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40. 今はまだ、会えない理由
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「ミク、体調大丈夫?具合悪くない?」
「少し休もう。ずっと読んでたら疲れが溜まっちゃうよ」
レイが帰ってからもなお、絵本を読み続けているミク。倒れていたこともあり、心配するリコ達を横目に、ミクはご機嫌でページをめくる
「大丈夫です。お話がとても面白くて疲れません」
本を閉じては開いて読んでを繰り返し、面白そうな話が出る度に、疲れた様子も見せず、楽しそうに物語を読んでいる
「そういえば、一つも同じ話が出てこないね」
ミクの目に止まった物語は、幼い女の子が、おやつを作ろうと動物達と一緒に、ドタバタと騒ぎつつも、甘くてとても大きなスイーツを作る物語。リコ達も一緒に絵本を見ていると、コンコンと扉を叩く音が鳴り、部屋に誰かが入ってきた
「失礼します。ミクさんの検査をしたいのですが……」
たくさんの医師や看護師が部屋の中に入ると、ミクの体を調べ始めた。ソファーや椅子に座って、様子を見守るリコ達。絵本を大事そうに持ったまま、ミクの検査が終わり、リコ達のもとに、女医が微笑みながら歩いてきた
「大丈夫ですね。ミクさんは、もう部屋から出ていいですよ」
「えっ?いいんですか?」
「はい。街へ出ても構わないそうですが、本部内と同じく必ず誰かと一緒に。うたは禁止という条件だそうですが……」
ニッコリと笑い話す女医に、リコ達も嬉しさから微笑みミクを見た。リコ達の視線を感じて、ミクが絵本を持ちながら、恐る恐るリコ達のもとに駆け寄ってきた
「あの……」
リコ達に声をかけたが、口を紡ぎ無言になったミク。リコが少し屈んでミクと目線を合わせ頭を撫ではじめると、ちょっと申し訳なさそうに話はじめた
「お家に帰りたいです。お母様も帰ってきているかもしれないし、本を無くしちゃったことも言わなきゃ……」
ミクの言葉を聞いて、返事ができず黙ってしまったリコ達。医師達も黙ってしまい、静かになった部屋に戸惑うミクがリコや医師達の顔を見渡して、あたふたしている
「……そうだよね。ミクはまだ帰ってないもんね」
と、クルミが返事をすると、リコがぎゅっとミクを抱きしめた
「じゃあ私、レイさんに聞いてくるよ。ちょっと待っててね」
「ダメだな」
「ですよね。ダメですよね……」
レイにミクの話をすると、即答で否定されて、しょんぼりするリコ。はぁ。とため息ついたのを聞いて、あたふたとしながら、どうにか帰れないかとまた話はじめる
「でも、ミクは一度も家に帰ってないし、お母さんにも会えなくて寂しがってるし……」
リコの話を聞いて、目を閉じキィと椅子の音を鳴らして、少し横に向いた
「今は、会わない方がいいと思うが……」
ため息混じりに呟いた言葉を聞き取れなかったリコが、何を話したのかと、不思議そうに首をかしげている
「とにかく今はダメだ。勝手に連れて帰るのも禁止」
「……はい」
「一応、帰れるように検討はする。落ち込むな」
と言われても、ちょっと落ち込んで、部屋を出ようとするリコ。その後ろ姿を見ていたレイが呼び止めた
「それよりリコ、あの家で見た人を覚えているか?」
と話しかけられ、ミクの家での出来事を朧げながらも思い出す
「はい、ミクに似た人ですよね?それがなにか?」
リコの返事を聞いて、しばらく黙り混んでしまったレイ。その姿を部屋の入り口に立ち、返事を待っていると、大きなため息をついて椅子から立ち上がり、リコの横を通って部屋の扉を開けた
「覚えているなら、それでいい。それより早く戻って、一緒にいるように……」
「少し休もう。ずっと読んでたら疲れが溜まっちゃうよ」
レイが帰ってからもなお、絵本を読み続けているミク。倒れていたこともあり、心配するリコ達を横目に、ミクはご機嫌でページをめくる
「大丈夫です。お話がとても面白くて疲れません」
本を閉じては開いて読んでを繰り返し、面白そうな話が出る度に、疲れた様子も見せず、楽しそうに物語を読んでいる
「そういえば、一つも同じ話が出てこないね」
ミクの目に止まった物語は、幼い女の子が、おやつを作ろうと動物達と一緒に、ドタバタと騒ぎつつも、甘くてとても大きなスイーツを作る物語。リコ達も一緒に絵本を見ていると、コンコンと扉を叩く音が鳴り、部屋に誰かが入ってきた
「失礼します。ミクさんの検査をしたいのですが……」
たくさんの医師や看護師が部屋の中に入ると、ミクの体を調べ始めた。ソファーや椅子に座って、様子を見守るリコ達。絵本を大事そうに持ったまま、ミクの検査が終わり、リコ達のもとに、女医が微笑みながら歩いてきた
「大丈夫ですね。ミクさんは、もう部屋から出ていいですよ」
「えっ?いいんですか?」
「はい。街へ出ても構わないそうですが、本部内と同じく必ず誰かと一緒に。うたは禁止という条件だそうですが……」
ニッコリと笑い話す女医に、リコ達も嬉しさから微笑みミクを見た。リコ達の視線を感じて、ミクが絵本を持ちながら、恐る恐るリコ達のもとに駆け寄ってきた
「あの……」
リコ達に声をかけたが、口を紡ぎ無言になったミク。リコが少し屈んでミクと目線を合わせ頭を撫ではじめると、ちょっと申し訳なさそうに話はじめた
「お家に帰りたいです。お母様も帰ってきているかもしれないし、本を無くしちゃったことも言わなきゃ……」
ミクの言葉を聞いて、返事ができず黙ってしまったリコ達。医師達も黙ってしまい、静かになった部屋に戸惑うミクがリコや医師達の顔を見渡して、あたふたしている
「……そうだよね。ミクはまだ帰ってないもんね」
と、クルミが返事をすると、リコがぎゅっとミクを抱きしめた
「じゃあ私、レイさんに聞いてくるよ。ちょっと待っててね」
「ダメだな」
「ですよね。ダメですよね……」
レイにミクの話をすると、即答で否定されて、しょんぼりするリコ。はぁ。とため息ついたのを聞いて、あたふたとしながら、どうにか帰れないかとまた話はじめる
「でも、ミクは一度も家に帰ってないし、お母さんにも会えなくて寂しがってるし……」
リコの話を聞いて、目を閉じキィと椅子の音を鳴らして、少し横に向いた
「今は、会わない方がいいと思うが……」
ため息混じりに呟いた言葉を聞き取れなかったリコが、何を話したのかと、不思議そうに首をかしげている
「とにかく今はダメだ。勝手に連れて帰るのも禁止」
「……はい」
「一応、帰れるように検討はする。落ち込むな」
と言われても、ちょっと落ち込んで、部屋を出ようとするリコ。その後ろ姿を見ていたレイが呼び止めた
「それよりリコ、あの家で見た人を覚えているか?」
と話しかけられ、ミクの家での出来事を朧げながらも思い出す
「はい、ミクに似た人ですよね?それがなにか?」
リコの返事を聞いて、しばらく黙り混んでしまったレイ。その姿を部屋の入り口に立ち、返事を待っていると、大きなため息をついて椅子から立ち上がり、リコの横を通って部屋の扉を開けた
「覚えているなら、それでいい。それより早く戻って、一緒にいるように……」
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