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僧侶「あと38回……」
しおりを挟む勇者「いてて……さっきの戦闘でやられた」
戦士「まったく、勇者のくせにだらしないぞ!!」
賢者「お待ちください、今回復を──」
僧侶「わ、私がやりますっ!」
賢者「しかし僧侶さん、貴女はこの洞窟に入ってから随分MPを消費しています」
賢者「ここは私にお任せください」
賢者「ベホイミ!」
勇者のキズが回復した!
僧侶「あ──」
勇者「おし、さんきゅ、賢者」
賢者「いえ、礼には及びませんよ」
賢者「さぁ進みましょう」
戦士「そうだな!さっさとこんなとこ抜けてメシ食おうぜメシ!」
僧侶「……」
僧侶「あと38回……」
~洞窟最深部~
戦士「おおおりゃああ!!」
戦士の攻撃!
魔物にダメージを与えた!
勇者「賢者!僧侶!今だ!!」
賢者はメラゾーマを唱えた!
僧侶はバギクロスを唱えた!
魔物にダメージを与えた!
戦士「もういっちょぉおお!!」
勇者「だあああっ!!」
戦士の攻撃!
勇者の攻撃!
魔物にダメージを与えた!
魔物をやっつけた!
戦士「おっしゃぁぁぁ!!」
僧侶「て、手ごわかったです……」
勇者「はぁ…はぁ…」
賢者「あの長い洞窟を抜けての戦闘でしたからね……」
賢者「あ、僧侶さん」
僧侶「は、はい?」
賢者「私はリレミトとルーラ分のMPを温存しなければいけませんので、回復をお願いできますか?」
僧侶「!」
僧侶「はい、勿論です!」
僧侶「ベホマラー!」
パーティー全員のキズが回復した!
勇者「あ、悪い僧侶、俺まだ全快してないみたいだ」
僧侶「あわわっ、ベホイミ!」
勇者のキズが回復した!
勇者「ありがとう、僧侶」
僧侶「い、いえ、これくらい……」
僧侶(戦闘中に2回だったから……あと34回)
僧侶(あと少し……あと少し……)
~宿屋~
賢者「本日攻略した洞窟で手に入れたこの石版を、この地図の上に置くと……」コトッ
勇者「あっ!これはまさか……」
僧侶「この間の搭にあった壁画にそっくりですね」
戦士「」zzZ
賢者「その通りです」
賢者「では、その塔の位置に印をつけます」
賢者「そして、石版にそって線を引くと──」
勇者「──なるほど」
勇者「この三本の線が交わる場所が──」
賢者「“魔王城”」
賢者「というわけですね」
戦士「……!」パチッ
戦士「お!ついに魔王と戦うのか!?よーっし腕がなるぜ!!」
勇者「よしよし、順調に行けそうだな」
賢者「戦士さん、もう少し女性としての品のある言葉遣いを心掛けた方がよろしいかと」
戦士「まーた説教かよー」
勇者「ま、魔王城の場所が分かったってことは、この旅の大詰めも近いってことだな」
僧侶「そうなんですね……」
賢者「長かったですね、非常に危険な冒険でした」
勇者「泣いても笑ってももうすぐ魔王との戦いだ」
勇者「ここまで来て後になんて引けないしな」
僧侶「魔王を倒せば、世界に平和が訪れるんでしょうか」
賢者「少なくとも、魔物に怯える日々は終わりになるでしょう」
戦士「心配すんな!どんな魔物でもアタシが全部ぶっ倒してやる!」
勇者「よし、明日はみんなゆっくり休んでくれ」
勇者「万全になってから攻略だ」
賢者「わかりました」
戦士「魔王よ、怯えて待ってろよー!」
僧侶「相変わらず戦士さんは元気ですね」クスッ
~翌日~
勇者「というわけで、今日は決戦前の最後の休みだから、みんなしっかり休んでくれ」
戦士「アタシは休んでると体がなまっちゃうから訓練してくる!」
賢者「私は情報収集を」
賢者「ここは魔王城に最も近い町ですから、何か掴めるかもしれません」
勇者「まったく、休めって言ってるのに……」
僧侶「皆さんやっぱりそわそわしてますね」
勇者「まあ、俺もちょっと落ち着かないんだけどな」
僧侶「私もドキドキしています」
僧侶「でも、勇者様や皆さんと一緒なら怖くありません!」
勇者「ありがとう」
勇者「僧侶がしっかりしてるから、みんな心強いよ」
僧侶「いえそんな……//」
僧侶「私なんて皆さんに頼りっぱなしですし」
勇者「そういえば、僧侶って例の目標は達成できたの?」
僧侶「えっ!?」
僧侶「あ、いや、その、まだ……です」
勇者「うーん、魔王をやっつけるまでに達成できそうか?」
僧侶「わかりません」
僧侶「でもこんな目標……ほんとは達成しないほうがいいに決まってますから」
勇者「ふーん、どんな目標かは知らないけど、達成できるといいな」
僧侶「は、はい」
賢者「……」
賢者(全く……やはりあの人は──)
賢者(“聖職者にはふさわしくなかった”)
賢者(という事ですか)
~夕方~
戦士「ただいまーっ!」ガチャ
勇者「おかえり……って戦士!またキズだらけじゃないか!」
戦士「なんか体がムズムズするから、ずっと魔物と闘ってたぜ!」
勇者「バカ!休めって言っただろうが!」
戦士「バカって言うなぁぁ!」
僧侶「戦士さん、じっとしてください……ベホイミ!」
戦士のキズが回復した!
戦士「おお、ありがとう僧侶!これで150回目だな!」
僧侶「えっ?」
戦士「アタシが僧侶に回復してもらったのって、今ので丁度150回目なんだよ!」
僧侶「え?あ、え、そ、そうでしたっけ?」
戦士「そうだよ!アタシずーっと数えてたんだからさ」
賢者「この旅の間、ずっとですか?」
戦士「昨日の晩飯は忘れても、受けた恩は絶対忘れるなって親父に教わったんだ」
勇者「そうか、お前ってやっぱりいいバカだよな」
戦士「誰がバカだ!!」
賢者「戦士さん、今のは褒められてるんですよ」
戦士「え?そうなの?やったー!」
勇者「賢者も戦士の扱いがうまくなったな」
賢者「まあ、長い付き合いですし」
勇者「そうだな、長かったな」
戦士「明日は魔王城だな!」
僧侶「ついにって感じですね」
勇者「酒場で出会って、旅を始めて」
賢者「あの頃私は、まだまだ未熟な魔法使いでした」
僧侶「私もです」
僧侶「もうすぐ魔王との戦いなんて、あの時には想像もできませんでした」
戦士「アタシも!」
勇者「俺たちだからここまで来れたんだ」
勇者「最後まで駆け抜けようぜ!」
「「「「おー!!!」」」」
~魔王城~
戦士「だーーっ、キリがないな!」
賢者「魔物の強さも数も半端ではありませんね」
僧侶「勇者様、今回復を!」
勇者「ああ、頼む」
勇者のキズが回復した!
勇者「ありがとう」
僧侶「いえ……戦士さんにもかけますね」
戦士のキズが回復した!
戦士「おっしゃ!ありがとう僧侶!」
賢者「では進みましょう」
賢者「まだまだ先は長そうですが……」
賢者「ただ、漂ってくる邪気はどんどん濃くなっています」
勇者「そうだな……」
僧侶(魔王城に入ってからこれで……城に来る前と合わせて……)
僧侶(あと……27回)
~魔王の間~
勇者「魔王!出てこい!」
???「──くくく……」
賢者「なんという膨大な魔力っ…!」
魔王「褒めてやろう、我の眼前に踏み入るとは」
勇者「生憎、お前に褒められても何の感慨も湧かないんだ」
魔王「その覇気…その眼…まさか奴の息子か?」
勇者「……」
魔王「ふははは!!よもや人間共の願いを一身に受けた聖なる使徒が、よりにもよって復讐心に駆られた小僧だったとはな!!」
勇者「──それは違うぞ魔王」
勇者「確かに貴様は憎い」
勇者「父さんの仇を討ちたい」
勇者「だけど…俺の志は──」
勇者「俺に着いて来てくれた皆と同じ……正義の心だ!!」
魔王「ふっ、おもしろい」
魔王「よかろう、魔王たる我が盛大にもてなしてやるとしよう──」
勇者「行くぞ!みんな!」
戦士「おうっ!」
賢者「了解です!」
僧侶「はいっ!」
勇者「だぁぁぁっ!!!」
魔王「ふははは!!どうした?それが限界か!?」
魔王は魔力の玉を投げつけた!
賢者「うぐ……あの攻撃には……スクルトもフバーハも意味を成さない……」
僧侶「ベホマラー!!」
僧侶はベホマラーを唱えた!
全員のキズが回復した!
戦士「やっぱり僧侶は頼りになるな!うおおおおお!!」
勇者「戦士!早まるな!一旦下がれ!」
魔王「バカめ!」
魔王は漆黒の鎌を振り下ろした!
戦士「あぐっ!!」
勇者「あんのバカ!!賢者、援護を!」
僧侶「今回復を!」
戦士「ぐ……ひ、ひとのこと、バカバカ言ってんじゃねえええええ!!」
戦士の攻撃!
魔王に大ダメージを与えた!
魔王「うぐ!に、人間がこれほどの攻撃をするだと!?」
賢者「!」
賢者「今です!」
勇者「ああ!任せろ!」
勇者「ギガデイン!!」
勇者はギガデインを唱えた!
魔王に大ダメージを与えた!
賢者「ベホマ!」
賢者はベホマを唱えた!
戦士のキズが回復した!
戦士「ありがとう!」
賢者「まったく、いつもいつも貴女からは目が離せませんね」
賢者「おかげで──どうでもいい時まで目で追ってしまうようになりましたよ」
戦士「あ?今なんか言った?」
賢者「ええ、世迷言を少々」
勇者「くそ!なんて頑丈な体してやがる…!」
魔王「我を見縊るでないっ!!」
魔王は輝く息を吐いた!
僧侶「きゃぁっ!」
戦士「僧侶!アタシの後ろに!」
賢者「勇者さんっ!」
勇者「はぁぁぁぁぁ!!」
勇者は精霊の剣を天にかざした!
魔王の放ったブレスが逆風を巻き、魔王に襲い掛かる!
魔王「な、何ぃっ!?バカな…!精霊共にそんな力が──ぐぁぁぁぁ!!」
勇者「はぁ…はぁ…もうひといき…もうひといきだ!」
─────────────────────────
~酒場~
勇者『すいません、一緒に旅をしてくれる冒険者を探してるんですけど』
店主『ん?ああ、あんたが勇者ってやつか』
店主『王様から話は聞いてるよ』
勇者『えーっと、職業は問いません。魔王を倒すっていう志の高い人を』
戦士『あー!あんたが勇者か!』
勇者『え?あ、うん、そうだけど』
戦士『アタシ戦士!宜しくな!』
勇者『あ、その、まだ仲間にすると決めたわけじゃ──』
戦士『何だよー!これでもアタシは立派な戦士なんだぞー?』
勇者『あー、はい』
戦士『それに!魔王をぶったおすって心意気だけは誰にも負けないぜ!必ずアタシがこの剣で仕留めてやる!!』
勇者『はぁ』
店主『ま、よろしく頼むな』
勇者『っておい!適当すぎるだろ!』
魔法使い『まったく、騒がしい方ですね』
勇者『ん?』
魔法使い『はじめまして勇者様』
魔法使い『私は魔法使いをやっている者です』
魔法使い『といっても、まだかけだしの身ですが……』
魔法使い『是非お力になりたいと思い、志願に参りました』
魔法使い『何なりとお使いください』
勇者『魔法使いか、確かに攻撃呪文は頼りにな』
勇者『それじゃあお願いしようかな』
魔法使い『ありがとうございます』
勇者『えーっと、あと回復できる人がいればいいんだけど……』
店主『あ、それなら丁度──』
僧侶『洗い物終わりましたー!』
店主『ま、この娘がいるわけだ』
勇者『え?』
僧侶『え?』
店主『僧侶さんだ』
僧侶『え、えええっ!?』
僧侶『わ、私が勇者様と旅ですか!?』
勇者『えっと、君は僧侶なの?回復魔法できる?』
僧侶『は、はい…』
僧侶『確かに僧侶ですけど…』
僧侶『その、ど、どの冒険者さんからも不採用になってしまいまして…』
僧侶『家に帰ろうと思ったら、旅費がなくて…』
店主『で、仕方なくウチで雇っていたわけ』
勇者『そんな事情が……』
勇者『うーん、でも…』
店主『ま、心配無用だ』
店主『確かに頼りなく見えるが、かなりの頑張り屋さんだ』
店主『雇っていた俺が保証する』
勇者『うーん、それなら……』
勇者『どう?一緒に頑張ってみる?』
僧侶『え、えっと……』
僧侶『ぜ、ぜひお願いします!』
─────────────────────────
僧侶「う……」
魔王「ほう、まだ生き残っている者がおるとはな」
僧侶「み、みなさん…」
僧侶「あ、ああ……」
勇者「」
戦士「」
賢者「」
僧侶「そ、そんな……」
魔王「貴様たちはよくやった」
魔王「魔界の王たるこの我をこれほどまでに追い詰めるとは……ぐ──」ヨロッ
魔王「さて、あとは貴様ただひとりだ」
僧侶「どうすれば……どうすれば……」
魔王「その朽ち果てた体では立ち上がったところでどうにもできまい」
僧侶「う……」
僧侶「私は……私には──」
─────────────────────────
僧侶『ホイミ』
戦士『すげー!これが回復魔法か!すげーすげー!!』
魔法使い『いい加減回復受けるたびにはしゃぐのはやめませんか?』
勇者『いつもありがとうな僧侶』
僧侶『いえ、私これしかできませんから……』
勇者『僧侶がいるから俺たちは安心して戦えるよ』
勇者『これからもよろしくな』ニコッ
僧侶『あ──』
僧侶『はいっ!』
─────────────────────────
僧侶「──そう、私にできることなんて、最初から一つだけなんですよね」
魔王「さらばだ──地上の英雄達よ!」
僧侶「皆さん……私は──」
僧侶はメガザルを唱えた!!
魔王「な、何だと!?」
勇者「ぐ……これは一体……」
賢者「この光はまさか──自己犠牲の回復呪文……!」
戦士「力が……湧いてくる」
魔王「バカな……たかが人間ふぜいが……大魔法を使えるだと!?」
勇者「だぁぁぁぁ!!!」
勇者は渾身の一撃を放った!
魔王「ぐっ──がはっ……!!」
魔王の体がざらざらと灰のように散っていく!
魔王「おのれ……おのれーーーーー!!!」
勇者たちは魔王をやっつけた!!
勇者「お、おわったのか……?」
戦士「たおしたのか?」
賢者「邪気が消えていきます……」
勇者「!」
勇者「僧侶!!僧侶はっ!?」
戦士「僧侶ぉぉぉっ!!」
僧侶「」
賢者「……」
勇者「賢者っ!!」
賢者「──駄目です……」
賢者「すでに命が砕け散っています……」
勇者「そ、そんなっ……」
戦士「あ、ああ……うあああああ!!!!」
勇者「賢者!ザオリクを!」
賢者「申し訳ありません……もう魔力が──」
勇者「それなら早く教会に!」
賢者「残念ながら──それも無意味です」
勇者「なっ──どうして!?」
勇者「僧侶は神の加護を受けてるんだろ!?」
勇者「だったら──」
賢者「彼女が──」
賢者「“聖職者の禁忌”を冒していたからです」
勇者「え!?」
賢者「これ以上は……私には言えません」
戦士「なにわけわかんないこと言ってんだよ!」
戦士「なんでもいいから回復してくれよ!」
戦士「お前も僧侶と同じ呪文使えるんだろ!?」
戦士「ホイミでもなんでもかけてくれよぉ!!」
賢者「私だって彼女を救いたいですよ!!」
戦士「!」
賢者「ですが……私にはなす術がありません」
賢者「彼女はよく、自身の事を無力だと仰っていました」
賢者「ですが、まったくそんな事はありません」
賢者「今の私のほうが、何倍も無力です」
勇者「……」
勇者「──俺は諦めない」
戦士「ゆ、勇者?」
賢者「──まさかっ!!」
賢者「いけない!そんなことをすれば!」
勇者「この精霊の剣は、精霊達の命の残り火が集まって生まれた剣なんだろ?」
勇者「全部使い切れば、僧侶の命一人分くらい賄えるかもしれない」
賢者「ですが!」
賢者「それは僅かに残った精霊の力」
賢者「それを失えば世界に何が起こるか──」
勇者「僧侶はさ、自分の命を犠牲にしてでもこの世界を守ったんだ」
勇者「きっと精霊たちもわかってくれる」
勇者「だから……帰ってきてくれ……」
勇者「僧侶!!」
勇者は精霊の剣を破壊した!
剣から溢れ出る命の光が周囲を包み込んだ!
戦士「うう~僧侶ぉぉぉ」ズビッ
僧侶「戦士さん……痛いです……」
賢者「まあ、今回ばかりは彼女の気の済むまでそうさせてあげてください」
勇者「思ってたんだけど、賢者って時々戦士に甘くないか?」
賢者「ゲホッ」
勇者「ともあれ、全員無事に帰って来れて本当によかった」
賢者「まったくですね」
賢者「それにしても精霊の王も人が悪い」
賢者「まさかあの剣の中で精霊達が力を蓄えていたなどと」
戦士「ああ、あのブワァァァっていう光な!」
勇者「精霊達の聖なる力が駆け巡ったのが分かったよ」
賢者「無事僧侶さんの命を助けてくれました」
勇者「ところでさ、さっき賢者が言ってた”僧侶が聖職者の禁忌を冒した”ってどういう意味だ?」
賢者「それは……私の口からは絶対に言えません」
勇者「そっか……うーん……これ以上は聞かないほうがよさそうだな」
賢者「……」
賢者「それにしても、盛大な祝賀パーティーでしたね」
僧侶「すっごいもみくちゃにされました……」
賢者「勇者様はもうしばらく戻って来れそうにないですし、戦士さんはまだ楽しんでいるみたいです」
賢者「あ、そういえば僧侶さん」
僧侶「はい?」
賢者「魔王との決戦であれだけ回復呪文を使っていれば、もう達成したんじゃないですか?」
僧侶「えっ!?」
僧侶「あ、あ、き、気付いてたんですか!?」
賢者「まぁ……似たような心境の持ち主ということで」
僧侶「……」
僧侶「実は……もう一つだけルールがあったんです」
賢者「というと?」
僧侶「勇者様に回復魔法を一回かけるごとにひとつずつ」
僧侶「ですが勇者様から回復をうけたらひとつマイナスなんです」
僧侶「だから……最後の最後で1回だけ足りなくなっちゃいました」
僧侶「この旅の間に200回、勇者様を手助けする」
僧侶「それが私の決めたルールです」
賢者「達成した時は……」
僧侶「はい、聖職者失格です」
僧侶「神に仕える身なのに、まさか男性に想いを告げる目標なんか立てちゃうなんて──」
賢者「私はそんなことないと思いますよ」
賢者「貴女は立派な聖職者です」
賢者「文字通り、命を投げ打ってまで世界を救ったのですから」
賢者「そんな貴女の美しい心は、最後の最後まで勇者様の助けになっていたと思います」
賢者「ですから、これで最後の1カウントです」
僧侶「……」
僧侶「最後の最後で、逃げ道、奪っちゃうんですね」
賢者「ええ──」
賢者「こうすれば、私も逃げられなくなりますからね」
賢者「他人に厳しく、自分を甘やかすようでは賢者失格です」
賢者「!」
賢者「どうやら戻ってきたようですね」
僧侶「……」
僧侶は聖職者の帽子を外した!
僧侶「私、伝えてきます!」
僧侶「勇者様から貰った、この勇気で!」ニコッ
賢者「……」
賢者「さて、うまくいくといいのですが」
賢者「ふぅ……」
賢者「それでは私も覚悟を決めましょうかね」
戦士「ふー!飲んだ飲んだー!」
賢者「戦士さん」
戦士「お!賢者か!どうした?」
賢者「お、おは……おはなしが、あ、あります!」
── END ──
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