シンフォニー・レイ

シャオえる

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74. 機嫌を取り戻しに行こう

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「シキ。体調はどう?」
「大丈夫です。今日こそは話を聞きましょう」
 シキ達のいる建物の外では、昨晩たくさん寝て元気一杯のシキがシンクに返事をしていた
「そうね、でも何かあったらすぐ帰るわよ」
 元気な声に微笑むシンク。今日もシキをおんぶして森の中を駆け抜けていく
「あの、お父様は……」
「まだ寝ているみたい。昨夜はずっと、お話ししていたみたいだから……」
 出掛ける前に二人が部屋に来ていた事を聞いていたしシキ。会えなかったことを思い出して、元気だったのがちょっとずつテンションが下がってく
「ねえシキ。あの子達に会う前に、ちょっとお菓子屋さんに寄ってみる?」
 落ち込んでいるのに気づいて、クスクスと笑い提案するシンク。その提案にテンションが戻ってシキの笑顔が戻っていく
「……はい!シンクお姉さま。お土産たくさん買って帰りましょう」



「じゃあ、行ってきます!」
 シキ達が街へと向かっていると同じ頃、ツミキ達もシキ達を探すために、街に出ようとしていた
「気をつけて。何かあればすぐ連絡するようにな」
 玄関にはゼフド達も来て三人の見送りをしていた。ルモカも来ているが、一人あまり浮かない表情
「我々も後程二人を探しに行くが、あまり無理をしないように……」
「はい。それでは行ってきます」
 ミオリがゼフドに返事をし終えるとすぐ、ツミキが走り去っていった
「ツミキ待って!迷子になるよ!」
 急いで後を追うミオリとカエデ。三人が見えなくなって、静かになった施設の玄関に、今度はコツコツとルモカが医務室に戻る音が響く。急いでルモカの元に駆け寄るメルナの後ろ姿を、渋い顔でゼフドが見送っていた


「ルモカさん……機嫌悪いと三人が心配しますよ」
「……そうね」
 メルナの話に、そっけない返事をする。メルナやルモカの助手の人達もルモカの不機嫌が移って、ちょっとだけピリピリとした嫌な雰囲気の医務室。椅子に座ってパソコンをボーッと見ていたルモカがキィと椅子を動かして、隣で資料をまとめていたメルナの方を向いた
「メルナはここに来て、もうどれくらい?」
「え?三年目になりますが……なにか?」
「そう、ノア君もそのくらいよね。知らなくて仕方ないか… 
…」
 ポツリ呟くと、医務室から後にしようとすると、ルモカの言葉に戸惑うメルナに気づいて微笑む。ちょっと疲れ声で、部屋にいた人達にも、声をかけた
「部屋で少し休むわ。何かあれば起こして」
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