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49. 強い思いを感じて
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「……美味しい」
キッチンで家政婦達が作ったおかずを頬張るミツバ。たくさん作られたご飯を、リビングに全員揃って食べ進めていく
「お口に合って良かったです」
ミツバの言葉を聞いて、微笑みペコリと御辞儀をする家政婦達。サクラ達も美味しそうにお昼ご飯を食べて、あっという間に、たくさんのご飯を食べ終えてしまった
「アルノさん、今日はどうしてここに?」
食後のデザートを食べながら、ユリがアルノに聞いてきた。コーヒーを飲んでいたアルノがカチャンとコップの音を鳴らしてテーブルに置いた
「んー。サクラの家とみんなの顔が見たくなってね」
と言うと同じく食後のデザートを食べていたミツバを見てクスッと微笑んだ
「ミツバちゃんのこと気になるし……」
と言いながら見つめられてデザートを食べていた手が止まり、顔を見られないように少しうつ向いたミツバ。そんなミツバの様子を見てアルノがまたクスッと微笑んだ
「ミツバちゃんの本、少し借りてもいい?」
「あっはい……。でも……」
アルノのお願いに、困ったように返事をすると向かいに座るサクラを見た
「まだあまり、本をうまく出せなくて……」
と、ポツリ呟いたミツバの話にサクラがミツバから目を背けた
「本のことを強くイメージするの」
「強くイメージですか……」
と、アルノからアドバイスをもらって、目をつぶり本を思い出してみる。アルノやサクラ達の視線を感じ焦りつつも一生懸命強くイメージしても、本は現れないまま時間が過ぎていく
「本を待ってる間、ナツメ達の本を見ましょうか」
と、アルノがナツメとユリとツバキに声をかけると、途端に焦りはじめた三人。本を躊躇している様子に、アルノが少し困った表情で三人に話しかけた
「また破れている?」
「いえ、大丈夫なはずです」
と、恐る恐る本を出そうと、ユリがふぅ。と大きく深呼吸した瞬間、ドンッと大きな音がリビングに響いた
「……ビックリした」
音に一番驚いているミツバの前に、本が一冊現れていた。アルノの言われた通りにして、テーブルに現れた見慣れた本を呆然と見ているミツバを見てアルノがクスッと微笑む
「あらあら。少し借りるわね」
と、家政婦がミツバの本を取りアルノに渡すと、その様子を見ていたサクラが不機嫌そうにデザートを食べはじめた
「アルノさん。ミツバの本、何が書かれているんですか?」
楽しそうにミツバの本を読むアルノに、恐る恐るユリが聞くと、パタンと本を閉じミツバを見てクスッと微笑んだ
「んー。それを教える前に、ミツバちゃん」
「はっ、はい!」
「サクラ達と一緒にいて、もう大分経つけど、少しは何か思い出せたかしら?」
「……はい。確かサクラさんと、何かをしていたはずなんです。とても、大切な……」
「そう。まだ全部は思い出せてないのね……」
「アルノさん。その本……」
二人の会話に入ってきたユリの言葉を遮るように、アルノが家政婦を呼んだ。本を持ったままのアルノに不安になってくミツバと、更に不機嫌になってくサクラ。二人の様子に気づいたアルノが楽しそうに笑った
「みんな焦らないで。もう少し紅茶でも飲みながら、ゆっくり話しましょ」
キッチンで家政婦達が作ったおかずを頬張るミツバ。たくさん作られたご飯を、リビングに全員揃って食べ進めていく
「お口に合って良かったです」
ミツバの言葉を聞いて、微笑みペコリと御辞儀をする家政婦達。サクラ達も美味しそうにお昼ご飯を食べて、あっという間に、たくさんのご飯を食べ終えてしまった
「アルノさん、今日はどうしてここに?」
食後のデザートを食べながら、ユリがアルノに聞いてきた。コーヒーを飲んでいたアルノがカチャンとコップの音を鳴らしてテーブルに置いた
「んー。サクラの家とみんなの顔が見たくなってね」
と言うと同じく食後のデザートを食べていたミツバを見てクスッと微笑んだ
「ミツバちゃんのこと気になるし……」
と言いながら見つめられてデザートを食べていた手が止まり、顔を見られないように少しうつ向いたミツバ。そんなミツバの様子を見てアルノがまたクスッと微笑んだ
「ミツバちゃんの本、少し借りてもいい?」
「あっはい……。でも……」
アルノのお願いに、困ったように返事をすると向かいに座るサクラを見た
「まだあまり、本をうまく出せなくて……」
と、ポツリ呟いたミツバの話にサクラがミツバから目を背けた
「本のことを強くイメージするの」
「強くイメージですか……」
と、アルノからアドバイスをもらって、目をつぶり本を思い出してみる。アルノやサクラ達の視線を感じ焦りつつも一生懸命強くイメージしても、本は現れないまま時間が過ぎていく
「本を待ってる間、ナツメ達の本を見ましょうか」
と、アルノがナツメとユリとツバキに声をかけると、途端に焦りはじめた三人。本を躊躇している様子に、アルノが少し困った表情で三人に話しかけた
「また破れている?」
「いえ、大丈夫なはずです」
と、恐る恐る本を出そうと、ユリがふぅ。と大きく深呼吸した瞬間、ドンッと大きな音がリビングに響いた
「……ビックリした」
音に一番驚いているミツバの前に、本が一冊現れていた。アルノの言われた通りにして、テーブルに現れた見慣れた本を呆然と見ているミツバを見てアルノがクスッと微笑む
「あらあら。少し借りるわね」
と、家政婦がミツバの本を取りアルノに渡すと、その様子を見ていたサクラが不機嫌そうにデザートを食べはじめた
「アルノさん。ミツバの本、何が書かれているんですか?」
楽しそうにミツバの本を読むアルノに、恐る恐るユリが聞くと、パタンと本を閉じミツバを見てクスッと微笑んだ
「んー。それを教える前に、ミツバちゃん」
「はっ、はい!」
「サクラ達と一緒にいて、もう大分経つけど、少しは何か思い出せたかしら?」
「……はい。確かサクラさんと、何かをしていたはずなんです。とても、大切な……」
「そう。まだ全部は思い出せてないのね……」
「アルノさん。その本……」
二人の会話に入ってきたユリの言葉を遮るように、アルノが家政婦を呼んだ。本を持ったままのアルノに不安になってくミツバと、更に不機嫌になってくサクラ。二人の様子に気づいたアルノが楽しそうに笑った
「みんな焦らないで。もう少し紅茶でも飲みながら、ゆっくり話しましょ」
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