ぱすてるランページ

シャオえる

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54. 不思議な話と、嬉しい話

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「どこか、具合悪いところはありますか?」
「ないです」
「痛むところも?」
「はい。どこも痛くないです」
 数時間かけ、ミクの体を調べる医師や隊員達。最後の質疑応答を終えると、医務室の隅に椅子に座り様子を見ていたリコ達に話しかけた
「大丈夫そうですね。今すぐ魔力を調べたいところですが、明日以降にしましょう」

「お三方も、具合が悪くなければ、動いても構いませんよ」
「……わかりました」
 ミクとは違い、体を少し見て終わっただけのリコ達。着替えを終えたミクが三人の所に来ると、みんなで医務室を出てようとした時、ミクが急に立ち止まり声をかけた
「あの……あの人に会うんですよね、私も一緒に……」
「レイさんに?構わないけど……」
 医務室から出ながらリコがレイの名前を言った瞬間、恐る恐るお願いをしていたミクの表情が、一気に明るくなった

「お父様とお名前が似ている!」
「そうなの?」
「はい。お父様のお名前はライと言います」
「へえー。じゃあ、お母さんは?」
「お母様は、アマネと言います」
 リコと両親の話を楽しそうに話すミク。本を落とさないように、ぎゅっと抱きしめてご機嫌で三人の前を歩いていく

「ミクの両親の名前は、ライさんと、アマネさんかぁ……」
 本部の廊下を歩きながらミクと話を進めていると、ふとミクと出会った時の事を思いだしていた
「そういえば、本の捜索の資料には、名前とか無かったね」
「そうだね。本の特徴しか載ってなかったかも……」
「へぇ。それでよく本とミクを見つけたね」
「突然、ミクの家が現れたから、報告の前にちょっと見てみようってモモカとなって、それでミクが倒れてて……」
 と、リコ達話していると最後にリコが話した内容に、ミクが首をかしげ足を止めた

「私はずっと、あの場所で住んでいましたが……」
 そう話すミクに、リコ達も驚き足を止めると、三人顔を見合わせ慌てはじめた
「えっ?でも、本部から少し遠いけど、当初からの本の捜索範囲内だし、他の街に行く時にも通るし、ほぼ毎日通ってたのに……ねぇ」
 と、クルミとモモカに戸惑いながら問いかけると、二人は険しい表情で見つめ合っていた。三人の様子に、戸惑いうろたえ始めたミクに気づいたクルミが、ふぅ。と少しため息ついて、歩きはじめた
「じゃあ、レイさんの部屋に行って、色々聞いてみましょ。何か分かるかも」
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