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50. 雨上がりには
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ケーキを食べ終えてもなおまだシャーロットの部屋で本を読むシャロ。部屋にある時計の音に気づいて、ふと時間を確認すると、少し背伸びをしてテーブルに置いてあるティーポットに手を伸ばした
「もう無くなったか」
紅茶を出そうと空になったティーポットを何度か揺り、出てこないのを確認すると、テーブルにコトンと置いた。その音でテーブルで再び寝ていたリリーが目を覚まし、何度か顔を横に振り、背伸びをするように羽根を広げ足も少し伸ばし、シャロの肩に飛び乗って、シャロが読む魔術書を覗き込む
「シャロ、もうそろそろ帰らないと」
「帰った方がいい?」
「うん、もうすぐ……」
リリーが話の続きを言おうとした瞬間、バンッと勢いよく部屋の扉が開き、クロームやノース達の話を終えたシャーロットが目件に皺を寄せ部屋に入ってきた
「ビックリした!」
扉が開いた音に驚いたリリーが羽根を広げ、止まっていたシャロの肩の反対側に飛び移る。シャーロットがドスドスと足音をたてて部屋に入ると、のんびりと魔術書を読むシャロの隣に来た
「なんなのよ!あの魔術は!」
「魔術?なんのこと?」
「なんのことって、あなたね……」
シャーロットの話を聞きながらシャロが読んでいた魔術書をパタンと閉じる。リリーが魔術書の表紙に飛び乗り、シャロとシャーロットを交互に見た後、開けた窓から見える夜空を見上げた
「シャロ、もう帰らないと」
「そうだね、いったん帰ろうか」
シャロもリリーと同じく夜空を見上げ返事をすると椅子から立ち上がり、部屋の窓から出ようと窓辺に足をかけた
「ちょっと待って、話が……!」
出ていこうとするシャロの右腕をガシッとつかんで引っ張る。帰るのを止められて振り向いたシャロと、話しかけようと顔を見上げたシャーロットが目が合う。その瞬間、急に眩暈が起きたシャーロットがシャロの右腕をつかんだまま倒れるように座り込んだ
「どうしたの?眠っちゃった?」
「いや、息はしているから気を失ったみたいだね」
「なんで急に?」
「……さあ」
シャーロットにつかまれたままの手を離す。しばらく床に倒れ起きる気配のないシャーロットを見て起きるか待ってみるも、すぐには起きる気配のない様子にシャロが面倒そうに、はぁ。と一つため息をついた
「リリー。悪いけれど、ベッドに寝かせてあげて」
「了解」
シャロのお願いにリリーが返事をすると、シャーロットのお腹の上に降りて羽根を広げる。羽根を動かしベッドの方に飛んでいくと、後を追いかけるように眠ったままのシャーロットが床から浮かんで、ベッドに向かっていく。先に枕の上に止まったリリーが、ゆっくりゆっくりとベッドに来たシャーロットを見守りまだ眠るシャーロットの顔を覗き込む
「ついでにリリーもここで少し休んでて」
「シャロは?お家帰るの?」
「帰らないよ。すぐに戻ってくるよ」
フフッと笑ってシャロがそう言うと、リリーは不満そうに顔を横に少し傾けた
「信じてないの?」
「信じないよ。シャロは時々大きな嘘をつくから」
リリーがそう言うと、ベッドで寝ているシャーロットが寝返りをうち、側にいたリリーが巻き込まれないように慌ててシャーロットの足元に移動すると、また寝返りを打たれて少し蹴られそうになったリリーがまた移動するのを見てシャロがクスクスと笑って部屋を出るため窓辺に足をかけた。窓の外からそよ風が吹いて、読んでいた魔術書の燃えた灰が、ヒラヒラとテーブルの上で舞い落ちた
「雨が上がったならほんの少し遠出するべきだからね。少しだけ待っててよ」
「もう無くなったか」
紅茶を出そうと空になったティーポットを何度か揺り、出てこないのを確認すると、テーブルにコトンと置いた。その音でテーブルで再び寝ていたリリーが目を覚まし、何度か顔を横に振り、背伸びをするように羽根を広げ足も少し伸ばし、シャロの肩に飛び乗って、シャロが読む魔術書を覗き込む
「シャロ、もうそろそろ帰らないと」
「帰った方がいい?」
「うん、もうすぐ……」
リリーが話の続きを言おうとした瞬間、バンッと勢いよく部屋の扉が開き、クロームやノース達の話を終えたシャーロットが目件に皺を寄せ部屋に入ってきた
「ビックリした!」
扉が開いた音に驚いたリリーが羽根を広げ、止まっていたシャロの肩の反対側に飛び移る。シャーロットがドスドスと足音をたてて部屋に入ると、のんびりと魔術書を読むシャロの隣に来た
「なんなのよ!あの魔術は!」
「魔術?なんのこと?」
「なんのことって、あなたね……」
シャーロットの話を聞きながらシャロが読んでいた魔術書をパタンと閉じる。リリーが魔術書の表紙に飛び乗り、シャロとシャーロットを交互に見た後、開けた窓から見える夜空を見上げた
「シャロ、もう帰らないと」
「そうだね、いったん帰ろうか」
シャロもリリーと同じく夜空を見上げ返事をすると椅子から立ち上がり、部屋の窓から出ようと窓辺に足をかけた
「ちょっと待って、話が……!」
出ていこうとするシャロの右腕をガシッとつかんで引っ張る。帰るのを止められて振り向いたシャロと、話しかけようと顔を見上げたシャーロットが目が合う。その瞬間、急に眩暈が起きたシャーロットがシャロの右腕をつかんだまま倒れるように座り込んだ
「どうしたの?眠っちゃった?」
「いや、息はしているから気を失ったみたいだね」
「なんで急に?」
「……さあ」
シャーロットにつかまれたままの手を離す。しばらく床に倒れ起きる気配のないシャーロットを見て起きるか待ってみるも、すぐには起きる気配のない様子にシャロが面倒そうに、はぁ。と一つため息をついた
「リリー。悪いけれど、ベッドに寝かせてあげて」
「了解」
シャロのお願いにリリーが返事をすると、シャーロットのお腹の上に降りて羽根を広げる。羽根を動かしベッドの方に飛んでいくと、後を追いかけるように眠ったままのシャーロットが床から浮かんで、ベッドに向かっていく。先に枕の上に止まったリリーが、ゆっくりゆっくりとベッドに来たシャーロットを見守りまだ眠るシャーロットの顔を覗き込む
「ついでにリリーもここで少し休んでて」
「シャロは?お家帰るの?」
「帰らないよ。すぐに戻ってくるよ」
フフッと笑ってシャロがそう言うと、リリーは不満そうに顔を横に少し傾けた
「信じてないの?」
「信じないよ。シャロは時々大きな嘘をつくから」
リリーがそう言うと、ベッドで寝ているシャーロットが寝返りをうち、側にいたリリーが巻き込まれないように慌ててシャーロットの足元に移動すると、また寝返りを打たれて少し蹴られそうになったリリーがまた移動するのを見てシャロがクスクスと笑って部屋を出るため窓辺に足をかけた。窓の外からそよ風が吹いて、読んでいた魔術書の燃えた灰が、ヒラヒラとテーブルの上で舞い落ちた
「雨が上がったならほんの少し遠出するべきだからね。少しだけ待っててよ」
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