101 / 109
101. 素敵なうたが聞こえたから
しおりを挟む
「レイ。来るのが遅かったな」
「少し手間取ってしまって……」
楽しそうにライとレイが話をしていると、二人の話している姿を不思議そうに見ているミクが見ている
「あの……」
恐る恐るレイに声をかけるミク。その声に気づいたレイがミクにニコッと微笑んだ
「リコ達なら、君が帰って来るのを部屋で待っているはずだよ」
「みなさんが……」
リコ達のことを思いだし、レイに背を向けアマネの胸元に顔を埋めたミク。優しく抱きしめ背中をさするアマネとミクを見てライがクスッと笑う
「それで、持ってきたのかね?」
レイの方に向き直し、ミクと話をしていた先程までと雰囲気を変え、険しい表情でレイに問いかける
「ええ、少しばかりですが……」
と、レイの周りに書庫から持ってきた本達がフワフワと浮いて現れた
「支部の方には資料は無いそうなので、これが全部かと……」
レイの説明を聞きながら、ライが浮いている一冊の本を取り読み始める。古く少し破れている本を懐かしそうに読み進めていく
「私たちの資料はないの?」
「ええ、うたの一族は、調査にあまり協力をしませんでしたし、争いで存在を消そうとしていので、資料は無いに等しいですね」
「あらそう……」
レイの返事を聞いて、悲しみからミクを少し強く抱きしめたアマネ。ミクが三人の会話を戸惑うように聞いていると、ライが読んでいた本をパタンと閉じた
「それじゃあ、早速……」
「ミク!」
と、ライが何かを始めようと呟く声を遮る大きな声が聞こえてきた。驚いて声のする方に振り向くと、ミク達の側に空から降りてくるリコ達の姿があった
「みなさん……」
「あら、ミクのお友だちね」
三人を見て嬉しくも戸惑うミク。アマネもリコ達を見てニッコリ微笑む。地上に着いて、ミクの周りに起きている状況が読めず困惑していると、ミクから少し離れた場所に、本に囲まれたような姿のレイを見つけたリコが、恐る恐る声をかける
「レイさん……どうしてここに?」
リコの質問に答えることなくニコニコと笑うレイ。リコ達に不穏な雰囲気が流れる中、レイの側に生えている草むらからガサガサと音が聞こえてきた
「全員揃ったようだね」
草むらの中から現れたのは、大勢の隊員を引き連れたレグス。その大分後ろには、カフカもレグスの後を追い歩いてくる
「二人も、どうしてここに?」
レグスとカフカが来て、ご機嫌な雰囲気で問いかけるレイ。すると、アマネに抱きしめられているミクを見つけたレグスが、ミクを見てクスッと笑う
「素敵なうたが聞こえたそうでね」
「あっ……」
レグスの言葉にミクが、顔を強張らせ一歩後退りする。唄った後悔から、うつ向き持っていた本で顔を隠した
「大丈夫よ。ミク。あなたの唄が聞きたくてみんな来たのよ」
ミクを落ち着かせるため優しく呟くアマネ。恐る恐る顔を上げアマネの顔を見るとミクに微笑むアマネといつの間に来ていたのか、ミクの隣に同じく優しい眼差しで二人を見ているライがいた。不安そうなミクに一度頷いて、リコ達やレグスや隊員達を見渡し、最後にレイの方を見ると、二人目が合うとライがレイに頷いた
「それじゃあ、みんなでミクの素敵な唄を聞いてみようか……」
「少し手間取ってしまって……」
楽しそうにライとレイが話をしていると、二人の話している姿を不思議そうに見ているミクが見ている
「あの……」
恐る恐るレイに声をかけるミク。その声に気づいたレイがミクにニコッと微笑んだ
「リコ達なら、君が帰って来るのを部屋で待っているはずだよ」
「みなさんが……」
リコ達のことを思いだし、レイに背を向けアマネの胸元に顔を埋めたミク。優しく抱きしめ背中をさするアマネとミクを見てライがクスッと笑う
「それで、持ってきたのかね?」
レイの方に向き直し、ミクと話をしていた先程までと雰囲気を変え、険しい表情でレイに問いかける
「ええ、少しばかりですが……」
と、レイの周りに書庫から持ってきた本達がフワフワと浮いて現れた
「支部の方には資料は無いそうなので、これが全部かと……」
レイの説明を聞きながら、ライが浮いている一冊の本を取り読み始める。古く少し破れている本を懐かしそうに読み進めていく
「私たちの資料はないの?」
「ええ、うたの一族は、調査にあまり協力をしませんでしたし、争いで存在を消そうとしていので、資料は無いに等しいですね」
「あらそう……」
レイの返事を聞いて、悲しみからミクを少し強く抱きしめたアマネ。ミクが三人の会話を戸惑うように聞いていると、ライが読んでいた本をパタンと閉じた
「それじゃあ、早速……」
「ミク!」
と、ライが何かを始めようと呟く声を遮る大きな声が聞こえてきた。驚いて声のする方に振り向くと、ミク達の側に空から降りてくるリコ達の姿があった
「みなさん……」
「あら、ミクのお友だちね」
三人を見て嬉しくも戸惑うミク。アマネもリコ達を見てニッコリ微笑む。地上に着いて、ミクの周りに起きている状況が読めず困惑していると、ミクから少し離れた場所に、本に囲まれたような姿のレイを見つけたリコが、恐る恐る声をかける
「レイさん……どうしてここに?」
リコの質問に答えることなくニコニコと笑うレイ。リコ達に不穏な雰囲気が流れる中、レイの側に生えている草むらからガサガサと音が聞こえてきた
「全員揃ったようだね」
草むらの中から現れたのは、大勢の隊員を引き連れたレグス。その大分後ろには、カフカもレグスの後を追い歩いてくる
「二人も、どうしてここに?」
レグスとカフカが来て、ご機嫌な雰囲気で問いかけるレイ。すると、アマネに抱きしめられているミクを見つけたレグスが、ミクを見てクスッと笑う
「素敵なうたが聞こえたそうでね」
「あっ……」
レグスの言葉にミクが、顔を強張らせ一歩後退りする。唄った後悔から、うつ向き持っていた本で顔を隠した
「大丈夫よ。ミク。あなたの唄が聞きたくてみんな来たのよ」
ミクを落ち着かせるため優しく呟くアマネ。恐る恐る顔を上げアマネの顔を見るとミクに微笑むアマネといつの間に来ていたのか、ミクの隣に同じく優しい眼差しで二人を見ているライがいた。不安そうなミクに一度頷いて、リコ達やレグスや隊員達を見渡し、最後にレイの方を見ると、二人目が合うとライがレイに頷いた
「それじゃあ、みんなでミクの素敵な唄を聞いてみようか……」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる