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51. 信じて守る強さ
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「ツミキ……」
まだまだ眠り続けているツミキ。隣で起きるのを待っているカエデが、ずっと付き添っている
「ルモカさん、いつになったら目覚めるんですか?」
ツミキの検温をしていたルモカに、話しかけるとはぁ。とわざと大きめにため息つく
「それがわかれば苦労なんてしないのよ」
検温結果を紙に書き終えると、落ち込んでいるカエデの頭をそっと撫でる
「そんな顔しないで。カナデが心配するでしょ?」
「……はい」
それでも落ち込むカエデに、またため息ついて、ちょっと離れて壁にもたれていたミオリにも声をかける
「ミオリちゃんもね、二人とも暗いのよ。それにずっと、部屋と医務室行ったり来たりでしょ?たまには外に出ないと」
「……でも」
医務室から出る気配のない二人。ガシッとカエデの腕をつかんで、無理矢理部屋から出そうと引っ張っていく
「ほらほら、もう出ていく。気持ちが明るくなったらまた来なさい。ツミキちゃんが起きたら呼ぶから」
ミオリの手も引っ張って、嫌がる二人をどうにか出そうとしているルモカを医務室にいる人達が茫然と見ている
「メルナ!見てないで、二人と一緒に行って!」
「は、はい」
名前を呼ばれて、慌てて駆け寄るメルナ。ルモカと一緒に二人を押し、三人部屋から出るとすぐバタンと医務室の扉を閉められてしまった
「お、追い出された……」
落ち込みながら廊下を歩くカエデ。ミオリもちょっと落ち込んでいる。とりあえず一度、カエデの部屋へと帰ろうと三人とも、ゆっくり歩いていた
「ごめんなさい。ルモカさん、ずっとツミキちゃんに付きっきりで、あまり休んでないから、気が立ってて……」
二人の後ろを歩くメルナ。すると突然、カエデが立ち止まる。後ろにいたメルナが避けきれずに、お互いの肩同士ぶつかってしまった
「あっ……ごめんなさい!」
ぶつかってすぐ謝るメルナ。ぶつかったカエデの肩を見ようとしたら、顔をうつ向かせ体を震わせていた。予想以上に痛かったのかとあたふたするメルナと、戸惑うミオリ。そんな二人をよそに、廊下の真ん中でカエデが突然叫びはじめた
「どうしてうたの力なんてあるの?なければ、ツミキだって、あの子達だって笑って楽しく……友達にだってなれたかもしれないのに!ツミキをこんな目にあわせずにすんだの……!」
「カエデ……」
「カエデさん……」
目に涙をためて叫だしたカエデ。急に泣きだして戸惑う二人。耐えきれず、その場で泣き崩れてしまったカエデの背中をさするミオリとハンカチを出して渡すメルナ。カエデが泣き止まで、二人とも見守っていた
「ゼフドさん……」
廊下の曲がり角でちょうど出くわしていたゼフドとノア。三人の話し声が聞こえて、立ち聞きをしていた
「……うたの力は必要だ。今、あの子達四人しか使えない」
まだ廊下では泣いているカエデの声と、慰めるメルナとミオリの声が響いている
「仮に無くすとしても調べないといけない。だから、頑張ってもらうしかない……。だから、我々に出来るサポートをしなければな……」
三人に気づかれないよう、また来た道を戻るように、廊下を歩きはじめるゼフド。歩かずにいるノアの方に少し振り向いて、声をかける
「行くぞ。あの子達の事も心配だ。早く居場所を探さねば……」
まだまだ眠り続けているツミキ。隣で起きるのを待っているカエデが、ずっと付き添っている
「ルモカさん、いつになったら目覚めるんですか?」
ツミキの検温をしていたルモカに、話しかけるとはぁ。とわざと大きめにため息つく
「それがわかれば苦労なんてしないのよ」
検温結果を紙に書き終えると、落ち込んでいるカエデの頭をそっと撫でる
「そんな顔しないで。カナデが心配するでしょ?」
「……はい」
それでも落ち込むカエデに、またため息ついて、ちょっと離れて壁にもたれていたミオリにも声をかける
「ミオリちゃんもね、二人とも暗いのよ。それにずっと、部屋と医務室行ったり来たりでしょ?たまには外に出ないと」
「……でも」
医務室から出る気配のない二人。ガシッとカエデの腕をつかんで、無理矢理部屋から出そうと引っ張っていく
「ほらほら、もう出ていく。気持ちが明るくなったらまた来なさい。ツミキちゃんが起きたら呼ぶから」
ミオリの手も引っ張って、嫌がる二人をどうにか出そうとしているルモカを医務室にいる人達が茫然と見ている
「メルナ!見てないで、二人と一緒に行って!」
「は、はい」
名前を呼ばれて、慌てて駆け寄るメルナ。ルモカと一緒に二人を押し、三人部屋から出るとすぐバタンと医務室の扉を閉められてしまった
「お、追い出された……」
落ち込みながら廊下を歩くカエデ。ミオリもちょっと落ち込んでいる。とりあえず一度、カエデの部屋へと帰ろうと三人とも、ゆっくり歩いていた
「ごめんなさい。ルモカさん、ずっとツミキちゃんに付きっきりで、あまり休んでないから、気が立ってて……」
二人の後ろを歩くメルナ。すると突然、カエデが立ち止まる。後ろにいたメルナが避けきれずに、お互いの肩同士ぶつかってしまった
「あっ……ごめんなさい!」
ぶつかってすぐ謝るメルナ。ぶつかったカエデの肩を見ようとしたら、顔をうつ向かせ体を震わせていた。予想以上に痛かったのかとあたふたするメルナと、戸惑うミオリ。そんな二人をよそに、廊下の真ん中でカエデが突然叫びはじめた
「どうしてうたの力なんてあるの?なければ、ツミキだって、あの子達だって笑って楽しく……友達にだってなれたかもしれないのに!ツミキをこんな目にあわせずにすんだの……!」
「カエデ……」
「カエデさん……」
目に涙をためて叫だしたカエデ。急に泣きだして戸惑う二人。耐えきれず、その場で泣き崩れてしまったカエデの背中をさするミオリとハンカチを出して渡すメルナ。カエデが泣き止まで、二人とも見守っていた
「ゼフドさん……」
廊下の曲がり角でちょうど出くわしていたゼフドとノア。三人の話し声が聞こえて、立ち聞きをしていた
「……うたの力は必要だ。今、あの子達四人しか使えない」
まだ廊下では泣いているカエデの声と、慰めるメルナとミオリの声が響いている
「仮に無くすとしても調べないといけない。だから、頑張ってもらうしかない……。だから、我々に出来るサポートをしなければな……」
三人に気づかれないよう、また来た道を戻るように、廊下を歩きはじめるゼフド。歩かずにいるノアの方に少し振り向いて、声をかける
「行くぞ。あの子達の事も心配だ。早く居場所を探さねば……」
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