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シャオえる

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100. 音が鳴り響く場所に

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「ミク、大丈夫かな?」
 ずっと本部にあるミクの部屋で待機をしているリコ達。ミクやレイ達の動きも知らずのんびりとただ待っていた
「結構時間経ったね……」
「レイさんも帰ってきてないみたいだし……」
 と、モモカが窓から外を見た時、ドンドンと勢いよく扉を叩く音が部屋に響いた。慌てて扉を開けるリコ。扉を開けると、走ってきたのか息を切らしている隊員達がいた
「みなさん!ミクさんが見つかりました!」
「えっ……どこにいるの?」
「ミクさんの家があった場所です!がいた森の中にいます!」
 やっとミクの居場所が分かり安堵すると同時に、その見つけた場所に戸惑い三人、目を合わせた
「レイさんに報告はしたの?」
「いえ。まだ帰ってきてないうえに、連絡もつかないのでまだ……」
「行こう。何かあったら大変……」
「ミクは一人?誰かと一緒?」
「それが……」
 と、捜索結果を伝えようとした時、大きな音と揺れが本部内に響き渡った
「今の何……?」
 クルミが部屋の前の廊下を見渡すと、音のする方に隊員達が走っていた。急に騒がしくなった本部に戸惑うクルミやモモカとは違い、リコは落ち着いた表情で隊員達の様子を見ていたが、突然クルミとモモカの手を取り、走っている隊員達の流れに逆らうように、歩きだした
「音、気になるけど、ミクのところに行こう。急いで迎えに行かなきゃ……」





「何の音……」
 大きな音と揺れで、近くにいた隊員達が駆け寄ってくると、書庫中のあちらこちらに散らばる本を見て、呆然としている
「あっ、レグスさん」
 一人の隊員がレグスに気づいて声をかけると、険しい表情でうつ向いていたレグスが、隊員達に向かってニコッと笑う
「すまないが、部屋を片付けてもらえるか?」
「あっ……はい」
 レグスに言われて近くにある本を片付けはじめた隊員達。その間を通り書庫から出ようとするレグス。部屋の少し奥にいたカフカは、まだ書庫から出る様子もなく隊員達の片付けの様子を見ている
「カフカさん、レイさんはどちらに?」
 と、カフカがいたことに気づいた隊員が声をかけた。書庫から出る寸前、二人の会話が微かに聞こえたレグスが急ぎ足でカフカと隊員の側まで戻ってきた
「娘を見つけたのか?」
「えっ、えっと……」
 と睨むように隊員に話しかけるレグス。その表情と雰囲気に慌てふためく隊員が、レグスとカフカの二人を交互に見て戸惑っていると、少しずつ隊員に近づき語気を強め、また話しかけた
「報告を……」
 レグスの気迫に押され、ポツリポツリと話はじめた隊員。その側ではカフカも諦めたように、大きくため息ついた。話を聞き終えたレグスは、先程よりも足音を大きく鳴らして、書庫から出ていった



「素敵なうたね。ミク」
 隊員達が書庫の片付けをしている頃、結局一人で唄い終えたミクが、ふぅ。と一息ついてアマネにぎゅっと抱きついた。何も起こらなかった事に安堵したのか、ちょっと泣きそうなミクを、アマネもミクをぎゅっと抱きしめ返した
「ミク、これを持って……」
 と、ミクに渡したのはライから受け取っていたミクの本と絵本。差し出された二つの本を困ったように見つめた後、そっと本を受け取り、ぎゅっと抱きしめた
「お母様、私……本を持ってうたっては……」
 顔を上げアマネに話しかけるミク。優しい眼差しでミクを見るアマネと、その側で同じく微笑んでいるライの姿を見て、更に本を強く抱きしめる
「皆さんに迷惑をかけてしまいました。私もう……」
 うつ向いて話すミクに、そっと肩に手を置いてミクを慰めるアマネ。二人の様子を見ていたライが、二人に話しかけようとした時、三人の側に誰かが近づく足音と声が聞こえてきた
「そうだね。君はもう唄うのはやめた方がいいかもね」
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