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41. 似ている面影
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「あら、ライさん。どうしたの?」
ミクの家では、リビングで明かりも灯さず暗闇の中、一人お酒を飲むライを見つけたアマネが声をかけた
「レイがミクの本を見つけたらしい」
機嫌良く話すライの後ろから抱きしめたアマネ。ライの話を聞いてクスッと笑う
「あら、意外と早いのね」
「ああ、だが早々に見つけても問題はあるまい」
アマネを隣の空いている席に誘い、コップにお酒を注ぐと、お互い一口飲んで二人見つめ合い、またクスッと微笑む
「そうね、あの子の本は誰にも邪魔は出来ないものね」
「あの子の本は、どうするべきか……」
その頃、レイは部屋に戻り一人悩んでいた。手元には、ミクと同じ本を持ってページをめくる。本の半分まで書かれている文字を睨んでは、ため息ついてを繰り返し、ただ時間が過ぎていく。コンコンと扉が叩く音が響いた
「どうぞ」
返事をすると、リコが扉を開けその後ろに隠れるように、ミクが部屋に入ってきた
「おや、どうしたんだい?」
クルミやモモカも部屋に入ると、リコの前に立ち、レイと向かい合うミクの様子を心配そうに見守る
「あの……ケーキありがとうございます……」
絵本で少し顔を隠しながら、お礼を言うミク。お礼を言われてレイがちょっと驚きつつも微笑んだ
「いや、私こそ無理させて悪かったね」
とレイもミクに謝ると、うつ向いて黙ってしまったミク。不安そうにリコ達の顔をキョロキョロと見ている
「あの……お家に帰ったらダメですか?」
意を決し、恐る恐るレイに話はじめると、リコが慌てはじめた
「どうしても、帰りたいって言ってきかなくて、それで……」
「……そうか」
とリコの説明を聞いて、ミクの抱きしめている絵本を何も言わず勝手に取り、絵本を開きページに触れた
「知らないお話だ!」
レイが開いて始まった絵本の物語は、ミクの知らない新たな物語で、ミクの一気にテンションが上がってく。レイから絵本を受け取ると、少年二人が森の中に入って冒険に出る物語に見入っている
「素敵な話だね」
ミクが楽しそうに絵本を読む姿を見て、クスッと微笑むレイ。その微笑みを見たミクが驚いた表情をする
「お父様に似てる……」
ポツリと呟いた言葉を聞いて、レイがミクの頭を撫でて、また笑う
「すぐとは言えないけど、家に帰れるようにはお願いするよ」
「……はい」
「お話し終わっちゃったね」
返事をしながらレイの顔を見続けるミクの視線をそらそうと、絵本に指差すレイ。いつの間にか最終ページまで進んでいた物語が、ミクが絵本に目線を向けたと同時に消えてしまった
「あっ……読んでなかったのに……」
真っ白になったページを見て、しょんぼりするミク。絵本を閉じて開いてページに触れてみるが、さっきとは違う物語が始まりだした
「すまないが、少し休む……」
「わかりました。ミク帰ろう」
絵本を開いては閉じてを繰り返していると、リコに帰ると声をかけられて、ちょっと落ち込みつつもリコと手を繋ぎ、部屋を出ていくミク。入り口前まで歩くと振り返り、椅子に座っていたレイに声をかけた
「あの……またお話ししてもいいですか?」
「もちろん。君がよければね」
レイの返事を聞いて、少し頷いて、リコ達と部屋を後にしたミク。パタンと小さく部屋の閉じる音が聞こえると、キィと椅子の音を鳴らし、窓辺に移動して暗くなった空を見て、不敵に微笑んだ
「あの子の本は、完結させなきゃいけないのか、ライ兄さん……」
ミクの家では、リビングで明かりも灯さず暗闇の中、一人お酒を飲むライを見つけたアマネが声をかけた
「レイがミクの本を見つけたらしい」
機嫌良く話すライの後ろから抱きしめたアマネ。ライの話を聞いてクスッと笑う
「あら、意外と早いのね」
「ああ、だが早々に見つけても問題はあるまい」
アマネを隣の空いている席に誘い、コップにお酒を注ぐと、お互い一口飲んで二人見つめ合い、またクスッと微笑む
「そうね、あの子の本は誰にも邪魔は出来ないものね」
「あの子の本は、どうするべきか……」
その頃、レイは部屋に戻り一人悩んでいた。手元には、ミクと同じ本を持ってページをめくる。本の半分まで書かれている文字を睨んでは、ため息ついてを繰り返し、ただ時間が過ぎていく。コンコンと扉が叩く音が響いた
「どうぞ」
返事をすると、リコが扉を開けその後ろに隠れるように、ミクが部屋に入ってきた
「おや、どうしたんだい?」
クルミやモモカも部屋に入ると、リコの前に立ち、レイと向かい合うミクの様子を心配そうに見守る
「あの……ケーキありがとうございます……」
絵本で少し顔を隠しながら、お礼を言うミク。お礼を言われてレイがちょっと驚きつつも微笑んだ
「いや、私こそ無理させて悪かったね」
とレイもミクに謝ると、うつ向いて黙ってしまったミク。不安そうにリコ達の顔をキョロキョロと見ている
「あの……お家に帰ったらダメですか?」
意を決し、恐る恐るレイに話はじめると、リコが慌てはじめた
「どうしても、帰りたいって言ってきかなくて、それで……」
「……そうか」
とリコの説明を聞いて、ミクの抱きしめている絵本を何も言わず勝手に取り、絵本を開きページに触れた
「知らないお話だ!」
レイが開いて始まった絵本の物語は、ミクの知らない新たな物語で、ミクの一気にテンションが上がってく。レイから絵本を受け取ると、少年二人が森の中に入って冒険に出る物語に見入っている
「素敵な話だね」
ミクが楽しそうに絵本を読む姿を見て、クスッと微笑むレイ。その微笑みを見たミクが驚いた表情をする
「お父様に似てる……」
ポツリと呟いた言葉を聞いて、レイがミクの頭を撫でて、また笑う
「すぐとは言えないけど、家に帰れるようにはお願いするよ」
「……はい」
「お話し終わっちゃったね」
返事をしながらレイの顔を見続けるミクの視線をそらそうと、絵本に指差すレイ。いつの間にか最終ページまで進んでいた物語が、ミクが絵本に目線を向けたと同時に消えてしまった
「あっ……読んでなかったのに……」
真っ白になったページを見て、しょんぼりするミク。絵本を閉じて開いてページに触れてみるが、さっきとは違う物語が始まりだした
「すまないが、少し休む……」
「わかりました。ミク帰ろう」
絵本を開いては閉じてを繰り返していると、リコに帰ると声をかけられて、ちょっと落ち込みつつもリコと手を繋ぎ、部屋を出ていくミク。入り口前まで歩くと振り返り、椅子に座っていたレイに声をかけた
「あの……またお話ししてもいいですか?」
「もちろん。君がよければね」
レイの返事を聞いて、少し頷いて、リコ達と部屋を後にしたミク。パタンと小さく部屋の閉じる音が聞こえると、キィと椅子の音を鳴らし、窓辺に移動して暗くなった空を見て、不敵に微笑んだ
「あの子の本は、完結させなきゃいけないのか、ライ兄さん……」
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