こねくとノイズ

シャオえる

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73. 騒がしさと静けさの中で

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 施設の中を歩き、とある一室の扉をノックとせず開けたオンプ。開けた先には、机に座り周辺にたくさんの本を浮かべもの書きをしているソナタがいた
「ソナタさん、今いいですか?」
 リズムが少し遅れて部屋に入ると、オンプがニコッと微笑みながらソナタを呼ぶと、ソナタも二人に向かって微笑んだ
「あら、二人ともまだいたのね」
「はい、帰ろうとしたら色々あって」
 部屋中に浮かぶ本を避けながらソナタのいる所まで歩くオンプの後ろで、リズムがふぅ。と一つ大きく深呼吸をしてゆっくりと歩き出した
「そうなの?なにがあったの?」
「先ほどノオトさんが来たので、本を預かっていてほしいんです」
 そう言いながら、持ってきた本をオンプが差し出すと、本がふわりと浮かび独りでにページがめくられた
「構わないけど、何か不自由でも?」
「もし色々調べられたら面倒なので、一応お渡ししておこうと思いまして」
 と、オンプの話を聞きながら本を読み続けるソナタがオンプを見つめながら本を指差した
「この本はサクラちゃんの本よね、ノイズの魔力も感じるけど」
「確かに感じますが、元々はノイズさんの魔力を頼りにしていたのでその影響かもしれません」
「……そうね」
 ソナタが呟くように返事をすると、本が机の上に降り、三人の視線が本に移り、ふと部屋が静かになった

「では、私達はノオトさんと会う約束をしているのでこれで失礼します」
「あらそうなの。気をつけてね」
 ぺこりと頭を下げ部屋の扉を閉じる二人にソナタが手を振り見送る。パタンと扉の閉まる音が聞こえると、ふぅ。と一つため息をついた
「リリ、お願いね」
 そう言うと、部屋にいなかったはずのリリがソナタの頭の上に現れ、本がリリの前まで浮かんだ
「どの書庫にいれておくの?」
「禁書の部屋に」
「あら、意外と厳重ね」
 ソナタの返事にフフッと笑いながら数ページ開いて読んでいると、カタンと椅子の音をたててソナタが立ち上がった
「魔力を書いているんだから当たり前でしょ。それより、一人で行けそう?」
「ええ、どうにかね」
 また微笑みながら答えリリが本と一緒に部屋から消えると、ソナタの周りにあった本も消えはじめ、部屋にはソナタ一人になった。静かになった部屋の中を歩き、部屋の隅にあった珈琲を淹れて飲み、ふぅ。と一つ深呼吸をして、キィと椅子の音を鳴らしながら座り直した
「あとはサクラちゃんを、起こして無事に帰せれば騒動は一通り落ち着きそうね」
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