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53. 優しい嘘は、そのままで
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「ミク、本どうしたの?」
恐る恐るリコが近寄りながら話しかける。振り向くことも、返事をすることなく、本を見つめるミクに戸惑うリコ達
「ミク……」
と、リコが呟いた言葉に、やっと隣まで来ていたことに気づいたミク。手元にある本にも気づいて慌てはじめた
「早くその本を奪い取るのだ!」
と、叫ぶ声が瓦礫の山の外から聞こえてくた。声のする方を見ると、本部の上層部の老人達が、ミクの持っている本を
指差し、叫んでいた
「急げ!これ以上魔術を使うようでは、書かれてしまう!」
「でも……」
ミクの本を見て、うろたえるリコ達。ミクも取られないように、本を強く抱きしめている。集まった隊員達も困ったように、ミク達の様子と見つめ、隣では本を奪い取るよう命令を出す老人達の間で戸惑いうろたえている
「また、なにを面倒なことをしている」
と、ため息混じりの声が聞こえてきた。不機嫌そうに瓦礫の山の下でリコ達の様子を見ているレイがいた
「起こすなと、あれほど言ったのに……」
はぁ。とため息ついたレイ。リコ達の横を通りすぎ、ミクの前まで来ると、ミクがぎゅっと抱いている本を無言で見つめる
「レイ!早くその本を……!」
と、瓦礫の山から離れた安全な場所から聞こえる、叫び声を無視しながら、ミクの手に触れ一緒にパラパラと本のページをめくる。リコ達には見えないように、少し本を隠しながら、一ページずつ目を通していく。最後の一ページを確認し終えると、また、はぁ。とため息ついて、ミクの手と一緒にパタンと本を閉じた
「ムダです。残念ですが、ページは書かれてしまったようです。もう、あなた方が望む本ではないようですね」
「なに……」
「どうしてくれる!」
「やはり、レイに任せたのが間違いだったか……」
レイの発言に、騒ぎ怒鳴り声が辺り一帯に響き渡る
「あの、本は……」
一緒に本を見ていたミクが、レイに慌てて話しかけた。まだ、ぎゅっと抱きしめている本を見て、レイがクスッと微笑んだ
「この本は、誰にも見せてはいけないよ」
その言葉に小さく頷いて、さらに強く本を抱きしめたミク。返事を見て、側で見ていたリコ達の方に振り返り、声をかけた
「三人は一緒に、医務室で手当てを受けるように。受けた後は私の部屋に来るように」
「……はい」
小声でレイに返事をすると、ゆっくりと歩きはじめ、ミクの背中にそっと触れた
「ミク、行くよ」
リコの声で一緒に医務室に向かうミク。隊員達も数名、後を追うように、本部へと走っていく。ミク達の姿が見えなくなるのを確認し、瓦礫の山から降りると同時に、大きな足音をたててレイの側に、老人達が近づいてきた
「レイ!本当に書かれていたのか!」
「ええ。もうあの本は、あの子のものです。あなた方が無理に奪い取り、本を書いたとしても何も起こりません」
「ふざけるなっ!」
陽気に答えるレイに、更に苛立つ老人達が文句を叫ぶように言い続け、段々と顔色が真っ赤になっていく
「落ち着いてください。あまり興奮されますと……」
慌てて医師や隊員達が止めていると、その騒ぎようを見て、クスッと笑って老人達の横を通って歩いていく
「レイ!勝手にどこに行く!」
勝手にどこかへ向かおうとするレイを大声で呼び止めると、足を止めると、またクスッと笑って振り返り返事をした
「部屋に戻るんですよ。寝ていたところを叩き起こられたので……。三人が来るまで二度寝をね……」
恐る恐るリコが近寄りながら話しかける。振り向くことも、返事をすることなく、本を見つめるミクに戸惑うリコ達
「ミク……」
と、リコが呟いた言葉に、やっと隣まで来ていたことに気づいたミク。手元にある本にも気づいて慌てはじめた
「早くその本を奪い取るのだ!」
と、叫ぶ声が瓦礫の山の外から聞こえてくた。声のする方を見ると、本部の上層部の老人達が、ミクの持っている本を
指差し、叫んでいた
「急げ!これ以上魔術を使うようでは、書かれてしまう!」
「でも……」
ミクの本を見て、うろたえるリコ達。ミクも取られないように、本を強く抱きしめている。集まった隊員達も困ったように、ミク達の様子と見つめ、隣では本を奪い取るよう命令を出す老人達の間で戸惑いうろたえている
「また、なにを面倒なことをしている」
と、ため息混じりの声が聞こえてきた。不機嫌そうに瓦礫の山の下でリコ達の様子を見ているレイがいた
「起こすなと、あれほど言ったのに……」
はぁ。とため息ついたレイ。リコ達の横を通りすぎ、ミクの前まで来ると、ミクがぎゅっと抱いている本を無言で見つめる
「レイ!早くその本を……!」
と、瓦礫の山から離れた安全な場所から聞こえる、叫び声を無視しながら、ミクの手に触れ一緒にパラパラと本のページをめくる。リコ達には見えないように、少し本を隠しながら、一ページずつ目を通していく。最後の一ページを確認し終えると、また、はぁ。とため息ついて、ミクの手と一緒にパタンと本を閉じた
「ムダです。残念ですが、ページは書かれてしまったようです。もう、あなた方が望む本ではないようですね」
「なに……」
「どうしてくれる!」
「やはり、レイに任せたのが間違いだったか……」
レイの発言に、騒ぎ怒鳴り声が辺り一帯に響き渡る
「あの、本は……」
一緒に本を見ていたミクが、レイに慌てて話しかけた。まだ、ぎゅっと抱きしめている本を見て、レイがクスッと微笑んだ
「この本は、誰にも見せてはいけないよ」
その言葉に小さく頷いて、さらに強く本を抱きしめたミク。返事を見て、側で見ていたリコ達の方に振り返り、声をかけた
「三人は一緒に、医務室で手当てを受けるように。受けた後は私の部屋に来るように」
「……はい」
小声でレイに返事をすると、ゆっくりと歩きはじめ、ミクの背中にそっと触れた
「ミク、行くよ」
リコの声で一緒に医務室に向かうミク。隊員達も数名、後を追うように、本部へと走っていく。ミク達の姿が見えなくなるのを確認し、瓦礫の山から降りると同時に、大きな足音をたててレイの側に、老人達が近づいてきた
「レイ!本当に書かれていたのか!」
「ええ。もうあの本は、あの子のものです。あなた方が無理に奪い取り、本を書いたとしても何も起こりません」
「ふざけるなっ!」
陽気に答えるレイに、更に苛立つ老人達が文句を叫ぶように言い続け、段々と顔色が真っ赤になっていく
「落ち着いてください。あまり興奮されますと……」
慌てて医師や隊員達が止めていると、その騒ぎようを見て、クスッと笑って老人達の横を通って歩いていく
「レイ!勝手にどこに行く!」
勝手にどこかへ向かおうとするレイを大声で呼び止めると、足を止めると、またクスッと笑って振り返り返事をした
「部屋に戻るんですよ。寝ていたところを叩き起こられたので……。三人が来るまで二度寝をね……」
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