愛といふもの

一章

マキトくんと、ミカさん

人間、特に現代の日本の学生という種族は、基本的に群集化を好み、属し帰する事を選びます。御多分に漏れず、私もそうでした。
私が大学生時代に所属していた集団は八人程度の集まりでした。その中にはカナエさんもいたし、私とお付き合いしていた事は公然の事実とされていました。

ここからは、その中心人物であったミカさんと、マキトくん、そして私のお話となります。

ミカさんは沖縄県出身で、所謂訛りだとか、方言だとかが飛び出すような、偏見ですが、沖縄の人だな、と素直に感じさせるような女性でした。身長は140中盤とかなり小柄で、率直に言って、私の情動を刺激する容姿でした。
風土なのか、ミカさんがたまたまそういう人間だったのかは分かりませんが、人との距離が物理的に近く、友達男女関係なく手を繋いでくるような、人懐っこい人でした。

私は当時、一人暮らしをしており、ミカさんも近所の住んでいたため、夕飯などを共にする事が多々ありました。時折見せる無防備な姿は、とても刺激的でした。

そして、私が今迄の人生の中で、嫌いにカテゴライズされた唯一無二の人間でした。