40 / 86
40. 暗闇を一緒に歩こう
しおりを挟む
「まただ……」
目が覚めたサクラの視界にはまた静かで真っ暗な景色が広がっていた。少し慣れたのか慌てる様子もなく、ふぅ。と一つ深呼吸をして辺りを見渡す
「ノイズー、モモー。いるの?」
何度か呼んでみても、サクラの元に来る気配はなく今度ははぁ。とため息をついた
「やっぱり、呼んでも来ないか」
そう呟くと、トボトボと行く宛もなくゆっくり歩きはじめた。時折上を見上げてピョンとジャンプをしたり歩いたりを繰り返して進んでいく
「もう疲れたなぁ……。前の時と違うのかも、大丈夫かな……」
サクラの感覚ではもう何時間も歩いたような気がして、歩く気力もなくなり、その場に立って動かなくなった。少し座ろうかと前を向いた時、暗い中にふわふわと浮かぶ何かが見えて、恐る恐る近づくと、見覚えのある姿が見えてきた
「あれ?メメさん?」
驚いた様子で声をかけると、メメが振り向きサクラを見るとこちらは驚いた様子もなく呆れたようにため息をついた
「やっぱり、あなたの仕業だったのね」
「私?」
会うなり不機嫌そうに言われ、不安そうに聞き返すと、サクラと同じく歩き疲れいたメメがサクラの頭に乗った
「その無自覚の魔力が面倒ね。戻ったらノイズを叱らないといけないわ」
尻尾をユラユラと揺らしながら言うと、サクラの顔にビシッと当たり、メメがまた不機嫌そうな顔になった
「それにしても、あまり慌ているような雰囲気がないわね。ここは来たことあるの?」
「はい。たぶん、前に寝ていた時に……」
「そう、ここはノイズかモモの術と思っていたけど違ったようね」
そう呟くとサクラと会話を止め、歩くようサクラの背中に尻尾を少し強めに当てたメメ。その意図が読めたのか、サクラがまた暗い中をトボトボと歩きはじめた
「早く戻らないといけないね。あなたの体調も気になるわ」
歩きはじめてすぐメメがそう話しはじめると、その話しにサクラが少し首をかしげ、メメが少し落ちそうになった
「体調ですか?どこも悪くないですよ」
慌ててメメをつかんで、また頭に乗せながら返事をするとメメの尻尾が大きく揺れた
「えぇ、今はね。それより前にきた時、何かあった?」
「前ですか?えーっと確か、本とうたが聞こえました」
「本とうた?」
「はい、確か……」
説明をしようと思い出していると、微かにメメとは違う声が聞こえてきて、慌てて辺りを見渡す。急に体が動いたせいでまたメメが振り落とされそうになった
「こんなうたです!メメさん、急いで行きましょう」
メメを抱きしめ走りはじめたサクラ。迷いなく走るその姿にメメが不思議そうに首をかしげた
「私には、うた声なんて聞こえないけど、サクラには聞こえているのね。これも魔術なのかしら……」
目が覚めたサクラの視界にはまた静かで真っ暗な景色が広がっていた。少し慣れたのか慌てる様子もなく、ふぅ。と一つ深呼吸をして辺りを見渡す
「ノイズー、モモー。いるの?」
何度か呼んでみても、サクラの元に来る気配はなく今度ははぁ。とため息をついた
「やっぱり、呼んでも来ないか」
そう呟くと、トボトボと行く宛もなくゆっくり歩きはじめた。時折上を見上げてピョンとジャンプをしたり歩いたりを繰り返して進んでいく
「もう疲れたなぁ……。前の時と違うのかも、大丈夫かな……」
サクラの感覚ではもう何時間も歩いたような気がして、歩く気力もなくなり、その場に立って動かなくなった。少し座ろうかと前を向いた時、暗い中にふわふわと浮かぶ何かが見えて、恐る恐る近づくと、見覚えのある姿が見えてきた
「あれ?メメさん?」
驚いた様子で声をかけると、メメが振り向きサクラを見るとこちらは驚いた様子もなく呆れたようにため息をついた
「やっぱり、あなたの仕業だったのね」
「私?」
会うなり不機嫌そうに言われ、不安そうに聞き返すと、サクラと同じく歩き疲れいたメメがサクラの頭に乗った
「その無自覚の魔力が面倒ね。戻ったらノイズを叱らないといけないわ」
尻尾をユラユラと揺らしながら言うと、サクラの顔にビシッと当たり、メメがまた不機嫌そうな顔になった
「それにしても、あまり慌ているような雰囲気がないわね。ここは来たことあるの?」
「はい。たぶん、前に寝ていた時に……」
「そう、ここはノイズかモモの術と思っていたけど違ったようね」
そう呟くとサクラと会話を止め、歩くようサクラの背中に尻尾を少し強めに当てたメメ。その意図が読めたのか、サクラがまた暗い中をトボトボと歩きはじめた
「早く戻らないといけないね。あなたの体調も気になるわ」
歩きはじめてすぐメメがそう話しはじめると、その話しにサクラが少し首をかしげ、メメが少し落ちそうになった
「体調ですか?どこも悪くないですよ」
慌ててメメをつかんで、また頭に乗せながら返事をするとメメの尻尾が大きく揺れた
「えぇ、今はね。それより前にきた時、何かあった?」
「前ですか?えーっと確か、本とうたが聞こえました」
「本とうた?」
「はい、確か……」
説明をしようと思い出していると、微かにメメとは違う声が聞こえてきて、慌てて辺りを見渡す。急に体が動いたせいでまたメメが振り落とされそうになった
「こんなうたです!メメさん、急いで行きましょう」
メメを抱きしめ走りはじめたサクラ。迷いなく走るその姿にメメが不思議そうに首をかしげた
「私には、うた声なんて聞こえないけど、サクラには聞こえているのね。これも魔術なのかしら……」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる