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3章 ダンジョン都市ラース ルシェリ編
14話 美しきエルフ だが、梨花を……
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アンナが、梨花のお仕置きで、びちょびちょになって、気絶していたために、結局、奴隷商人の元へ来るのが、半日以上遅れてしまった。
時間的には、もう昼は越えているだろう、俺達は街の外れにある、奴隷売買の店に来た。
「いらっしゃいませニャー」
俺は扉を開け中に入ると、メイドの格好をした獣人の女の子が出迎えてくれた。
猫耳!!
シッポ!!
俺は、ちょっと興奮していた。
何故なら、この世界に来て、獣人を見るのが、初めてだったからだ。
ラースは人口は、それなりに多いようだが、ほとんどが人種なんだとか。
亜人や獣人達とは、中が悪く、国外追放された者や、変わり者しか、ラースでは見かけないらしい。
「本日は、どのようなご用件ですかニャー」
俺が勝手に興奮して、にやつきながら眺めていると、猫耳メイドさんが用件を訪ねてきた。
「えっと、まずは、こっちのアンナを俺の奴隷にしたくて来たんだけど、奴隷の購入も検討しているんで、ついでにどんな奴隷がいるのか、見せてもらいにきました」
「わかりましたニャー、少々お待ちくださいニャー、ご主人様を呼んできますのニャー」
何かか段々聞いていると、ニャーニャーうるさい女の子だなと、思うようになってきた。
可愛いんだけどね。
猫耳メイドさんは、そういって奥へ消えて行く。
しばらく待つと、かなり肥太ったおっさんが現れた。
「これはこれは、いらっしゃいませ、当館へようこそ。まさか、お二方にお越し頂けるとは、大変嬉しく思います。私は当館の主、奴隷商人のデーブと申します。以後お見知りおきを」
何か、俺の前でチビデブキモオヤジが、挨拶しているが、こいつがこの店の主だと……
ドデカイ肉団子にしか見えない。
腹はデップり、首は贅肉で見えない。
足は短足で、これも見下ろすだけでは腹が邪魔で見えないのでわ?
転がしたら、絶対に起き上がれ無いんじゃないかとか思う。
まあしかし、仕方ない。
主だと言うならば、挨拶くらいは、しなくてはいけないだろう。
しかし、このチビデブキモオヤジには、会ったことなど無かったはずだが、向こうは、俺達を知っているようだが?
はて、何処かで会っただろうか…
こんな強烈な、チビデブキモオヤジなんて、1度会えば絶対に忘れない気がするのだが。
「初めまして、俺は冒険者の幸貴です。何処かでお会いしましたか?」
余り、かかわり合いになりたく無い相手だが、一応礼儀正しく言ってみる。
「いえいえ、幸貴様とは、お会いするのは初めてかと存じます。そちらの梨花様の方は、何度かギルドで、お見かけしたことが御座いますが。ただお二方は今や、このダンジョン都市ラースの冒険者などの間では、知らない人はいない程の、有名人で御座います。私共も、戦闘奴隷をギルドや、冒険者様に卸しておりますから、お二方のお噂は幾度となく、耳にしていますので。存じ上げておる次第で御座います」
まさか、俺達のことがそんなに広まっているとは、ちょっとやり過ぎたか?
ここ1ヶ月くらいは、俺は部屋に籠って、ポーション作成とセックスしかしていなかったから、そんなに噂になってるとは、まったく思っていなかった。
しかし、今更だな。
最初の頃は余り目立つのもどうかと思ったが、最早どうでも良いとさえ思う。
そんなことより、用件を済ませてしまおう。
「噂になってるのは、わかりました。それは良いとして。さっきのメイドさんにも伝えた通り、こっちのアンナを奴隷にしたいんだけど、良いかな?」
「ええ、用件は勿論うかがっております。私も商人の端くれとして、詮索も致しません。では、早速始めましょう。と言ってもそれほど難しくは、御座いません。まず、奴隷の首輪を首につけて、主の名前を呼び、次に条件など述べてから、奴隷になると宣言すれば、首輪にかけられている魔法が発動し、それで完了で御座います」
「問題があるとすれば、首輪をつけただけでは奴隷にできず、自分の意志でしっかり宣言しないと、奴隷にすることができないと言うことです。犯罪奴隷に関しては、勿論相手の意志に構わず、強制的に奴隷にする魔法を使うのですが、一般奴隷は、そういったことをすると、こちらが犯罪者になってしまいますので、できないのです」
「ですので、本人の意志さへ、しっかり固まっていれば、首輪をつけて必要なことを、述べるだけですので、僅かな間で終わってしまいます。後は首輪の手数料として、金貨10枚ほど頂きますが、よろしいですかな?」
なるほど、だがそれならば、問題ないな。
今更アンナも、奴隷にならないとは言わないだろう。
俺はデーブに金を渡し、奴隷の首輪を貰ってアンナに渡す。
「アンナ、やり方は聞いていたな? 俺の名前を言って一生俺の奴隷になると誓うだけだ。条件としては、危害を一切加えない、絶対服従のみでいい」
「分かりました、ご主人様」
アンナが首輪をつけ、誓いを立てていく。
「私、アンナは幸貴様を主と認め、一切危害を加えず、絶対服従を誓い、生涯ご主人様の奴隷としてお仕えすることを、ここに宣言します」
アンナが奴隷の誓いを立てると、首輪が蒼白く光だす。
「う゛っ、あッ、グ」
突然アンナが、胸を押さえて苦しみ出した。
「アンナ、大丈夫か!?」
「はい、もう大丈夫です」
「今のは奴隷の誓いを魂に刻んだのであります。これでもし、誓いを完全に破り逆らおうものなら、その前に心臓が破裂し、死ぬことになりますので、お気をつけ下さい」
そういうものか。
首が締まったりするわけではないんだな。
何にしても、これでアンナは俺の正式な奴隷になり、チートスキルを与えられるわけだな。
「それじゃ、次に奴隷を見せてもらおうかな? まだ買うかは分からないが、下見ということで、見てみたい」
「かしこまりました、それではまず希望などあれば、お聞きしてもよろしいでしょうか? 戦闘奴隷、家事奴隷、勿論、性奴隷まで扱っております。また兼任奴隷は少々お値段の方もお高くなりますが、ご予算などもお聞かせ願えればと思います」
そういえば、俺達は奴隷のことについて、何にも知らないんだった。
あれか?
戦闘奴隷とかだと、もしかして、戦闘以外のことは、何もやらなかったりするんだろうか?
「すみません、デーブさん。俺達、奴隷のことは良くわかっていなくて、できれば、何でもできる女性の奴隷で、予算は金貨1000枚くらいで考えてるんですが?」
「なるほど、でしたら、まず奴隷の説明を簡単にした方がよろしいですかな。ただ、金貨1000枚もあれば、大抵の奴隷は買うことができますので、問題はないでしょう」
「まず、そちらの女性のように、自分の意志で主を見つけ、全てを捧げて奴隷になると誓う自由奴隷や、犯罪を犯し、強制的に奴隷になる犯罪奴隷を抜かし、当館には、3種類の奴隷がおります。際ほど申し上げた、戦闘奴隷、家事奴隷、性奴隷の3種類ですな」
「これらは大体お察し頂けると思いますが、戦闘奴隷は戦闘に関してしか命令は聞きません。勿論逃走防止や、危害を加えない等は、標準条件でついておりますが、戦闘奴隷に家事や夜の相手を指示しても、奴隷側も断ることが可能であります」
「また兼任奴隷というのは、その3種類のうち、2種類、又は3種類、全て備えている奴隷のことをいいます。それに奴隷といっても、最低限の生活を主として保証をしなくては行けません。奴隷側にもある程度、権利がございますので、もしそれを疎かにすれば、奴隷側からも主を訴えることができるので、ご注意下さい」
やっぱりそういうことか。
だとすると、最低でも、戦闘と性奉仕ができる奴隷が欲しい……
性奴隷を買って仮にスキルを与えても、戦闘を拒否されたのでは意味がない。
本来なら戦闘奴隷を買うべきなんだろうが、折角買うのだから、新しく抱ける女が欲しい……
できれば、巨乳の女性!
しかし、そうなると、アンナのような自由奴隷を手にいてるには、惚れ薬を使うしかないのだろうか。
俺の思っていた奴隷とは、ちょっと違ったが、基本的に奴隷側も衣食住を保証する代わりに、働いて返すというだけなんだん。
なんか、ちょっと変わったハローワークぽくないだろうか?
仕事斡旋と変わらなく思えてきたな。
「女性で良いので、戦闘奴隷を見せて下さい」
おっと、俺が悩んでる間に、梨花が注文してしまった。
いやいや、ちょっと待って梨花さん!?
俺、新しい女、欲しいんだけど!?
とか、今言ったら、燃やされるかな…?
クッ、何てことだ。
俺が密かに企んでいた、おっぱい天国への道が、早くも崩れ去ろうとしているではないか……。
「かしこまりました。では、お二方はこちらから奥へどうぞ。申し訳ありまでんが、奴隷の方は、ここで暫くお待ち下さい。キャシー、店番は頼んだよ」
「わかりましたのニャー」
あれ、これ戦闘奴隷を買うで、決まりの流れ?
前にもどこかで、こんなような流れがあった気がする…
俺って結構、流されやすかったりするんだろうか?
仕方ない…とりあえず、ついて行くか……
俺達はアンナを置いて、デーブの案内で奥へいき、その先の地下へ降りる階段から、奴隷達のいる部屋へと向かう。
「ここから先が奴隷達の部屋になります。向かって右側が戦闘奴隷になり、奥へ行くほど、能力と金額が高くなっていきます。女性希望とのことですから、男性の部屋は飛ばさせて頂きます」
そうして俺達は部屋に入って行くが、部屋とは名ばかりの完全に牢屋みたいな場所だった。
真ん中に通路があり、左右に鉄格子、壁で仕切られてはいるが、中にはベットがいくつかあるだけの場所だ。
「選ぶのは先輩に任せますから、鑑定で能力の高い女を選んで下さい」
そうだな、鑑定があったんだ。
こういうときは便利だな。
鑑定を使いながら、ひと通り見てまわる。
デーブが言うように、奥に行くほどレベルが高い戦闘奴隷が確かにいるのだが。
んーーーーーーー。
全然、買う気にならない。
どれも、好みでは無いと言うのが、まあ一番の理由だが。
どれもこれも、柄の悪い女達にしか見えないのだ…。
俺はちょっと気になって聞いてみた。
「あの、デーブさん、ちょっと聞いても良いですか? もしかして、彼女達って、元冒険者達だったりします?」
「やはり、お気づきになりますか。流石は幸貴様。その通りで御座います。彼女達は、皆元冒険者ですが、ダンジョンで稼げなくなり、借金や食いっぱぐれ、自分から奴隷になりに来た者達ですな」
やっぱり、ここハローワークじゃね?
どう考えても、そうとし思えない。
俺は頭を捻りながら、誰にしたものかと考えあぐねていたら、更に奥に扉があることに気づき、奥にもっと良い奴隷がいないか尋ねてみた。
「あの、この奥には奴隷いないんですか?」
俺がそう聞くと、デーブが目を細めて、少し考えてから答えてきた。
「この奥にも一人奴隷がおりますが、オークションに出そうかと思っている、最高級の奴隷になりまして、申し訳ありませんが、金貨1000枚くらいでは、少々お売りすることは難しいかと思います」
バカな!!
金貨1000枚でたりん奴隷だと!?
(ゴクリッ)
ちょっと見てみたい、いったいどれほど凄い奴隷なのか。
いやいや、男だったら、別にどれほど凄くても買わないけど…
「その、奴隷は女性ですか? だったら是非とも一度見て見たいのですが、駄目でしょうか?」
こんなチビデブキモオヤジに頭を下げるのは嫌だが、今は好奇心が完全に勝っている。
やむを得ん。
「わかりました。まあ見るだけでも良いでしょう。幸貴様の頼みですし、お近づきの印とでも、受け取って頂ければ幸ですな。それではこちらへどうぞ」
デーブが奥の扉の鍵をあげ中へはいる。
俺達も後を追って入るが、俺はそこにいる者を見て絶句した。
部屋は前の部屋とは、全然作りが違い豪華な作りになっていて、正面に鉄格子はあるものの、綺麗に清掃された部屋に、ふかふかに見える高そうなベット、そして、そのベットに寝そべり、こっちにまったく興味がないというような仕草で存在する、美しい女性。
俺は自分が、惚れ薬を飲んだんじゃないかと思うほど、その女性を見て興奮した。
肌は雪のように白く、髪の色は銀色で、髪型はサイドテール。
背も俺と同じくらい高く、何よりアンナを越える爆乳!!
しかし、そんな爆乳を差しをいて一番目がいったのが、その耳だった。
えるぅぅぅぅぅぅぅふっ!!
俺は心で、激しく叫ぶ!!
そう!!
どこからどう見ても、俺が知っているエルフ!!
しかも、暴、乳、エルフ!!
少し訂正するならば、俺が知っているエルフは、皆、貧乳揃いだった。
しかし、このエルフの女性は、とんでもなくデカイおっぱいだ。
あぁ、あのおっぱいに挟まれたい……
チッ、確かにこれなら納得だ。
俺は鑑定で素早く彼女のステータスを見た。
ルシェリ
メイン狩人 23
サブ 魔法使い 15
恋人0 経験人数0
B96W60H90
備考
×××××××××××××
備考が見れ無いのは少し気になるが、理由はわからないし、今はまあ、どうでも良いだろう。
それよりもだ、これだけ美しいく、戦闘面でも優秀ときた。
これならば、例え戦闘奴隷だとしても欲しい。
しかし気になったのが、ステータスだけ見れば優秀そうな彼女が、なぜ奴隷に?
やはり気になる。
まさか拐ってきたとかじゃないだろうな?
「とても素晴らしい奴隷ですけど、彼女はどうして、奴隷に?」
「幸貴様はご存知無いのですか、エルフの国の法律を?」
そんなの知るわけがない。
「エルフの国というのはですね。大きな胸を罪とする法律があるのですよ。貧乳至上主義国家、とでも言えば良いのでしょうかね。産まれて18までは巨乳か貧乳かを見極めるために、その存在を法律で認められてはいますが、それ以降は巨乳として認められたエルフは、奴隷として国外に処分される法律が存在するのです。なので、こうして今回は私どもの所へ売りに、エルフの国の使者が参りまして、買わせて頂きました」
なんだ、そのクソみたいな国は?
貧乳至上主義国家だぁ?
ふざけてやがる!!
信じられん。
このデカパイのスバラシサを理解できないとわ。
何て国だ!!
「素晴らしい国ですね、先輩♡それじゃ、もうここに用はありませんし、前の部屋に戻って、戦闘奴隷を探しましょう」
そういって、梨花はスタスタと前の部屋に戻って行く。
何か梨花が、エルフの国を素晴らしいとか言っているが、何かの冗談だろうか?
嫌、そういえば、梨花も貧乳だった……
何か、共感するところでも、あったのだろうか?
とりあえず、そこには触れないようにしよう…
俺の勘が警鐘をならしている!
だがしかし、だ!
欲しい……
目茶苦茶、欲しくなってしまったんだ!
「あぁ…すみません、デーブさん、ちなみに彼女を買うとしたら、いくらくらいなんでしょうか?」
「やはり、お気に召されましたか。そうですね、もしオークションに出さずに売るとするならば、金貨3000枚はお支払頂きたく思います。何せ彼女は買いとったときの契約で、戦闘と性奉仕を契約した、2種の兼任奴隷ですので。オークションにだせば、貴族様方が挙って大金を、お出しになるでしょうから」
性奉仕可能な、戦闘奴隷だと!?
俺が求める、最高の奴隷じゃないか!!
おっぱい天国へ、いざカモン!?
しかし、金貨3000枚だとわ…
クソッ、今の手持ちの凡そ3倍の額だとは、だが一月ひたすらポーション製造機として、1000枚以上金貨を稼げたのだし、後2ヶ月ほど死ぬ気でやれば、買えるんじゃないか?
だが、それまでに、彼女が買われてしまったら……
駄目だ、あの美貌にあの爆乳。
何としても欲しい……
「デーブさん、必ず後からお金は払うので、つけ払いとか、またはそれまで他に売らないように、取り置きはできませんか?」
「ほっほっほ、余程気に入られたご様子ですね。そうですね。幸貴様がポーション売却で大金を稼いでいることは、商人の間でも有名で御座いますし、きっと時が経てば、必ずお支払頂けるでしょう。ただ、すでにこのエルフはオークションに出品することを、先日伝えてしていまして、それを取り止めて幸貴様にお売りすると致しますと、私共も、出品キャンセルのペナルティーが化せられますので、金額だけの問題では無いので御座いますが、もし幸貴様がどうしてもと、言われるのであれば、ある条件と引き換えに、出品を取り止めて、お売りしても良く思いますが、いかがなさいますか?」
ある条件?
気にはなるが、そんなことよりも、売って貰えるなら、何でも良いだろう。
「その条件とは?」
「ウヒョヒョぉ、おっと、失礼いたしました。つい興奮してしまいまして、実は我輩、以前ギルドで梨花様のお姿を拝見致したときに、一目惚れしてしまいましてね♡」
何だか、今このチビデブキモオヤジが、とんでもない変態じじいに見えたのだが、気のせいだろうか?
しかも口調まで変わった気がする。
「その条件とはですね。梨花様を七日間ほど、私の奴隷として、貸して頂きたいのです♡」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
時間的には、もう昼は越えているだろう、俺達は街の外れにある、奴隷売買の店に来た。
「いらっしゃいませニャー」
俺は扉を開け中に入ると、メイドの格好をした獣人の女の子が出迎えてくれた。
猫耳!!
シッポ!!
俺は、ちょっと興奮していた。
何故なら、この世界に来て、獣人を見るのが、初めてだったからだ。
ラースは人口は、それなりに多いようだが、ほとんどが人種なんだとか。
亜人や獣人達とは、中が悪く、国外追放された者や、変わり者しか、ラースでは見かけないらしい。
「本日は、どのようなご用件ですかニャー」
俺が勝手に興奮して、にやつきながら眺めていると、猫耳メイドさんが用件を訪ねてきた。
「えっと、まずは、こっちのアンナを俺の奴隷にしたくて来たんだけど、奴隷の購入も検討しているんで、ついでにどんな奴隷がいるのか、見せてもらいにきました」
「わかりましたニャー、少々お待ちくださいニャー、ご主人様を呼んできますのニャー」
何かか段々聞いていると、ニャーニャーうるさい女の子だなと、思うようになってきた。
可愛いんだけどね。
猫耳メイドさんは、そういって奥へ消えて行く。
しばらく待つと、かなり肥太ったおっさんが現れた。
「これはこれは、いらっしゃいませ、当館へようこそ。まさか、お二方にお越し頂けるとは、大変嬉しく思います。私は当館の主、奴隷商人のデーブと申します。以後お見知りおきを」
何か、俺の前でチビデブキモオヤジが、挨拶しているが、こいつがこの店の主だと……
ドデカイ肉団子にしか見えない。
腹はデップり、首は贅肉で見えない。
足は短足で、これも見下ろすだけでは腹が邪魔で見えないのでわ?
転がしたら、絶対に起き上がれ無いんじゃないかとか思う。
まあしかし、仕方ない。
主だと言うならば、挨拶くらいは、しなくてはいけないだろう。
しかし、このチビデブキモオヤジには、会ったことなど無かったはずだが、向こうは、俺達を知っているようだが?
はて、何処かで会っただろうか…
こんな強烈な、チビデブキモオヤジなんて、1度会えば絶対に忘れない気がするのだが。
「初めまして、俺は冒険者の幸貴です。何処かでお会いしましたか?」
余り、かかわり合いになりたく無い相手だが、一応礼儀正しく言ってみる。
「いえいえ、幸貴様とは、お会いするのは初めてかと存じます。そちらの梨花様の方は、何度かギルドで、お見かけしたことが御座いますが。ただお二方は今や、このダンジョン都市ラースの冒険者などの間では、知らない人はいない程の、有名人で御座います。私共も、戦闘奴隷をギルドや、冒険者様に卸しておりますから、お二方のお噂は幾度となく、耳にしていますので。存じ上げておる次第で御座います」
まさか、俺達のことがそんなに広まっているとは、ちょっとやり過ぎたか?
ここ1ヶ月くらいは、俺は部屋に籠って、ポーション作成とセックスしかしていなかったから、そんなに噂になってるとは、まったく思っていなかった。
しかし、今更だな。
最初の頃は余り目立つのもどうかと思ったが、最早どうでも良いとさえ思う。
そんなことより、用件を済ませてしまおう。
「噂になってるのは、わかりました。それは良いとして。さっきのメイドさんにも伝えた通り、こっちのアンナを奴隷にしたいんだけど、良いかな?」
「ええ、用件は勿論うかがっております。私も商人の端くれとして、詮索も致しません。では、早速始めましょう。と言ってもそれほど難しくは、御座いません。まず、奴隷の首輪を首につけて、主の名前を呼び、次に条件など述べてから、奴隷になると宣言すれば、首輪にかけられている魔法が発動し、それで完了で御座います」
「問題があるとすれば、首輪をつけただけでは奴隷にできず、自分の意志でしっかり宣言しないと、奴隷にすることができないと言うことです。犯罪奴隷に関しては、勿論相手の意志に構わず、強制的に奴隷にする魔法を使うのですが、一般奴隷は、そういったことをすると、こちらが犯罪者になってしまいますので、できないのです」
「ですので、本人の意志さへ、しっかり固まっていれば、首輪をつけて必要なことを、述べるだけですので、僅かな間で終わってしまいます。後は首輪の手数料として、金貨10枚ほど頂きますが、よろしいですかな?」
なるほど、だがそれならば、問題ないな。
今更アンナも、奴隷にならないとは言わないだろう。
俺はデーブに金を渡し、奴隷の首輪を貰ってアンナに渡す。
「アンナ、やり方は聞いていたな? 俺の名前を言って一生俺の奴隷になると誓うだけだ。条件としては、危害を一切加えない、絶対服従のみでいい」
「分かりました、ご主人様」
アンナが首輪をつけ、誓いを立てていく。
「私、アンナは幸貴様を主と認め、一切危害を加えず、絶対服従を誓い、生涯ご主人様の奴隷としてお仕えすることを、ここに宣言します」
アンナが奴隷の誓いを立てると、首輪が蒼白く光だす。
「う゛っ、あッ、グ」
突然アンナが、胸を押さえて苦しみ出した。
「アンナ、大丈夫か!?」
「はい、もう大丈夫です」
「今のは奴隷の誓いを魂に刻んだのであります。これでもし、誓いを完全に破り逆らおうものなら、その前に心臓が破裂し、死ぬことになりますので、お気をつけ下さい」
そういうものか。
首が締まったりするわけではないんだな。
何にしても、これでアンナは俺の正式な奴隷になり、チートスキルを与えられるわけだな。
「それじゃ、次に奴隷を見せてもらおうかな? まだ買うかは分からないが、下見ということで、見てみたい」
「かしこまりました、それではまず希望などあれば、お聞きしてもよろしいでしょうか? 戦闘奴隷、家事奴隷、勿論、性奴隷まで扱っております。また兼任奴隷は少々お値段の方もお高くなりますが、ご予算などもお聞かせ願えればと思います」
そういえば、俺達は奴隷のことについて、何にも知らないんだった。
あれか?
戦闘奴隷とかだと、もしかして、戦闘以外のことは、何もやらなかったりするんだろうか?
「すみません、デーブさん。俺達、奴隷のことは良くわかっていなくて、できれば、何でもできる女性の奴隷で、予算は金貨1000枚くらいで考えてるんですが?」
「なるほど、でしたら、まず奴隷の説明を簡単にした方がよろしいですかな。ただ、金貨1000枚もあれば、大抵の奴隷は買うことができますので、問題はないでしょう」
「まず、そちらの女性のように、自分の意志で主を見つけ、全てを捧げて奴隷になると誓う自由奴隷や、犯罪を犯し、強制的に奴隷になる犯罪奴隷を抜かし、当館には、3種類の奴隷がおります。際ほど申し上げた、戦闘奴隷、家事奴隷、性奴隷の3種類ですな」
「これらは大体お察し頂けると思いますが、戦闘奴隷は戦闘に関してしか命令は聞きません。勿論逃走防止や、危害を加えない等は、標準条件でついておりますが、戦闘奴隷に家事や夜の相手を指示しても、奴隷側も断ることが可能であります」
「また兼任奴隷というのは、その3種類のうち、2種類、又は3種類、全て備えている奴隷のことをいいます。それに奴隷といっても、最低限の生活を主として保証をしなくては行けません。奴隷側にもある程度、権利がございますので、もしそれを疎かにすれば、奴隷側からも主を訴えることができるので、ご注意下さい」
やっぱりそういうことか。
だとすると、最低でも、戦闘と性奉仕ができる奴隷が欲しい……
性奴隷を買って仮にスキルを与えても、戦闘を拒否されたのでは意味がない。
本来なら戦闘奴隷を買うべきなんだろうが、折角買うのだから、新しく抱ける女が欲しい……
できれば、巨乳の女性!
しかし、そうなると、アンナのような自由奴隷を手にいてるには、惚れ薬を使うしかないのだろうか。
俺の思っていた奴隷とは、ちょっと違ったが、基本的に奴隷側も衣食住を保証する代わりに、働いて返すというだけなんだん。
なんか、ちょっと変わったハローワークぽくないだろうか?
仕事斡旋と変わらなく思えてきたな。
「女性で良いので、戦闘奴隷を見せて下さい」
おっと、俺が悩んでる間に、梨花が注文してしまった。
いやいや、ちょっと待って梨花さん!?
俺、新しい女、欲しいんだけど!?
とか、今言ったら、燃やされるかな…?
クッ、何てことだ。
俺が密かに企んでいた、おっぱい天国への道が、早くも崩れ去ろうとしているではないか……。
「かしこまりました。では、お二方はこちらから奥へどうぞ。申し訳ありまでんが、奴隷の方は、ここで暫くお待ち下さい。キャシー、店番は頼んだよ」
「わかりましたのニャー」
あれ、これ戦闘奴隷を買うで、決まりの流れ?
前にもどこかで、こんなような流れがあった気がする…
俺って結構、流されやすかったりするんだろうか?
仕方ない…とりあえず、ついて行くか……
俺達はアンナを置いて、デーブの案内で奥へいき、その先の地下へ降りる階段から、奴隷達のいる部屋へと向かう。
「ここから先が奴隷達の部屋になります。向かって右側が戦闘奴隷になり、奥へ行くほど、能力と金額が高くなっていきます。女性希望とのことですから、男性の部屋は飛ばさせて頂きます」
そうして俺達は部屋に入って行くが、部屋とは名ばかりの完全に牢屋みたいな場所だった。
真ん中に通路があり、左右に鉄格子、壁で仕切られてはいるが、中にはベットがいくつかあるだけの場所だ。
「選ぶのは先輩に任せますから、鑑定で能力の高い女を選んで下さい」
そうだな、鑑定があったんだ。
こういうときは便利だな。
鑑定を使いながら、ひと通り見てまわる。
デーブが言うように、奥に行くほどレベルが高い戦闘奴隷が確かにいるのだが。
んーーーーーーー。
全然、買う気にならない。
どれも、好みでは無いと言うのが、まあ一番の理由だが。
どれもこれも、柄の悪い女達にしか見えないのだ…。
俺はちょっと気になって聞いてみた。
「あの、デーブさん、ちょっと聞いても良いですか? もしかして、彼女達って、元冒険者達だったりします?」
「やはり、お気づきになりますか。流石は幸貴様。その通りで御座います。彼女達は、皆元冒険者ですが、ダンジョンで稼げなくなり、借金や食いっぱぐれ、自分から奴隷になりに来た者達ですな」
やっぱり、ここハローワークじゃね?
どう考えても、そうとし思えない。
俺は頭を捻りながら、誰にしたものかと考えあぐねていたら、更に奥に扉があることに気づき、奥にもっと良い奴隷がいないか尋ねてみた。
「あの、この奥には奴隷いないんですか?」
俺がそう聞くと、デーブが目を細めて、少し考えてから答えてきた。
「この奥にも一人奴隷がおりますが、オークションに出そうかと思っている、最高級の奴隷になりまして、申し訳ありませんが、金貨1000枚くらいでは、少々お売りすることは難しいかと思います」
バカな!!
金貨1000枚でたりん奴隷だと!?
(ゴクリッ)
ちょっと見てみたい、いったいどれほど凄い奴隷なのか。
いやいや、男だったら、別にどれほど凄くても買わないけど…
「その、奴隷は女性ですか? だったら是非とも一度見て見たいのですが、駄目でしょうか?」
こんなチビデブキモオヤジに頭を下げるのは嫌だが、今は好奇心が完全に勝っている。
やむを得ん。
「わかりました。まあ見るだけでも良いでしょう。幸貴様の頼みですし、お近づきの印とでも、受け取って頂ければ幸ですな。それではこちらへどうぞ」
デーブが奥の扉の鍵をあげ中へはいる。
俺達も後を追って入るが、俺はそこにいる者を見て絶句した。
部屋は前の部屋とは、全然作りが違い豪華な作りになっていて、正面に鉄格子はあるものの、綺麗に清掃された部屋に、ふかふかに見える高そうなベット、そして、そのベットに寝そべり、こっちにまったく興味がないというような仕草で存在する、美しい女性。
俺は自分が、惚れ薬を飲んだんじゃないかと思うほど、その女性を見て興奮した。
肌は雪のように白く、髪の色は銀色で、髪型はサイドテール。
背も俺と同じくらい高く、何よりアンナを越える爆乳!!
しかし、そんな爆乳を差しをいて一番目がいったのが、その耳だった。
えるぅぅぅぅぅぅぅふっ!!
俺は心で、激しく叫ぶ!!
そう!!
どこからどう見ても、俺が知っているエルフ!!
しかも、暴、乳、エルフ!!
少し訂正するならば、俺が知っているエルフは、皆、貧乳揃いだった。
しかし、このエルフの女性は、とんでもなくデカイおっぱいだ。
あぁ、あのおっぱいに挟まれたい……
チッ、確かにこれなら納得だ。
俺は鑑定で素早く彼女のステータスを見た。
ルシェリ
メイン狩人 23
サブ 魔法使い 15
恋人0 経験人数0
B96W60H90
備考
×××××××××××××
備考が見れ無いのは少し気になるが、理由はわからないし、今はまあ、どうでも良いだろう。
それよりもだ、これだけ美しいく、戦闘面でも優秀ときた。
これならば、例え戦闘奴隷だとしても欲しい。
しかし気になったのが、ステータスだけ見れば優秀そうな彼女が、なぜ奴隷に?
やはり気になる。
まさか拐ってきたとかじゃないだろうな?
「とても素晴らしい奴隷ですけど、彼女はどうして、奴隷に?」
「幸貴様はご存知無いのですか、エルフの国の法律を?」
そんなの知るわけがない。
「エルフの国というのはですね。大きな胸を罪とする法律があるのですよ。貧乳至上主義国家、とでも言えば良いのでしょうかね。産まれて18までは巨乳か貧乳かを見極めるために、その存在を法律で認められてはいますが、それ以降は巨乳として認められたエルフは、奴隷として国外に処分される法律が存在するのです。なので、こうして今回は私どもの所へ売りに、エルフの国の使者が参りまして、買わせて頂きました」
なんだ、そのクソみたいな国は?
貧乳至上主義国家だぁ?
ふざけてやがる!!
信じられん。
このデカパイのスバラシサを理解できないとわ。
何て国だ!!
「素晴らしい国ですね、先輩♡それじゃ、もうここに用はありませんし、前の部屋に戻って、戦闘奴隷を探しましょう」
そういって、梨花はスタスタと前の部屋に戻って行く。
何か梨花が、エルフの国を素晴らしいとか言っているが、何かの冗談だろうか?
嫌、そういえば、梨花も貧乳だった……
何か、共感するところでも、あったのだろうか?
とりあえず、そこには触れないようにしよう…
俺の勘が警鐘をならしている!
だがしかし、だ!
欲しい……
目茶苦茶、欲しくなってしまったんだ!
「あぁ…すみません、デーブさん、ちなみに彼女を買うとしたら、いくらくらいなんでしょうか?」
「やはり、お気に召されましたか。そうですね、もしオークションに出さずに売るとするならば、金貨3000枚はお支払頂きたく思います。何せ彼女は買いとったときの契約で、戦闘と性奉仕を契約した、2種の兼任奴隷ですので。オークションにだせば、貴族様方が挙って大金を、お出しになるでしょうから」
性奉仕可能な、戦闘奴隷だと!?
俺が求める、最高の奴隷じゃないか!!
おっぱい天国へ、いざカモン!?
しかし、金貨3000枚だとわ…
クソッ、今の手持ちの凡そ3倍の額だとは、だが一月ひたすらポーション製造機として、1000枚以上金貨を稼げたのだし、後2ヶ月ほど死ぬ気でやれば、買えるんじゃないか?
だが、それまでに、彼女が買われてしまったら……
駄目だ、あの美貌にあの爆乳。
何としても欲しい……
「デーブさん、必ず後からお金は払うので、つけ払いとか、またはそれまで他に売らないように、取り置きはできませんか?」
「ほっほっほ、余程気に入られたご様子ですね。そうですね。幸貴様がポーション売却で大金を稼いでいることは、商人の間でも有名で御座いますし、きっと時が経てば、必ずお支払頂けるでしょう。ただ、すでにこのエルフはオークションに出品することを、先日伝えてしていまして、それを取り止めて幸貴様にお売りすると致しますと、私共も、出品キャンセルのペナルティーが化せられますので、金額だけの問題では無いので御座いますが、もし幸貴様がどうしてもと、言われるのであれば、ある条件と引き換えに、出品を取り止めて、お売りしても良く思いますが、いかがなさいますか?」
ある条件?
気にはなるが、そんなことよりも、売って貰えるなら、何でも良いだろう。
「その条件とは?」
「ウヒョヒョぉ、おっと、失礼いたしました。つい興奮してしまいまして、実は我輩、以前ギルドで梨花様のお姿を拝見致したときに、一目惚れしてしまいましてね♡」
何だか、今このチビデブキモオヤジが、とんでもない変態じじいに見えたのだが、気のせいだろうか?
しかも口調まで変わった気がする。
「その条件とはですね。梨花様を七日間ほど、私の奴隷として、貸して頂きたいのです♡」
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
応援ありがとうございます!
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