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52. 私の得意なこと
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「みなさんの魔術を見せてください!」
お昼ご飯を食べ終え、魔術練習場に着くなり、勢いよく大声でお願いするミク。そのお願いに三人顔を見合わせ、困った表情で、話し合いをはじめた
「えーと……。大丈夫かな?」
「大丈夫じゃない?」
「レイさんにバレたら怒られるけど……」
あまり乗り気じゃないクルミとモモカが話をしていると、不安そうに返事を待つミクを見て、リコがニッコリ笑ってミクをぎゅっと抱きしめた
「まあ、なんとかなるよ。最近、術も使ってなかったし。運動しなきゃね」
と、リコが話すと嬉しそうに抱きしめ返すミク。二人の様子を見たクルミとモモカが顔を見合わせて少し笑ってため息をついた
「じゃあ、モモカと一緒に部屋の端にいてね」
「……はいっ!」
モモカと手を繋いで、部屋の入り口近くの端の方に移動するミク。二人が移動したのを確認すると、ふぅ。と深く深呼吸するクルミとリコ。気合いを入れ、始まった二人の魔術の練習風景に、近くまで来る水や炎の勢いに圧倒されながらも、目を輝かせ二人の戦う姿に見入っていく
「本当にスゴいですね。お母様やお父様も無理と言っていたのに……。皆さんはどうやって魔術を使っているのですか?」
「うーん。どう言ったらいいのかな……」
と、モモカに問いかけると、すぐに答えられず少し困った表情で悩みはじめた
「こうしようとか、動いてほしいって強く願う……かな?」
「……強く願うですか?」
不思議そうに聞き返すミクに、クスッと笑って頷くモモカ。二人の練習の様子を見ながら話はじめた
「そう。でも、私は二人みたいに炎を扱えないし、水も動かせないの。みんな得意なことが違うから、ミクちゃんにも飛ぶ以外に得意なことがあるのかも」
「私が得意なこと……」
モモカに言われて、ふと部屋に置いてきた絵本をも思い出したミク。ぎゅっと胸に手を当て目を閉じ、絵本と無くなった本のこと、唄うなと言われているうたの事を思いだし、うっすらと目を開けると、無言で歩きはじめたミク。慌てて追いかけ止めようとするモモカを無視して、リコとクルミの方に歩いていく
「ミク、ここにいたら、危ないよ」
モモカの声に気づいて、練習を止めたリコ。クルミもリコの側に駆け寄り、リコの前で立ち止まり顔をうつ向けているミクを三人が心配そうに見ていると、ミクがポツリと呟いた
「強い魔力……。私の力はもっと……」
と、その瞬間、両手を前に広げると、ミクの周りに光が現れミクの体に隠れているはずの本が現れた
「本が……!」
リコが叫び、本を手に取ろうとするミクを止めようと、動き出した時、ユラユラと地面が大きく揺れはじめ、天井も崩れはじめてきた。天井から瓦礫が落ちはじめ、大きな瓦礫がミク達の真上に落ちてきた
「みんな、大丈夫?!」
「どうにか……」
「助かった……モモカ、ありがとう」
ギリギリ、瓦礫がぶつかりそうなの所で、モモカの防御の術により怪我もなく瓦礫の山から出てきたリコ達。本部から、警報を伝える音が鳴り響き、大勢の隊員達がリコ達のもとに大急ぎで駆け寄ってくる
「ミクはどこ?」
側にいたはずのミクがいないことに気づいて、辺りを見渡すリコ達。すると、三人の少し離れた瓦礫の山の上で、本を開き、見つめているミクの姿を見つけた
「私の魔術は本……全て書き続けないといけない……」
お昼ご飯を食べ終え、魔術練習場に着くなり、勢いよく大声でお願いするミク。そのお願いに三人顔を見合わせ、困った表情で、話し合いをはじめた
「えーと……。大丈夫かな?」
「大丈夫じゃない?」
「レイさんにバレたら怒られるけど……」
あまり乗り気じゃないクルミとモモカが話をしていると、不安そうに返事を待つミクを見て、リコがニッコリ笑ってミクをぎゅっと抱きしめた
「まあ、なんとかなるよ。最近、術も使ってなかったし。運動しなきゃね」
と、リコが話すと嬉しそうに抱きしめ返すミク。二人の様子を見たクルミとモモカが顔を見合わせて少し笑ってため息をついた
「じゃあ、モモカと一緒に部屋の端にいてね」
「……はいっ!」
モモカと手を繋いで、部屋の入り口近くの端の方に移動するミク。二人が移動したのを確認すると、ふぅ。と深く深呼吸するクルミとリコ。気合いを入れ、始まった二人の魔術の練習風景に、近くまで来る水や炎の勢いに圧倒されながらも、目を輝かせ二人の戦う姿に見入っていく
「本当にスゴいですね。お母様やお父様も無理と言っていたのに……。皆さんはどうやって魔術を使っているのですか?」
「うーん。どう言ったらいいのかな……」
と、モモカに問いかけると、すぐに答えられず少し困った表情で悩みはじめた
「こうしようとか、動いてほしいって強く願う……かな?」
「……強く願うですか?」
不思議そうに聞き返すミクに、クスッと笑って頷くモモカ。二人の練習の様子を見ながら話はじめた
「そう。でも、私は二人みたいに炎を扱えないし、水も動かせないの。みんな得意なことが違うから、ミクちゃんにも飛ぶ以外に得意なことがあるのかも」
「私が得意なこと……」
モモカに言われて、ふと部屋に置いてきた絵本をも思い出したミク。ぎゅっと胸に手を当て目を閉じ、絵本と無くなった本のこと、唄うなと言われているうたの事を思いだし、うっすらと目を開けると、無言で歩きはじめたミク。慌てて追いかけ止めようとするモモカを無視して、リコとクルミの方に歩いていく
「ミク、ここにいたら、危ないよ」
モモカの声に気づいて、練習を止めたリコ。クルミもリコの側に駆け寄り、リコの前で立ち止まり顔をうつ向けているミクを三人が心配そうに見ていると、ミクがポツリと呟いた
「強い魔力……。私の力はもっと……」
と、その瞬間、両手を前に広げると、ミクの周りに光が現れミクの体に隠れているはずの本が現れた
「本が……!」
リコが叫び、本を手に取ろうとするミクを止めようと、動き出した時、ユラユラと地面が大きく揺れはじめ、天井も崩れはじめてきた。天井から瓦礫が落ちはじめ、大きな瓦礫がミク達の真上に落ちてきた
「みんな、大丈夫?!」
「どうにか……」
「助かった……モモカ、ありがとう」
ギリギリ、瓦礫がぶつかりそうなの所で、モモカの防御の術により怪我もなく瓦礫の山から出てきたリコ達。本部から、警報を伝える音が鳴り響き、大勢の隊員達がリコ達のもとに大急ぎで駆け寄ってくる
「ミクはどこ?」
側にいたはずのミクがいないことに気づいて、辺りを見渡すリコ達。すると、三人の少し離れた瓦礫の山の上で、本を開き、見つめているミクの姿を見つけた
「私の魔術は本……全て書き続けないといけない……」
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