こねくとノイズ

シャオえる

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59. 目が覚めても見ない振りを

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「メメ、起きて」
 ノオトがリディの枕を奪い眠るメメの体を揺らし起こすと、不機嫌そうに目を開け大きなアクビをした
「この家に何か変化はあった?」
「いえ、特には。何かあれば、ミクやこの家の家政婦達が呼ぶとは思うけど」
 と、ベッドの側のテーブルで一人のんびりと紅茶を飲んでいたミクを見ると、ミクは特に言うことなくゆっくりと頷いた
「今から、ノイズとサクラと一緒にご飯食べるけど、メメも……」
「食べる!」
 寝ていたはずのリディが体を勢いよく起こしノオトの話を遮るように大声で叫んだ
「リディはミクと寝てなさい」
「嫌だ。私もお腹空いたから食べる!」
「リディ。寝る前に何人分食べたと思っているの?さすがにソナタさんに怒られるよ」
「多分、大丈夫。早く食べに行こう」
 呆れるノオトやミクに言われながらもベッドから降りて、一番先に部屋を出たリディ。ミクが慌てて追いかけると、メメがはぁ。とため息をついてノオトの肩に乗り座った




「サクラ、ベッドから降りれそう?」
 その頃、ノイズが少しぎこちない様子でサクラに話しかけていた。ノイズの話しにサクラがゆっくりと体を動かしベッドに座るように足を下ろすと、ノイズを見て微笑む。ノイズもつられるように微笑むとノックもなく部屋の扉が開いた

「あれ?起きたの?」
 ノオトが部屋に入りすぐサクラを見て驚いた顔で声をかけると、サクラがペコリと頭を下げた
「はい。皆さん、ご迷惑をおかけしました」
 そう言うとリディが不思議そうに顔を傾げ、ミクもノイズやノオトの顔を見る。二人は何も言わず、サクラの様子を見ていると、コンコンと部屋の扉がノックされ家政婦達が部屋の廊下でペコリと頭を下げた
「ご飯の用意が出来ましたよ」
「私、先に行く!」
 家政婦達の間をすり抜け、食堂の方へと走り出したリディ。あっという間に姿が見えなくなりノイズやサクラが呆然としていると、ノオトがはぁ。とため息をついた
「ミク、リディと一緒に行って全部食べないように見張ってて」
「分かったわ。後でお話聞かせてね」
 ノオトにフフッと微笑み答えるとミクも食堂へと向かうと、ノオトがサクラを見て、またふぅ。とため息をついた
「リリを呼ぼうか?」
「どうせ後で来るだろうから、今は止めとこう。それより、ノオトとメメの体調はどう?」
「特に変わりなく元気よ」
 と、ノオトの肩に乗っていたメメが答えると、ノイズがノオトに近づいた
「メメ、ノオト。ごめんね」
 そう言うと、モモとは違う本がノイズの右手に現れると、少し本を開きすぐにパタンと閉じた。すると、ノオトとメメが目を閉じぐらりと体が倒れノイズがぎゅっと抱きしめ、ソファーに寝かせるとふぅ。と一つ深呼吸をしてサクラにニコッと微笑んだ
「これでよしと。サクラ、ご飯の前に私と一緒に少しお散歩に行こうか」
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