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19. 大切な本だから
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「サクラさん、私が持っていたあの本はどこにいったの?」
ナツメの隣に恐る恐る座ったミツバが、向かいに座ってまだ少しうつ向いているサクラに声をかけた
「私の部屋にあるよ……」
と言うと、部屋に取りに行くでもなく、両手をパンっと鳴らすと、サクラの目の前にふわりと現れた、ミツバの本。ゆっくりとサクラの手元に降りていく
「まだ何も書いてないし、書かれてもないけれど……」
突然現れた本に驚くミツバを横目に、パラパラとページをめくり始めたサクラ。本をパタンと閉じると、テーブルに置いた
「この本はなんなの?私はどうして持っていたの?」
「約束したからだよ」
テーブルに置かれた自分の本を見つめ、サクラに問いかけると、代わりに隣にいるナツメが答えた
「約束って、誰と……」
「アルノさんって覚えてる?」
「アルノさん……知らない……」
「サクラのお母さんだよ。私達に本を託した人だよ」
「えっ?海外で過ごしてるんじゃ……」
驚くミツバ。ナツメもミツバの言葉を聞いてサクラを呆れながら目を向けた
「そんな風にしてたの?」
「色々聞かれると面倒だから……」
ナツメの言葉にサクラが苦笑いで答えると、テーブルに置いたミツバの本を取って、ぎゅっと抱きしめた
「この本は、とても大切な本……だからこそ、忘れてしまったのなら、尚更もうミツバちゃんには関わってほしくないの」
「忘れてない!だって、夢で……」
サクラの話を否定するようにミツバが叫ぶ。すると、その叫び声を聞いたナツメが、ミツバの肩をガシッと強くつかんだ
「夢で何を見たの?」
急に両肩をつかまれて痛がるミツバ。その表情を気にせずナツメは更に強くミツバの肩をつかむ
「教えて!何を見たの?」
叫び問いかけるナツメの表情と、強い力にどうしたらいいか分からず戸惑うミツバ。二人の様子を見ていたサクラがあたふたとうろたえていると、同じく様子を見ていたツバキがまだ食べていたお菓子を頬張りながら、ナツメに声をかけた
「ナツメ。ミツバが怖がってるよ」
「あっ……ゴメン」
ツバキの声を聞いて、そっと肩から手を離しうつ向いてしまったナツメ。そんなナツメの姿を呆然と見ているミツバに、慌ててお茶の入ったコップを渡したサクラ。急に渡されて更に戸惑い声をかけようとすると、バタバタとキッチンへと向かっていったサクラ。ミツバだけでなくナツメ達の視線を感じて振り返り、あたふたと落ち着かない様子で、少し苦笑いをしながら、ミツバ達の顔を見て声をかけた
「みんな、お茶飲もう。お菓子ももっと持ってくるから少し落ち着こう……ねっ」
ナツメの隣に恐る恐る座ったミツバが、向かいに座ってまだ少しうつ向いているサクラに声をかけた
「私の部屋にあるよ……」
と言うと、部屋に取りに行くでもなく、両手をパンっと鳴らすと、サクラの目の前にふわりと現れた、ミツバの本。ゆっくりとサクラの手元に降りていく
「まだ何も書いてないし、書かれてもないけれど……」
突然現れた本に驚くミツバを横目に、パラパラとページをめくり始めたサクラ。本をパタンと閉じると、テーブルに置いた
「この本はなんなの?私はどうして持っていたの?」
「約束したからだよ」
テーブルに置かれた自分の本を見つめ、サクラに問いかけると、代わりに隣にいるナツメが答えた
「約束って、誰と……」
「アルノさんって覚えてる?」
「アルノさん……知らない……」
「サクラのお母さんだよ。私達に本を託した人だよ」
「えっ?海外で過ごしてるんじゃ……」
驚くミツバ。ナツメもミツバの言葉を聞いてサクラを呆れながら目を向けた
「そんな風にしてたの?」
「色々聞かれると面倒だから……」
ナツメの言葉にサクラが苦笑いで答えると、テーブルに置いたミツバの本を取って、ぎゅっと抱きしめた
「この本は、とても大切な本……だからこそ、忘れてしまったのなら、尚更もうミツバちゃんには関わってほしくないの」
「忘れてない!だって、夢で……」
サクラの話を否定するようにミツバが叫ぶ。すると、その叫び声を聞いたナツメが、ミツバの肩をガシッと強くつかんだ
「夢で何を見たの?」
急に両肩をつかまれて痛がるミツバ。その表情を気にせずナツメは更に強くミツバの肩をつかむ
「教えて!何を見たの?」
叫び問いかけるナツメの表情と、強い力にどうしたらいいか分からず戸惑うミツバ。二人の様子を見ていたサクラがあたふたとうろたえていると、同じく様子を見ていたツバキがまだ食べていたお菓子を頬張りながら、ナツメに声をかけた
「ナツメ。ミツバが怖がってるよ」
「あっ……ゴメン」
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「みんな、お茶飲もう。お菓子ももっと持ってくるから少し落ち着こう……ねっ」
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