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72. つかんだ手を離したら
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「心配したんだよ、勝手に抜け出して」
オンプ達から連絡を受けて、メメと一緒に施設に戻ってきたノオト。サクラのいる仮眠室から出てすぐにあるソファーにふて腐れた顔をしているノイズに少し呆れた顔をして話しかけると、プイッと顔を背けられた。それを見てリズムが困ったように笑い、オンプは微笑みながらノオトとノイズの顔を交互に見た
「お二人とも、途中まで送りますので一緒に帰りましょう」
「帰らない。私はここにいておく」
オンプの言葉に嫌そうな声で言い返すノイズ。それを聞いてノオトが、はぁ。とため息をつくと、ノオトの肩に乗っていたメメがオンプの肩に乗り変えた
「ここにいたら邪魔になるよ。それに、家にいたらソナタさん達も帰ってくるんだし」
返事を聞いて困った顔をしたオンプの前に立ちノオトがノイズにそう言うと、プイッと顔をまた背けて聞かないふりをした
「もー、今日はノイズに振り回されっぱなしなんだから、少しは……」
と、ノオトが話していると突然ノイズがソファーから立ち上がり、ノオトに右手を差し出した
「……なに急に?」
「何って、握手」
急にそう言われて戸惑いつつ差し出されたノイズの手を見る。そんな二人の様子をメメやオンプ達が見ていると、そっとノオトが差し出された右手をつかんだ。そのまま動かなくなった二人をメメが大きく尻尾を振りながら見ていると、ノオトが大きく息を吸い深呼吸をした
「私はどうしたらいい?」
ため息混じりにノオトが聞くと、ノイズが握手している手をぎゅっと強くつかんだ
「お母様には内緒にしてて」
「すぐにばれるよ、もう気づいているかもしれないけれど」
「一応、モモがちゃんとサクラの側にいれば大丈夫と思う。この施設の術にも守ってもらえるだろうからし、ここにいていたいの」
「……わかった」
握手をしていた手を離し、ノイズを置いて歩き出したノオト。慌ててオンプとリズムが後を追いかけていく
「あれ?ノオトさん、帰るんですか?」
ソファーに座り直すノイズを見つつノオトに声をかけるオンプ。メメもノオトの肩に乗り直すと表情を伺っている
「今、私の魔力が近くにあるのは良くないから。それより一度ノイズの家に戻って、着替えでも持ってこないと」
「それは構いませんが、また入れますか?」
と、オンプに言われ急ぎ足で歩いていた足を止め悩みはじめると、少し遅れていたリズムが追いついて、はぁ。と一つ深呼吸をすると同時にオンプがパンッと軽く両手を叩いた
「では、一度お互い家に戻ってここに来ましょう。それならノオトさんもまた入れますから」
オンプ達から連絡を受けて、メメと一緒に施設に戻ってきたノオト。サクラのいる仮眠室から出てすぐにあるソファーにふて腐れた顔をしているノイズに少し呆れた顔をして話しかけると、プイッと顔を背けられた。それを見てリズムが困ったように笑い、オンプは微笑みながらノオトとノイズの顔を交互に見た
「お二人とも、途中まで送りますので一緒に帰りましょう」
「帰らない。私はここにいておく」
オンプの言葉に嫌そうな声で言い返すノイズ。それを聞いてノオトが、はぁ。とため息をつくと、ノオトの肩に乗っていたメメがオンプの肩に乗り変えた
「ここにいたら邪魔になるよ。それに、家にいたらソナタさん達も帰ってくるんだし」
返事を聞いて困った顔をしたオンプの前に立ちノオトがノイズにそう言うと、プイッと顔をまた背けて聞かないふりをした
「もー、今日はノイズに振り回されっぱなしなんだから、少しは……」
と、ノオトが話していると突然ノイズがソファーから立ち上がり、ノオトに右手を差し出した
「……なに急に?」
「何って、握手」
急にそう言われて戸惑いつつ差し出されたノイズの手を見る。そんな二人の様子をメメやオンプ達が見ていると、そっとノオトが差し出された右手をつかんだ。そのまま動かなくなった二人をメメが大きく尻尾を振りながら見ていると、ノオトが大きく息を吸い深呼吸をした
「私はどうしたらいい?」
ため息混じりにノオトが聞くと、ノイズが握手している手をぎゅっと強くつかんだ
「お母様には内緒にしてて」
「すぐにばれるよ、もう気づいているかもしれないけれど」
「一応、モモがちゃんとサクラの側にいれば大丈夫と思う。この施設の術にも守ってもらえるだろうからし、ここにいていたいの」
「……わかった」
握手をしていた手を離し、ノイズを置いて歩き出したノオト。慌ててオンプとリズムが後を追いかけていく
「あれ?ノオトさん、帰るんですか?」
ソファーに座り直すノイズを見つつノオトに声をかけるオンプ。メメもノオトの肩に乗り直すと表情を伺っている
「今、私の魔力が近くにあるのは良くないから。それより一度ノイズの家に戻って、着替えでも持ってこないと」
「それは構いませんが、また入れますか?」
と、オンプに言われ急ぎ足で歩いていた足を止め悩みはじめると、少し遅れていたリズムが追いついて、はぁ。と一つ深呼吸をすると同時にオンプがパンッと軽く両手を叩いた
「では、一度お互い家に戻ってここに来ましょう。それならノオトさんもまた入れますから」
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