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63. 奏で唄う、思い出と悲しみ
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「アマネ。変わった唄をうたっているな」
大分時間も過ぎて、酔いも大分進んできたライがベランダで一人唄うアマネに声をかけた。ライに声をかけられ、唄うのを止めたアマネ。後ろにいたライの方に振り向くと微笑んだ
「ええ、ミクが好きそうなうたをね」
「ミクは君の子守唄が好きだろう。それは、本を書くために……」
「あら。あのうたは、ただのきっかけよ」
クスッと笑ってそう言うアマネに、ライが少し驚いた顔をした
「知らないうたを唄うより、知っている好きな唄の方が、動きやすいでしょ?」
と言うと、ライが持っていたグラスを取りながら、部屋の中に戻っていくアマネ。その後ろ姿を見ているライ。飲み干したグラスに、お酒を入れ一口飲むと、ライの方に振り向いて話はじめた
「ミクは、ミクだけのうたを唄い奏でるわ。そのうたは、きっと素敵な本を描いてくれる……」
「そうか……。ミクだけのうたか。いつか聞けるだろうか」
アマネの話に、クスッと笑うライ。椅子に座っているアマネの隣に座り、アマネが使っていたグラスを取り、カチャンとグラスを鳴らして、二人一緒にお酒を飲み干し、二人一緒にクスリと笑った
「もちろんよ。ミクはどんな唄でも、私達のためにうたってくれるわ」
その頃、一人きりで眠っていたミクが目を覚ましていた。リコ達が来ているかと建物の玄関の辺りをウロウロと動き回る。外に人がいる気配も、話し声も聞こえないまま、ただ時間が過ぎていく。月明かりを頼りに、ベッドにもたれて絵本を読みはじめたミク。パラパラと絵本をめくる音だけが聞こえる部屋に、寂しさから無意識に少し鼻唄をうたいはじめた。数ページ読んだ頃、鼻唄に気づいて慌てて唄うの止めると、部屋の中をキョロキョロと見渡して、何事も起きないことを確認すると、ふぅ。と大きくため息ついた
「ダメです。唄ったら……」
パタンと絵本を閉じベッドに置くと、枕のそばにあった本を取り、ぎゅっと抱きしめた
「きっと、二度とみなさんに会えなくなってしまう……」
と呟くと窓から外を見た。近くにあるはずの魔術本部の光も見えず、まだリコ達が来る気配もない外に、ぎゅっと本を強く抱いて、その場にペタンと座り込んでしまった
「お母様……お父様……。どこにいるのでしょうか……」
大分時間も過ぎて、酔いも大分進んできたライがベランダで一人唄うアマネに声をかけた。ライに声をかけられ、唄うのを止めたアマネ。後ろにいたライの方に振り向くと微笑んだ
「ええ、ミクが好きそうなうたをね」
「ミクは君の子守唄が好きだろう。それは、本を書くために……」
「あら。あのうたは、ただのきっかけよ」
クスッと笑ってそう言うアマネに、ライが少し驚いた顔をした
「知らないうたを唄うより、知っている好きな唄の方が、動きやすいでしょ?」
と言うと、ライが持っていたグラスを取りながら、部屋の中に戻っていくアマネ。その後ろ姿を見ているライ。飲み干したグラスに、お酒を入れ一口飲むと、ライの方に振り向いて話はじめた
「ミクは、ミクだけのうたを唄い奏でるわ。そのうたは、きっと素敵な本を描いてくれる……」
「そうか……。ミクだけのうたか。いつか聞けるだろうか」
アマネの話に、クスッと笑うライ。椅子に座っているアマネの隣に座り、アマネが使っていたグラスを取り、カチャンとグラスを鳴らして、二人一緒にお酒を飲み干し、二人一緒にクスリと笑った
「もちろんよ。ミクはどんな唄でも、私達のためにうたってくれるわ」
その頃、一人きりで眠っていたミクが目を覚ましていた。リコ達が来ているかと建物の玄関の辺りをウロウロと動き回る。外に人がいる気配も、話し声も聞こえないまま、ただ時間が過ぎていく。月明かりを頼りに、ベッドにもたれて絵本を読みはじめたミク。パラパラと絵本をめくる音だけが聞こえる部屋に、寂しさから無意識に少し鼻唄をうたいはじめた。数ページ読んだ頃、鼻唄に気づいて慌てて唄うの止めると、部屋の中をキョロキョロと見渡して、何事も起きないことを確認すると、ふぅ。と大きくため息ついた
「ダメです。唄ったら……」
パタンと絵本を閉じベッドに置くと、枕のそばにあった本を取り、ぎゅっと抱きしめた
「きっと、二度とみなさんに会えなくなってしまう……」
と呟くと窓から外を見た。近くにあるはずの魔術本部の光も見えず、まだリコ達が来る気配もない外に、ぎゅっと本を強く抱いて、その場にペタンと座り込んでしまった
「お母様……お父様……。どこにいるのでしょうか……」
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