ぱすてるランページ

シャオえる

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101. 素敵なうたが聞こえたから

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「レイ。来るのが遅かったな」
「少し手間取ってしまって……」
 楽しそうにライとレイが話をしていると、二人の話している姿を不思議そうに見ているミクが見ている
「あの……」
 恐る恐るレイに声をかけるミク。その声に気づいたレイがミクにニコッと微笑んだ
「リコ達なら、君が帰って来るのを部屋で待っているはずだよ」
「みなさんが……」
 リコ達のことを思いだし、レイに背を向けアマネの胸元に顔を埋めたミク。優しく抱きしめ背中をさするアマネとミクを見てライがクスッと笑う

「それで、持ってきたのかね?」
 レイの方に向き直し、ミクと話をしていた先程までと雰囲気を変え、険しい表情でレイに問いかける
「ええ、少しばかりですが……」
 と、レイの周りに書庫から持ってきた本達がフワフワと浮いて現れた
「支部の方には資料は無いそうなので、これが全部かと……」
 レイの説明を聞きながら、ライが浮いている一冊の本を取り読み始める。古く少し破れている本を懐かしそうに読み進めていく
「私たちの資料はないの?」
「ええ、うたの一族は、調査にあまり協力をしませんでしたし、争いで存在を消そうとしていので、資料は無いに等しいですね」
「あらそう……」
 レイの返事を聞いて、悲しみからミクを少し強く抱きしめたアマネ。ミクが三人の会話を戸惑うように聞いていると、ライが読んでいた本をパタンと閉じた

「それじゃあ、早速……」
「ミク!」
 と、ライが何かを始めようと呟く声を遮る大きな声が聞こえてきた。驚いて声のする方に振り向くと、ミク達の側に空から降りてくるリコ達の姿があった
「みなさん……」
「あら、ミクのお友だちね」
 三人を見て嬉しくも戸惑うミク。アマネもリコ達を見てニッコリ微笑む。地上に着いて、ミクの周りに起きている状況が読めず困惑していると、ミクから少し離れた場所に、本に囲まれたような姿のレイを見つけたリコが、恐る恐る声をかける
「レイさん……どうしてここに?」
 リコの質問に答えることなくニコニコと笑うレイ。リコ達に不穏な雰囲気が流れる中、レイの側に生えている草むらからガサガサと音が聞こえてきた

「全員揃ったようだね」
 草むらの中から現れたのは、大勢の隊員を引き連れたレグス。その大分後ろには、カフカもレグスの後を追い歩いてくる
「二人も、どうしてここに?」
 レグスとカフカが来て、ご機嫌な雰囲気で問いかけるレイ。すると、アマネに抱きしめられているミクを見つけたレグスが、ミクを見てクスッと笑う
「素敵なうたが聞こえたそうでね」
「あっ……」
 レグスの言葉にミクが、顔を強張らせ一歩後退りする。唄った後悔から、うつ向き持っていた本で顔を隠した
「大丈夫よ。ミク。あなたの唄が聞きたくてみんな来たのよ」
 ミクを落ち着かせるため優しく呟くアマネ。恐る恐る顔を上げアマネの顔を見るとミクに微笑むアマネといつの間に来ていたのか、ミクの隣に同じく優しい眼差しで二人を見ているライがいた。不安そうなミクに一度頷いて、リコ達やレグスや隊員達を見渡し、最後にレイの方を見ると、二人目が合うとライがレイに頷いた
「それじゃあ、みんなでミクの素敵な唄を聞いてみようか……」
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