こねくとノイズ

39. 目覚めさせる方法

「サクラ、まだ寝てるの？もう、夕御飯の時間になるけど」
「仕方ないわ。不馴れな場所に来て、不馴れな魔力を使ったもの。まだまだ眠るかもしれないわね」
　スヤスヤと眠るサクラを見て話すノイズとリリ。起きるよう視線を送ってみても、サクラが起きそう気配はない
「まだまだって、どれくらい寝そう？」
「そうね……。一生とか」
　そうリリが言った瞬間、ノイズがリリを少し強くガシッとつかんだ
「冗談よ。でも、そろそろ起こさないと体によくないわね。ノイズ、叩き起こしてあげて」
「よしきた！」
　リリの体をパッと離すと、ノイズの手に一冊の本が現れた
「術を使うの？」
「うん、その方が手っ取り早いかなって」
「それは構わないけど、サクラの周りにはソナタの術がかけられているのよ。反撃をされてもいいのね」
「それは……いや」
　開いた本から現れた大きな鍋とお玉を持ちサクラを起こそうとベッドに近づいていたノイズが、顔を強ばらせベッドから離れると、大きな鍋とお玉を本に戻した




「ノイズ、サクラは起きた？」
「ううんまだ、けど今から起こそうかなって」
　新たな起こした方を考えていると、席を外していたノオトが部屋に戻ってきた。まだ眠るサクラを見て、心配そうにふぅ。とため息をついた
「メメは見つかったの？」
「まだ。どこに行ったのか……」
　ノイズが心配そうに聞くとノオトが困った様子で苦笑いをすると、リリがノオトの肩に乗った
「でも、ノオトはあまり心配してなさそうだね」
　ノイズが不思議そうに話しかけると、ノオトがリリを抱きしめ撫ではじめた
「メメはあまり無理をしないし、一応メメにも魔力もあるし、高度魔術を使えるからね、無事に帰ってこれるよ」
　そうノオトが言うと撫でられ少しご機嫌になったリリがフフッと笑ってノイズを見た
「ノオトが無傷ならメメは無事よ」
「そうなの？」
「メメとの契約者だもの。メメの傷はノオトにも来るの」
「へー、大変そう」
　リリの話しに他人事のように返事をすると、リリが少し呆れたようにノイズの顔の前にきた
「あなたって、サクラやモモに何かあれば大変よ」
「そうかなー。大丈夫と思うけどね」
　リリの忠告を軽く受け流しながらサクラの側に来て頬をつつく。それでも起きる様子はなさそうなことを確認すると、今度は体を揺らしたり叩いたりと、無理やり起こそうとして、慌てて家政婦達に止められた。そんな様子を見て、はぁ。とため息ついたリリがまたノオトの肩に乗った
「まあ今はまだ何も知らない方がいいわ。それよりも眠り続けるこの子を無理やりではなく、どうにか起こしましょう」