜色ない嫁ぎ先を見つけます。だから、それまでできる限り様々なことを教えていただけますか? そして、私を手伝っていただけますか?」
アリアは一生懸命抱きしめ返した。エレノアはそんな娘の反応に少し驚き、
「ありがとう、アリア。あなたが息子だったら本物の騎士になりそうだったわね」
とアリアの頬を撫でた。母親の手の感触は前世から味わったことのない優しさが溢れていた。
「もちろん、あなたが変わるためにしたい事があるんだったら、私の力が及ぶ限り手伝うわ」
エレノアは優しい笑顔でそう言った。
そして数週間、アリアは音を上げることなく、必死にバイオレット氏のもとで一般教養について学び、マダム・ブラッサムのマナー講座についてはほとんど学ぶことがないと判断され、王宮侍女としてあがるための実践として、様々な茶会に参加することになった。
そんなある日の昼下がり、バレンティン伯爵の茶会に招かれたアリアはマダム・ブラッサムに最終チェックをしてもらっていた。
「完璧ですわ、お嬢様」
そうマダム・ブラッサムが言ったのはアリアの茶会へ参加するドレスのことだった。
部屋に入ってきたマダム・ブラッサムは彼女の姿を見て、開口一番そう言った。
それに対して、アリアはガッツポーズを心の中でしてしまった。なぜかというと、ここ何回か一人で選ばせてもらったものの、なかなか完璧という言葉は聞くことができなかったから。
ドレスを選ぶ時にはコツがある。
まず茶会の趣旨や参加メンバーを考えるのだ。
例えば今回の茶会には若い貴族の女性が集まるらしいので、明るいピンクを基調にした。裾にフリルなどはついているけど、派手すぎないように白や同じピンク系統のものを選んだ。
また、肌の露出もあまり多くないように、浅めのラウンドネックのものにした。そして、靴はパステルイエローを、髪飾りは髪色である茶色に映えるように水色の小ぶりの物を選んだ。
「もう少し胸元は開いていてもいいのではないの?」
わざと避けているのに気付いているのか、マダム・ブラッサムはニヤリと笑いながらそう指摘した。メイドに少し開きが大きいタイプのものを持ってこさせて、着替えさせてもらった。
お茶会が開かれている伯爵家では、明らかにアリアは浮いていた。というのも、公爵位を持っている家からは彼女一人で、他は全て下位貴族だったのだ。
だが、参加して無駄だったのかといえば、そうではない。
そう。主人公――ベアトリーチェ・セレネがいたのだ。
もともとゲーム内では名前は『ベアトリーチェ・セレネ』のままプレイするシステムだったから、探しやすいだろうとは思っていたが、まさかこんなに簡単に見つかるとは思わなかった。
どうやら、この時点ではまだ家は困窮していないらしく、豪華な衣装に身を包んでいた。そしてもう一人、ユリウス・デュート――攻略対象の一人であり、アリアの異母弟――もこの茶会に来ていた。
しかし、その日はあまりにもあまりにも浮かれた存在だったということが原因で、緊張しすぎていたようで、誰と何をしゃべったのかも、何が出されたのかなどもうっすらとしか覚えていなかった。
公爵邸に帰宅した後、母親の部屋にアリアはすぐさま向かった。
「お母様、お願いがあります」
突然の娘のお願いに最近は慣れたのか、驚きもせずに続きを促した。
「セレネ伯爵令嬢を今度うちに招きたいのですが」
その娘のお願いには驚きを隠しきれなかったようで、目を大きく見開いた。
「何かあったの?」
しかし、すぐさま拒否することもせず、聞いてくれるようだった。
「少しお話してみたいと思いまして。今日の茶会でお会いしたんですが、なかなか喋れなかったんです」
アリアはあらかじめ考えてあった『嘘』を言った。
「そう。そこまであなたが興味を示すのは珍しいわね。今度、茶会を開くつもりだったから、その時に招待してみようかしら」
エレノアはアリアが誰かに興味を示すことに驚いたものの、すんなりとアリアの要望を取り計らってくれることになった。
その日から一週間後、スフォルツァ公爵邸で茶会が催された。
今回の茶会のコンセプトは『ママさん会』にしたようで、主に伯爵以上の貴族の中で私と同年齢ぐらいの子女を持つ母親たちが、子供同伴で招待された。
それならば、面識のないセレネ伯爵夫人も娘を連れて参加してくれるだろうと母親は踏んだようで、アリアはその発想が面白いと感じた。
案の定、ベアトリーチェ・セレネの母親も娘とともに公爵邸に招かれ、当日も出席してくれていた。
一方、本来だったら妹のリリスもホストの娘として出席しなければならないのだが、あの後も素行が治らなかったため、茶会には参加させるのをやめさせたようだった。
「じゃあ、子供たちは中庭に案内するから、そこで遊んでいらっしゃい」
エレノアはそう言って、次々とやってくる客人を出迎えながら、メイドたちに子供たちを見守るように命令していた。
今日の茶会の参加者は十人。
アリアの意識はすでにヒロインにいっていた。
しかし、しばらくすると、アリアの周りに数人の子供が近づいてきて、彼女に媚を売ってきた。
少し前までの自分はこうだったのかと、最初は自分自身に呆れながらもきちんと対応したが、次第に適当に返すだけのものになっていた。
その様子を見かねたメイドが、そろそろお手洗いに行かれたいのでは、と手助けしてくれるまで続いた。
もちろん、お手洗いというのは方便であり、少し近くの小部屋で休息をとり、再び子供たちの会場である中庭に戻ろうとした。その途中、一人泣いているベアトリーチェとそれを慰めている栗色の髪をした少年に遭遇した。
「どうされましたの、ベアトリーチェさん」
アリアはそっと声をかけた。すると、二人は近くにいたアリアに気づいていなかったみたいで、かなり驚いた。
「驚かせてしまってごめんなさいね、ベアトリーチェさんとユリウスさん」
アリアは優雅にお辞儀をした。二人は顔を見合わせたが、すぐにそろってフルフルと首を横に振った。まだ立ち直っていないらしいヒロインにかわってユリウスが、彼女が泣いていた訳を話し始めた。
アリアは今日の感触を胸に、自分の進む道をもう一度見つめなおした。
「アリア」
夕食前、食堂の窓から外を眺めていると、背後から母親に声をかけられた。
「何でしょう、お母様」
母親にいきなり声をかけられたので、驚くと同時に少しだけ何を言われるのか、自業自得とはいえども警戒してしまった。
だが、予想に反して、彼女は笑顔でアリアを抱きしめた。
「今日のお茶の入れ方素晴らしかったわ。
彼女は見た目通り、あまり褒めないのよ。
今まではあなたたちは我がまま過ぎて手が付けられなかったし、マグナムはあの通り使い物にならないから、大変だったわ。この家を出て行ってしまいたくなるくらいには、ね。
でも、今まで私に隠れてアリアが作法を一人で学んでいたことが嬉しかったわ」
母親はアリアを抱きしめて言った。
途中から少し涙声になっているのは、あまりの苦労を思い出したからだろう。
そんな彼女を見て、作法を知っていたのは前世の記憶があるからです、とは言えなかったが、
「ずっと私たちのことを考えてくださってありがとうございます。
そして、お二人の先生にも出会わせてくださってありがとうございます。
もちろん今までのことは忘れてはいません。
ですが、いずれ公爵家の娘として、遜色ない嫁ぎ先を見つけます。だから、それまでできる限り様々なことを教えていただけますか? そして、私を手伝っていただけますか?」
アリアは一生懸命抱きしめ返した。エレノアはそんな娘の反応に少し驚き、
「ありがとう、アリア。あなたが息子だったら本物の騎士になりそうだったわね」
とアリアの頬を撫でた。母親の手の感触は前世から味わったことのない優しさが溢れていた。
「もちろん、あなたが変わるためにしたい事があるんだったら、私の力が及ぶ限り手伝うわ」
エレノアは優しい笑顔でそう言った。
そして数週間、アリアは音を上げることなく、必死にバイオレット氏のもとで一般教養について学び、マダム・ブラッサムのマナー講座についてはほとんど学ぶことがないと判断され、王宮侍女としてあがるための実践として、様々な茶会に参加することになった。
そんなある日の昼下がり、バレンティン伯爵の茶会に招かれたアリアはマダム・ブラッサムに最終チェックをしてもらっていた。
「完璧ですわ、お嬢様」
そうマダム・ブラッサムが言ったのはアリアの茶会へ参加するドレスのことだった。
部屋に入ってきたマダム・ブラッサムは彼女の姿を見て、開口一番そう言った。
それに対して、アリアはガッツポーズを心の中でしてしまった。なぜかというと、ここ何回か一人で選ばせてもらったものの、なかなか完璧という言葉は聞くことができなかったから。
ドレスを選ぶ時にはコツがある。
まず茶会の趣旨や参加メンバーを考えるのだ。
例えば今回の茶会には若い貴族の女性が集まるらしいので、明るいピンクを基調にした。裾にフリルなどはついているけど、派手すぎないように白や同じピンク系統のものを選んだ。
また、肌の露出もあまり多くないように、浅めのラウンドネックのものにした。そして、靴はパステルイエローを、髪飾りは髪色である茶色に映えるように水色の小ぶりの物を選んだ。
「もう少し胸元は開いていてもいいのではないの?」
わざと避けているのに気付いているのか、マダム・ブラッサムはニヤリと笑いながらそう指摘した。メイドに少し開きが大きいタイプのものを持ってこさせて、着替えさせてもらった。
お茶会が開かれている伯爵家では、明らかにアリアは浮いていた。というのも、公爵位を持っている家からは彼女一人で、他は全て下位貴族だったのだ。
だが、参加して無駄だったのかといえば、そうではない。
そう。主人公――ベアトリーチェ・セレネがいたのだ。
もともとゲーム内では名前は『ベアトリーチェ・セレネ』のままプレイするシステムだったから、探しやすいだろうとは思っていたが、まさかこんなに簡単に見つかるとは思わなかった。
どうやら、この時点ではまだ家は困窮していないらしく、豪華な衣装に身を包んでいた。そしてもう一人、ユリウス・デュート――攻略対象の一人であり、アリアの異母弟――もこの茶会に来ていた。
しかし、その日はあまりにもあまりにも浮かれた存在だったということが原因で、緊張しすぎていたようで、誰と何をしゃべったのかも、何が出されたのかなどもうっすらとしか覚えていなかった。
公爵邸に帰宅した後、母親の部屋にアリアはすぐさま向かった。
「お母様、お願いがあります」
突然の娘のお願いに最近は慣れたのか、驚きもせずに続きを促した。
「セレネ伯爵令嬢を今度うちに招きたいのですが」
その娘のお願いには驚きを隠しきれなかったようで、目を大きく見開いた。
「何かあったの?」
しかし、すぐさま拒否することもせず、聞いてくれるようだった。
「少しお話してみたいと思いまして。今日の茶会でお会いしたんですが、なかなか喋れなかったんです」
アリアはあらかじめ考えてあった『嘘』を言った。
「そう。そこまであなたが興味を示すのは珍しいわね。今度、茶会を開くつもりだったから、その時に招待してみようかしら」
エレノアはアリアが誰かに興味を示すことに驚いたものの、すんなりとアリアの要望を取り計らってくれることになった。
その日から一週間後、スフォルツァ公爵邸で茶会が催された。
今回の茶会のコンセプトは『ママさん会』にしたようで、主に伯爵以上の貴族の中で私と同年齢ぐらいの子女を持つ母親たちが、子供同伴で招待された。
それならば、面識のないセレネ伯爵夫人も娘を連れて参加してくれるだろうと母親は踏んだようで、アリアはその発想が面白いと感じた。
案の定、ベアトリーチェ・セレネの母親も娘とともに公爵邸に招かれ、当日も出席してくれていた。
一方、本来だったら妹のリリスもホストの娘として出席しなければならないのだが、あの後も素行が治らなかったため、茶会には参加させるのをやめさせたようだった。
「じゃあ、子供たちは中庭に案内するから、そこで遊んでいらっしゃい」
エレノアはそう言って、次々とやってくる客人を出迎えながら、メイドたちに子供たちを見守るように命令していた。
今日の茶会の参加者は十人。
アリアの意識はすでにヒロインにいっていた。
しかし、しばらくすると、アリアの周りに数人の子供が近づいてきて、彼女に媚を売ってきた。
少し前までの自分はこうだったのかと、最初は自分自身に呆れながらもきちんと対応したが、次第に適当に返すだけのものになっていた。
その様子を見かねたメイドが、そろそろお手洗いに行かれたいのでは、と手助けしてくれるまで続いた。
もちろん、お手洗いというのは方便であり、少し近くの小部屋で休息をとり、再び子供たちの会場である中庭に戻ろうとした。その途中、一人泣いているベアトリーチェとそれを慰めている栗色の髪をした少年に遭遇した。
「どうされましたの、ベアトリーチェさん」
アリアはそっと声をかけた。すると、二人は近くにいたアリアに気づいていなかったみたいで、かなり驚いた。
「驚かせてしまってごめんなさいね、ベアトリーチェさんとユリウスさん」
アリアは優雅にお辞儀をした。二人は顔を見合わせたが、すぐにそろってフルフルと首を横に振った。まだ立ち直っていないらしいヒロインにかわってユリウスが、彼女が泣いていた訳を話し始めた。
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