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90. 知りたいことが、あるけれど
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「リコ……ずっと、しかめっ面してて疲れない?」
「んー……大丈夫」
「熱も下がったんだし、もう少し落ち着きなって」
「うん……」
ミクの部屋に戻ってきたリコ達。医師達の懸命な治療のお陰で、どうにか熱も下がり、ベッドでぐっすり寝ているミクの姿を、その隣に座ってジーっと見ているリコに、声をかけるクルミ。返事をしても、どこか上の空のままのリコに、ふぅ。と一度ため息ついた
「もー。またそんな落ち込んで……。今ミクが目が覚めたらどうするの?」
「レイさんも、どこか出掛けていないんだから、私達がしっかりしないと……」
「そういえば、レイさん、どこ行ったのかな?帰ってくるよね?」
「そりゃ、帰ってくるでしょ……」
リコの質問に、少し呆れつつクルミが答えていると、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。扉が開いて、レイが部屋に入ってきた。こちらを見るリコ達の暗い雰囲気に、思わずクスッと笑った
「なんだ?全員、機嫌悪いのか?」
「いえ……」
クルミがレイに返事をしていると、リコが側の布団が少し動いたのに気づいて目を向けると、ミクが薄目を開けて、ボーッとしている
「あ、ミク……」
リコが声をかけると、ゆっくりと顔を動かし隣にいるリコを見つけて、まだ少しボーッとしながらか細い声で話しかけた
「リコさん……ここは……」
「部屋だよ。ミク、倒れちゃったから戻ってきたんだよ。覚えてる?」
小さく顔を横に振って、リコの質問に答えると、今度は少し大きめに顔を動かして、部屋にいるモモカとクルミを見つけて、ちょっとだけ笑う。元気そうな笑顔に、二人がホッと安堵していると、二人のそばにいたレイの存在に気づいたミクが急に慌ててはじめた
「あの、あの……私……」
と、レイに話しかけながら体を起こそうとするミク。だが、起き上がる力がなく、すぐベッドにバタンと倒れてしまった
「大丈夫?もう少し休んで……」
リコに布団をかけ直してもらい頭を撫でられて、返事をする間もなく、すぐに眠ってしまったミク。小さな寝息に、ふぅ。とため息ついたリコ。起こさないようにミクから離れると、隣のベッドに座っていたモモカすぐそばに座り、もう一度ふぅ。とため息ついた。リコ達の様子を、無言のまま入り口近くで見ていたレイ。ベッドに並んで座る三人の気持ちが少し落ち着いてきた頃に、話を聞きはじめた
「レグスは、ここに来たか?」
「いえ、まだ来ていません」
「……そうか」
クルミからの返事を聞いて、何かを考え込み、静かになってしまったレイ。その姿を見て、リコが恐る恐る話しかけた
「あの、レイさん……。私達、書庫で……」
「本が……ミクの魔術で……」
その話の内容に、思わずため息をついたレイ。そのため息に一瞬、ビクッと怖じ気づいたリコ。クルミとモモカも心配そうにリコの話を聞いている。そんな三人の気持ちをよそに、レイは淡々と話をする
「見たものは全て事実だ。あの本に昔の出来事を記憶させていたのだろう」
「本に記憶って……誰がそんなこと……」
とレイの話を聞いて、うろたえるリコ達。そんなリコ達を横目に、レイが寝ているミクを一瞬見た後、部屋の扉のドアノブに手をかけた。不安そうにレイの姿を見ているリコ達の方に振り向くと、不機嫌そうな様子で声をかけた
「明日は朝からレグスが騒がしいだろう。三人もちゃんと休むように」
「んー……大丈夫」
「熱も下がったんだし、もう少し落ち着きなって」
「うん……」
ミクの部屋に戻ってきたリコ達。医師達の懸命な治療のお陰で、どうにか熱も下がり、ベッドでぐっすり寝ているミクの姿を、その隣に座ってジーっと見ているリコに、声をかけるクルミ。返事をしても、どこか上の空のままのリコに、ふぅ。と一度ため息ついた
「もー。またそんな落ち込んで……。今ミクが目が覚めたらどうするの?」
「レイさんも、どこか出掛けていないんだから、私達がしっかりしないと……」
「そういえば、レイさん、どこ行ったのかな?帰ってくるよね?」
「そりゃ、帰ってくるでしょ……」
リコの質問に、少し呆れつつクルミが答えていると、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。扉が開いて、レイが部屋に入ってきた。こちらを見るリコ達の暗い雰囲気に、思わずクスッと笑った
「なんだ?全員、機嫌悪いのか?」
「いえ……」
クルミがレイに返事をしていると、リコが側の布団が少し動いたのに気づいて目を向けると、ミクが薄目を開けて、ボーッとしている
「あ、ミク……」
リコが声をかけると、ゆっくりと顔を動かし隣にいるリコを見つけて、まだ少しボーッとしながらか細い声で話しかけた
「リコさん……ここは……」
「部屋だよ。ミク、倒れちゃったから戻ってきたんだよ。覚えてる?」
小さく顔を横に振って、リコの質問に答えると、今度は少し大きめに顔を動かして、部屋にいるモモカとクルミを見つけて、ちょっとだけ笑う。元気そうな笑顔に、二人がホッと安堵していると、二人のそばにいたレイの存在に気づいたミクが急に慌ててはじめた
「あの、あの……私……」
と、レイに話しかけながら体を起こそうとするミク。だが、起き上がる力がなく、すぐベッドにバタンと倒れてしまった
「大丈夫?もう少し休んで……」
リコに布団をかけ直してもらい頭を撫でられて、返事をする間もなく、すぐに眠ってしまったミク。小さな寝息に、ふぅ。とため息ついたリコ。起こさないようにミクから離れると、隣のベッドに座っていたモモカすぐそばに座り、もう一度ふぅ。とため息ついた。リコ達の様子を、無言のまま入り口近くで見ていたレイ。ベッドに並んで座る三人の気持ちが少し落ち着いてきた頃に、話を聞きはじめた
「レグスは、ここに来たか?」
「いえ、まだ来ていません」
「……そうか」
クルミからの返事を聞いて、何かを考え込み、静かになってしまったレイ。その姿を見て、リコが恐る恐る話しかけた
「あの、レイさん……。私達、書庫で……」
「本が……ミクの魔術で……」
その話の内容に、思わずため息をついたレイ。そのため息に一瞬、ビクッと怖じ気づいたリコ。クルミとモモカも心配そうにリコの話を聞いている。そんな三人の気持ちをよそに、レイは淡々と話をする
「見たものは全て事実だ。あの本に昔の出来事を記憶させていたのだろう」
「本に記憶って……誰がそんなこと……」
とレイの話を聞いて、うろたえるリコ達。そんなリコ達を横目に、レイが寝ているミクを一瞬見た後、部屋の扉のドアノブに手をかけた。不安そうにレイの姿を見ているリコ達の方に振り向くと、不機嫌そうな様子で声をかけた
「明日は朝からレグスが騒がしいだろう。三人もちゃんと休むように」
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