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64. また動き出す願いと想い
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アルノの部屋に集まったサクラ達。ほんの少し前まで、本棚にたくさん本があったはずの部屋は、一冊の本も無くどこか寂しく広い部屋になっている。そんなアルノの部屋の中に入ってからずっと、ユリとツバキが不安そうにぎゅっと手を繋いでいる
「二人の願い通り、本は全て無くなった……って言いたいところだけど……」
と、ポツリ呟きニッコリと微笑むと、アルノの目の前にふわりと現れたのは一冊の本。見覚えあるその本に、サクラとミツバが驚いた表情で見つめあった
「私の本……どうして?」
とミツバが驚き呟いていると、アルノの手の上にミツバの本がふわりと舞い降りてきた
「サクラ、どうする?ミツバちゃんの本、要る?」
「……要らない」
話しかけられてプイッとアルノから顔を背けるサクラ。そんな態度にアルノがクスッと笑った
「ミツバちゃんはどうする?」
「えっと……」
突然、問いかけられて戸惑うミツバ。どう答えたらいいか分からずサクラを見ても不機嫌そうな顔に更に戸惑っていく
「でも、どうしてミツバの本だけ残ったんですか?」
「そうです!私達の本も無くなったのに、どうして?」
ミツバの本を見て叫んだナツメとユリ。その声を聞いてアルノがちょっと困ったように二人を見ている
「私達の本はどこに……」
ユリの背中に隠れているツバキがアルノに問いかけるが、その問いかけ答えず、アルノはサクラとミツバの方を向いたまま
「……サクラ。私達の本は、幸せを願うために本を書くのよね」
「はい。それは、昔も今も変わらない本を書くために大切なことだと……」
「そうよ。だからこそ、本を書く人が悲しい想いをしてはいけないの」
と言うと、今度はサクラとミツバではなくナツメ達の方を見たアルノ。急に視線を感じて、ツバキがユリの手を強くつかんだ
「みんなが、本を書く事に苦労させているのは私のせいね。謝るわ」
「そんなことないです!私は……」
突然謝られて、あたふたと答えるナツメの側でユリとツバキが何度も頷いている
「でもね、サクラ。私たちは違う。本をずっと守っていかなきゃいけないの」
「……はい」
怒られたと感じて、サクラがしょんぼりとうつ向いた。二人のやり取りを見ていたミツバとナツメ達がサクラを見て戸惑っていると、アルノがミツバに声をかけた
「それでね、ミツバちゃん」
と、困惑した雰囲気を変えるようなアルノの言葉に、ミツバが一瞬ビクッとうろたえた
「もう少し、私のお手伝いしてくれるかしら?」
「えっと……私ですか?」
「そうよ。サクラのためにまだ願うならね。お願いできる?」
サクラと話をしていた時とは違い明るい声でお願いをするアルノに、ミツバは更に戸惑っていく。少しうつ向きどうしようか考え込むミツバ。アルノやサクラ達が見守る中、ふぅ。と一度深呼吸をすると、ゆっくりと頷いた
「サクラのためなら……」
そう答えたミツバに、サクラが心配そうにミツバの手をぎゅっとつかんだ。震えるサクラの手に気づいて、不安を拭おうと微笑みぎゅっと抱きしめたミツバ。二人の様子を見ていたアルノがクスッと笑うとミツバの本が、ふわりと浮かんだ
「ありがとう。それじゃもう少しだけ、本の力を見てみましょう」
「二人の願い通り、本は全て無くなった……って言いたいところだけど……」
と、ポツリ呟きニッコリと微笑むと、アルノの目の前にふわりと現れたのは一冊の本。見覚えあるその本に、サクラとミツバが驚いた表情で見つめあった
「私の本……どうして?」
とミツバが驚き呟いていると、アルノの手の上にミツバの本がふわりと舞い降りてきた
「サクラ、どうする?ミツバちゃんの本、要る?」
「……要らない」
話しかけられてプイッとアルノから顔を背けるサクラ。そんな態度にアルノがクスッと笑った
「ミツバちゃんはどうする?」
「えっと……」
突然、問いかけられて戸惑うミツバ。どう答えたらいいか分からずサクラを見ても不機嫌そうな顔に更に戸惑っていく
「でも、どうしてミツバの本だけ残ったんですか?」
「そうです!私達の本も無くなったのに、どうして?」
ミツバの本を見て叫んだナツメとユリ。その声を聞いてアルノがちょっと困ったように二人を見ている
「私達の本はどこに……」
ユリの背中に隠れているツバキがアルノに問いかけるが、その問いかけ答えず、アルノはサクラとミツバの方を向いたまま
「……サクラ。私達の本は、幸せを願うために本を書くのよね」
「はい。それは、昔も今も変わらない本を書くために大切なことだと……」
「そうよ。だからこそ、本を書く人が悲しい想いをしてはいけないの」
と言うと、今度はサクラとミツバではなくナツメ達の方を見たアルノ。急に視線を感じて、ツバキがユリの手を強くつかんだ
「みんなが、本を書く事に苦労させているのは私のせいね。謝るわ」
「そんなことないです!私は……」
突然謝られて、あたふたと答えるナツメの側でユリとツバキが何度も頷いている
「でもね、サクラ。私たちは違う。本をずっと守っていかなきゃいけないの」
「……はい」
怒られたと感じて、サクラがしょんぼりとうつ向いた。二人のやり取りを見ていたミツバとナツメ達がサクラを見て戸惑っていると、アルノがミツバに声をかけた
「それでね、ミツバちゃん」
と、困惑した雰囲気を変えるようなアルノの言葉に、ミツバが一瞬ビクッとうろたえた
「もう少し、私のお手伝いしてくれるかしら?」
「えっと……私ですか?」
「そうよ。サクラのためにまだ願うならね。お願いできる?」
サクラと話をしていた時とは違い明るい声でお願いをするアルノに、ミツバは更に戸惑っていく。少しうつ向きどうしようか考え込むミツバ。アルノやサクラ達が見守る中、ふぅ。と一度深呼吸をすると、ゆっくりと頷いた
「サクラのためなら……」
そう答えたミツバに、サクラが心配そうにミツバの手をぎゅっとつかんだ。震えるサクラの手に気づいて、不安を拭おうと微笑みぎゅっと抱きしめたミツバ。二人の様子を見ていたアルノがクスッと笑うとミツバの本が、ふわりと浮かんだ
「ありがとう。それじゃもう少しだけ、本の力を見てみましょう」
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