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68. 涙を止める優しい温もり
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「……体調は良さそうですね。ですが、あまり無理はさせないように。外には出すなと先程連絡がありましたので……」
本部内にあるミクの部屋で、診察を受けたミク。医師の診断を聞いたリコ達が、ホッと胸を撫で下ろす
「わかりました。ありがとうございます」
と、話をしているとトイレで着替えていたミクが出てきて、リコ達の側にあったソファーに座ると、ミクと入れ替わるように医師達が部屋を出ていった
「怪我がなくて良かったよ。本当に良かった……」
医師達に手を振り見送っているミクの隣に座り、頭を撫でるリコ。ホッとして微笑むリコ達を見て、ミクがなぜかうつ向いてしまった
「心配させて、ごめんなさい……」
「ミクは悪くない。あの怖い人が悪いから」
「レグスさんだよ。いい加減覚えないと……」
と、クルミが話していると、グスグスと泣きはじめたミク。泣き声に気づいて、いつもよりも強く抱きしめた
「ミク、ゴメンね。私も一緒に泣く!」
「なんでリコも泣くの……」
泣き叫ぶ二人を、戸惑い見ているクルミとモモカ。二人の泣き声が部屋の外まで聞こえて、通りすがりの隊員達が、心配そうに部屋の前の廊下を歩いている
「二人とも、落ち着いて……」
泣き止まないリコとミクに、あたふたとうろたえはじめたモモカが、リコを落ち着かせようと隣に座ると、強く抱きついて離れず更に泣くリコ。自分以上に泣くリコを見て、ちょっとだけ気持ちが落ち着いてきたミク。その間にクルミがミクの隣に座って背中を擦ると、
「あの……お父様に似ている方は……」
「レイさん?ちょっと疲れたって言ってたから、休んでると思うよ」
「そうですか……」
「用事ある?後で会いに行く?」
「いえ、大丈夫です……」
と、クルミと話をしていると、突然ぐぅ。とミクのお腹が鳴った。大きく鳴り響いたお腹の音に、クルミがクスッと笑う
「お腹すいた?朝ごはん食べに行こうか」
「でも……外に出ちゃ……」
「本部内なら大丈夫だよ。気分転換に食堂行こっか」
「……はい」
クルミに返事をすると一緒にゆっくりとソファーから降りると、ミクの隣でまだモモカの胸の中で泣いているリコを、ミクが心配そうに見ていると、クルミが呆れながら声をかけた
「リコも、もう泣かないで、ご飯食べに行くよ」
「うん……」
クルミに返事をすると、目を赤くしてソファーから立ち上がるリコ。その同時にミクがリコの手をつかんだ。ビックリしつつも、ミクの手を強く繋ぎ直すと、ちょっと笑顔が戻ったリコとミク。元気そうになった二人を見て、クルミとモモカにも笑顔が戻り、みんなでご飯を食べに食堂へと向かっていく
「瞬間的に移動する魔術は、この本部内でも使える人間はいるかどうか……」
その頃、部屋で休んでいたはずのレイは、本を机に放り投げ、機嫌が悪そうに椅子にもたれていると、投げた拍子に本が開いていた。開いたページに書かれている、ミクを助けた時に書いた新たな魔術を見て、更に不機嫌そうな顔になり、椅子から立ち上がると、窓から外を見てポツリと呟いた
「予期していたのか。それとも、嬉しい誤算か。どちらにてしても、余計面倒なことになりそうだな」
本部内にあるミクの部屋で、診察を受けたミク。医師の診断を聞いたリコ達が、ホッと胸を撫で下ろす
「わかりました。ありがとうございます」
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「怪我がなくて良かったよ。本当に良かった……」
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泣き止まないリコとミクに、あたふたとうろたえはじめたモモカが、リコを落ち着かせようと隣に座ると、強く抱きついて離れず更に泣くリコ。自分以上に泣くリコを見て、ちょっとだけ気持ちが落ち着いてきたミク。その間にクルミがミクの隣に座って背中を擦ると、
「あの……お父様に似ている方は……」
「レイさん?ちょっと疲れたって言ってたから、休んでると思うよ」
「そうですか……」
「用事ある?後で会いに行く?」
「いえ、大丈夫です……」
と、クルミと話をしていると、突然ぐぅ。とミクのお腹が鳴った。大きく鳴り響いたお腹の音に、クルミがクスッと笑う
「お腹すいた?朝ごはん食べに行こうか」
「でも……外に出ちゃ……」
「本部内なら大丈夫だよ。気分転換に食堂行こっか」
「……はい」
クルミに返事をすると一緒にゆっくりとソファーから降りると、ミクの隣でまだモモカの胸の中で泣いているリコを、ミクが心配そうに見ていると、クルミが呆れながら声をかけた
「リコも、もう泣かないで、ご飯食べに行くよ」
「うん……」
クルミに返事をすると、目を赤くしてソファーから立ち上がるリコ。その同時にミクがリコの手をつかんだ。ビックリしつつも、ミクの手を強く繋ぎ直すと、ちょっと笑顔が戻ったリコとミク。元気そうになった二人を見て、クルミとモモカにも笑顔が戻り、みんなでご飯を食べに食堂へと向かっていく
「瞬間的に移動する魔術は、この本部内でも使える人間はいるかどうか……」
その頃、部屋で休んでいたはずのレイは、本を机に放り投げ、機嫌が悪そうに椅子にもたれていると、投げた拍子に本が開いていた。開いたページに書かれている、ミクを助けた時に書いた新たな魔術を見て、更に不機嫌そうな顔になり、椅子から立ち上がると、窓から外を見てポツリと呟いた
「予期していたのか。それとも、嬉しい誤算か。どちらにてしても、余計面倒なことになりそうだな」
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