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2.黄金の夜鳴鶯
『調香師』
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ドーラのあとには『調査』報告はなく、次の議題に移った。
「さて、来月には年に一度の五大公国会議が開かれるのと同時に五大公国内調香師会議も開かれます。その際、第一級認定調香師の皆さんには研修会への参加が義務付けられます。そして、毎年恒例で行われる任免会議にも私以外にあと二人、そして交流会には最低三人の参加が必要となってきます。とりあえず自薦で任免会議、交流会に参加していただける方はみえますでしょうか」
院長の言葉に黙る面々。誰も名乗り出ようとしない。
交流会の内容はフレグランスコンテストかソープカービングコンテスト、オリジナルハーブティーコンテストのいずれかが開かれる。今年は確かフレグランスコンテストが開かれるはずだ。いずれも調香師同士での審査、各国調香院長の審査、そして、貴族の審査という三つの部門がある。叔母のエリザベータならばどの部門でも上位に食い込める気もするが、ドーラには先日、コレンルファ伯爵夫人からもらったようなフレグランスは作れない。ドーラが自ら参加するのはどうしてもためらわれた。
「そうですよね。では、私の方から任免会議への参加を願いたいのはラススヴェーテ嬢とレリウス男爵。ラススヴェーテ嬢は先ほどの件があるから、直近の出来事ですし、レリウス男爵も先日、『調査』してくれたことがあるから、ぜひにと思うのですが、二人とも都合はつけてくれますでしょうか」
院長の依頼は質問の形ではあったものの、あまり強く拒否できない。レリウス男爵もドーラも頷いた。
「お願いします。では、フレグランスコンテストについては公平にくじで決めましょう。もちろん、専門職でフレグランスを使ってないという人はくじに参加しなくても良いですが、基本的には全員参加してください」
フレグランスコンテストへの出場権をかけたくじを行うことになり、あらかじめこうなることを予想していたのか、用意されていたくじを大半の調香師たちがつぎつぎと引いていった。
当たりくじは三つ。ドーラの紙には何も書かれていない。これは吉なのか、凶なのか。院長はどちらが当たりくじであるかは言っていない。
「さて、何か印がついているかな?」
院長の言葉に頭を抱える調香師が三人。どうやら、そちらが当たりだったようだ。ドーラはどこかほっとしていた。
「ちなみに、今回のフレグランスコンテストのテーマは『五大公国』だ。一つの国をイメージしたものでもいいし、五大公国全体をイメージしたものでもいい。特に使用する精油の制限はないし、別に特別気張らなくてもいい。自分のオリジナリティさえ出してくれればそれで構わないからね」
フレグランスコンテストに出ることになった三人に慰めになっているようななっていないような言葉をかける院長。少し魂が抜けたようになっているが、選ばれてしまった以上、仕方ないと割り切ったのだろう。その言葉に頷いていた。
「まあ、ほかの調香師たちも当日まで参加受け付けしているから、もしこれぞはというものが仕上がったら、ぜひ参加してほしい」
院長はそう締めくくり、じゃあ、次の議題に移ろう、と声をかけた。
その後はその五大公国調香師会議での役割などを決め、今回のエルスオング大公国調香師会議は終了した。
ポローシェ侯爵が『ステルラ』のパトロンについていることは、調香師たちの中、貴族たちの中ですでに知れ渡っているが、特に用がないときは話すこともない。彼に軽く会釈しただけでドーラは会議場から出て、店に戻ろうとした。
予定よりも早く終わったので、行きとは違って辻馬車ではなく、歩いて帰ることにした。フレグランスコンテストにでなくても、そしてあまりフレグランスを作るのが得意でなくても、こうやって歩き、風景をじっくり見ることはフレグランスやアロマクラフトを作るときに役に立つこともある。
『ステルラ』までの道のりの半ばにさしかかったとき、見覚えのある二人が公園のベンチに座っていた。昨日、今朝見たときは元気そうだったのに、今は二人とも元気がなさそうだった。一瞬、声をかけるのをためらったが、今は二人とも『ステルラ』の顧客である。意を決して、声をかけた。
「クララさん、アリーナさん。どうされたんですか?」
ドーラに突然、声をかけられた二人は驚き、そして、なにか慌てたようなそぶりを見せた。なにかいいにくいことでもあったのだろう。だけども、クララのほうが先に口を開いた。
「フェオドーラさん。どうやったら、調香師になれますでしょうか。もし、フェオドーラさんの元で働いて勉強すれば、なれるのでしょうか」
突然のクララの質問にどういうことかと眉を潜めるドーラ。しかし、すかさずクララはそれを尋ねた理由を言い出した。
「私、調香師になって、ドミトリーを見返してやりたいんです。あの男に価値のない女だなんて、言われたくないんです。それに、いつかあいつに言ってやりたいんです。お前みたいな価値のない男って」
元婚約者との間に何があったのかはわからないけど、その気持ちは分からなくもない。もし、そう言われたのならば、見返してやりたいと思うだろう。 だけども、ドーラは調香師という立場である以上、クララのようなただの復讐心だけで調香師になってほしくなかった。
「そんな理由で調香師を目指さないでください」
ドーラはあえて強く突き放した。まさか断られると思っていなかったのだろう。クララは呆然としていて、アリーナも少し不服なようだった。だけども、ドーラは一人の調香師として強く拒否をする。
「調香師は医者とは違って患者の病気自体を根本的に治すことはできません。それに官僚のように全ての人に行き届くようなものを作り上げることもできません。それにもかかわらず、なぜ難しい試験があるのか、理由を知っていますか」
彼女の問いかけに首を横にふるクララたち。
「かつて古代帝国の皇帝カストは人々が香りに惑わされないよう、そして香りを悪用しないようにと『調香典範』と現代では呼ばれるものを作り上げました。それと同時に認定調香師制度を作り上げ、それが五大公国に分離したあともこの大陸全体で継続し続けているのです」
クララたちの瞳には先ほどまでの勢いはなくなっていた。しかし、ドーラはその続きを話した。
「なんのために調香師になりたいのか、もう一度よく考えてください。香りはどうしても人の生活に必要ではありません。余裕のある人が生活に潤いを与えるためのもの。その一方で人、の体調を左右する可能性のあるものでもあるから、こうやって難しい試験を課しているのです」
そこで区切ったドーラはクララをしっかり見た。
「本当に人のために香りを扱いたいのに扱えない人だっています。そういう人たちにそんな理由で胸を張って調香師ですと言えますか」
ドーラの厳しい言葉にしょんぼりとするクララ。
「もう一度、よく考えてください。それからもし、本当になりたいのであれば、また私に声をかけてください」
では、またお店で、そう言ってドーラは二人をおいて公園を出た。二人には考える時間が必要だろう。自分がいればマイナスの方向に考えかねない。ドーラもさすがに言いすぎたと思い、自分の頭を冷やす目的ついでに一人で帰ることにした。
「さて、来月には年に一度の五大公国会議が開かれるのと同時に五大公国内調香師会議も開かれます。その際、第一級認定調香師の皆さんには研修会への参加が義務付けられます。そして、毎年恒例で行われる任免会議にも私以外にあと二人、そして交流会には最低三人の参加が必要となってきます。とりあえず自薦で任免会議、交流会に参加していただける方はみえますでしょうか」
院長の言葉に黙る面々。誰も名乗り出ようとしない。
交流会の内容はフレグランスコンテストかソープカービングコンテスト、オリジナルハーブティーコンテストのいずれかが開かれる。今年は確かフレグランスコンテストが開かれるはずだ。いずれも調香師同士での審査、各国調香院長の審査、そして、貴族の審査という三つの部門がある。叔母のエリザベータならばどの部門でも上位に食い込める気もするが、ドーラには先日、コレンルファ伯爵夫人からもらったようなフレグランスは作れない。ドーラが自ら参加するのはどうしてもためらわれた。
「そうですよね。では、私の方から任免会議への参加を願いたいのはラススヴェーテ嬢とレリウス男爵。ラススヴェーテ嬢は先ほどの件があるから、直近の出来事ですし、レリウス男爵も先日、『調査』してくれたことがあるから、ぜひにと思うのですが、二人とも都合はつけてくれますでしょうか」
院長の依頼は質問の形ではあったものの、あまり強く拒否できない。レリウス男爵もドーラも頷いた。
「お願いします。では、フレグランスコンテストについては公平にくじで決めましょう。もちろん、専門職でフレグランスを使ってないという人はくじに参加しなくても良いですが、基本的には全員参加してください」
フレグランスコンテストへの出場権をかけたくじを行うことになり、あらかじめこうなることを予想していたのか、用意されていたくじを大半の調香師たちがつぎつぎと引いていった。
当たりくじは三つ。ドーラの紙には何も書かれていない。これは吉なのか、凶なのか。院長はどちらが当たりくじであるかは言っていない。
「さて、何か印がついているかな?」
院長の言葉に頭を抱える調香師が三人。どうやら、そちらが当たりだったようだ。ドーラはどこかほっとしていた。
「ちなみに、今回のフレグランスコンテストのテーマは『五大公国』だ。一つの国をイメージしたものでもいいし、五大公国全体をイメージしたものでもいい。特に使用する精油の制限はないし、別に特別気張らなくてもいい。自分のオリジナリティさえ出してくれればそれで構わないからね」
フレグランスコンテストに出ることになった三人に慰めになっているようななっていないような言葉をかける院長。少し魂が抜けたようになっているが、選ばれてしまった以上、仕方ないと割り切ったのだろう。その言葉に頷いていた。
「まあ、ほかの調香師たちも当日まで参加受け付けしているから、もしこれぞはというものが仕上がったら、ぜひ参加してほしい」
院長はそう締めくくり、じゃあ、次の議題に移ろう、と声をかけた。
その後はその五大公国調香師会議での役割などを決め、今回のエルスオング大公国調香師会議は終了した。
ポローシェ侯爵が『ステルラ』のパトロンについていることは、調香師たちの中、貴族たちの中ですでに知れ渡っているが、特に用がないときは話すこともない。彼に軽く会釈しただけでドーラは会議場から出て、店に戻ろうとした。
予定よりも早く終わったので、行きとは違って辻馬車ではなく、歩いて帰ることにした。フレグランスコンテストにでなくても、そしてあまりフレグランスを作るのが得意でなくても、こうやって歩き、風景をじっくり見ることはフレグランスやアロマクラフトを作るときに役に立つこともある。
『ステルラ』までの道のりの半ばにさしかかったとき、見覚えのある二人が公園のベンチに座っていた。昨日、今朝見たときは元気そうだったのに、今は二人とも元気がなさそうだった。一瞬、声をかけるのをためらったが、今は二人とも『ステルラ』の顧客である。意を決して、声をかけた。
「クララさん、アリーナさん。どうされたんですか?」
ドーラに突然、声をかけられた二人は驚き、そして、なにか慌てたようなそぶりを見せた。なにかいいにくいことでもあったのだろう。だけども、クララのほうが先に口を開いた。
「フェオドーラさん。どうやったら、調香師になれますでしょうか。もし、フェオドーラさんの元で働いて勉強すれば、なれるのでしょうか」
突然のクララの質問にどういうことかと眉を潜めるドーラ。しかし、すかさずクララはそれを尋ねた理由を言い出した。
「私、調香師になって、ドミトリーを見返してやりたいんです。あの男に価値のない女だなんて、言われたくないんです。それに、いつかあいつに言ってやりたいんです。お前みたいな価値のない男って」
元婚約者との間に何があったのかはわからないけど、その気持ちは分からなくもない。もし、そう言われたのならば、見返してやりたいと思うだろう。 だけども、ドーラは調香師という立場である以上、クララのようなただの復讐心だけで調香師になってほしくなかった。
「そんな理由で調香師を目指さないでください」
ドーラはあえて強く突き放した。まさか断られると思っていなかったのだろう。クララは呆然としていて、アリーナも少し不服なようだった。だけども、ドーラは一人の調香師として強く拒否をする。
「調香師は医者とは違って患者の病気自体を根本的に治すことはできません。それに官僚のように全ての人に行き届くようなものを作り上げることもできません。それにもかかわらず、なぜ難しい試験があるのか、理由を知っていますか」
彼女の問いかけに首を横にふるクララたち。
「かつて古代帝国の皇帝カストは人々が香りに惑わされないよう、そして香りを悪用しないようにと『調香典範』と現代では呼ばれるものを作り上げました。それと同時に認定調香師制度を作り上げ、それが五大公国に分離したあともこの大陸全体で継続し続けているのです」
クララたちの瞳には先ほどまでの勢いはなくなっていた。しかし、ドーラはその続きを話した。
「なんのために調香師になりたいのか、もう一度よく考えてください。香りはどうしても人の生活に必要ではありません。余裕のある人が生活に潤いを与えるためのもの。その一方で人、の体調を左右する可能性のあるものでもあるから、こうやって難しい試験を課しているのです」
そこで区切ったドーラはクララをしっかり見た。
「本当に人のために香りを扱いたいのに扱えない人だっています。そういう人たちにそんな理由で胸を張って調香師ですと言えますか」
ドーラの厳しい言葉にしょんぼりとするクララ。
「もう一度、よく考えてください。それからもし、本当になりたいのであれば、また私に声をかけてください」
では、またお店で、そう言ってドーラは二人をおいて公園を出た。二人には考える時間が必要だろう。自分がいればマイナスの方向に考えかねない。ドーラもさすがに言いすぎたと思い、自分の頭を冷やす目的ついでに一人で帰ることにした。
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