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シャオえる

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44. 朝は、笑顔で騒がしく

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「皆さん!起きてください!早く、早く!」
 朝、目が覚めてすぐ寝ているリコ達を叩き起こすミク。元気一杯で、ベッドを駆け回り三人を無理やり起こそうとしている
「なに……ミクちゃん……」
「まだ、ちょっとしか経ってない……」
「ゴメン、ミク。もう少し寝かして……」
 時計を見ると、夜中のドタバタした出来事から、まだホンの少ししか経っていないのに気づいて、三人ともバタンと倒れるように、二度寝をしようとすると、寝かすまいとペチペチとリコの頬を軽く叩く
「ダメです。早く起きてください」
「空飛ぶだけでしょ……後でゆっくり……」
 と、目を閉じ眠りそうに話すリコにムッと怒るミク。二人が話しているその間に、クルミとモモカも再び寝てしまった。三人の回りをバタバタ動くミクに、また起こされたリコ達。無理やり手を引っ張り、三人の体をどうにか起こそうとするミクに根負けし、重い足取りでベッドから降りると、ミクに引っ張られ部屋から出ていく



「眠い……」
「今日、街にも行けるんですよね」
 大きく欠伸をして眠そうなリコに対し、同じく寝不足なはずが、元気でご機嫌なミク。クルミやモモカも眠たそうに目を擦りながら、本部の廊下を歩いていく
「街に行けるけど、一応出掛けることは伝えておかなきゃ……」
 と、話をしていると同じく眠そうに、こちらの方に歩いてくるレイを見つけた
「あっ、レイさん」
「おや、みんなどこに?」
 少し前にいたリコの声に気づいて、リコ達の所まで来ると足を止めた
「街に行こうかと思って」
「そうか。あまり無理はしないようにな」
 微笑むレイを見て、ミクが恐る恐るレイに近寄っていく
「あの、一緒に行けないんですか?」
 絵本で少し顔隠して話しかけてきたミクに、驚きつつも優しく微笑みミクの頭を撫でる
「すまないね、一緒に行きたいけど、今から会議があるんだ」
「……会議ですか?」
「大事な話し合いだよ。だから、一緒に遊べないんだ」
 レイの返事を聞いて、しょんぼりするミク。クルミの背中に後ろに隠れると、モモカの服をぎゅっとつかんだ
「ミク、行こう。会議に遅れちゃうから……」
「……はい」
 出掛けるため玄関までトボトボと歩いていくミクの後ろ姿を見ていると、レイを探していた隊員達が、急ぎ早しで駆け寄ってきた

「レイさん。探しましたよ。急いで会議室に来てください」
「ああ、すまない。すぐ行くよ」
 隊員と一緒に会議室に向かおうと廊下を再び歩き始めると、ミク達の声も少しずつ遠退いていく。ミク達がいたことに気づいた女性隊員が、レイに声をかけた
「あの……レイさん、本当にいいんですか?」
 と、後ろから恐る恐る話しをする隊員の声に、足を止め振り返る
「ミクさんが部屋から出たり、街に出ることを、上層部に伝えてないんですよね?バレたら大変ですよ……」
 恐る恐る話す隊員に、クスッと笑ってまた歩きはじめたレイ。その後ろを慌てて追いかける隊員達。会議室へと歩きながら、隊員の質問の返事をした
「バレてもかまわんよ。どうせ私が怒られるだけだ」
「ですが……」
「リコ達もついているし、君達も密告せずにいてくれているからね。みんな、頼りにしているよ」
 とレイの話した言葉を聞いて、歩いていた足を止め頷く隊員達。少し先を歩くレイが、曲がり角で立ち止まりその先を指差した
「それより、会議室は、ここであってる?」
「あっ、はい。もう始まっていますので……」
 再びスタスタと歩き始めるレイの後ろ姿を見届ける隊員達。会議室のドアノブをつかんで、一つため息ついて、ポツリとなにか呟いた
「何も知らずに、生きるよりかは良き本のために……仕方ないか」
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