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53. 不穏な気配と急に吹いた風
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その頃、ゆっくりと瓦礫を避けながら歩くサクラとリディ。軽々と歩くリディに対し、不馴れなサクラにリディが少しイラついてきた頃、サクラが大きくアクビをした
「眠いのか?」
「うん、たくさん眠ったんだけど何でかなぁ」
「そりゃあ、魔力使えばそうなる」
エヘヘと笑うサクラに、リディは少しうつ向き小声で呟き歩き出すと、瓦礫を踏み崩れ落ちた小さな石がサクラに当たる。気にすることなくリディの後を追うサクラをちらちらと振り返り見ていると、目が合いサクラがニコッと微笑む
「あの、お名前……リディさんでいいの?」
リディがいる方に登りながらサクラが話しかけると、ちょっと驚いた顔でリディがまた振り向いた
「あっ、ごめんなさい。さっき、ノオトさんがそう言ってたから」
「さんは要らない。リディでいい」
と、また小声で言うと今度はサクラに聞こえたのか嬉しそうに笑う。
「さっさと行くぞ。ここにまだ術者がいるかもしれない。術がうまく使えないやつが居ていい場所じゃないんだからな」
「う、うん……」
急いでリディの隣に来ると、ガラッと小石の音が聞こえてサクラが音のする方を向いたその時、リディの後ろに見知らぬ男性が二人に向かって近づいてきた
「リディ!後ろっ!」
サクラが叫ぶとリディが少し振り向く。その瞬間二人に向かって地面に落ちていた瓦礫が次々と飛んできた
「サクラ、逃げろ!」
「でも……」
「いいから早く!」
大きな瓦礫や見知らぬ人が近づいてきて、怖じ気づき動けないサクラを抱きしめ歩いてきた瓦礫を転がり落ちていくリディ。地面に叩き落ちるとすぐ、サクラを手放し更に近いてくる人を睨む。サクラもゆっくりと体を起こし、手に出来たかすり傷が痛み、ふと手を見ると横をモモがふわふわと通りすぎていった
「モモ、ダメだよ!」
サクラがリディの横を通りすぎていくモモを呼び止めるが、どんどんサクラから離れリディと男性の
間で止まった。モモの動きを見守るリディ達。すると、モモがパラパラとページをめくりはじめ、サクラがケホンと小さく咳き込んだ
「すごい魔力の気配がする……」
その時、サクラとリディの所に向かおうとしていたノオトが魔力を感じ辺りを見渡す。メメも空へと飛び気配のする方を見渡す
「あっちの方向ね」
「あの方角は、サクラとリディがいるはず」
メメが指差す方を見てノオトが言うと、ミクがメメの方へとふわりと浮かんだ
「急ぎましょう、リディに何かあったのかもしれないわ」
「……すごい魔術。私も知らない術」
ノオト達が向かう少し前、先にサクラとリディがいる場所に着いたノイズがポツリと呟く。ふぅ。と一つ深呼吸をして見つめる先には、傷だらけでぐったりと動かないサクラとリディがいた
「ノイズ!」
後ろから名前を呼ばれ少し振り向くと、倒れている二人を見て驚き空から飛び駆け寄るノオト達がいた
「ノオト、来るの遅いよ」
地面につくなり二人の様子を見るノオトやミクに小声で言うと、慌ててミクが応急処置の術を唱えはじめた
「二人は大丈夫。私がさっき応急処置はしておいたから」
そう小声で言うと二人に背を向け歩き出したノイズ。ミクの術の手伝いをしようとしていたノオトが足音に気づいた
「ノイズ。ちょっと待って」
と、また林の方へと行こうとしていたノイズを呼び止めると、立ち止まり少し振り向き呟いた
「ちょっと風に当たってくる。オンプには後で報告書書くからって伝えてて
「眠いのか?」
「うん、たくさん眠ったんだけど何でかなぁ」
「そりゃあ、魔力使えばそうなる」
エヘヘと笑うサクラに、リディは少しうつ向き小声で呟き歩き出すと、瓦礫を踏み崩れ落ちた小さな石がサクラに当たる。気にすることなくリディの後を追うサクラをちらちらと振り返り見ていると、目が合いサクラがニコッと微笑む
「あの、お名前……リディさんでいいの?」
リディがいる方に登りながらサクラが話しかけると、ちょっと驚いた顔でリディがまた振り向いた
「あっ、ごめんなさい。さっき、ノオトさんがそう言ってたから」
「さんは要らない。リディでいい」
と、また小声で言うと今度はサクラに聞こえたのか嬉しそうに笑う。
「さっさと行くぞ。ここにまだ術者がいるかもしれない。術がうまく使えないやつが居ていい場所じゃないんだからな」
「う、うん……」
急いでリディの隣に来ると、ガラッと小石の音が聞こえてサクラが音のする方を向いたその時、リディの後ろに見知らぬ男性が二人に向かって近づいてきた
「リディ!後ろっ!」
サクラが叫ぶとリディが少し振り向く。その瞬間二人に向かって地面に落ちていた瓦礫が次々と飛んできた
「サクラ、逃げろ!」
「でも……」
「いいから早く!」
大きな瓦礫や見知らぬ人が近づいてきて、怖じ気づき動けないサクラを抱きしめ歩いてきた瓦礫を転がり落ちていくリディ。地面に叩き落ちるとすぐ、サクラを手放し更に近いてくる人を睨む。サクラもゆっくりと体を起こし、手に出来たかすり傷が痛み、ふと手を見ると横をモモがふわふわと通りすぎていった
「モモ、ダメだよ!」
サクラがリディの横を通りすぎていくモモを呼び止めるが、どんどんサクラから離れリディと男性の
間で止まった。モモの動きを見守るリディ達。すると、モモがパラパラとページをめくりはじめ、サクラがケホンと小さく咳き込んだ
「すごい魔力の気配がする……」
その時、サクラとリディの所に向かおうとしていたノオトが魔力を感じ辺りを見渡す。メメも空へと飛び気配のする方を見渡す
「あっちの方向ね」
「あの方角は、サクラとリディがいるはず」
メメが指差す方を見てノオトが言うと、ミクがメメの方へとふわりと浮かんだ
「急ぎましょう、リディに何かあったのかもしれないわ」
「……すごい魔術。私も知らない術」
ノオト達が向かう少し前、先にサクラとリディがいる場所に着いたノイズがポツリと呟く。ふぅ。と一つ深呼吸をして見つめる先には、傷だらけでぐったりと動かないサクラとリディがいた
「ノイズ!」
後ろから名前を呼ばれ少し振り向くと、倒れている二人を見て驚き空から飛び駆け寄るノオト達がいた
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地面につくなり二人の様子を見るノオトやミクに小声で言うと、慌ててミクが応急処置の術を唱えはじめた
「二人は大丈夫。私がさっき応急処置はしておいたから」
そう小声で言うと二人に背を向け歩き出したノイズ。ミクの術の手伝いをしようとしていたノオトが足音に気づいた
「ノイズ。ちょっと待って」
と、また林の方へと行こうとしていたノイズを呼び止めると、立ち止まり少し振り向き呟いた
「ちょっと風に当たってくる。オンプには後で報告書書くからって伝えてて
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