シンフォニー・レイ

シャオえる

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34. 笑顔で会うために

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「カエデちゃん……」
 隊員達に助けられ、どうにか帰ってきたミオリとカエデ。だが、医務室に運ばれたカエデは、ずっと眠ったまま起きずにいた
「大丈夫よ。傷も大分治っているし、寝ているだけだから」
 カエデが眠るベットの側から離れず、ベットの隣にある椅子にずっと座ったままのツミキに、ルモカも隣に座る
「それより……」
 ちらりとツミキを見る。視線に気づいてそっと顔を上げると、ルモカがツミキの頭を撫でて微笑む
「やっぱり帰る。とか言わないでね。むしろ、帰ることの方が、心配するから。ねっ」
「……はい」
 か細い声で返事をして、またカエデを見つめるツミキに、はぁ。とため息つく
「ツミキちゃん。もう部屋に戻りなさい」

「起きてもすぐには動けないし、落ち込んだ顔を見せたら、カエデちゃん心配するでしょ?起きたら呼ぶから、戻りなさい」
「……はい」
 しばらくカエデを見た後、ゆっくりと立ち上がり、一人医務室から出ていった
「ミオリちゃん、大丈夫?」
 医務室の扉が閉まり、ルモカが壁を背にうつ向いているミオリに話しかける。こちらも、帰ってきてから落ち込んだままでいた
「あなたも休みなさい。一緒に部屋に戻るから」
「……はい」

 ルモカと共に自分の部屋に戻るミオリ。会話も弾まず、静かな廊下で、足音がよく響く
「お父様がツミキを必要としているそうですが……」
 もうすぐ部屋に着く頃、先に話しかけたのはミオリ。話の内容にルモカが、ふぅ。とため息をつく
「そうね。お父様とは誰かしらね」
「検討は……」
「……全く。ゼフド達が、これから調べると思うから、あなたはちゃんと休むように」
 そうこう話しているうちにミオリの部屋に着いた。だが、部屋に入る様子もなく、扉の前で佇んでしまった。何も言わず見守るルモカ。しばらく二人部屋の前で立ったまま時間が流れていった
「……あの、ルモカさん」

 一人ベットで眠れずにいたツミキ。突然コンコンと音がする。ゆっくり起きて部屋の扉を開ける
「……はい」
 小さく声をかけながら扉を開けると、ルモカとその後ろにミオリがいた
「ミオリちゃんが、一緒に眠りたいっていい?」
 ツミキの顔を見るなりそう話した後、ミオリを部屋の中に押し込み、有無を言わさず扉を閉めてしまった。二人の勢いに呆気に取られてるツミキに、扉の向こうからルモカが声をかける
「カエデちゃんが起きたら呼ぶから。それまで二人とも、ちゃんと休むようにね」
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