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51. 飛べない理由は他にある
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「朝も早くから頑張るねぇ……」
「全く飛べる気配もないけどね」
「まあ、絵本ばかり読んで、暇するよりかはいいけど……」
三人が小声で話ながら見つめる先は、朝も早くから一人、魔術練習場で飛び跳ねるミクの姿。ダンダンと強くなっていく着地の足音が響くだけで、一向に飛べそうな気配のないまま、時間だけが過ぎていく
「ミク。そろそろ、お昼ご飯食べよう。食べてまた練習しよう」
「……はい」
跳び疲れたのか、重い足取りでリコ達の所に歩いていくミク。そのままゆっくりとした足取りで、本部内にある食堂へと歩いていく
「疲れた?ずっと跳び跳ねてたもんね」
飛び疲れて眠いのか椅子に座るなり、うつらうつらとしているミクに、クスッと笑って話しかけるモモカ。向かいに座ってご飯を食べているクルミとリコも、心配そうにミクが食べ進める様子を見ている
「全然飛べそうにないです……。皆さんは出来るのに……」
と、話ながらしょんぼりするミクを見て、リコがなにかを思いついた顔をした
「もしかしたら、他の魔術なら出来るんじゃない?」
「ミクが飛ぶ魔術が苦手なだけで、他に得意なのがあるのかも……」
「たとえば?」
「私は、水の魔術が得意だし、クルミは炎なんだよね。モモカは補助の魔術が得意でしょ?だから、ミクも……」
と、リコが話を途中で止めた。リコの目の前で、眠そうな表情から一転し、笑顔で三人の顔をキョロキョロと交互に見ているミク。慌ててリコが話題を変えようとした時、ガタンと椅子の音をたてて、ミクが立ち上がると、人目もはばからず大声で話はじめた
「皆さん、空飛ぶ以外も出来るんですね!羨ましい!」
「……あれ?見せたことなかったっけ?」
「今は見せるべきでもないし、使えても困るのだが……」
と、会話に割って入るように、突然ミク達に、レイが少し機嫌の悪そうな様子で話しかけてきた
「……お、おはようございます」
急に現れたレイに、リコ達が恐る恐る挨拶をしていると、ミクがレイの服を引っ張っていた
「あの……。お父様には会えましたか?」
「いや、会えなかったよ。すまないね」
「……いえ」
返事を聞いてレイの服を離し、しょんぼりするミク。その姿にレイがポンッと頭をそっと撫でて微笑んだ
「午後も練習、頑張って。それと、僕は少し寝るから起こさないように頼むよ」
「はい。分かりました」
食堂を出ていくレイの後ろ姿を見届けるリコ達とは別に、ミクはうつ向いたまま
「ミク、大丈夫?」
リコに聞かれて小さく頷くが、顔をあげることなく、椅子に座り直して、ゆっくりとご飯を食べはじめたミク。さっきまでの元気からの変わりように、心配になったモモカがミクの背中をさすり微笑む。それと同時にリコとクルミが大きく口を開けて、ご飯を頬張った
「ほら、早く食べ終えて、デザート食べようか」
「全く飛べる気配もないけどね」
「まあ、絵本ばかり読んで、暇するよりかはいいけど……」
三人が小声で話ながら見つめる先は、朝も早くから一人、魔術練習場で飛び跳ねるミクの姿。ダンダンと強くなっていく着地の足音が響くだけで、一向に飛べそうな気配のないまま、時間だけが過ぎていく
「ミク。そろそろ、お昼ご飯食べよう。食べてまた練習しよう」
「……はい」
跳び疲れたのか、重い足取りでリコ達の所に歩いていくミク。そのままゆっくりとした足取りで、本部内にある食堂へと歩いていく
「疲れた?ずっと跳び跳ねてたもんね」
飛び疲れて眠いのか椅子に座るなり、うつらうつらとしているミクに、クスッと笑って話しかけるモモカ。向かいに座ってご飯を食べているクルミとリコも、心配そうにミクが食べ進める様子を見ている
「全然飛べそうにないです……。皆さんは出来るのに……」
と、話ながらしょんぼりするミクを見て、リコがなにかを思いついた顔をした
「もしかしたら、他の魔術なら出来るんじゃない?」
「ミクが飛ぶ魔術が苦手なだけで、他に得意なのがあるのかも……」
「たとえば?」
「私は、水の魔術が得意だし、クルミは炎なんだよね。モモカは補助の魔術が得意でしょ?だから、ミクも……」
と、リコが話を途中で止めた。リコの目の前で、眠そうな表情から一転し、笑顔で三人の顔をキョロキョロと交互に見ているミク。慌ててリコが話題を変えようとした時、ガタンと椅子の音をたてて、ミクが立ち上がると、人目もはばからず大声で話はじめた
「皆さん、空飛ぶ以外も出来るんですね!羨ましい!」
「……あれ?見せたことなかったっけ?」
「今は見せるべきでもないし、使えても困るのだが……」
と、会話に割って入るように、突然ミク達に、レイが少し機嫌の悪そうな様子で話しかけてきた
「……お、おはようございます」
急に現れたレイに、リコ達が恐る恐る挨拶をしていると、ミクがレイの服を引っ張っていた
「あの……。お父様には会えましたか?」
「いや、会えなかったよ。すまないね」
「……いえ」
返事を聞いてレイの服を離し、しょんぼりするミク。その姿にレイがポンッと頭をそっと撫でて微笑んだ
「午後も練習、頑張って。それと、僕は少し寝るから起こさないように頼むよ」
「はい。分かりました」
食堂を出ていくレイの後ろ姿を見届けるリコ達とは別に、ミクはうつ向いたまま
「ミク、大丈夫?」
リコに聞かれて小さく頷くが、顔をあげることなく、椅子に座り直して、ゆっくりとご飯を食べはじめたミク。さっきまでの元気からの変わりように、心配になったモモカがミクの背中をさすり微笑む。それと同時にリコとクルミが大きく口を開けて、ご飯を頬張った
「ほら、早く食べ終えて、デザート食べようか」
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