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3. それぞれの行方
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夜も遅くなりかけた頃、ざわざわと人が多く集まる場所に来たノオト。少し眠そうに受付の人と話をしていると、小さな女の子がノオトを見つけ、嬉しそうに走ってきた
「ノオトさん!お疲れさまです!」
「お疲れオンプ。どう?あれから変わりない」
ペコリと深くお辞儀をするオンブに微笑みながら返事をすると、下げていた頭を勢いよく頭を上げるとエヘヘと微笑む
「はい。今日も誰一人、魔術と魔力の暴走はなく平和です。……ってあれ?ノイズさんは?」
元気に返事をして、ノオトの周りをキョロキョロと見渡すオンプの言葉を聞いたノオトが、少し困った顔でオンプに資料を手渡した
「サクラという子の家に泊まりに行っている」
「えー、ちゃんと私達に宿泊届けだしてくれないと困ります!また暴走したと心配するじゃないですか!」
「私に言われても。ノイズが勝手に決めたことだし」
ノオトの話を聞きながら頬を膨らませるオンプ。その様子に、ノオトがふぅ。と一つため息ついて、オンプの頭にポンッと軽く手を置いた
「私の分の報告はこれだけだから。ノイズの分は帰ってきた時に本人に言ってね」
「分かりました!ノオトさんの分の報告書は読みますね!……あれ?そういえば、メメさんはどこに?」
そう言うと、受け取った資料を抱きしめて、またノオトの周りをキョロキョロと見渡しはじめた
「サクラの部屋、綺麗だねー」
「……そうかな?」
「うん、私の部屋掃除してなくて、よくノオトに怒られてるから」
その頃、窓からサクラの部屋に到着したノイズがご機嫌で部屋の中を見て回っていた。その間に別の部屋からノイズの分の布団を取りに行ったサクラが、床にポンッと布団を置いた
「ノイズさん、ベットと床、どちらで眠りますか?」
「ノイズでいいよ。それと、サクラと一緒にベッドで寝るよ」
と、笑って言うノイズに、困った顔でベットとノイズを交互に見るサクラ。すると、ノイズが不安を乗り覗くようにサクラをぎゅっと抱きしめた
「大丈夫、ここにくる前にお風呂入ってたから。というか入っている時に呼ばれたんだよね」
「そうなんですか……」
ノイズに戸惑いながらも返事をしていると、カタンと音が聞こえて振り向くと、机に置いていた本の上にさっき見た黒猫が二人を見ていた
「だから遅れてきたのね……」
と、ノイズの話を聞いていたのか、呆れたように言う猫。サクラがちょっと驚いていると、ノイズが少し首をかしげながら、その黒猫に話しかけた
「あれ?メメ、なんでここに?」
「あなた達に何かあったらすぐ対応出来るよう、一緒に居るようにノオトに言われたの」
「はぁー。さすがノオトだね。まあでも今日は何にも起こらないと思うけど」
「ノイズは大丈夫でも、その子はどうかしら」
と、メメという黒猫がちらりとサクラを見る。その視線に少し後退りしたサクラを見て、ノイズがクスッと微笑みながら、本と一緒にメメを抱きしめた
「本を渡してても大丈夫だっから、サクラは大丈夫だよ」
「……呆れた。本当に無責任に渡したの?」
「私の見る目には間違なかったでしょ?」
二人でサクラを見ながら話をする。その様子にサクラがエヘヘと苦笑いしながらノイズとメメに話しかける
「えーと……。なにか……」
そう聞くと、メメがノイズから離れて、サクラの頭に乗り優しく叩いてフフッと微笑む
「……まあ、そうね。そこは誉めてあげるわ」
メメの言葉に、ノイズがうんうんと何度も頷き、サクラに持っていた本を渡した
「サクラ、本は枕元に置いてて。何かあったら、私かメメを叩き起こしてね」
そう言うと、床にひいた布団に潜り込むノイズ。メメもベッドにある枕元に移動して丸くなる。サクラが部屋の電気をパチンと消し、本をメメの側に置いて、ベッドに横になると、メメが少し目を開けた
「それじゃあ、二人ともおやすみ。いい夢を」
「ノオトさん!お疲れさまです!」
「お疲れオンプ。どう?あれから変わりない」
ペコリと深くお辞儀をするオンブに微笑みながら返事をすると、下げていた頭を勢いよく頭を上げるとエヘヘと微笑む
「はい。今日も誰一人、魔術と魔力の暴走はなく平和です。……ってあれ?ノイズさんは?」
元気に返事をして、ノオトの周りをキョロキョロと見渡すオンプの言葉を聞いたノオトが、少し困った顔でオンプに資料を手渡した
「サクラという子の家に泊まりに行っている」
「えー、ちゃんと私達に宿泊届けだしてくれないと困ります!また暴走したと心配するじゃないですか!」
「私に言われても。ノイズが勝手に決めたことだし」
ノオトの話を聞きながら頬を膨らませるオンプ。その様子に、ノオトがふぅ。と一つため息ついて、オンプの頭にポンッと軽く手を置いた
「私の分の報告はこれだけだから。ノイズの分は帰ってきた時に本人に言ってね」
「分かりました!ノオトさんの分の報告書は読みますね!……あれ?そういえば、メメさんはどこに?」
そう言うと、受け取った資料を抱きしめて、またノオトの周りをキョロキョロと見渡しはじめた
「サクラの部屋、綺麗だねー」
「……そうかな?」
「うん、私の部屋掃除してなくて、よくノオトに怒られてるから」
その頃、窓からサクラの部屋に到着したノイズがご機嫌で部屋の中を見て回っていた。その間に別の部屋からノイズの分の布団を取りに行ったサクラが、床にポンッと布団を置いた
「ノイズさん、ベットと床、どちらで眠りますか?」
「ノイズでいいよ。それと、サクラと一緒にベッドで寝るよ」
と、笑って言うノイズに、困った顔でベットとノイズを交互に見るサクラ。すると、ノイズが不安を乗り覗くようにサクラをぎゅっと抱きしめた
「大丈夫、ここにくる前にお風呂入ってたから。というか入っている時に呼ばれたんだよね」
「そうなんですか……」
ノイズに戸惑いながらも返事をしていると、カタンと音が聞こえて振り向くと、机に置いていた本の上にさっき見た黒猫が二人を見ていた
「だから遅れてきたのね……」
と、ノイズの話を聞いていたのか、呆れたように言う猫。サクラがちょっと驚いていると、ノイズが少し首をかしげながら、その黒猫に話しかけた
「あれ?メメ、なんでここに?」
「あなた達に何かあったらすぐ対応出来るよう、一緒に居るようにノオトに言われたの」
「はぁー。さすがノオトだね。まあでも今日は何にも起こらないと思うけど」
「ノイズは大丈夫でも、その子はどうかしら」
と、メメという黒猫がちらりとサクラを見る。その視線に少し後退りしたサクラを見て、ノイズがクスッと微笑みながら、本と一緒にメメを抱きしめた
「本を渡してても大丈夫だっから、サクラは大丈夫だよ」
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そう言うと、床にひいた布団に潜り込むノイズ。メメもベッドにある枕元に移動して丸くなる。サクラが部屋の電気をパチンと消し、本をメメの側に置いて、ベッドに横になると、メメが少し目を開けた
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